すずきみちよ 薪ストーブでおうちごはん

アウトドア料理コーディネーター鈴木道代によるシンプルな素材が生きる「おうちごはん」レシピ

心にしみる鶏粥

薪ストーブ料理-心にしみる鶏粥

 

3月11日

 3月11日東北関東大震災。
神奈川県西部のここ相模湖でも大きい揺れが相当長く続きました。
不安と悲しみが日本中を包んでしまったこの一週間。
娘はその日以降少しの物音にも怖がって私のそばを離れません。

大切な人、家、風景を失くしてしまわれた方々の悲しみを思うと本当に胸が痛みます。
心からお見舞い申し上げます。

地震が来たとき私はたまたま娘の保育園のある篠原の里(薪焼きハンバーグのコラム参照)にいました。
お昼寝のパジャマのままバラバラと玄関に逃げてくる子供たちを校庭に避難させるのを手伝っていると、
すぐに保育士さんがブルーシートを広げて子供らを座らせ、たき火をしてくれました。
火があることで場が作られる安心感。
こんなにも機転が利いてさっと動ける保育士さんに子供が守られていることに感謝。

里カフェのMさんがスープを子供たちにも大人にもふるまってくれました。
その温かいスープを飲んだ子供たちの笑顔、ホッとした表情が忘れられません。
ずっと張り詰めていた大人たちも少し緊張がとけたようです。 
暖かいものがお腹に入るとフワァーと体が緩みます。
コトコト煮込んだ鶏粥、今つらい思いをしている人たちに食べさせてあげたいな。

薪の熱でじっくり煮込み、骨付き鶏から浸みだした白濁したスープは旨みがたっぷり出てホッとする味。
ダッチオーブンの定番人気メニューです。
 
 

 

鶏粥

 

薪ストーブ料理-心にしみる鶏粥-材料

  • 鶏手羽元 …10本 
  • 米 …2合
  • 味付けザーサイ …1ビン
  • あさつき …適量
  • ショウガ …適量

 

 

1.キッチンダッチオーブンに米、鶏肉を入れ、水を八分目まで加えてストーブトップに乗せる。

2.吹きこぼれないように注意しながら時々ふたを開けてチェック。
弱火1時間でこのくらい。

3.2時間くらい煮込む。スープが白濁してきてお米もトロリといい感じ。

4.食卓でお好みで塩を加えます。味付けザーサイの塩気と油っ気がおいしさアップ。
小口切りのあさつきやショウガもいいアクセントになります。

使用ストーブ » バーモントキャスティングス  アンコール

 

 

災害に備えて

 

災害に備えて何を準備しておいたらいいのでしょう。
何より瞬時に判断してサッと動ける本能。生きる力なのではないでしょうか。

もちろん居合わせた場所によってどうにもならないこともあるでしょう。
でも今何をすべきか、右・左どちらに逃げるかの判断で
その後の状況が正反対に変わってくることもあるのではないでしょうか。

私が今回役に立ったのはアウトドアの知恵と道具。
地震の夜は一日停電でしたが、沢水を汲んでキャンプ用のランタンを点け、
ツーバーナーで暖かい食事もとることができました。
ちいさなソーラーパネルで車のバッテリーに充電しているのでそれで電気を点けラジオを聴くこともできましたし。

キャンプ生活の経験が多くあるので、不便な中で必要最低限のものでやっていく術は身に付けています。
そして情報を判断して次に何が必要になるかという想像力。
様々な経験が自信となって、安心感へとつながっていると感じます。(もちろん毎日不安でいっぱいですが)

そして薪ストーブ、本領発揮。
大きな地震があった後には煙突の点検など必要です
計画停電で電気も消えるので、暖房、湯沸し、調理と本当に役立ちました。
炉内で焼いた焼き魚は本当においしい!
プラス火を見ていると癒されるし。

ずっと前から薪エネルギーの時代が来ているとは思っていましたが、
今回の原発震災がまた大きなきっかけになるでしょう。

事故を起こすと放射性物質が出る危険のある発電を
私たちは未来を生きる子供たちのために選ぶべきでしょうか。
放射能の危険を考えながら子供を保育園に送り出す日が現実に来るなんて・・・。

森や動物たち、代々守ってきた農地、大地、水・・・
自然は怒ることなく怯えることなくただ放射能を浴びて自らの力で浄化していく。
それが何年かかろうとも、命果てようとも。
そんなことを考えていたらいろんな感情がどっと溢れてきてとめどなく涙が。

今こそ自然エネルギーへの転換を考えるべきときだと思います。
便利で快適なことを追及するあまりエネルギー消費をしすぎていたことに気づくべきときです。
身近で顔の見えるつながりのある地域社会。
遠くからモノを持ってこなくても回って行く社会。
それこそ大事なのではないでしょうか。

スーパーから続々と米やパンなどの食料品がなくなる中、ちーむゴエモンの米・大豆があり、
パンは友人から薪焼きのものが届き、野菜は仲間の畑から。
そして今回友達や仲間との情報交換やたわいもないおしゃべりがどんなに安心材料になったでしょう。
ここのところ何かと集まってご飯を一緒に食べています。
救援物資を送ったり、ソーラーエネルギーの勉強会したりも。

みんなでウクレレ弾いて大声で唄ったら元気が出てきました。
あるがままを受け入れ、学び、今できる最善のことをしよう。
そして必ず良い方向に向かうと願おう。
ものごとには必ず意味があるのだと信じて。



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