ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

灰受け皿でお料理(前編)

最近の薪ストーブには灰受け皿がついています。
灰を炉底の穴に落としていっぱいになったら、引き出して取り出し易い便利なものです。
昔の薪ストーブの炉底は板状でしたので、灰を出す際はシャベルなどですくい取りました。

バーモントキャスティングスの初代デファイアントなどは灰受け皿がありませんでした。
多燃料ストーブ(薪や石炭)には付いていたが、薪燃料のみのストーブには灰受けは要りませんでした。

石炭を燃焼させるストーブは、空気を燃料の下から送り込まないとうまく燃えないため、炉底は格子状またはシェーカーグレート(レバーを動かすと灰が灰受けに落ちる仕組み)がついています。
この穴が灰で詰まると燃えが悪くなる。

最近の薪ストーブのドアガラスは、汚れを防ぐために空気がドアの上から薪の方に流れます。
石炭ストーブに必要な機能を薪ストーブにつけたら便利になりました。
でも私は「灰受け皿」を灰を受けるために使っていません!

一つの理由は、薪を長時間燃焼させたいからです。
ストーブユーザーの多く、特に初心者は毎日まめに炉の灰をきれいに掃除します。
しかし灰がないと、熾き火がなかなか長持ちしなくなります。
火鉢などの灰は断熱性能により炭が調子良く燃えてくれます。
火鉢と同じことで、薪ストーブにも灰があると安定した燃え方をします。

炉内に灰を3〜4cm残すと薪が楽に朝まで持ちます。
下から一次空気が流れる仕組みのストーブ(ドミノなど)の場合は、格子の穴から灰を除くとよく燃えます。

灰受け皿でお料理の初体験。
数十年前、田渕義雄さんから、サツマイモやジャガイモを灰受けの中に入れるベークポテトの作り方を教えてもらいました。初めてでした。
簡単でいつでもできるものです。

皮付きのまま灰受けに放り投げて約40分で出来上がります。
灰がついてしまうが、非常に美味しく焼けました。
醤油やバターやクレームフレーシュをつけて食べる。
私にとって少し乾きすぎるので、濡らしたキッチンペーパーとアルミホイルに包みます。
乾かずに水分で蒸すので、とても美味しくできました。

 

「オーブンプレート」開発の話

私は炉内料理をよくやりますが、炉底の格子穴に熾き火などが落ちてしまい、ピザなどの料理をする時に困っていました。

あるストーブ屋さんを訪ねた時に、
「面白いことを発見したよ」
「炉底の格子を鉄板で塞いでみました。灰受けに灰は落ちなくなりましたよ」

問題は、鉄板で塞ぐと灰受けに灰が落ちなくなっしまうことです。
でも私はそれでいいです。
なるべく灰を炉内に残し、長時間燃焼になる。
そして灰受けで料理した時に灰で汚れなくなります。
なんと灰受けがオーブンに変身します。

そのストーブ屋さんの鉄板は3mm厚でしたが、すぐに歪みました。
6mmや9mmも実験しました。
私は6mmを使って8年目になりますが、計れる歪みがほとんどありません。
そんなことから、灰受けを簡単にオーブンにできるように
「オーブンプレート」を開発しました。


灰をすべて取り出すことはしないで、多すぎる時にはシャベルで1/3ぐらいを取る。
焚き付けする時は、中心からシャベルで灰を一杯を取り、そのくぼみに着火剤など入れます。

 
オーブンプレートの利点は:

  • 灰受け皿がオーブンに変身:いつでもオーブン料理が可能。
  • 灰が灰受けに落ちないため薪の持ちが長くなる。
  • 熾き火が落ちないので炉内料理の温度管理が楽になる。
  • 灰受けドアから空気が炉内に漏れないので過燃焼を防ぎ安全である。
  • 炉内の部品(グレートなど)が長持ちします。

 
注意:オーブンプレート無しで燃焼中に灰受けドアを開けてはいけません!

安全のため、本来ストーブ燃焼中は灰受けドアを開けてはいけません。
下から空気の量がものすごく強く流れ込むので過燃焼になります。
炉内の部品や煙突が歪み、傷み、劣化してしまいます。
また非常に高温になるので大変危険です。
乾燥が足りないと薪はよく燃えないので、
初心者が灰受けドアを開けて火を強くしていることがあります。
そんな時は正しい焚き方を覚えてもらって、乾燥薪を使用するように教えます。
燃焼中は、オーブンプレート無しで絶対灰受けを開けてはいけませんよ。

» オーブンプレート リリース情報

 

オーブンプレートの設置方法

注意:ストーブが冷えた状態で行います!

まずは薪止めのアンダイアンを外します。

炉内に残った灰や炭を完全にきれいに取ります。
少しでも灰や炭を残すとオーブンプレートと炉底のの間に隙間ができます。
気密が悪くなりますのでご注意ください。

後でプレートの上に灰を3cm程度を戻しますので、灰をとっておきます。

注意:灰を捨てる場合は必ず金属製の灰取りバケツに入れて、
不燃材の床の上に置きます。
ファイヤーサイドが開発した「オーブンプレート」を置く。
手前を先に置いてからね!
降ろすときに指を挟まないように注意してください。


薪止め用のアンダイアンを戻します。

 

灰受けを使ったオーブン料理の方法

できれば3cm程度の灰をオーブンプレートの上に戻します。
灰受けオーブンの温度調整は、灰の量と薪の量で調整します。

温度を高くしたい時

  • 灰を薄くします。
  • 薪の量を多くします。
  • 熾き火を中心に寄せます。
  • 燃焼空気を多くします。

温度を下げたい時

  • 炉内中心の灰を厚くします。
  • 薪や熾き火を左右に寄せます。
  • 燃焼空気を減らします。
  • 灰受けドアを開けて冷やしておきます。

 
容器が灰受けに入るか事前に確認します。
灰受けに入る金属や焼き物製のバットやトレー。
ストーブが冷えている状態でちゃんと入るかを確認しておきます。
容器の巾と長さと高さを確認します。
大きすぎるとドアがうまく閉まらないのでお料理する前に入れて置いてみましょう。

オーブンプレートを設置した後、灰受けの空気遮断力を確認します:
オーブンプレートを使えば灰受けドアから空気が流れなくなります。
灰受けドアを開けてもストーブや煙突の部品の傷みの心配は要りません。

1. オーブンプレートを設置後に小さな火を焚きます。
2. 火が強くなってから灰受けドアを開けます。
3. 火の状態が変わらないか確認します。
灰受けドアを開けた際に火が強くなると、プレートに下に隙間がないかを確認します。
ストーブが冷えたらもう一度炉底を掃除して、炉底とオーブンプレートの間に何もないかを確認します。
4. お香などを灰受けの枠に当てて、煙がストーブに流れるかを確認します。
ストーブにお香の煙が流れたらプレートの下に隙間がないか確認します。
ストーブが冷えたらもう一度炉底を掃除して、炉底とオーブンプレートの間に何もないかを確認します。

 
後編では、灰受けオーブンを使ったお料理のレシピを紹介します!
» 灰受け皿でお料理(後編)

      



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コメント

  1. 私も、ストーブ購入時に鉄板を敷くことを教わって、灰受け皿は使っていません。灰受け皿を使うと、灰処理時に炉内に灰が舞うのと、灰受け皿の清掃が煩雑なので、1度だけ使ってみましたが、すぐに鉄板を敷いてしまいました。灰を2~3cmの深さに保つように、火が落ちている朝に灰を掬っています。
    灰受け皿での料理について、焼き芋はやっていますが、複雑な料理はやっていないので、次回の記事を楽しみにしています。

  2. 燠を残して長い間温かくしたいので薄いステンレス板を敷いてつかっていましたが、すぐゆがみます。料理をしたくても灰受け皿は灰だらけです。
     大雑把な性格なので料理に灰がついてもまあいいやと使っていましたが、このプレートが出たのでとても楽しみです。料理編楽しみにしています。

  3. なかさん、
    コメントありがとうございました。おっしゃる通りです。
    芋以外でも簡単にお料理ができるよ。

    rosemaryさん、
    今回のオーブンプレートを一度使えば毎日灰の付かないお料理は楽しめますよ!

    本日に料理編は投稿する予定なのでよろしくお願いします。

    ポール

  4. オーブンプレートはいつごろ、いくらで発売されるのでしょうか
    私はアンコールを使っているのですが、灰受け皿はシーズン中は開けたことがありません。今シーズンは掃除が楽だから灰受け皿に灰を落とさないようにしようと思ってました。でも灰受け皿をオーブンとして使うことは考えてませんでしたね…
    オーブンプレートはナイスタイミングでの紹介です。
    教えてください。よろしくお願いします。

  5. オーブンプレートの発売のニュースは嬉しいです。我が家はガスオーブンを使用してましたが、IH化に伴いガスの供給停止となり、5㎏のガスボンベをその都度準備して大変でした。昨年度アンコールからデファイアントにバトンタッチ、その大きな灰皿の利用で自分で釣り上げた♪これぞ本物♪偽り無し…瀬戸内海産桜鯛等を焼くのを、今から楽しみにしてます。オーブンプレート万歳!!

  6. iidaさん、
    コメントありがとうございました。発売はもうすぐですが、今月中にはできあがります。
    価格ですが、アンコールのオーブンプレートは¥5,000(税別)デファイアントのオーブンプレートは¥6,000(税別)になっています。

  7. 素晴らしい情報ありがとうございます。
    アンコールで、18年目になりました。
    3年目ぐらいから灰入れは、使っていません。
    灰が詰まったままです。

    カタログに掲載されていませんでしたので
    オーブンプレートをDIYで作ってみました。
    材料は、余った縞鋼板 t=6mm
    サイズは、グレートより少々大きめ
    取り外し用に8mmボルト 2本をタップにてつけました。
    灰の高さが30mm以上なので35mmのボルトに今度換えます。
    近々にオーブンでとりあえず 「焼き芋」作ってみます。
    オーブン情報たのしみにしています。よろしくお願い申し上げます。

  8. chat mさん、
    3年目から灰は出さないでしたね。自作オーブンプレートになって何年になりますか?
    ボルトで灰の深さを測ることは非常にグッドアイデアですね。参考にさせていただきます。
    他にアイデアがあれば是非教えて下さい。
    焼き芋はほとんど失敗なく美味しくできますよ。
    よろしくお願いします。
    ポール

  9. ポールさん
    プレートは、このサイトを参考に
    今年 今週 月曜日 11月25日に作成しました。
    従ってできたてほやほやです。
    灰入れ皿には、まだ灰が入っています。
    今週末に、 ひずみ具合をチェックです。
    その後、灰を取り除き
    オーブンとなることを楽しみにしています。

    ボルトは設置時にも楽でした。
    オプションでタップ穴いかがですか?
    よろしくお願いします。 chat m

  10. chat mさん、
    わかりました。参考にします。
    こちらの方でものだけ用意するだけではなく、安全性、取り説もつくらなければならないので発売が若干遅れています。
    よろしくお願いします。ポール

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