すずきみちよ 薪ストーブでおうちごはん

アウトドア料理コーディネーター鈴木道代によるシンプルな素材が生きる「おうちごはん」レシピ

肉詰めシイタケのマヨ焼き

冬の終わりは伐採の季節。
いまいち日当たりが悪い我が家。
やっと思い立って昔からやり残した大仕事、
庭続きの雑木林の伐採に取り掛かりました。

身近な雑木林を伐採して薪にしたり、キノコを植えたり。
落ち葉堆肥や灰を畑に漉き込んでできる森の循環。

そのような使い方をしなくなって森は荒れていってしまうのでしょう。
この雑木林も地主さんを探し当てて交渉するまでに大変時間がかかりました。

高い木に登りながらの枝打ち作業。
すごく揺れて怖いそうです。
そして根元から切り倒す時はメリメリッという音の後にズシーンという地響きとともに倒れて、何度見ても胸がザワザワと騒ぐ瞬間です。

生きている木の命を頂いて燃料にしている。
そのありがたさと貴重さ。
だからこそ伐採の作業は危険を伴うほど大変で、
そこから得る恩恵は計り知れないのでしょう。

私や娘は枝や玉切りした材を運ぶのをお手伝い。
一本の木を倒すとびっくりするほどたくさんの枝が出ます。
近所の薪割り仲間マキワの友人たちも時間をみては来てくれています。

週末には義父が遊びに来てシイタケの菌を打ってくれました。
ドリルで穴を開けて市販のシイタケ菌をハンマーで打ち込みます。

娘にとっては初めての体験。
日のあまり当たらないところに並べて作業は終了。

思えばあの原発事故以来、庭先でのキノコ栽培はやめてしまっていました。
6年を経た今、自分で伐採したナラの原木がたくさん出ることによって、シイタケを植えてみようかなという気持ちの区切りがついたのかもしれません。

この自分たちで切り倒したナラの原木栽培の生シイタケが採れるのはいつ頃?
2年後くらいでしょうか?

肉厚に大きく育ったシイタケをあっちにもココにも!と言っては収穫する楽しみをまた久しぶりに味わいたいと思います。
もしかすると娘はその頃中学2年生。
果たして一緒にやってくれるものでしょうか??

シイタケに思いを寄せて何かシイタケを使ったお料理を。
娘に何が好みか聞いたところ味噌マヨを塗って焼いたやつが一番好きとのこと。

スーパーにはあまり大きなのはありませんでしたが、
2年後を楽しみに試作してみるとしましょう。
味噌マヨだけでおいしいですが、今日は鶏ひきも詰めたスペシャルバージョンです。

味噌は手づくり味噌。
今年もストーブで似た大豆で味噌づくりをしました。

使用ストーブ » バーモントキャスティングス  アンコール

 

肉詰めシイタケのマヨ焼き

 

材料

  • 生シイタケ …10個くらい
  • 鶏ひき肉 …100g
  • ネギ …10cmくらい
  • 酒 …少々
  • 塩 …少々
  • マヨネーズ  
  • 味噌

 

作り方

1.薪ストーブはよく焚いた後、おきが少し残るくらいにしておく。
2.生シイタケの軸を切り落とす。

3.鶏ひき肉とネギのみじん切りと酒をよく混ぜ合わせ、軽く塩をしておく。

4.生シイタケに肉だねを詰めて、マヨネーズと味噌をあわせたソースを乗せる。

5.炉内にセットしたクッキングスタンドにスキレットを乗せて焼く。

6.表面がこんがりして肉に火が通ったら出来上がり。

旬の菜の花をオリーブオイルでマリネしたものも一緒に焼いて。

生シイタケは肉厚でとてもジューシー。
鶏肉と味噌マヨとの相性もバッチリです。
そしてきちんとシイタケの存在感があります。
おつまみにもお弁当のおかずにも。
ひき肉をのぞいた簡単バージョンでも十分美味しいですよ。
菜の花の苦味と一緒にカラダの中から春を感じます。

 

おかげさまで高い木を切ったら我が家の日当たりはかなり良くなりました。
葉が茂って陽の低い秋のシーズンも明るくなるといいのですが。

気がつくと雑木林に以前はなかった鹿のフンがたくさん落ちていました。
去年の夏はすぐ近所で熊の出没情報も出ましたし。
森をきれいにして動物たちとの緩衝帯を作ることも里山に住む私たちの大切な仕事なのでしょうね。

                  
 Photoes by Michiyo Suzuki
*隔月連載。次回の更新は5月中旬です。 

 

  • ページの先頭へ

薪ストーブエッセイ・森からの便り 新着案内