ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

夏のストーブクッキング

毎年7月にサワーチェリーが届きます。
今年の7月は気温の低い梅雨が続いています。
生では食べられないほど酸っぱいサワーチェリーは熱を通すと素晴らしい味に変身する。早めに調理しないと!
7月2日の朝の外気温が涼しく15℃でしたので、ドミノ6でチェリー料理を一日頑張ります!!


小布施産のサワーチェリー4パックが届いた。お料理は3種類にしました:

  • 伝統的なチェリーパイ
  • フランス風のさくらんぼピクルス
  • チェリージャム

 

先ずパイの生地を作って最低2時間冷蔵庫で寝かしておく。
サワーチェリーパイ生地のレシピは去年のコラムを見てください。)
次にドミノ6に火を入れよう!

気温が高いので、煙突のドラフト(吸い込み)が確実に吸われるように煙突口の近くに焚き付けを高く組み上げる。炎が木に昇り煙突へ直接流れて暖める。
約8分後、ファイヤーバードで崩して薪を足します・・・


サワーチェリーを洗ってよく乾かす。
そしてそれぞれの料理の分量分けておきます。


サワーチェリーの一番大変な作業は種取ですね!
アメリカのキッチン専門店で買ってきた種抜き機は必需品です。
フランス風ピクルスは種はそのままでしたので助かりましたが、
残り3.5パック分の種抜きが大変だ!肩こりしそうでした・・・


この時に赤の作業服はおすすめですね。
鮮やかな赤い色ですね。さぁレシピを研究しよう・・・


お母さんの使っていた手版のクックブックなら失敗はない!
「料理の喜び」という意味ですよ!


どんどん薪を足していき、オーブンの温度を上げていく。
早く温度を上げたいので今日は廃材を使っています。
こんな廃材は最適ですが火持ちは良くないから30分ごとに足していく。

 

フランス風サワーチェリーピクルス

下準備:ガラス瓶を洗っておく。
殺菌用の熱湯がたっぷり必要なので、水をケトルなどに入れてストーブトップで沸かしておきます。

材料

  • 柄と種がついたままのサワーチェリー …250g
  • 白酢(酸度6%)…125cc
  • 水 …100cc
  • 砂糖 …100g
  • ローリエ …2枚
  • ブラックペッパーの粒 …20個

作り方

サワーチェリーの柄を2cmまで切る。数カ所針などで穴を刺す。
お酢、水と砂糖を鍋に入れて、ストーブトップで強火で砂糖が溶けるまで煮る。
沸騰する前に火から降ろして数分冷ます。

ブラックペッパーを軽くつぶして、ローリエと液に入れます。
瓶を殺菌し、チェリーを入れてその上に熱い液体をかける。
冷えた後に冷蔵庫約1週間保管すると味がなじむ。
賞味期限は1年ほどですが、きっと2〜3日で全部食べてしまいます!

 

サワーチェリージャム

材料

  • サワーチェリー(種無し)…残り(約500g)
  • 砂糖(三温糖)…適量(作り方で説明)
  • レモンの皮 …小さじ1.5

作り方

後でジャムの濃度を確認するために小皿を冷凍庫に入れて置く。
サワーチェリーの3/4を半分に切る。残りは粒のままにする。
ホウロウまたはステンレス鍋で崩れるまで中火で煮込む。
(鋳物は酸味の強い材料と相性がよくない)
時々かきまぜる。汁っぽくなったら火から降ろす。

煮込んだ後その量を測り、その3/4の量の砂糖を加える。
例えば400cc煮込んだら砂糖は300ccにする。
しかしお好みの甘さに調整しましょう。
私は酸っぱい方が好きなので200ccぐらいにしました。
レモンの皮をおろしてレモン汁1/2分を加え、またストーブトップに戻す。
レモンの皮にはペクチンが含まれているのでジャムが固まる用になります。
この時ストーブから離れずに鍋の底にくっつかないように時々かきまぜる。
だんだん濃くなってきます。焦がさないようにゴムベラなどでよく混ぜます。


濃くなったら冷凍庫で冷やしておいた小皿に小さじ載せます。
指で押してシワがでたら出来上がりです。
熱湯で殺菌した瓶に詰めて出来上がり。
冷蔵庫に保存すれば1ヶ月ぐらいは保ちます。


さて、ジャムを味見しながら、ドミノ6の温度をチェックしましょう。


サワーチェリーピクルスとジャム。
原料のチェリーの500グラムがこんなに縮むと思いませんでした。
もう少しできると思っていました。

 

ドミノオーブンの研究


研究のためにオーブンの4カ所に温度センサーを使っています。
自宅なので4個ですが、ファイヤーサイドの研究室のドミノ8には21カ所のセンサーを取り付け、PCにデータを取り込んでいる。


黄線はストーブトップの温度、ピンク線は煙突内部の排気ガスの温度、下の紺色は部屋の温度(室内の熱を外に逃がしながら焚いているのでここでは上がっていません)、その次の3つの青い線は二重ガラスの間のオーブンドアの温度です。
後は3段のオーブン内の温度です。
1時間ほどで200℃近く温度が上がることがわかります。
1時間半で300℃になっています。

 
ファイヤーサイドの研究室のドミノ8は夏でも焚いていますよ!
オーブンドアの二重ガラスの温度センサーが見えますか?


温度の安定とピザストーンとしても使えるため、
オーブンの底に耐火レンガを敷いています。
パンは直接レンガに載せて焼いていますよ。

オーブンのこと:
電気やガスの多くは対流オーブン(ファン付き)です。
対流オーブンの特徴は上下奥手前の温度差が少ないことです。
普通のオーブンの場合は後と前の温度と上と下の温度差が生じます。
どんな料理をしても少なくとも一度回す必要があります。
もちろん薪ストーブのオーブン対流タイプではないので一度お料理を回すことおすすめします!
私たちの研究目的の一つは温度差を最低限に抑える焚き方です。
カステラやパンを焼くと、その表面の焦げ色をグラデーションマップとして使います。濃い色と薄い色のグラデーションを見て温度差がよくわかります。
簡単な焚き方で、オーブンの奥と手前の温度差と、上と下の温度差のバランスがうまくいくコツを皆さまにお伝えしていこうと思っています。


一度も回さないまま焼いてもまんべんなく狐色に焼き上がるサワードゥーパン
温度のグラフとグラデーションマップに使います。


パンの裏にレンガの模様が残っています。

 
何より薪で作ったお料理が一番美味しいね。

これからもドミノのお料理方法をコラムにしますので楽しみにしてください。


The Joy of Cookingを読み、久しぶりなのでパイ生地の作り方を確認しました。
サワーチェリーパイのレシピは去年のコラムを参照してください。

 

サワーチェリーパイ


いつもパイ生地のバターの量が多いことは驚きます。
でも美味しいからねぇ!
しかしカロリーが高そうです!


オーブンの底に耐火レンガです。
暖まるまで少し時間がかかります。
しかし暖まったら温度は安定し、すぐには冷めません。熱も柔らかくなります。
ドミノ6にはちょうど6個が入ります。ドミノ8は8個がちょうど入ります。
パンやピザは直接レンガで焼けるピザストーンと同じになります。
(耐火煉瓦の情報はここ)
オーブンの上の温度を抑えるために、ドミノに付属されるオーブントレーを上の段に逆さにしておきます。こうすると上の熱を遮断して、抑えられる。
写真の右下に温度センサーのケーブルが写っていますね。


パイが焼けるまでどんどん薪を燃やします!


やはりストーブの側がだいぶ暑いので、午後に窓を開けました!


夏のドミノストーブクッキングはいかがでしょうか?


贅沢なチェリーパイをいただきま〜す!


道具洗いが終わったら余熱が残ったストーブトップに並べ、乾燥させます。


今ファイヤーサイドのズク・ショップはお庭がとてもきれいなので是非いらしてください。

 

*黄色のドミノ6は参考商品です。
*薪ストーブの料理中は目を離さないでくださいね。
*薪ストーブの料理中は革製ストーブグローブを使用しましょう。

 

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