ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

土の中から出た鋳物の迷路

今年はバーモントキャスティングス35周年の年です。
バーモントキャスティングスといえば薪ストーブですが、実は色々な鋳物のグッズも作ってきました。
今回はその中から一つの珍しいものとその伝説を紹介したいと思います。
それは「The Story of the Amazing Gizmo~不思議なギズモ物語」という鋳物の迷路の話です。

The Story of the Amazing Gizmo

この紙はその「ギズモ」に付いていた説明書の表紙です。
(「ギズモ」は「仕掛け」の意味です。)
よく見ますとバーモント州の四季を表現する可愛い水彩の絵です。
中を開きますと「不思議なギズモ物語」が書かれています。

今までこの「不思議なギズモ」は二つしか見たことがないです。
一つは田渕義雄さんにプレゼントしました。もう一つは大事にしています。
この話からはバーモント州ならではの激しい四季の変動のことなどがよくわかります。
以下私の翻訳で楽しんで下さい。(下手な翻訳でごめんね!)


 
 

「The Story of the Amazing Gizmo ~不思議なギズモ物語」

『タグセール(ヤードセールや蚤の市のこと)はニューイングランドの伝統です。
時々、特別に興味深く価値の高い骨董品を発見することがあります。
最近(当時のこと)バーモントキャスティングスの二人の鋳型職人
トニー・ルボルド氏とエド・モリソン氏が
タグセールで100年以上前のバーモント州の地図を手に入れました。

地図をよく見ると、近所に姿が消えた鋳物工場の場所が表示されていることがわかりました。
昔の鋳物工場のことに興味深々の二人は感動して、
その地図に記された土地を探検するため、
次の土曜日にスコップと金属探知機で武装して出かけました。

そしてついにフェヤーリーという町の付近にその場所を見つけました。
しかしそこは自然に返り、薮の中には工場の基礎の薄い線しか残っていませんでした。

その場所を一生懸命掘り起こした我アマ考古学者たち。
そしてその土の中から見つけた宝の中に「不思議なギズモ」がありました。
それは絵のような曲がりくねったパズル。
大人でも子供でも楽しませる(そして迷わせる)鉄の鋳物製の二面迷路です。

昔の鉄の鋳物は大変興味深い。
このような工業的歴史のある品を多くの方に知ってもらいたいと、
土から掘り出したオリジナルの迷路を多少現代的にアレンジして復刻しました。
(トニーとエドさんは今でもオリジナルを大切に持っています)

これで遊んでたくさん楽しい時間を過ごしてください。
そして、我々鋳物技師の祖先から受け継いだ伝統の品が、
みなさんの楽しい思い出と共にあるように願っています。


      
↑「不思議なギズモ」のトラベラーの表と裏です。
内側の小さな2つの突起で迷路板を挟み、溝に沿って移動してゴールを目指します。
突起が当たる位置は表と裏とで違います。
できるだけ実寸の写真です。


↑「不思議なギズモ」の迷路の表側です。季節はI,II,III,IV


↑迷路の裏側です。表と裏と模様が違います。
裏は特に季節は分かれていません。

【 遊び方 】
さて、「不思議なギズモ」のトラベラーの2つの突起を迷路の溝に沿わせて、
蛇行運転しながら、四季の迷路のゴール目指してがんばって下さい!
各季節の間は一時停止をして、今どこから来たか、これからどこに行くかを考慮してください。

1. 春。旅を始めるにはいい季節。
希望に満ちている。来年の薪はきれいに積んであり夏に乾燥する。
そして進みまして…

2. 夏。薪焚き人としては静かな季節。
春の苦労と冬の厳しさの幕あい。
しかし、すぐ夏が終わり…
そして進みまして…

3. 秋。数週間の怠け者となった夏の回り道の後に、早い霜が冬の事実を運んでくる。
束の間の季節なので、秋の合間をできるだけ楽しもう!

4. 冬。あとはトラベラーとゴールの間。
一番長く、そて最も骨の折れる季節。最後の障害物です。

尚、鉄の鋳物は魔法の素材でありますが、無理して通すのは禁物です。
我々ライフ・トラベラーと同じように、
やさしく誘導してあげればゴールが見えて勝利の日となるでしょう。

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