ノネズミと森の関係
秋も深まってきた里山の雑木林。
何気に地上に目をやると、小さく動くものがいました。
ノネズミ、でした。
チョロチョロチョロと、足早に2~3m進んだかと思えば、静かに立ち止まってあたりに注意をしています。
ボクが林に立っているのに、身動きしなければまったく警戒もしていません。
これはオモシロイと思ったから、ボクはなおも石になったつもりで静かにしていました。
ネズミは落ち葉の下でドングリを探しているようでしたが、ときには足元50cmのところまでやってくることがありました。
ネズミは、アカネズミという種類でした。
やがてそのアカネズミは、クリを拾って一目散に走って潅木の根元に消えました。
どうやらそこに巣穴があるらしく、クリを地下倉庫まで運んでいったようです。
しばらくすると、また、アカネズミが出てきました。
そして、同じようにチョロチョロチョロ走り回っています。
秋のネズミたちは冬の食糧集めに余念がありません。
次々に落ちてくるドングリやクリの実を拾って、少しでも多く地下倉庫に蓄えようと気持ちも焦っています。
だから、人間がそこにいても警戒するにあたいしない動物と思っているのでしょう。
人間より、自分の生活のことのほうが大切だからなのです。
ノネズミは、日本の山野にはたくさん生息しています。
その数は、およそ10m置きに一匹いる計算になります。
そう思ってノネズミのことを探ると、ほんとうにたくさんどこにでもいることが分かります。
こんなにたくさんのネズミたちが山野にいるということは、ネズミの活躍が自然界では必要とされているからなのでしょう。
ネズミは地下の浅いところにトンネルを掘って活動しながら、巣もつくっています。
この地下活動が、土中に棲むバクテリアたちに酸素を送る役目を担っているので、自然界ではネズミがたくさん活動するほど山野の林や森の木々や植物が元気になります。
こうして、ノネズミと植物の関係を結び付けているのが土壌バクテリアの存在であって、土と落ち葉を混ぜて、健康な土を作り、それが健康な森のためになっていく・・・・・自然界ではほんとうに無駄なくいろんな生き物たちが関係しあって生きていることが分かります。
小さくて、可愛らしいノネズミですが、彼らの尻尾が気持ち悪くて嫌いという人間も少なくありません。
しかし、ネズミが居なかったら、日本の自然界は成りたちませんから、ストーブの燃料である樹木も育たないということです。
そう思いながら、林の中で静かにノネズミと出会うのはとても楽しいことです。
散歩中のノネズミは、つぶらな瞳をしていてほんとうに可愛らしい動物です。
そんな動物に「やあ、こんにちは」といいながら、写真のモデルになってもらいました。
でもしかし、ノネズミの動きはとても敏捷なので1/1000秒のシャッタースピードでもブレてしまって、撮影はきわめて難しいものでした。
写真説明
1)トチの実を拾うアカネズミ
2)ドングリを拾うアカネズミ
3)倒木はバイパスとしての道だけど、クリを落としそうになって大慌ての表情。
4)石の下にあるすき間は、ノネズミにとっては豪華住宅。
木の実や綺麗な葉っぱを見ると拾わずにはいられません。
行動はネズミと変わらないけれど彼らは生きるためのお仕事ですね。
今年はサルナシやヤマボウシ、アケビ、イヌガヤなどの実がたくさん
なっています。成り年なのでしょうか?
動物たちにとっても実りの秋ですね。
今年はヤマボウシとボケ、頂いたスモモなどを焼酎漬けにしてみました。
年々果実酒の瓶が増えていきます。
今年の長雨の影響を心配していましたが、どうやら山野の実ものは豊作のようですね。
この分だと、来年のフクロウは少し多く産卵しそう、です。
ふうん・・フクロウの産卵と実の成り年は関係あるのですか?
雛は来年のいつ頃生まれるの??楽しみにしています。
ノネズミの繁殖活動には、春と秋のピークが二つあります。
秋は、実のりなどが大きく影響して子育てにも関係してきます。
その子供が春には繁殖しますから、ノネズミを主食にしているフクロウのクラッチサイズ(産卵数)に大きく関わってくるから、です。
フクロウ、西日本など気候の暖かいところでは2月には産卵して、5月連休前には巣立ちます。
北日本では、約1ヶ月遅れで繁殖ステージが動きます。
ほんと可愛いのに、我が家じゃ朝、風呂場前の廊下によく転がっています。
ねずみよくとって感心なねこだけど、野ねずみとってこなくてもいいのに。
昨夜も台風の中でかけて行った証拠が風呂場の前に…
もうすこし小さい黒いのと、もっと小さい黒いのもとってきます。
ときには外だけ食べて、内蔵だけ転がっていたり、
それにしっぽがついてたり、朝からホラー映画気分な日もあります。
雨の夜によくとってきますが、雨だとねずみがよく出て来るのでしょうか。