宮崎学「森の動物日記」

森と里と野生動物たちから教わった自然のメッセージ 信州・駒ヶ根在住の動物写真家宮崎学のフォトエッセイです

イタチの足跡の見分け方

(Photo:このような環境にイタチはいます)

伊那谷の天竜川に注ぐ支流を歩いていたときでした。
渓流魚を釣りに来ていた知り合いのおじさんから声をかけられました。

釣り人 「宮崎さん、この川にイタチっておるかね?」
Gaku 「もちろん居ますよ、おじさん、釣りしていてイタチの足跡に気づかなかった?」
釣り人 「いや、ぜんぜん気づかなかったけど、釣り上げた魚に何かの爪で引っかかれたような傷があったんだ。」
Gaku 「ああ、それってイタチの可能性が強いですね。
イタチは池の鯉などの大きな魚にも捕まえようと襲っていくから、魚の側面に傷がついていることがあるんです。
この近辺の川沿いにはすべてイタチが居るから、水辺の砂地などを丁寧に見ていくといいですよ。
イタチは水中に潜ったり、陸にあがったりを繰り返すから、水際の砂や泥地には必ず足跡が残るでね、その足跡も2cmくらいで小さくて梅の花びらみたいだから、いちど覚えてしまえば忘れることはないよ!」

(Photo:小魚を咥えて巣穴に帰ってきたイタチ。)

ここまで説明したけれど、おじさんはイタチの足跡を教えてとまでは言いません。
魚を釣ることしか頭にないのか、動物のことまで案外考えていないのだなぁー、と思いました。
水辺には、イタチだけでなくタヌキの足跡もよく見られるので、見分けられるようになっておくと便利です。
要するに、イタチは主に生きている魚を水中に潜っていって捕まえ、タヌキは死んで流れ着いた魚を拾って食べていることが多いので、そのような足跡がみられる川には魚影も濃いから、動物の足跡を見ることは釣り人にも関係あるのです。

(イタチの足跡はこんなにも小さい。)


(Photo:手前がタヌキの足跡、奥がイタチの足跡。)

その昔、ボクはイタチの撮影をしたことがあります。
山間に魚のいる小さな川があったので、地主の許可を得て、川の前後を金網でふさいで魚が移動できないようにしてみました。
するとまもなくイタチがやってきて、水の中に飛び込んで魚を捕らえはじめました。
体長35cmくらいの雄のイタチでしたが、水中をすばやく泳ぐ姿はアザラシのミニチュア版を見る思いがしたものです。
水中で身をくねらせながら巧みに泳ぐ姿を見て感心したものです。

このときのイタチは、小さい体のためか猛烈に警戒心が強くて、土手の穴に身を潜めては川へ飛び込むときは猛ダッシュで跳ぶように走り水に入り、水中で魚を捕まえると再び目にも止まらないような速さで穴のなかに姿を消すのでした。
たぶん、イタチはタカやフクロウに獲物として狙われているので、地上では天敵の目を恐れて素速い身のこなしをしていたのでした。

(Photo:小川でサワガニなどを探すイタチ。)

(Photo:石の下などを丁寧に見ていきます。)

(Photo:夜の岩穴から顔を出したイタチは毛も濡れ、目が宝石のように輝いていました。)

(Photo:冬の小川を泳ぐ姿は実に神秘的です。)

(Photo:指の間には水かきがあるけれど、毛で保護されていて見えません。)

(Photo:小さい体ですが、目も鋭く、性質は獰猛なイタチです。)



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