高橋みな 火のあるお料理とクックウェア探検

ウッドストーブクッキングアドバイザー高橋みなが楽しい料理と共にクックウェアの可能性に迫る!

A Wreath in Wonderland.  ア・リースインワンダーランド

 

 

冬だ。
もう、冬になったんだ。
白い季節の到来。
朝、車のフロントガラスの霜に湯をかけて溶かすのが日課になった。
本格的に雪が降り積もるまでの間、「出かける前の小さな仕事」がひとつずつ増えていく。
もっともっと雪が積もり出せば、まず1時間は早起きして、
車の周りの除雪をしてからようやく、GO!となる。
つまり、常に「マイナス」からのスタートとなるのだ。

雪の季節は楽しい。
薪ストーブが思う存分に焚ける。
家の庭で、そり遊び、スキーができる。
雪原をどこまでも歩いていける。

雪の季節はつらい。
屋根まで積もる雪を朝から晩までスコップで除雪しなければならない。
雪道は移動に時間がかかる。
窓の外に雪が積もって部屋の中が夜のように暗い。

家の中に火がある、ということは「太陽」がおいてあるのと同じことだ。
ぽかぽかとあったかくて、陽だまりのなかでまどろんでいた春の日を思い出せる・・。
どんなに外でブリザードが荒れ狂っていてもこの家の中では薪ストーブが元気よく火の粉を躍らせている。

春夏秋冬、4つの季節。
いったいいつが始まりなんだろう?人によって違うのかもしれない。
わたしは4月に生まれたから「春」が始まりで、12月生まれは「冬」がはじまり・・
ぐるぐると永遠に近いくらいめぐり続ける四季のサイクルは私にひとつの「輪」をイメージさせる。

A Wreath in Wonderland.

今回は薪ストーブから生まれるクリスマスリースをご紹介します。

 

 

薪ストーブで作る、クッキーのリース

 

 

 

  • (クッキー生地)
  • バター …60g
  • 砂糖 …100g
  • 卵 …1個
  • 薄力粉 …220g
  • シナモン・ナツメグパウダー …各小さじ1
  • (アイシング)
  • 粉砂糖 …50g
  • 卵白 …大さじ半分~調節して
  • レモン汁 …小さじ半分
  • 赤の色粉 …少々
  • 飾りのアラザン …適量

 

 

クッキーの生地づくり

1.柔らかくしたバターをへらで白っぽくなるまで混ぜ、砂糖を2回に分けて加えます。

2.よく混ざったら卵をひとつ加え、滑らかになるまで混ぜます。

3.ふるった小麦粉を加え、切るように混ぜ込みます。

4.スパイスを加えます。

5.手で軽くこね、ひとつにまとめます。平たくしてからラップに包み、冷蔵庫で一晩おきます。

6.手粉をふって厚さ3mmくらいにめん棒で伸ばします。

7.パン皿をおいて、まわりを切りとり、そのなかにひとまわり小さな皿をおいて外周を切りとります。

8.クッキーリースのベースができました。

そして、その他のクッキー生地たち。

 

 

薪ストーブでクッキーを焼く

9.ラウンドグリドルに丸網をのせ、その上にオーブンシートをしいて、クッキーを順に焼いていきます。

まずは、リースのベースから・・。

10.ストーブのフロントドアは閉め、ガラス越しに中を確認。懐中電灯などで照らすと中がよく見えます。

ストーブトップに置いたサーモメーターは200~250度くらい。
焦げ防止のため、クッキングスタンドの下には置かず、まわりに置くようにしましょう。

今回、リースのベース部分を焼いた後、飾り用の型抜きクッキーが2回焼けました。
おき火を多めに作っておくと、このように続けて焼くことができます。
温度によっては2~3分ほどで焼けてしまうので、真っ黒けなクッキーにしたくない方は、
油断なく炉内の状態を観察されることをおすすめします。

11.飾り付け用の抜き型で抜いたクッキーたち。

12.クッキーのふちがうすく色づき始めたらとり出します。

 

 

クッキーのデコレーション

13.ベースにあらかじめ、つりさげるためのひもをつけておくと、GOOD!

14.粉糖にレモンと卵白を加え、とろんとしたアイシングをつくります。

15.赤の色粉を混ぜてピンク色のも用意しました。

16.焼きあがったクッキー型に塗って、アラザンをぱらぱらちらします。

17.裏側にも塗ります。

18.それをベースに好きなデザインに飾り付けて完成!

アイシングが完全に乾いてから動かします。

 

 

 クリスマスツリーの飾りつけは子どもたちの仕事。

楽しげに輝くツリーと、そのそばで暖かい火のおきたアンコール。

「やぁ、一年ぶりだね!」
「ほんとうだ、元気だったかい?」
ツリーとストーブの会話が聞こえてきそうでした。
 

 一年前の記事
>>森の魔女のお菓子の家、ヘクセンハウスをラウンドグリドルで
 

 

White christmas

 

家からほんの少し足を伸ばしたら真っ白な雪景色。

子どもたちは、さっそく雪遊びにおいかけっこ。

ストーブから生まれたクリスマスリースを、
雪にすっぽりおおわれた白樺の根元にそっとおいてみると、
しろうさぎとアリスがとびこんだうさぎ穴の入り口のように見えてきました。

世界はあたりまえのように毎日始まっては終わる、でも本当はWanderland!
雪景色の美しさと厳しさとが共に在り、分かちがたいものであるように
自然とはすべてが一つの循環となって私の前に差し出されるのだ・・、と
ふと思いました。

そして、
今年も一年、楽しく森からお便りを届けることができました。
ありがとうございました。
皆様、メリークリスマス!良いお年を。


 

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コメント

  1. メルヘンなクッキーリース、外の雪景色にぴったりですね。
    うさぎさんがひょっこり森から顔出しそうな ほんとにアリスの世界です。
    白樺の森と青空も美しい~。雪の森の中に大の字になって空をながめたいな~。

  2. 雪の降ったばかりの朝、太陽が昇りきる前の木々は小枝に
    雪が積もって本当にきれいです。
    森の中を歩いていると、木の声が聴こえてきそうでした。
    きっと、うさぎもどこかにかくれてましたよ。

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