早春の足音・・、はまぐりのスープとこんがりチーズトースト
春の予感
春だ、春だと思いは先走るが、その実(じつ)こんなにも野辺の雪が残っていて、
啓蟄を過ぎても暦のとおり地の虫や蛇たちは地上へと顔を出すこともできない・・。
しかし朝の光はあたりを鴇色(ときいろ)に染め、
大気は水分をふくんで、ぼんやりとあたりの景色を朧に見せている。
刻一刻と太陽が天上にのぼりはじめるにつれて、ほんのり柔らかな光線は澄みはじめ
蒼く透明に変わっていく。
モノトーンの真冬から少しずつ色を取り戻し、
「空の蒼」を映した「山の青」は匂い立つ芽吹きが近いことを予感させてくれる・・。
これまで、我が家では一年のうち「蛤(はまぐり)」を食べる機会が少なかったのですが、
春の食材の一つとしてあらためてその歴史をひもといてみると、
「日本書紀」にも登場し、身近な食べ物として古くから親しまれてきたことがわかりました。
日本料理では、佃煮や酒蒸し、たきこみご飯など
貝の繊細な味わいを生かした料理法が様々にあり、
国内で流通するはまぐりは「チョウセンハマグリ」が最も多く、
国産では鹿島灘のものが多くを占めているようです。
また、はまぐりがもともとの一対の身と蓋の貝殻との組み合わせ以外とかみ合わないことから、
平安貴族の姫君の遊び「貝覆い」にも用いられました。
貝の内側に豪奢な金箔や源氏絵が描かれた「貝覆いの貝」とそれをしまう「貝桶」は
婚礼の調度の最も大切な品の一つとして
高貴な人たちのお輿入れには欠かせないものであったとされています。
今回のストーブクッキングではこの「はまぐり」をたっぷり使って
体の温まるスープに仕立ててみました。
はまぐりのスープ(エマリアソースパンで)
- はまぐり …600g
- 玉ねぎ …小2個
- ニンニク …3かけ
- パセリ …適量
- コンソメ …2個
- 白ワイン …カップ半分
- オリーブオイル …大さじ3
- 水 …適量
- 塩 …適量
- 月桂樹の葉(あれば) …1枚
1.はまぐりをよく水洗いしてから、砂をはかせるためボウルにたっぷりの水とともに入れて2時間ほどおく。
2.ニンニクと玉ねぎ、パセリはみじん切りにし、それぞれ別の器に入れておく。
はまぐりをザルにあけて水を切っておく。
3.ストーブの天板がサーモメーター250~300度になるくらいに焚いておき、
エマリアのソースパンをのせる。そこへ、オリーブオイルを注ぐ。
4.すぐニンニクのみじん切りを加え、木ベらで香りがたつまでローストする。
5.そこへ玉ねぎを加え、透明になるまで火を通す。
6.はまぐりを全量入れてざっと混ぜたら白ワインを注ぐ。
7.そのまま加熱して、泡が出始めたら水を加える。
8.コンソメキューブを2つ入れ、あれば月桂樹の葉を一枚、香りづけにくわえる。
9.表面のアクをとりながら貝に火が通るまで熱して、完成。
◆
はまぐりの身が固くならないようにさっと火を通して仕上げるのがコツ。
メインの貝のあじわいをとことん味わってみたかったので材料はシンプルに・・。
作りたてもおいしいですが、次の日のスープは味がなじんでよりおいしくなります。
ちょっぴりごはんを入れて雑炊風や、カットしたバゲットをカップに入れてはまぐりスープを注ぎ、
シュレッドチーズを散らしてオニオングラタンスープのようにしても・・。
今回大活躍のエマリアのシリーズ。
片手で使い易いソースパンは、カラーも豊富で、
お料理していても、食卓にのせても楽しさを演出してくれます。
ピッチャーは2.5リットル入りのたっぷりした容量で、
お料理の時だけでなく、ガーデニングでの水やりやいろいろな生活シーンに似合います。
貝殻入れに使ったミキシングボウルはもちろん、計量、材料入れ、小物入れ、花瓶がわりと何にでも。
» 使用ストーブ:バーモントキャスティングス アンコール
» クックウェア:エマリア
そして、もう一品、
休日のお昼にさっと作って食べたいクラムのスープにプラスして
もう一品お手軽につまめるメニューはいかがでしょう?
こんがりチーズトースト
- シュレッドチーズ …適量
- 8枚切り食パン …2枚
- チリペッパー …少々
- パセリ …少々
1.サーモメーター250~300度のストーブトップにタークのフライパン「ロースト」を置き、熱く熱する。
2.フライパンの底面にシュレッドチーズをちらして、とろりとするまでおく。
3.4つに切った食パンをその上に敷き詰める。
4.5分ほどたったらフライ返しで端の方をかえし、
チーズにこんがりとおいしそうな焼き色がついていたらすべてひっくり返す。
5.好みでチリペッパーをふってピリ辛にしても。そして、パセリを散らす。
6.フライパンごとテーブルへサーブする。
たたずまいの美しい「タークのフライパン」なら、それごとお料理をテーブルに出してみましょう。
いつもの食卓が楽しい驚きと笑顔に包まれるかもしれません。
厚みのある鉄の肌は保温にもなりますから、お料理のおいしさがさらに長持ちするでしょう。
» 使用ストーブ:バーモントキャスティングス アンコール
» クックウェア:ターク ロースト
Spring has come.
新しい生活、新しい友達、新しい景色。
この春、みなさんはどんなところでどんな春を迎えられますか?
私の春は同じ場所で迎えることになりそうですが、
新しいカーテンを縫ったり、クッションカバーを新しく作ったり・・。
私なりに喜びの春を迎えたいと思っています。
雪が解けたら、寒い冬中を暖めてくれた薪ストーブをきれいにお手入れをして、
次の冬に備えておきたいと思います。
いつまでも長―い友達でいてもらうために・・。