ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

薪は日本の未来のエネルギー!

11月に入りました。
ここ長野県駒ヶ根では2週間ほど前から朝と夜にストーブに火を入れています。
皆さん本格的なシーズンに向けて準備ができているでしょうか?
本格的ストーブシーズンに入る前に次のことを確認しましょう。

【薪が乾いていますか?】
薪を割った面で含水率を測りましょう。水分は20%以下が適切です。
薪屋さんに乾いた薪はまだ頼めると思いますが、
毎年12月中に売り切れることが多いので早めに購入する方がいい。

【薪の量は足りるか?】
アンコールの場合は一日平均2~3束使います。何ヶ月分ありますか?

【焚き付けは足りますか?】
一日何回焚き付けるか?朝と晩なら一日2〜3にぎり分が必要です。
シーズン中でも廃材や製材所から手に入れることができます。
薪ラックなどを掃除して薪を移動しておきましょう。

【煙突掃除はすみましたか?
シーズン前に必ず煙突掃除をしましょう。
自分ができない場合は専門業者に頼みましょう。

【ストーブメンテナンスはすみましたか?】
ドアなどの密閉を確認してファイバーロープなどを必要に応じて交換しよう。
表面の錆を取り、ペイントやポリッシュしてきれいにします。


十分な焚き付けを用意しましょう。 

 

日本は薪を焚く国になるか?

未来の日本は脱原発しなければならない国になるでしょう。
先週、東北芸術工科大学の三浦秀一先生の講演

 「地域に根ざした脱温暖化 環境共生社会・木質バイオマスを利用した地域熱供給」

を聞き、感動しました。

薪で暖をとることは家と体を暖かくするだけではなく、
日本の経済や文化に強くつながっています。
なぜ薪は日本で使用すべき燃料なのかを今月のコラムのテーマにしました。

以下、三浦先生の講演の言葉や資料を使用させていただいています。
三浦先生、ありがとうございます。

 

エネルギーシステムと社会システムの転換

  • 原発  → 再生可能エネルギー
  • 大規模集中型システム→ 小規模分散型システム
  • 消費社会  → 持続可能社会
  • 経済重視社会  → 生活重視社会
  • 中央集権社会  → 地域主権社会
  • 企業中心社会  → 市民中心社会 

 

電気は暖房をとる燃料に適していない?

火力発電や原子力発電で作られた電気を一般家庭で利用するまでにその65%を失うこと驚きませんか?
石炭や石油を輸入してその大半を捨てる仕組みは継続できるわけがないでしょう?
世界中の石油はあと42年分しかないといわれています。
今年生まれる子どもたちが厄年ごろに石油がなくなっている。
今のような社会は維持できないはずです。

 

家庭電気消費は照明や家電製品がほとんどだと思っていましたが、
実は消費量の20%程度です。残りは冷房や暖房そして給湯です。
特にオール電化住宅は暖房に電気を使っています。
燃料の65%をエネルギーロスし、そしてその電気の43%を暖房に利用するオール電化住宅。
グラフは山形県ですが、全国のデータもそれほど変わりません。

 


オール電化住宅の電気消費量は一般住宅の約3倍。

 


驚くのはこのオール電化住宅の増加率です。
グラフは北陸ですが、全国のデータでもそれほど変わりません。

 

 

日本の薪燃料事情

日本の薪は燃料としてどうなっているのでしょうか?
1970年ごろまでは住宅の暖房と給湯はほとんど地元の森林からとっていました。

薪や炭が大活躍していました。
薪のお風呂、いろり、釜戸、火鉢、こたつ、だるまストーブなど。

 


日本は先進国の中で3番目に森林面積が多い国。
なんとフィンランドとスウェーデンの次です。
北欧の国は森林のイメージがありますが、日本はなぜないのでしょうか?

 


日本の森林率は約66%(森林・林業学習館より) 

 


日本は先進国の中で森林面積が3位にも関わらず、
燃料としての利用がとても低い国になっています。
他の国に比べて薪(バイオマス)燃料を利用していない。
電気暖房を選ぶとしたらこの国の未来は大丈夫でしょうか?
日本はなぜ自然エネルギーに恵まれているのにほとんど利用しないのでしょうか?

 


しかし、電気の消費量が増える一方です。

 

 

日本のお金はどこにいくの?

海外の燃料を輸入していることは日本の財産が外国に流れる一方ですね。
地元の森林を利用していれば地元の経済にお金が戻ります。
エネルギーシフトして…熱の再生可能エネルギーを町でつくる。

薪を燃料として使えば10万人の町に27億円が残る。
町づくりの経済と温暖化対策、脱原発そして地元の自立制などにつながる。

 


オーストリアでは薪とペレットは総燃料の17%以上を占めています。
バイオマス関係の事業による雇用も多い。
なぜ日本はできないのでしょうか?
海外にそんな大切な財産を流していいの?

 
バイオマス(薪・ペレット)は17%にのぼっている。原子力は0%

 


オーストリアの森林は東北より小さい。
東北はオーストリアのようになったらいいね。

 

薪ストーブとペレットストーブ

日本は薪ストーブに少しずつシフトしている。
大きく見ればわずかな数ですが。
薪ストーブは個人性が大きいのですべての人は難しいだろうか?
薪販売はまだまだ遅れている。
しかしペレットストーブを使っている人は薪ストーブを使っている人よりも少ない。10%もない。

薪ストーブとペレットストーブを比べますと・・・

  • 薪ストーブなら自分で燃料を作れる/自立性が高い
  • 薪ストーブなら電気は要らない
  • 薪ストーブならお料理できる
  • お湯のできるペレットストーブもあるが、薪ストーブならお湯が沸かせる
  • 薪ストーブは静か。ペレットは機械の音がする
  • 薪ストーブは自分でほとんどの修理ができる。ペレットは機械なので難しい

私はペレットが嫌いなわけではありません。
ただペレットを暖房としてストーブだけで利用するのであれば、
今の日本のエネルギー問題の解決にならないと思います。
ペレットでつくった熱を他に利用するのはどうでしょう。

 

オーストリアなどでは灯油やLPガスボンベと同じように、
ペレットの家庭配達システムがあります。
トラックでペレットを供給して、灰などを回収する。
ペレットボイラーは給湯とパネルヒーターや床暖房に熱湯を送ります。


消費者の手間がかからないペレット配達システム。

 

 

未来のためのエネルギーシフト

これから日本の脱原発が一日でも早くくるように、
森林のバイオマスエネルギーの利用を促進したい。
一人ずつでも薪ストーブユーザーが増えるように頑張ります。

また森林の多い市町村が住民のため、経済のため、
そして未来の子どものためにエネルギーシステムをシフトするように願います。

皆さん、薪ストーブは素敵ですよ。
国を平和にしてそして自立的な未来にしてくれるでしょう。

日本の森林についてリンク:
森林・学習館
私の森
資源エネルギー庁
林野庁

 

協力:東北芸術工科大学 三浦秀一 准教授

 



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コメント

  1. どれだけの薪を資源として利用できるかは
    国土に対する森林面積の「率」を見てもあまり意味がないのでは?
    せめて森林面積/人口の比率で見ないといけないと思います。
    そして一億二千万人の全てあるいは大部分が
    森林資源を熱源として利用したらどうなるか。
    薪ストーブは「全員がそれに頼らない」ことが前提になる
    熱源であり、あくまでニッチな存在だと思います。

  2. こんにちは。
    鎌倉も夜は寒くなりましたが、まだストーブ無しでいけます。

    シーズン前に錆を落とすとありますが、炉内の錆も落とし方が良いのでしょうか?

  3. tonさまへ
    確かにton様の言うように、日本人の大半が薪エネルギーに頼ったら大変なことになりますね!
    しかし、いち薪ストーブユーザーとして云えるのは、薪ストーブは、日本人の多くの方が実際には利用できない環境にあるということです。
    都市や住宅街で薪ストーブを使うと、煙等により近隣の方から苦情があるため、薪ストーブ導入は現実的に困難でしょう。
    つまり、薪ストーブは持ちたくても持てない方が多くいらっしゃる現状があります。

    ここで考えなければいけないことは、薪が利用できる環境にありながらも、化石燃料に頼った暮らしをしているケースだと思います。
    私が住む茨城県石岡市(旧八郷町)では、3万人ほどの方が暮らしていますが、周りに多くの森林が存在しており、この地域で住む方の暖房手段として薪を利用する事は十分に可能な環境にあります。
    しかし、そんな環境においても、現実的には薪はほとんど利用されておらず、手入れがされない森は荒れ放題の状態になっているのが現状です。
    成長しすぎた木は抵抗力を失い、虫が食って倒れたり、小さい木も密集した森の中でモヤシの様に細くなり成長しています。
    そして、そのすぐ近くで化石燃料を燃やして二酸化炭素を新たに増やす生活が存在しています。
    私は、せめてこのような薪が利用できる環境にある場所だけでも、率先してそれを利用することは必要なことだと思います。
    私たちが住む地域と同じように、薪が利用できる地域は、日本の中には多く存在しています。
    これらの地域に住む方々が、再び薪のエネルギーに注目してくだされば、尽力ながらも環境を変えていくことは可能だと思います。

  4. みっちゃんさん、コメントありがとうございます。
    実は私も薪ストーブユーザーです。
    みっちゃんさんの仰るとおり、薪ストーブ利用は比較的人口密度が低く
    森林の周辺に居住している私たちの「特権」みたいなものです。
    日本の人口の70%程度は都市部に集中しており
    多くの人にとって薪ストーブは現実的な熱源にはなり得ません。
    利用可能な世帯に今以上に普及が進んだとしても
    日本全体のエネルギー需要を転換すると考えるのは楽観的に過ぎるでしょう。
    理想を語るのはいいけれど、嘘や誤魔化しを混ぜるのはやめてね、ってことです。

  5. tonさま、みっちゃんさま、

    二人共の大切な意見ありがとうございます。参考にさせていただきます。

    ポール

  6. オツジさま、

    炉内の錆ですが、炉内のさびは特に問題ありませんが、部品が劣化またひどい変形されていればその部品交換が必要な場合があります。錆が異常に思われるならその原因を調べたらいいと思います。薪に塩分が多い流木を使用しないようにしましょう。また煙突から炉内に水が侵入していないかの点検しましょう。

  7. とびさまの依頼によりとびさまのコメントとそれに関連するものを削除をさせていただきました。

    たくさんのご意見をありがとうございました。

  8. 11月に入り、青森では薪ストーブを焚き始めました。落葉のシーズンに入り庭には落ち葉がいっぱいです。周辺で薪ストーブを使っている家は少なかったのですが、最近は少しずつ増えてきています。我が家はオール電化ですが、薪ストーブのおかげで光熱費は年間を通じて8千円程度です。ただし、その分薪作りに労力を費やしています。自分の労力が薪となり、冬は薪ストーブを焚いて炎を楽しむ、このライフスタイルを続けていきたいと思います。薪ストーブを使い始めて5シーズン目です。やっと薪の備蓄が3シーズン分となり、軌道に乗ってきました。これからもエネルギーの自活を目標に頑張ります。

  9. なかちゃんさま、

    薪3シーズン分はうらやましい!年間で8千円電力少なくなっていることは素晴らしいね。そしてお金よりも薪ストーブの生活は買えない時間が得ます。その薪作り「苦労」を通じて薪の素晴らしさと大切さがわかります。

  10.  アンコールを愛用しだして3シーズン目です.今年はようやく,冬越しの薪で暖をとれる量を用意することができましたが,まだ,来年分は十分な量がなく,来年分も冬越しの薪にできるように,今後がんばってためなければと思っています.
     私が住んでいる地域は関東平野の端っこの山すそで,江戸時代から林業が盛んだった地です.比較的,薪は入手しやすい環境ですが,それでも主暖房としてアンコールを使おうと思うと,薪集めはけっこう大変です.ぼくは,薪割りや薪集めが好きなので,趣味としてやってますが,薪割りが楽しいと思える人でないと,やっぱり難しい様です.
     私がお願いした建築屋さんは薪ストーブが好きな人で,建て売りの住宅に薪ストーブをつけたりしてます.それが売りとなって,購入者もついているのですが,でも,せっかく家についている薪ストーブを,結局使ってない人が実際には多いようです.それは,分からないでもありません.やっぱり,手間はかかりますからね.建て売りで購入した人では,その大変さを知らないで購入した人も多いのだと思います.
     先日NHKの「クローズアップ現代」でも取り上げていましたが,確かに日本の森林はもっと利用する余地があるはずですよね.薪ストーブももっと活用すべきです.ただ,そのためには,きっと,薪ストーブを使うハードルを下げる必要があるかもなあ,とも思います.薪を作り,必要な人のもとに運ぶような産業がもしできたら,雇用も増えるし良いんだろうけど,大がかりな話になりますね.
     現状では私みたいな「物好き」を増やすのがもっとも有効でしょうか….

  11. いつもブログを拝見させていただいていました。

    わが家では、新築するにあたり「薪ストーブ」を導入することになりました。

    昨日、地元青森の薪ストーブ屋さんでポールさんの講演?実演?に、家族四人で

    参加して「薪ストーブ」の暖かさや楽しさをより実感出来たような気がします。

    娘二人も「いつ薪ストーブのお家に入れるの?」と待ちきれないようでした。

    まだまだ、自宅に薪ストーブが付くのは先ですが、木の切れ端や薪集めに奮闘した

    いと思っています!!

  12. taさま、

    確かに薪を手に入ることがまだまだ困難な問題ですね。石油のような薪配達供給が間に合っていない地区があります。自分で薪作れない人や薪が販売していない場合は薪ストーブがあっても使わないこともあると思いますが、昨年の震災の時に停電などの時でも薪ストーブがあって良かったことでしたので、薪ストーブを普段使わなくてもその時に助かった人は少なくないでしょう。

    薪ストーブユーザーが増えていますので、だんだんと薪の業者が増えるのではないかと思います。

  13. おがちゃんママさま、

    娘さんが本当に薪ストーブのこと気に入るようでしたね。早く薪ストーブの夢が実現になるように!
    ご家族で今から薪を集めてその生活のスタートになりますね!

    ありがとうございました。

    ポール

  14. いつもブログ拝見させていただいております。記事の内容とは違うことなのですが、お聞きしたいことがあっておじゃましました。
    今年、ダッチウエスト社のランドルフを迎えました。まだまだストーブについて知らないことばかりですが、毎日楽しんでいます。
    以前、「ルオムの森」内の薪ストーブイベントに参加したことがあるのですが、リンゴとはちみつのピザがおいしかったのを思い出しました。記憶がうろ覚えで・・・トッピングのチーズが何チーズだったのか思い出せないので教えてください。

  15. はるママさま、
    いつもブログを読んでいただき、またコメントありがとうございました。
    その時のチーズはゴルガンゾーラ(ブルーチーズ)でした。リンゴとはちみつにとても合います。
    またエリンギキノコのトッピングにも焼いてみてください。

  16. 始めまして、ご相談と質問です!

    私も、今年の年末から薪ストーブユーザーになります。
    再生エネルギーと言いますが、半分が森林伐採のようですね。その他として廃材等を利用している。
    (ざっくりですが…)
    さて、自分の最大の疑問は、もし薪を伐採し購入した場合、森に手が入ると、ガーボンナチュラルとか色々利点がありますが、根本的に切ってしまった木に関してです。

    こればかしは植えなければどうにもなりませんよね?例えば私が年間で使用する薪の料ですが、40坪のログハウスウに『VERMONT CASTINGS DEFIANT』を考えております。
    場所は八ヶ岳で標高は1500mです。

    さて、自分は年間を通して薪を地元の薪屋さんから購入する予定ですが、使った分の薪は植える事を前提とした場合、一体どれくらいの量の木の苗を植える事になるのでしょうか?
    広葉樹であれば何十年かかるのか?針葉樹ならば何十年かかるのか?
    これが、見合っていなければ持続可能な再生エネルギーとも言えない気がしてます。

    大切なのは使う人が使った分、植木をする必要があるという事。そしてそれは決して安くないし、その分のエネルギー計算も必要だと思うのです。
    日本における薪使用量の年間平均は 9.0 m3とありますが、これが広葉樹の場合、一体何年かけて育つのでしょうか?
    自分はせっかく薪ストーブを使うのだからこの辺も心がけていたいのです。
    そしてソレは燃料としては高く付く。再生料金がかかるからで、また、エネルギー問題を出すのであればこの問題解決は必然であると思います。

    どのくらい薪を使ったら(広葉樹)どれだけ植えるのか?分かる方お教え願います。

  17. 中林昌人さん、

    コメントありがとうございます。立ち木から薪をを使用する量と植林の数量について簡単に答えることできません。薪用の広葉樹を植えてそしてそれを収穫するサイクルは約10から15年でしょう。気候や品集なども変わってきます。一本の15年育った木の幹と枝すべて利用するので7から10本程度でしょう。私は森林の玄人ではないのですが自分で植えた木が12年目安で収穫できます。なので毎年10から20本の苗木を植林すれば永遠に薪が収穫できると思われます。
    Vermont Castings Defiantは最も燃費に良い薪ストーブなので大切な薪を効率よく燃やしたいならベストだと思います。
    近くの森林組合や林野庁のHPには情報を取ったらいかがでしょう?

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