ナスとモッツァレラのスキレット焼き&手打ちパスタのバジルソース
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裏庭の南天が今年もたくさんの赤い実をならせました。
「難を転じて福となす」という縁起物として福寿草とあわせて鉢植えなどに使われるこの実をみていると
なんとなくありがたい気持ちになります。
家の近くを流れる鯖石川のむこう、黒姫山の山肌が白い雪でおおわれはじめました。
それほど標高の高くはない山にまで冬の気配が降りてきている・・。
このうっすらとした雪が3回降ると“根雪”に変わる、とこのあたりでは言い伝えられています。
家の庭はずれには、いちょうの黄葉があたり一面に落ちて緑のヘビイチゴの葉、
茶色の杉の葉ときれいなバランスのモザイク模様。
自然界の絶妙な色彩の魔法にはいつも楽しい驚きを感じます。
さて、きょうはストーブクッキング教室の日。
三条市からムネさん夫妻と酒井さんがはるばるきてくださいました。
ムネさん夫妻は三条市近郊のフィールド整備のボランティアをされているとてもアクティブでおだやかな方。
そのサークルは「ノジコの会」と名づけられ(ノジコとは鳥類の名前)、
会員の皆さんは山道の整備、不法投棄ゴミの撤去、ヤマザクラの植樹、
ツリーハウス作りや野鳥感察会(あえて感の字をあてている)など、
山にまつわる様々な活動をして楽しんでいます。
あいにくの雨模様のなか来てくださる3名のお客様を迎える準備。
娘と、遊びにきていたお友達に薪運びをお願いしました。
お友達は私が薪を細く割っていると「面白い!やってみたい!!」とコーフン気味。
結局、斧は重くて持てなかったのですが、女の子2人で軍手をはめ、
ストーブ横の薪置き場まで何往復もしてくれました。
いよいよ薪ストーブクッキング開始です。
薪ストーブはバーモントキャスティングスのアンコールです。
ムネさんには手打ちパスタ担当になってもらいました。
手打ちのショートパスタ 焼いたホタテとバジルのソース
- パスタ …600g(4~5人分)
- 薄力粉 …200g
- 強力粉 …200g
- ぬるま湯 …200ml
- オリーブオイル …適量
- 塩 …小さじ1
- バジルペースト …大さじ2~3くらい
- 生食ホタテ貝柱 …10個
1. ボウルに生パスタ用のすべての材料を入れ、手でよく混ぜ合わせる。
2. ある程度まとまったら捏ね台に出して表面がなめらかになるまで捏ねていく。
まるくまとめ、ラップをして冷蔵庫で30~40分ほどねかせる。
3. この間に、ホタテをストーブトップで両面焼く。
4. 焼いたホタテに塩こしょうをして3枚にスライスしておく。
5. ねかせた生地を取りだし、今度は子供たちが麺棒で伸ばします。
平均にたいらにね・・。ゆでたとき、火のとおりが均等になるように。
このあたり子供は粘土遊びと同じ感覚で楽しそう。
6. 伸ばしたら、包丁で3センチ幅くらいのリボン状にし、次に7ミリほどにはしから
きっていって、指で台におしつけるようにくるくるっと、ひねります。
このひねりの部分で歯ごたえがよくなり、ソースがからみます。
トマトでもクリームでも濃い目の重たいソースのほうが合うようです。
7. ダッチオーブンをストーブトップにおいて湯をわかします。
細かい泡がでてきたら先ほどのショートパスタをいれ、はしでさっとかき混ぜ、くっつくのを防ぎます。
8~10分ほどゆで、ざるにあげて湯をきります。
8. 先に火をとおしたホタテを加え、バジルペーストを大さじ2から味をみながらいれてあえ、完成!
バジルのとれる夏場ならフレッシュバジルを使ってペーストを作るといいですね。
ナスとモッツァレラのスキレット焼き
- (4人分)
- なす …8本
- トマトソース …なす1本につき大さじ1くらい(作り方別記)
- モッツァレラチーズ …1個(半分に切って5ミリ厚にスライス)
- オレガノ、バジル、塩 …適量
1. トマトソースを作ります。
ストーブトップにタークのフライパンをおき、オリーブオイルを大さじ1ひいて、
みじんぎりにしたひとかけらのにんにくを軽く炒める。
そこへカットトマト缶1をいれ、焦げ付かないよう木べらで混ぜながら煮詰める。
塩をひとつまみいれ、オレガノをひとふりする。
2. なすはへたをとり、縦半分に切り、水につけてあくをぬく。
3. 水をきったなすの切り口に格子の切れ目をいれる。
4. スキレットにオリーブオイルを多めにひき、ストーブトップでなすにじっくり火をとおす。
火のとおったなすの切れ目をいれたほうに、先ほどのトマトソースをかけ、モッツァレラチーズをのせる。
5. スキレットカバーをして、おき火を両端によせたストーブ炉内で焼く。
6. チーズが溶けたらできあがり。
チーズが溶けたところにオレガノをふれば、いい香りがたって食欲も増す、というもの。
焼きたての熱々を召し上がれ!
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ムネさんに『ノジコの会』について聞くとこんな答えがかえってきました。
「『ノジコの会』はいろいろな活動を行っていますが、
わたしは道心坂(よく作業をする場所)へいって山仕事風なことをしている時が一番楽しいです。
自分が活動を愉しむことがボランティアとしては大切ですし、
山仕事作業をした日は帰って夜寝る時に「今日は楽しかったなぁ、幸せだったなぁ。」っていつも思います。
だからとっても嬉しい、それだけなんです。」
こんなほのぼのとした優しさのにじむ言葉を言える人に会えた、
ということがストーブクッキング教室をしてよかったと思えることのひとつ。
おなじ食卓を囲み、あつまった人々みんなで作り上げた一皿をいただくとき、
こころの豊かさまで味わっている、と思うのです。
おまけ
先日、あるカフェにおじゃましてエマリアのマグカップを紹介しました。
「かわいいわね、この黄色のカップでミルクティーをのみたいわ」
カップから“飲みもの”をイメージできるって素敵!
さっそくウチでミルクティー、いれてみました。
イエローとティーのベージュ、たしかにすてきな組み合わせかも。
当日お邪魔したムネさんです。
あいにくのお天気でしたが、薪ストーブクッキングが開かれたのは、ひっそりとした山あいの小さな集落の中の高橋さんのご自宅。
古い民家を、ご自分たちの暮らし方、生き方の中で、感性にしたがって少しずつ手直しをしている様子が、ところどころに置かれたアンティークと、時を刻む柱時計、そして薪ストーブの炎の揺らめきのなかで伺われ、心地好いひと時を過ごせました。
子どもたちと一緒になって作ったメニューを、皆でまあるいちゃぶ台で一緒にいただいたゆったりと時間の流れる休日の昼下がり。
時間にあくせくしている今の世の中、心からゆったりとした時間を過ごせるくらい至福の時間というのはなかなかありません。
そういった意味で、高橋さんの薪ストーブクッキング教室はとてもよかったです。
ありがとうございました。
心から感謝です。
ちなみに、帰り道に初めて、柏崎市の「木村茶道美術館」に立ち寄ってきました。
素晴らしい紅葉の庭を眺めながらの茶室での一服の茶は、当日の思い出を一層引き立ててくれました。
素晴らしい人との出会い、料理との出会い、道具との出会い、時間との出会い、風景、季節の美しさ、すべてに感謝です。
ありがとうございました。
ムネさんへ。
先日はぐずついた天気のなかはるばるかけておいでくださりありがとうございました。
この秋仕事上の思いがけない転換で自宅でのストーブクッキング教室を始めることに
しましたが始めるにあたって何ら迷いはありませんでした。
運営初期の頃からのお客様がとてもあたたかく、この縁を大事につなげていきたいと
思っていたからです。
これも家族や友人の協力があっての事ですし、集まってくださる方の支えがあっての
事と思っています。
最も良い運営スタイルはどんなものだろう・・?と日々模索中。
でも毎回クッキングをとおしての交歓は学びが多くかけがえのない時間と思うばかり
です。
こちらこそありがとうございました。
木村茶道美術館、満喫されたようですね。
最も美しい時の紅葉は、めまいがしそうなくらいの迫力がありますから。
その瞬間に出会われたのなら本当によかった・・。
追伸
奥様にポートベローマーケット、案内していただきました。
とても素敵な店構えのアンティークショップで感激です。