すずきみちよ 薪ストーブでおうちごはん

アウトドア料理コーディネーター鈴木道代によるシンプルな素材が生きる「おうちごはん」レシピ

アロハなロコモコ!

ハワイ、カウアイ島に行ってきました。
ハワイの中では一番古くにできた島で、緑がいっぱいでしっとりした雰囲気。
そのためガーデンアイランドとも呼ばれています。

忙しい日常から全く離れてゆったり〜と過ごしてきました。

とは言っても見ておきたい場所はたくさんあるし、事前に調べておいたランチ屋さんは誘惑するし、娘は時間さえあればビーチかプールで水に浸かっていたいし・・・とやりたいこと盛りだくさんな日々ではありました。

宿はインターネットで見つけたバケーションレンタル。
自炊ができてリビングと寝室が別になっているのを条件に探しました。

数日間ですが暮らすように滞在するのが我が家のスタイル。
ファーマーズマーケットで農家さんから野菜やフルーツを買ったり、普通にオーガニックスーパーマーケットがあるのもうれしい。

旅の最初にお米やビール、シャンプー・リンスなどを買い出しにいきます。
パンやジャム、蜂蜜もゲット。

アメリカーンな大型スーパーでずらりと並んだ超ビッグな食材を見るのも楽しい。
ジャンクなお菓子なども迷わず購入。

 

ハワイのご飯屋さん

カウアイにはおいしいレストランやカフェはあるのですが、
どうしても割高になるし(一皿12ドルくらいがカジュアルなお店での相場。
ディナーだと前菜やサラダもつけるのでもっと割高に。
日本のワンコインランチとかが安すぎるのかも??)、
いかんせん量が多すぎて・・・。
一回外食すると胸までいっぱいで、あとは軽めにサラダとかおつまみ程度でいいかなぁという感じ。

今ハワイはご飯屋さんが盛り上がっているんです。
地元の素材を使い、ハワイのローカルとアメリカン、それと世界各国の料理を組み合わせたプレートランチ屋さんがたくさんありました。

たとえばコレ。

フリカケチキン(衣にふりかけをまぶして焼いたチキン)+ごはん2スクープ+小松菜のあえもの+マカロニサラダ。

これはホノルル空港そばのTATSUO〜竜雄〜というレストランでした。
日系のファミリーの経営かしら。
お店の方みなさんアジアンのお顔。
でも日本語はあいさつ程度であとは英語オンリー。

あまり日本人観光客が来ないエリアのようで、日本のどこから来たのか?なぜこの店に来たのか?とかいろいろフレンドリーに話しかけてきてくれてボールペン3本もくれました。

日本で食べているものと同じようだけれど、味はどこかおおらかでハワイアンになっている。
でも馴染みの醬油味ベースでとてもおいしい。
もちろん普通のアメリカンな料理もたくさんあるのだけど、どこか日本の名残のある料理も並んでいます。
それを白人やローカルの馴染みのお客さんらしき人が普通に買っていくのがおもしろい。
たぶん日系4世の方なのでしょう。
家の味がずっと伝えられているってすごいことだなと思いました。

言葉は使わないと忘れていってしまうけれど、味覚というのはずっとずっと深いところで体に染み付いて伝えられていって、その人となりを作り上げているのではないかなと感じました。
私のごはんも娘からその先に伝わっていくのでしょうか。
日々の食卓を大事にせねばとあらためて思います。

 

そしてありましたよ。
ハワイの一番有名なローカル料理、ロコモコ!
ごはんの上にハンバーグと目玉焼きが乗ってうえにグレイビーソースがかかったもの。ご飯がチャーハンだったりハンバーグでなくてカルアポーク(ハワイ風お肉の蒸し焼き)だったりとお店によっていろいろ。
上にかけるグレイビーが各店ご自慢のオリジナルのようです。
どのお店もどーんと大盛り。
これが朝ごはんの定番というのだから・・・

ハワイを思い出しながら、でもボリュームは日本風で作ってみました。
子どものころ読んだアメリカの童話にグレイビー(肉汁)とあってどんなものかと夢を膨らませていました。
ハンバーグの焼き汁をベースにタレを作るのですが、日本人的には塩と醬油でOKのようです。

 

アロハなロコモコ

材料

  • 牛豚合い挽き肉 …400グラム
  • 玉ねぎ …1/2個
  • 卵 …1個
  • パン粉 …少々
  • 塩こしょう
  • 白ワイン
  • 塩、醬油
  • 片栗粉
  • ごはん
  • 目玉焼き

作り方

1.少し肌寒い朝だったので薪ストーブに軽く薪と炭を焚いて。
家の湿気も飛ばしてしまいましょう。
2.ストーブ炉内をキャンプの焚き火のように使います(調理中は扉を閉めています)。
コッヘルにお米と水を入れて炉内の端に寄せた炭の上にセット。
3.みじん切りにした玉ねぎとひき肉、卵、水で湿らせたパン粉をよく混ぜ合わせハンバーグ型にする。

4.タークのフライパンに油を引き、肉だねを並べ、炉内の炭の上に置き焼く。

5.途中で皮グローブをしてひっくり返して焼き上げる。

6.ごはんの様子をチェック。うまく炊けていましたよ。

7.別のフライパンで目玉焼きも同様に作る。

8.グレイビーソースを作る。家にあった材料で。
これはガス火を使いました。
ハンバーグを焼いたフライパンにワインを注いで底をこそげながら沸騰させ、
水を足して塩、しょうゆで調味。
味が決まったら片栗粉でとろみをつける。

9.ごはんの上にハンバーグ、目玉焼き。
グレイビーソースをたっぷりかけて完成!

使用ストーブ » バーモントキャスティングス  アンコール

 

暮らす旅

ビーチリゾートだけではない魅力がハワイにはたくさんあります。
まぁ我が家がリゾートに泊まることは決してないはずですが。
豊かな大自然の景色にふれて地球の素晴らしさに出会うこともそのひとつでしょう。

カウアイ島には太平洋のグランドキャニオンと呼ばれる渓谷や古代を思わせる断崖絶壁の海岸線があります。
トレッキングをしたりボートツアーに乗ったり。
生まれて初めて念願のクジラに会うこともできました。

アロハあふれる人々との出会いももうひとつのお楽しみ。
今回2カ所目のステイは普通のお家の1階の部分。
バス・トイレ・キッチンは別になっています。

大きなワンちゃんがいて動物好きの娘は大喜び。

そこのファミリーがステキでした。特にお父さん。
シャイな感じなのですがゆったりと温かく、やさしいパパ。
毎朝お庭の水やりをしに降りてくる時にお話しするのがとても楽しかった。
採れたてのバナナをくださったり。

ロミロミを受けたところでもたくさんのバナナとアボカドをいただいたなぁ。
マンゴーの季節にはもう少し先だけど・・・とたくさんのベイビーマンゴーが付いた木々のお庭を案内してくれたっけ。

メールでツアーの予約など取り次いでくださった女性も無償でいろいろ相談に乗ったりおススメを教えてくださったりetc。
控えめなんだけど溢れるばかりの愛を贈られるというか。
それがきっとアロハなのでしょうね。

娘はジーナさんの家にまた行きたいといつも言っています。
ホテル旅行にはない、人と対面で出会える旅が暮らす旅にはあります。
そうまたきっと戻っていきましょう。
ナパリコーストの7時間カヤックツアーもいつか必ず行ってみたい場所のひとつなのです。

     

Photoes by Michiyo Suzuki
*隔月連載。次回の更新は7月中旬です。

 

  • ページの先頭へ

薪ストーブエッセイ・森からの便り 新着案内