ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

石に薪ストーブの熱を!

私は冬の寒さに弱い人です。(夏の暑さにもっと弱いけれど!)
特に布団に入るとき足が冷たいのが嫌いなのです。
電気毛布の手があるが、昔からなるべく電気を少なくしようとする考え方があり、
基本的に電気製品を使わずに別の方法を考えるようにしています。

しかし、パソコン、テレビ、照明、iPod、携帯電話を使っていますので、
電気なしで実際に仕事や生活をすることが難しいです。
けれども時間と手間をかければ、電気無し、そして豊な暮らしが可能です。

そこで今回のコラムは 『石を使ってストーブの熱を広げる』をテーマにしました。
初めてストーブトップに石を置いてみたのがいつだったかはっきりしたことは忘れましたが、
自分の記憶では20年以上前でしょう。

 

石は暖かさを放出する

昔からヨーロッパそしてアメリカの壁付き暖炉には
大きな石やレンガのハースとマントルがついていました。
これに熱を蓄積し、火が消えても石から暖かさを部屋に放出する仕組みでした。


昔は石やレンガの暖炉で調理をしていた。
前にあるのはトースターのようです。パンを挟んで焦げ目をつける。

今も薪ストーブの壁や炉台を厚い石やレンガで作ります。
これはただのインテリアではなく、
ストーブの熱を蓄熱をしてストーブが消えた後でも暖かさを部屋に戻す効果があります。
単に石やレンガでストーブの下や壁に作るのでなく
安全のため各種のストーブ設置基準を守ることが大前提です。

 

 

ストーブトップの石遊び

旅先では思い出に面白い石を拾って帰るのを習慣にしていました。
地方によって石の色や形が違うので石のコレクションを始めた。
なるべく平らや丸いものを集中して集めました。
海のそばのもの、登山の帰り(重い石は思い出…)
夏に川に遊びに行く時や外国などでも集めました。

最初は玄関の観葉植物の台として使い、
年々コレクションが金魚の水槽の底や庭に移動されました。

そのうちに石を薪ストーブのトップに置くようになりました。
ストーブトップに置くとストーブの熱を吸収して熱くなります。
寝る前にはその暖まった石をカイロに使えます。
要らない靴下や布の袋に入れて布団の足下のところに置きます。

その他の利用法として、
ストーブトップ料理の熱を柔くするためにトリベットを使いますが、
平らな石を鍋の下に敷いても同じような効果があります。
またコーヒーポットやマグカップを石の上に置いて冷めないようにできます。

色々な石を使ってみると脆いものもありました。
知り合いの石材の専門家に相談をしたところ、
ストーブトップに一番適切な素材は溶岩石や石けん石(ソープストーン)。
溶岩石は高熱を加えても割れにくいそうです。
色々な形の溶岩石を分けてもらってストーブトップの石遊びをしています。
 


私のデファイアントのトップの様子です。
が、よくトップローディングを使っていますので、実は一度にこんな数を置いていませんよ!


私が開発したホットストーンです。
岐阜県の御岳山(3,067m、日本100名山)の溶岩を使っています。


ストーブトップで熱を加えて、付属の布袋に入れて布団の方へ。
熱すぎると袋や布団が焦げますので、表面温度を確認して袋に入れます。
目安は180℃以下です。
筋肉痛や腰が痛いときは暖かい石を当てると非常に気持ちがいいです。


マグカップを熱いストーンに置けば保温されます。
テーブル保護のためにコースターを使いましょう。


いちごジャムなどを煮詰めるのにホットストーンがちょうどいい。柔らかい熱に調整できます。


熱燗はとっくりをそのまま石の上に!
鉄瓶に入れたばかりのコーヒーや紅茶は冷めません。


お湯を沸かし続ける場合、空焚きを防ぐのに役に立ちます。


エスプレッソ・カプチーノメーカーを使うときには
ホットストーンと山形鋳物のティーポット(S)を組み合わせる。
高さもちょうどいいし、鉄瓶が熱くなりすぎるのを防ぎます。
そのまま置いて保温できます。


石材の専門家にもらった調理用の石です。
「直接焼き肉をしてみてください」と言っていたが、まだやっていません、、、
デスクワークの時、この大きい石を足下に!
マフラーや毛布に包んで、石を足の下に敷くと気持ちがいいですよ!


左はファイヤーサイドの製品のホットストーンです。
その横にあるのは知り合いにもらったラフなタイプです。
パンをのせてトースト! 餅をのせて海苔と醤油、お雑煮!

ある駒ヶ根の人気料理店では、木皿に置いた熱い石で自分でイカを焼いて、わさび醤油で食べる。
お酒にとても合います。
ストーブトップの真ん中辺に置けばそれぐらい熱くなりますよ。


手前にあるカマボコ状のストーンは
FSホットストーンの加工に失敗したものですが、、、


縦にして、、、


綿で作った袋をかけて、、、


私の布団に行きます! 朝まで足の指を暖かーく!
注意するところは火傷です。
温度が低くてもずーっと当てていると火傷することがあります。
なるべく直接触れないように使いましょう。
直接触れなくても放熱しますので、近くに置いても暖かいですよ。


このような細長い石を拾いましょう! こいつがちょうど靴下に入る大きさです。


靴下に入れるとアンカになる。靴下ウォーマーにもなる。
寒い外の犬の散歩前に靴下の中に石を入れておく。それから履くと暖かい。


温かくして使うだけではない。
石を冷凍庫に数時間入れて夜のドリンクのコースターとしていかがでしょう!
冷えている石はドリンクの冷たさを守る!
今日はト二ックとシークァーサー とカンパリで~す。

Photos by Paul Kastner Copyright 2012


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コメント

  1. FIRESIDEさんから辿ってきました。

    近くの薪ストーブ取り扱い店の
    チラシを見て以来
    すっかり惹きこまれてしまいました。
    アイデア次第で色んな使い方ができて
    とっても楽しそう♪
    暖めた石は石けん作りにも活用できそうなので
    いつか薪ストーブを使えることができたら
    試してみたいなと妄想しております*

    駄文、失礼いたしました。

  2. れりままさん、

    木の灰で石けんが作れると聞いたことがありますが、暖めた石をどうやって活用しますか?
    薪ストーブが使える夢は実現になるといろいろ面白くなりますね。

  3. 石の記事、とても楽しく拝読させていただきました。
    わたしも旅行先などの海岸でときめく石を見つけると拾って帰ってきては意味もなく集めてしまうクセがあります。
    トイレに飾ったり、メダカの水槽に入れたり、子どもの庭遊びおもちゃになったり。

    来週、我が家にも薪ストーブが導入されることになりました。
    私の持っている石の種類が何なのかはよくわからないけれど、
    それもストーブで暖めてカイロに使えるということですよね??
    う~ん、楽しみ!!絶対やってみます!!

    素敵なアドバイス、ありがとうございました。

  4. コメントへの返信ありがとうございます♪

    灰で石けんが作れるというのは
    石けんの起源ですね。
    肉を焼いた跡の脂と混ざった灰がついた手を洗うと
    泡が立ったのが石けんの始まりだそうです*

    石けん作りでの暖めた石の活用法は
    油脂とアルカリを混ぜたあとに
    一気に温度を下げないために
    発砲スチロールの箱などに入れておいたりするのですが、
    それの代わりにできないかな?と思いまして。
    私もいつかの薪ストーブのために
    石拾いしてみようかな♪

  5. 牛脂とかでも作れるみたいですが
    植物油がメインですね!
    オリーブオイル、パームオイル、ココナッツオイルなどをベースに
    季節や肌質、目的などに応じて
    他のオイルやクレイ、エッセンシャルオイルを混ぜたりします。
    油脂+苛性ソーダ+水があれば石けんは作れます。

    私がよく作るのは天ぷらなどをした後の
    ユーズドオイル(つまり廃油)石けんです。
    お皿洗い用に常備してます。
    合成洗剤に比べてすっきりと落ちないことはありますが
    肌にも環境にもお財布にも優しいので使っています***

  6. れりままさん、

    植物性の油の方がやさしいと思います。
    是非一度作り方を教えて下さい。
    よろしくお願いします。

  7. ポールさんが石をすでに商品化していたとはさすが!。。。

    我が家もずっと以前から、石がストーブの上で活躍してますが(石油なのが残念ですが)、旦那さんが河原から拾ってきたので大きくて重くて、
    http://p.twipple.jp/kwx1z

    女性向けにこんなかわいい石なら気軽に取扱できて良さそうですね!

    暖めるだけじゃなく冷やすのにも使えるとは・・・!

  8. 石けんの作り方は
    ここに書くのは大変なので
    おすすめの石けん作りの本を紹介します。

    小幡有樹子さんの「はじめての手作り石けん」
    前田京子さんの「お風呂の愉しみ」

    新しいオイルで作るなら
    この2冊を参考にしてみてください。

    ユーズドオイルなら
    今井龍弥さんの「3日で効く美肌スキンケア」
    がおすすめです。
    ペットボトルを使った作り方なので
    初めての方でも作りやすいと思います。

    どの本の作り方でも
    苛性ソーダという強アルカリの劇物を使うので
    取り扱いには十分に気を付けてくださいね!

    ポールさんに合う
    素敵な石けんができることを楽しみにしています*

  9. れりままさま、
    本の紹介ありがとうございます。
    探してみます。
    近くの農協でこんにゃくの材料のため苛性ソーダ売っています。
    香料は仲間のエッセンシアルオイルの専門家と相談します。

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