ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

なぜ薪ストーブを使うことが良いのか

なぜ薪ストーブを使うことが良いのか
次の理由が考えられます。

 

再生エネルギーです

再生は永遠に手に入るという意味です。
ドングリなどを植えれば自然に育ちます。
薪のエネルギーは太陽の力で作られた燃料です。
薪を燃やすと薪にたまっている太陽のエネルギーを引き出す。
真冬に自分の薪ストーブから夏の太陽の明るさが出てくる感じがします。

 

温暖化対策

燃料が点火すると温暖化の原因と言われる二酸化酸素が排出されます。
石油や天然ガスのような化石燃料を使用すると、
地球の中にたまっている二酸化酸素が一方通行で大気に出ていく。

薪も燃やすと二酸化酸素が出ます。
そこだけ見ると環境に良くないようですが、それは違います。
その二酸化炭素は木が成長する時に吸収したものなので、
大気にある二酸化炭素の量に影響を与えていません。
これはカーボンニュートラルと言われます。
薪は地球を温めることなく、我々を温めてくれています。

 

自立性:自分の暖を自分の責任で

環境にどんな影響を与えているかも分からずに、
どこかの石油業者にお金を払って燃料を購入し続けるのか?
それとも、自分の地元の里山などから木を丁寧に収穫するのか?
自分を暖めるために自分の手で燃料を作ってみたい。
その燃料である薪が棚に積んである風景は、この冬の安心そのものです。

 

停電でも家は暖かい

嵐などの災害や電力会社の故障や事故などによりライフラインが切れた時は
一般の暖房機器が使えなくなります。
その時に薪が焚ける人は助かります。
暖を取り、お湯が沸き、お料理ができる安心です。
この時はロウソクやランプを出して停電を楽しむ余裕もできます。

 

 

石油を減らす

薪を使う分=化石燃料を使用しない分。
薪を使えばその分の化石燃料が使用されないので温暖化ガスCO2も減る。

 

熱の性質:体の芯が暖まる

薪の暖かさはなぜ気持ちがいいのでしょうか?
他の暖房に比べて体の芯まで暖まる。
ファンヒーターのような暖房器具は、対流する温風が体の表面だけを暖める。

薪ストーブの熱は輻射熱(放射熱)です。
熱の波が体に浸透します。
その上、薪ストーブは体を暖めるだけではなく心も暖めてくれます。

 

炎の美しさ

柔らかく揺らめく炎は何よりも人間の本能に近いものです。
文明が出来る前から人々は焚き火を囲んで数万年も炎を見つめてきました。
火を捕まえてから人間が自然を支配して生存し、自由が生まれた。
もちろん炎はロマンチックです!

 

経済的

薪を自分で作ればとにかく安い。
1m3当たりの薪を切断するにはチェーンソーや薪割り機の燃料代は1リットルも使わない。
国林、県林、市林、村林、町林から無料で原木をもらえる場合もあります。
林野管理係に問い合わせてみましょう。

また、公園や道路の管理業者、果樹園、製材所などに無料の薪があります。
里山の持ち主にも薪を分けてもらえるでしょう。
原木を購入しても割とリーズナブルな価格で手に入ります。
以下は他の燃料と比較した表です。 

  単位 1単位あたりの燃料 = kcal 1単位あたりの価格 1円当たりの熱量kcal
kg 4500 kcal 50円 90kcal
電気 kWh 860 kcal 24円 35.83kcal
灯油 リットル 8771 kcal 100円 87.71kcal
都市ガス m3 9818 kcal 140円 70.12kcal

※薪1束6~7キログラムの平均価格300円として。自作の薪はこれより安い。

 

お料理が美味しくできる

煮る、焼く、グリル、バーベキュー、オーブン料理、灰の中にサツマイモ、
薫製、直火の焼き魚、パンやグランタンのベーキング、
ジャム、ソース、熱燗、網焼き、串焼き、たこ焼き・・・なんでも。
お料理が上手でない人でも薪の輻射熱と伝導熱なのでなんでも美味しくなります。

 

 

 

熱の幅広い活用

暖房目的だけでは熱の可能性の一部だけを使って終わってしまいます。

湯沸器として:大きなケトルをストーブトップに置けば湯沸器になります。
もちろん鍋を置いてとろとろと煮物をするとクッカーです。
乾燥機として濡れた洗濯物を干してドライイングラックに!
空気洗浄機として
常に部屋の空気を(薪の燃焼空気のため)ストーブが吸い込んでいます。
1時間に数立米の空気がストーブを経由して外気へ排出されるので部屋の空気の入れ替えになります。
ドライヤーとしてドライフードを作ったりハーブを乾かす力があります。
加湿器およびアロマテラピーとして
ストーブトップスティーマーに水を入れて部屋の乾燥対策。
またそれにアロマオイルを入れれば香りが部屋に広がり心の癒しに。

 

 

地元の森林の回復

1960年頃までの里山は、燃料にする薪や炭焼きの材料、田畑の肥料にする落ち葉や草、
屋根葺き用のカヤなどを採る、村落での生活に欠くことのできない場所でした。
国全体の生活水準が向上して燃料に石油やガスが広く使われるようになり、
化学肥料が使われるようになった頃から、
人々の里山への依存度は急に低下してしまいました。

その結果、里山の管理が行われなくなって、
明るいコナラやクヌギの林だった場所は違う種類の植物に変化してしまっています。
薪ストーブを使えば新たに里山の管理が必要になり、健全な森が回復します。

 

家族の談話が増える

一緒に薪を集めたり、薪を作ったり、薪を運んだりすると家族のコミュニケーションができる。
薪ストーブの部屋に家族が自然に集まってきます。
炎を見ながら静かな会話が生まれる。
「ちょっと寒いから薪を入れてね」と
「ちょっと寒いから灯油を入れてね」の違いということかな。

 

健康的

薪割りをすれば体を動かすフィットネスになります。
特に冬は外で体を動かす機会が少ない。
新鮮な空気を吸いながら薪を切ったり、割ったり、積んだり、
家の中に運んだりすることはよい運動になります。

石油ヒーターのような室内排気はしない。
その上、空気の入れ替えをするので部屋の空気がきれいになります。
薪の輻射熱は体の芯まで暖まるので関節の痛いお年寄りも楽になります。

 

安らぎの時間

ぱちぱち静かに燃える薪。外の吹雪と強い風。家の中は暖かい!
ウッドボックスはよく乾燥した薪でいっぱい。
炎を見つめて精神的な時間を大切にします。
斧などの刃を研ぐ時のように、瞑想のような時間に夢中になります。

 

自慢と安心

自分の力で作った薪の山を見るとお金で買えない満足感と安心感があります。
自分で作らなくても、一年分の薪の山が自分の庭にあれば、家族の安全が守られている。
このことが気分的に大切です。
「この冬はなにがあっても皆が暖かくしていられる」と考えると自慢に思えます。

 

仲間が増える

一人で薪を集めるより仲間と一緒に集めた方がいいね。
薪ストーブの仲間を見つけましょう。
自分より詳しい人がいれば知識を分けてもらいましょう。
重い薪を切ったりする時、一人だと大変だが仲間とする薪仕事は楽しい。
薪作りパーティーしましょう!
また、大きな薪割り機がほしくても一人で無理なら仲間で共有することは可能です。
薪ストーブの仲間とお料理してみませんか?
熟練な人と作ると色々な知恵になりますよ。

 

 

子供の体験・教育

木の種類、育ち方、森林に住む動物などの勉強になる。
なぜ木が燃えるか?マッチの付けかたが上手になる。家の中の焚き火です。
子供が大人になった時に薪ストーブの家で育てられた子なので、
自然に対して、エネルギーに対して、普通と違う知恵を持つでしょう。

 

自分でも管理ができる

電気製品などの複雑な機械ではないので、
たいていの人なら自分で手入れと簡単な修理ができる。
今の薪ストーブ、特に鋳物製のタイプならすぐに交換用のパーツが手に入る。
昔に比べて専用道具の開発が進んでいて、煙突掃除も楽になりました。
電化製品と違って簡単な道具があればなんとか使えるので安心です。

 

社会のため

地元の薪を使って地元の木こりさんや里山の持ち主から購入するので、
遠い国の環境汚染する化石燃料を減らせる。
また森林の復活につながる。

 

くつろぎ

薪ストーブの前は暖かい。炎が美しい。
薪ストーブの前はリラックスしてゆっくりする場所です。

 

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コメント

  1. 炎の美しさ、雰囲気、暖かさ・・・
    自分としては酒が美味いことにつきます(笑)

    まぁこれは半分冗談ですがね。
    要するに最後の「くつろぐ」ってやつですかね。
    自分の場合はくつろぎ過ぎちゃう訳ですが(笑)

    自慢と安心もまさにその通りだと思います。
    自分で作った薪は愛おしいです。
    で、割り終えると、どんなにくたびれててもニンマリしてしまう。

    いよいよこれから本格シーズンですね。
    楽しみ楽しみ!!

  2. 薪焚亭主人さん、

    確か「くつろぎ」の枠にはいりますね。最初にローマンスのタイトルにしようと思っていたが、「くつろぎ」の方が巾広いね。「くつろぎ」の枠にローマンスがはいりますね!

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