宮崎学「森の動物日記」

森と里と野生動物たちから教わった自然のメッセージ 信州・駒ヶ根在住の動物写真家宮崎学のフォトエッセイです

山の神様の使い、オコジョ

中央アルプスの山中で、冬毛となった真っ白なオコジョにであいました。
体長はおよそ15センチ。真っ白な体に眼と尻尾の先だけが、真っ黒。大きなネズミくらいの大きさですがとてもスリム。
その姿を見ただけでとても可愛らしく、ボクはいっぺんに虜になってしまいました。
動きは敏捷で、目の前にいたかと思えば、あっという間に岩穴に潜ってしまって、いつの間にか後ろに回っているではありませんか。
おやまあ、ゆっくり姿を見せてよとばかりに後ろを振り向けば、またすぐに消えてしまって、今度は右側から顔を出すといった案配です。
わずか5分ほどの出合いでしたが、あとは待てど暮らせどちっとも顔を出しませんでした。

そんなオコジョのことに詳しいおじいさんにに出逢いました。
おじいさんは、昔は山仕事をしたり猟もしたことのある人でしたから、いろいろなことを教えてくれました。
「オコジョはなぁー、昔から山の神様の使いとされていて、山仕事に行く途中でオコジョにであうと、その日はケガをしたりするから仕事を止めて帰ってくることもあった。
また、猟に出かければ、オコジョを見たりすると、その日は一日中獲物が捕れないとも言われておったなぁー。
なので、おれはいまでもオコジョを山の神様の使いだと思っておる。
だけどなぁオコジョは数も少ないしそう簡単には会えない動物だから、山行きを案じるこたぁ、ねえでな!」
おじいさんはオコジョを山の神として今も恐れているようです。

 オコジョは、イタチ科の仲間の動物ですから、体もイタチやテンにそっくりです。そして、イタチやテンと同じようにノネズミを主食にする肉食獣です。
なので、これら3種類の動物たちと生態的に見比べていけば、オコジョがどんな生活をしている動物なのかが想像できます。
胴が長くて手足が短くスリムなオコジョは、ノネズミの穴の中にまで簡単に侵入できます。
なので、いつもガレ場や木の根の張ったような地下の隙間を潜入しているのです。こうして、ノネズミを毎日追いつめては捕まえ食べて生きている動物なので、きっといつもネズミを追って、地下トンネルを走り回っているのでしょう。
だから、私たち人間の目に付きにくく、山の神と言われるようになったのではないでしょうか。


(雪の岩穴から姿を出してきたオコジョ)
 


(穴に飛び込むオコジョ。とても愛らしいしぐさです)


(オコジョが純白の冬毛になるのは、上空からのタカなどに襲われないために
雪と同じ保護色になるから)


(夏になるとこんな色に変わります。可愛らしい表情ながら、
そのつぶらな深い輝きをもつ眼光は肉食獣の鋭さがあります)



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コメント

  1. 可愛いだけでは生きていけないのね。
    とても肉食獣とは思えないその仕草でネズミを捕らえる姿を見てみたい物です。
    娘曰く「オ○ラはやっぱり臭いのかな??」

  2. >「オ○ラはやっぱり臭いのかな??」

    あははは、臭いと思いますよ。
    だって、イタチの従兄弟なんだものオコジョは。

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