ホウロウストーブ 手入れのヒント
やっと夏の夜が少し涼しくなりました。
南信州では、いま蕎麦の花が満開です。
秋の気配がしたらストーブに火が入るまであっという間です。
みなさんメンテナンスは済んでいますか?
もうすぐ寒い冬がくることを考えて準備をしましょう。
ストーブを使い始めるとメンテができなくなるので、9月がちょうどいい時期ですね。
メンテナンスしよう!
薪ストーブはだれでも自分で手入れや修理、また煙突掃除ができるものです。
汚れたストーブはピカピカになり、そしてチューニングアップします。
よく働いて暖かくしてくれるストーブにいつも感謝しています。
ひと冬ストーブを使ったあと掃除や調整をし、
劣化した部品などを交換して元の性能に戻すことが大切です。
春、ストーブを使い終わったら灰をきれいに取り出します。
夏のあいだ灰を入れたままだと湿気を吸収して錆の原因になります。
しかし私は煙突の掃除は秋になったころまで待っています。
春や早い夏に煙突掃除をしても、夏のあいだ鳥や蜂が煙突の中に巣を作ることがある。
そのため秋まで煙突の掃除を待ちます。
煙突のトップ(笠)の防鳥アミはおすすめです。
ファイヤーサイドの防鳥アミの目を縦にした理由は?
焼き肉アミのように縦横クロスしていると角に煤が付きやすいわけです。
トップが詰まると煙が部屋に戻る恐れがある!
縦線に角はないから煤が付きにくい。
ストーブのメンテナンスは家族も手伝いさせたい。子供もストーブに感謝します。
煙突掃除のポイント
煙突掃除のポイントです。
ストーブ専門店でストーブの設置計画をするときに、
煙突を掃除しやすいように設計をしてもらいましょう。
私はできるだけ室内から掃除することをおすすめします。
屋根に登って掃除する場合は必ず以下のことに注意しましょう。
安全第一です!
- 一人で作業しないこと
- 高所安全帯(ハーネス)と命縄で体をしっかりしばる。
- はしごなどもしっかり固定する。
- 雨、霜が一滴でもあれば屋根は滑り台のようになりますので、その時は作業しないでください。
- 滑りにくい靴にする。
- 蜂の巣はあるか鏡など使ってよく点検しましょう。
- 蜂の巣があった場合は業者さんに片付けてもらいましょう!要注意です!
今年、私のストーブ炉内にこんなに蜂がいましたので、煙突に巣があるかも!
懐中電灯や鏡を使って煙突内部を点検してから作業しよう。
(今回は巣はありませんでした!)
煙突掃除:室内からの掃除法
準備するもの:
- 煙突の内径のブラシ
- 煙突の長さより長いロッドのセット
- マスクや手袋
- 濡らしたウエス(雑巾)
- 煙突掃除袋
- 新聞/汚れ防止シート
- ワイヤーブラシ
- 掃除機
ストーブに伸び縮みする自在煙突が付いています。簡単に取り外せます。
シングルでも断熱二重煙突でも自在煙突があります。
ロッキングバンドやビスで固定しています。
1~2本目を外します。煤がこぼれやすいので新聞紙など用意しましょう。
煙突掃除袋
右はファイヤーサイドとアウトドアメーカーモンベル社が共同開発した煙突掃除袋です。
煙突掃除袋は非常に便利です。
左は煙突掃除道具入れ専用ロッドキャリーケースです。
» ファヤーサイドの煙突掃除道具
煙突掃除袋の特徴はロッドの差し込み口です。収縮するネオプレンでできています。
煤が室内に漏れないように二重構造になっています。
先ずはロッドを穴に差し込みます。
ブラシをしっかり取り付けます。
ブラシを煙突に10cmほど差し込み、
マジックテープのバンドでしっかり煙突に袋を固定します。
ブラシはロッドに時計方向に回してとりつけます。
掃除する時にロッドを時計の逆方向に回さないように注意しましょう。
2~3回上下に押し引きを繰り返し、ロッドを次々に足していきます。
ロッドは煙突のトップに当たるまで足します。
引くと黒い煤がロッドに付着します。
汚れないように湿った雑巾で拭きながら取り出します。
煤の形状によって燃焼の状態がわかります。
細かい粉なら完全燃焼している証拠です。
煤がベタベタしたタール状の固まりの場合は、
薪が乾燥不足だったり、正しい焚き方をしていない証拠です。
正しい焚き方をすれば1年分でも煤は少量です。
この煤は燃えるゴミで処理しましょう。
ストーブの口元をワイヤーブラシと掃除機で掃除します。
ホウロウの手入れ
準備するもの:
- ワイヤーと歯ブラシ
- ステンレスたわし
- 中性液体石鹸
- 雑巾
- ストーブポリッシュや植物油
- 同色の補修液
- 補修パティセット
- 11mmスパナ
さぁ、本体をきれいにしましょう。
ほとんど毎日ストーブトップでお料理するので私のストーブはかなり汚れています!
熱いときは拭くことできませんのでこんな状態になってしまいます。少々恥ずかしいね!
焦げですね!きれいになるのでしょうか?
お料理したときストーブとウォーミングシェルフの間に汚れが落ちたようです!
11mmのスパナでシェルフのボルトを外します。
頑固な汚れや錆を柔らかいワイヤーブラシで落とします。
中性液体石鹸で本体やシェルフの汚れをとる。その後、乾いた雑巾で拭き取ります。
グリドルハンドルの立ち上がり部分の染みも同じように掃除します。
掃除の後
ホウロウのキズの補修方法
【 補修液と補修パテセット 】
1.紙ヤスリでさびや汚れをとる。
2.補修パテを塗る。
3.乾燥したら紙ヤスリで磨く。
4.十分乾かしてからホウロウ補修液を塗って化粧します。
» ホウロウ補修液とパテ
クッキンググリドルの手入れ
グリドルにストーブポリッシュを塗ります。
歯ブラシでポリッシュを伸ばす。乾いたら雑巾と新聞紙で仕上げる。
ストーブポリッシュの代わりに植物油でもOKです。
出来上がりました。美しくなりますね!
ボトム及びリアヒートシールドのホコリなどもとりましょう。
掃除機で空気の取り入れ口からもホコリやペットの毛などを取り除きます。
南信州の9月の風景
今年は雨が少ないので水不足です。
蕎麦の花はかなり葉っぱがしなびていますね。
秋野菜の種を蒔きましたが、毎日水をかけないと芽が出ない!今年は心配です・・・
栗の実
秋の畑の準備;馬糞の堆肥
スタッフの知り合いが馬の老馬ホームをやっています。
年寄りの馬18匹をお世話している。
堆肥はこの軽トラックのダンプ一杯で¥1,000!安いですね。
これからほうれん草、白菜、大根、キャベツ、レタス、ケール、玉ねぎ、ニンニクなど作ります。
初めてコメントさせていただきます。いつもポールスキャナーさんの文章が載るたびに、楽しく読ませてもらっています。ためになることが多く、薪ストーブユーザーの大先輩の言葉として、心に刻みながら薪ストーブを使わせてもらっています。今回のメンテナンスの紹介もとても参考になりました。また面白い情報を載せてもらえるとうれしいです。さて話は変わるのですが、1つ質問があります。カシナガノキクイムシによる被害を受け、倒木された楢の木を薪として持っていってほしいといわれているのですが、このムシは、木造建築の自宅や他の薪に悪い影響を与えることはないのでしょうか?薪のプロ、ポールスキャナーさんあらご存知かと思い、書いてみました。ご意見を頂ければ幸いです。
タケウッチーさま、
コメントありがとうございました。
カシナガノキクイムシによる被害ですが、先ずは他の薪に移さないように注意しましょう。他の薪と混ぜないことが大切です。家のそばにも置かないようにしましょう。 面倒ですが、皮を取り除くといいと思います。そしてその皮を焼却炉などで廃棄した方がいいです。また薪を家の中に持つ前に必ず虫が付いていないことを確認し、ついてれば取り払ってください。薪を作るに大切なことですが、木を倒す時期です。葉っぱが落ちたらすぐに倒し、そして素早く巻きにします。なるべく倒した木は地面に触れないように保管しましょう。
ポール