ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

ファイヤーボウルの魅力

焚き火が好きです。
小さい枝に火を付けて育てる。
甘い煙の香。
庭の片付けも助かる。
剪定した木の枝や、薪ストーブシーズンを過ぎて余った薪で焚き火したい。

焚き火が好きだから焚き火スタイルを考えます。
人が焚き火を囲んで火と向かい合います。
焚き火を囲む=囲・炉・裏…火が中心。
昔の日本の家には囲炉裏ありました。

キャンプする時に焚き火したい。
庭でも焚き火をしたい。
焚き火をすれば気温が涼しくても外にいられる。
大昔から人間は焚き火をしてきました。
忙しい世の中、そして新型コロナウイルスの時代に、じっくり焚き火の炎を見つめると心の芯まで温まりませんか?

 

アウトドアファイヤー


ファイヤーピット「FIREPIT」
本来地面に穴を掘り、石などで周囲を囲むものです。

ファイヤーボウル「FIREBOWL」(焚き火台)は、火を地面より高く置く容器です。
最近はファイヤーピットもファイヤーボウルの意味になってきています。
焚き火台ならば地面を掘ったりすることをしなくてもいい。
焚き火台なら移動できます。
形状は様々あります。軽量の折り畳み式や組み立て式。
片手で持てる小さいものから直径100cmまであります。


私が使っている焚き火台は80cm∅のYagoonaファイヤーボウルです。
台座がファイヤーボウルを地面より上げて、安定させます

ファイヤーボウルの素晴らしいのがリンググリルというアタッチメントです。
ソーシャルグリル(Social Grill)あるいはアーバングリルと呼びます。
2009年にアレック・スロトツキー氏が開発したものです。
現在
スイスを拠点にしていますが生まれはオーストラリア。
Yagoona(ヤグーナ)はオーストラリアのアボリジニ語で「今」「現在」の意味です。

Yagoonaのソーシャルグリルには2つの高さがあります。
背の低いタイプはYabbi(ヤビィ)。
キャンプチェアなどに最適な高さのロースタイルです。
Yabbiはアボリジニ語で「ザリガニ」という意味です。
背の高いGoanna(ゴアナ)はテーブルスタイル。
Goannaはアボリジニ語で「トカゲ」という意味です。

リンググリル付きの焚き火台は、アウトドアのスーパークッカーです!

焚き火によりリンググリルが熱くなります。
リンググリルの鉄板で食材を焼いたりします。


Yagoonaのリンググリルの特徴として、鉄板は4分割の設計です。
1枚もののグリルは熱により歪みやすいので、4分割の設計にしました。
熱が高くても水平を保ちます。

ファイヤーボウルの上にサポートフレームを置いて補強し、その上にリンググリルの鉄板を載せます。
鉄板とファイヤーボウルの間に隙間ができるため、元気に薪が燃える空気が流れます。
移動する時、4枚分割なので1枚ずつ外して運べます。洗う時も楽です。
ボウルも一人で持てる重さです。

分割なので1枚ずつでも外して利用できます。
リンググリルの組み合わせは自由です。


2枚を片方に。


対面に。


3面で使う。
グリルのない場所は、サポートフレームを利用して串や網を置いて炭焼きBBQをします。

薪や炭の並べ方で熱の調整をします。高温にしたい場所に燃料を増やします。

串の下は炭で焼きます。


インスタ映えのネタですね!笑


アウトドアクッキングが簡単です。


調理台コンロの役目もあります。鍋、ポット、フライパン、ケトルなども置けます。


「リンググリルに食材がくっつきませんか?」
最初に使用する時にシーズニングを行います。
まずリンググリルを洗剤で洗います。
ファイヤーボウルに設置し、火を焚きます。
鉄板が熱くなったら、火ばさみやトングを使って高温に強い植物油を布やタオルで全体に伸ばします。
余分な油を拭き取り、20、30分焼きます。これを2〜3回繰り返します。
油が熱により硬化コーティングされ、食材が付着しません。


シーズニング処理した鉄板から雨が弾けます。


背の低いYabbi(右)とテーブルの高さのファイヤーボウル。Goannaは食卓の高さです。


食卓風焚き火とお料理がniceです!


Goanna  

来年に大きい100cm∅ファイヤーボールとリングリルが登場します。
高さはH80cmの予定です。

 

使い方のヒント

リンググリル(鉄板)を早く熱くする焚き方:
薪を組む色々な型があります。ティピ形、井形などあります。
ティピ形と井形の組み合わせが有効です。

よく乾燥した焚き付け材を、写真のように鉄板の端に沿って「井」を書いて組み立てます。中に小さな木端を入れます。


着火剤を中に入れて火をつけます。


全体に火が回ったらティピのように四辺から順に薪を足していきます。


この作業はファイヤーバードの火バサミがとても使いやすいです。


少しずつ鉄板の下に押し込みます。
薪が燃え切ると熾火に変わってきます。
その熾火も鉄板の奥に差し込みます。
温度調整は燃料の太さや材質で行います。
早く温度を上げたい時は細い針葉樹をたくさん入れます。
温度を一定に長く保ちたい時は、太めの紅葉樹を使います。
もちろん薪以外にも炭も使えます。
直火料理は薪の熾火や炭で行います。ココナッツ炭の紹介はここ。


熱が芯から外へ広がっていきます。


少しずつ薪を鉄板の下に寄せると、その周辺の温度が上がります。


子供にも焚き火の体験をさせましょう。シェイクポップなら小さい子でもできます。
マシュマロを棒にさして焼くのも、子供たちが自分でできますね!


トウモロコシはそのまま置けば蒸し焼きできます。


焼く前に油を敷いて朝食も簡単!


ホットケーキ、お好み焼き、フレンチトースト、焼きそばも。

必須な道具はトングとスパチュラです。
スパチュラは2本で使うことが多いです。

手入れについて

料理が終わった後に、焦げや残りの汚れをスパチュラで擦りながら取り除きます。
まだ余熱があるうちに、シーズニングと同じように植物油を全体に伸ばします。


薄く植物油を均等に伸ばします。余分な油をペーパータオルやウエスで取りながら磨きます。

火が完全に消えたら灰を取り除きましょう。
Yagoona専用アッシュシャベルは、ファイヤーボウルの円形に沿って楽に灰を取り出せます。角形のシャベルより出しやすい。

「リンググリルを外にそのまま置いてもも大丈夫ですか?」
長い間使用しないまま外に放置すると錆びることがあります。
しばらく使用しない場合、鉄板とサポートフレームは屋内に保管しましょう。
短期間の場合、私は陶器のタイルでフタします。


ファイヤーボウルとベースは錆びても良いものです。
「錆=味」なので、わざと塩水を塗る人もいるようです。
ただしリンググリルの鉄板が錆びないように注意しましょう。


完全に冷めたら鉄板とサポートフレームを外します。


屋内で保管するために、収納に便利なオプションのウォールハンガーがあります。

Barramundi BBQ Grill

2009年にBarramundiというBBQグリルがデザインされました。
ァイヤーボウルの中にセットして直火料理と鉄板料理も楽しめる道具です。
A’Designコンペを優勝したデザインです。
バラマンディはオーストラリアボリジニ語で「うろこのデカイ川魚」という意味らしい。

バラマンディの特徴は半分が鉄板と半分がオープングリルのデザインです。
ネジを使わないので簡単に組み立てられます。
私はうろこのデカイ川魚より亀に見えますが….笑
元々ファイヤーボウルの中に入れて使うアイテムです。


ここからリンググリルのアイデアが生まれたそうです。


直火と鉄板、両方同時にできます。


1枚のプレートを外しても使える。
フレームのギザギザは鉄製の串を置くためのラックです。 


リンググリルの上にセットできます。


バラマンディはもちろん焚き火でも使えます。


持ち運び用のキャリーハンドルがついています。


イチジクくるみクリームチーズメープルシロップ焼き。


バラマンディの上にフライパンや鍋など。


やはりアウトドアクッキングなら何でも美味しくなります。

» アレック・スロトツキー氏のブログ

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