美しい三陸海岸の思い出
(Photo:八戸市の近くの美しい海岸線)
三陸海岸は、とてもすばらしいところです。
ここの景色が大好きで、ボクは茨城県から福島、宮城、岩手、青森県へと海岸線を何回も車で走ったことがあります。
あるときには、タカの勇姿を求め、またあるときにはカラスの巣を探して経巡りました。
(Photo:カラスの小さなヒナたち)
ボクの車は一見普通のワンボックス車ですが、中にはベッドや炊事道具までついています。
こうした車なので、気の向くまま、好きなところで寝泊りをして旅を続けています。
このような旅では、やはり地域の人々と会話をして、いろんな知見を得る楽しみがあります。
魚介類が大好きなボクは、それぞれの地で新鮮な魚たちに出合うことが大きな楽しみです。
とにかく、市場に寄ったり、漁港に寄ったりして、のんびりと旅を続けるのが好きなのです。
(Photo:新鮮なホヤ)
宮城県の気仙沼市では、たった50円でホヤを買いました。
ホヤは磯臭くて好き嫌いのある食べ物ですが、ボクは大好きです。丸ごとのホヤでしたから、皮を裂き、内臓を出して、柿の実のような色をした肉を刺身で食べるのです。新鮮なホヤは、ほんとうに美味しいものです。
そして、同じく気仙沼から岩手県に抜ける海岸線の小さな魚屋さんでは、生のコウナゴを200円で買いました。信州では「チリジャコ」はありますが、生のコウナゴなんて出合ったことがなかったので、どうして食べてよいのか分かりませんでした。
そこで、お店のオジサンに聞けば。
「このまま、醤油をかけてワサビをちょんといれて、ズルズルっと食べればいいべ」って、教えてくれました。
いやはや、郷に入れば郷に従えで、こうして生のコウナゴを味わうことができました。その味は、甘くてシロウオを柔らかくしたカンジの歯ごたえで実に美味しかったです。
(Photo:生のコウナゴは季節を追って産地も北上していきます)
また、青森の八戸市では、道の駅のようなこじんまりした魚屋さんで「キュウリウオ」を買いました。キュウリウオは、胡瓜のような香りのするサンマくらいあるワカサギのような魚です。東北から北海道沿岸で獲れますが、信州にはほとんどなじみのない魚です。
このキュウリウオは、一夜干しにして焼物にするととても美味しいのです。その昔、北海道の根室でご馳走になった思い出があり、釜石市では一皿4尾250円という安さで売られていました。
さっそく、塩水に半日くらい漬けておいて、車のバックミラーアームに吊るして走り、乾燥させながら旅を続けました。
そんな感じでガソリンスタンドに給油に立ち寄ったら、女店員がボクのキュウリウオを見つけて座り込んで大笑いをしてしまいました。
魚をバックミラーに吊るして走るドライバーなんて地元の漁港にもいないみたいです。
だからといって、燃料代のおまけはありませんでしたが知らない土地での旅のオモシロさは、このような人との出会いもあるのだと思いました。
(Photo:走行中に日干しを試みているキュウリウオ)
こうして、三陸海岸を旅していくのですが、海が豊かですから魚を狙う野鳥もたくさんいます。
ミサゴといって、魚だけを専門に捕まえて生活しているタカの仲間にであったのも幸運でした。しかも、ミサゴは3羽も一緒になって頭上で抜けるような青空を背景に旋回してくれたのです。
また、これから北国に帰る準備をしているのか、ケアシノスリという珍しいタカにも会いました。
ケアシノスリはその名前のとおり脚に毛がはえています。
ユーラシア大陸と北アメリカ北部で夏は子育てをし、冬になると日本各地に少数が越冬にやってくるタカです。
主に、ノネズミを主食にしているのですが、まさか三陸海岸で出会えるとは思ってもみませんでした。
(Photo:脚に毛がはえているケアシノスリ)
(Photo:ミサゴが3羽も上空に飛んでくれた)
このようにすばらしい環境の三陸海岸ですが、このたびは巨大地震と津波による大災害を受けてしまいました。
被害に遭われたかたには心からお見舞い申し上げたいと思います。
そして、一刻も早い復興を願うと同時に、復興のあかつきには再び三陸海岸にでかけたいと思っています。
(Photo:漁港ではカラスがカニをくわえていた)
(Photo:気仙沼付近の浜辺)
なんと書いて良いやら・・・こうして美しい景色や思い出などに触れてみると自分の故郷と重なって改めて被災地の悔しさ、悲しみ、喪失感が伝わってきます。
幼いころから慣れ親しんだ海が牙をむいて襲い掛かったら私の故郷もひとたまりもありません。今回の大災害は日本の故郷を失ったようなもの。
復興には長い時間がかかるでしょうね。
魚も鳥も人もみんな戻ってきてほしい。
gakuさんがまた海岸線を走ったという記事をもう一度見たいです。
美しい三陸海岸をもういちど訪ねたい、です。
地震や津波は必ず復興できますが、原発…が。
あのコウナゴにも、でちゃったしぃ。
いまが旬なのに、コウナゴ。
三陸岩手の久慈海岸(小袖)生まれで、コウナゴ(小女子と書く)の話を長野の方が書いてるので驚きました。
地元でも中々口には入りません。
昔は、実家で祖父が船が沈みそうな位漁獲したのですが、最近は地元でも宝石並み。
地震・津波で漁船は殆んど流されて漁港の施設だけが残っていました。
今年の漁は全く出来ないと思われます。
住んでいるいわき市のコウナゴも原発でダメ。
■中村好平 さん
ボクが「コウナゴ」を買ったお店は、海岸岸壁まで30mくらいの場所にある小さな一軒屋さんでした。
雑貨も売られながら、ついでに「コウナゴ」もありました。
たぶん、季節柄で仕入れてたような感じでしたが、美味しかったです。
買ったお店は、今回の地震津波であまりにも海に近すぎますから心配しています。
復興したら海岸線を八戸までもう一度走って確認したいと思っています。
もう一度、コウナゴを生で食べたいですが、内部被爆を考えると原発事故には憤りを覚えます。
ボクは、あと2日後くらいには御地方面に出かけておりますが。