宮崎学「森の動物日記」

森と里と野生動物たちから教わった自然のメッセージ 信州・駒ヶ根在住の動物写真家宮崎学のフォトエッセイです

白雪パレットで動物の足跡を探す

冬になって野山が雪化粧になると、動物たちの足跡がいっぱい見られるからうれしくなります。
その足跡から動物たちのいろんな動きが見られ、行動や心理を想像する楽しさがあります。

足跡を汚してしまうのがもったいなくて、ボクは踏まないように遠慮しながら歩くのですが、その前に人や車が足跡を潰してしまうとがっかりしてしまうことがよくあります。
それでも気を取り直して歩き続けるのですが、ポケットには2mのスケールをいつも忍ばせて足跡の大きさを測りながら記念撮影をすることにしています。

よく、足跡の説明をしてほしいと頼まれるのですが、送られてきた写真には大きさを比べるスケールが写ってないので答えに困ることがよくあります。
同じ動物でも行動によって足跡のパターンが違ってくるので、スケール写真は必要ですね。

冬とはいえ雪は油断しているとあっという間に溶けてしまうし、足跡のカタチも崩れてしまうことがよくあります。
ですから、特徴的ないい足跡に出会ったらすぐに撮影しておくことがポイントです。
そんな雪遊びは新雪になると「雪のパレット」がどんどん染まっていくから、すぐに観察して撮影しておくことが大切でもあります。


(Photo:イマドキの野生キツネは、人が暮らしていても人家の軒先までやってきています。)


(Photo:深い雪だと、ニホンカモシカは胸でラッセルして歩くからこんな道ができます。)


(Photo:キツネは田舎の集落なら毎晩どこのお宅の庭にも出没してきています。)


(Photo:ニホンザルの足跡は人間のそれによく似ています。)


(Photo:テンは歩き方によって足跡パターンがいくつもありますから、見分けるには熟練が必要です。)

(Photo:足が短いテンは雪が深いとシャクトリムシのように全身を使って歩くので、二足パターンの足跡になることも多いです。)


(Photo:蹄をもつニホンジカとカモシカとイノシシは、足跡も微妙にちがっています。とくに、イノシシにはヒールがあるので、それを見つけるとうれしくなります。)


(Photo:ニホンジカは猛烈に増えてきているので、たくさんの生息地ではこのようなおびただしい足跡が目撃できます。)


(Photo:タヌキは前足の上に後足が重なるように着くので、二個が若干ダブッて着くこともあります。)


(Photo:ネコは、梅の花びらみたいに小さくくっきりとした足跡が一直線に着くのが特徴です。)


(Photo:ツキノワグマの足跡はなかなかお目にかかれませんが、大きいのですぐにわかります。)


(Photo:林道は野生動物たちがバイパスとして利用していますから、足跡さがしには狙い目です。)


(Photo:キツネとテンが時間差で歩いていても、歩きやすいところは両者が重なっているところが面白いですね。)


(Photo:リスはノウサギと同じパターンで走りますから、ノウサギより小さな足跡を観察すると体の使い方がよくわかります。)


(Photo:キツネはノウサギが大好物ですが、食うものと食われるものが時間差で同じ林道を歩いているのが面白いですね。)


(Photo:鳥類のヤマドリの足跡は特徴があって、見つけるとうれしさ倍増です。)

 

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