ロッジ社 キャンプダッチオーブン12インチとトライポッド&4種のアメリカン・クック・レシピ 前編
まだまだ春浅い3月の中旬、バーモント・キャスティングスの生まれ故郷、
アメリカ、バーモント州へストーブ工場の視察に行ったストーブ屋さんから、
1冊の本をお土産にいただきました。
題名は“Wood Stove Cookery”Jane Cooper著。
200ページほどのこの本にはキッチンストーブの種類や設置方法、お手入れのコツなどが前半に、
そして後半は様々なストーブクッキングレシピが満載でした。
もちろん、すべて英文で書かれており、材料の名前や分量の単位など、わからないことばかり…。
そこで、ストーブとお料理と英語にくわしい(!?)ポール・キャスナー氏に
「Help me!」とクックレシピについて教えてもらうことにしました。
そしてなんという偶然か、ポールさんも同じ本を持っていたのです。
この本は1970年代の初版で、彼は出版されて間もなくこの本を手に入れたといいます。
それから、30数年もたった今、ほとんど改訂されないまま版を重ねられたものを私は手にしている…。
アメリカでこんなに長い間親しまれているストーブクックレシピならぜひ再現してみたい、
という思いで心はいっぱいに。
写真はひとつもない文章だけのレシピ集。
料理の名前と材料を手がかりにアメリカン・クック・レシピへの探検が始まりました。
初夏の牧場での、野外クッキング。
メンバーはポール社長始めファイヤーサイドスタッフ有志の面々と、小学生の私の娘です。
この日はあいにく朝から雨が降ったりやんだり。
けれど、ときおり明るく差し込む陽の光に芝生は雨のしずくがきらきら光ってとてもきれい。
馬たちがのんびり過ごす厩舎の屋根をとびこえて遠くに目をやると、車山高原のなだらかな丘がよく見えました。
緑の芝の上に点在するバーベキュー炉の上の鉄板にロングトライポッドをたてて、
焚きつけを井げたに置き、火をおこして豆炭をくべ大きな火にしていきます。
豆炭は安定した火力と、火加減が目で見て確認しやすいところが便利な燃料。
スパイシーライス
(2人分)
※本で紹介されているレシピはすべてアメリカの計量カップでの分量です。1カップ=240cc
※野菜すべてみじん切りにしてください。
- ブロード(くず野菜でとったダシ)…3カップ ※下記の[準備]参照
- 玄米 …1カップ
- 食用油 …小さじ2
- ニンニク …1かけ
- 玉ねぎ …1個
- ピーマン …1/2個
- セロリ …2本
- レーズン 1/2カップ
- しょう油 …小さじ1
- 酢 …小さじ2
- モラセス(黒糖を液体にしたような甘味料・輸入食品店などにある) …小さじ2
準備
ブロード(くず野菜でとったダシ)の作り方
くず野菜(セロリの葉、ジャガイモ・ニンジン・大根の皮など)、
スパイス(ローリエ、ニンニク、、粒コショウ、唐辛子、長ネギ、ショウガなど)を
鍋で1時間ほど煮込んでから濾し、若干の塩味を付けておく。
1. キャンプダッチオーブンに玄米とみじん切りにしたニンニク、ブロードを入れる。
2. トライポッドにつるして炊く。
3. コンボクッカーを火にかけ、予熱できたら玉ねぎ、ピーマン、セロリを歯ごたえを残して炒める。
そこへ、レーズンを入れ1分ほどさらに炒める。
4. 炊き上がった玄米ご飯に炒めた野菜をすべて入れ、混ぜる。
5. しょう油、酢、モラセスをボウルでよく混ぜごはんにまわしかけ、味を調える。
本の中で“brown rice”と書かれていた材料は玄米のことでした。
このメニューはベジタリアンのためのレシピに分類されていますが、
味の濃いメイン料理などにあわせると良さそうだと思いました。
スパイシーというわりに辛味もなく、それほどスパイシーには感じなかったので。
ライム フライド チキン
(4人分)
- 鶏手羽元 …16本
- ライム …3~4こ
- 玉ねぎ …1こ(輪切り)
- 薄力粉 …適量
- 塩、コショウ、パプリカパウダー …少々
1. ライムの果汁をしぼり、塩をまぜ、鶏手羽元にまんべんなくかけ1時間ほどつけこむ。
2. バットに薄力粉、塩、コショウ、パプリカパウダーを混ぜたものを用意する。
鶏の水分をふきとり、揚げる直前に粉をまぶす。
3. 火が通るまでじっくりと揚げる。
4. 輪切りにした玉ねぎはそのまま揚げ、ライムフライドチキンに添える。
ひとこま
燃え盛る火の前にたってチキンをひたすら揚げていた松澤さん。
とうとう「炎の番人」とあだ名をつけられてしまいました。
その脇でチキンに衣をまぶす娘と優しい笑顔の森さん。
3人のチームワークで、ライムのさわやかな酸味がおいしいフライドチキンのできあがり。
◆
“アメリカ”といえば西部開拓時代、そして「大草原の小さな家」を私はいつも思い浮かべてしまいます。
大きな空と広すぎるほどの大地を鍋ややかんを持って新天地を求める旅に出る、小さな家族を。
なかなかひとつところに住まうこともかなわない日々でも、
お父さんがしとめた獲物の肉を、お母さんが料理してみんなで食べることで明日に希望をつないで生きる姿を。
煮炊きをする火はときに家族を暖め、また狼などの外敵からまもってくれる心の拠り所となっていたでしょう。
野外で料理をしているとふと、そんな時代のお母さんの気持ちがわかるような気がするのです。
このあとも アメリカン・クック・レシピ”バーミース・シュリンプ”
と”アガサ’ズ・キャロット・ケーキ”を次々と作っていきました。
そのほか「ハラハラ、ドキドキ」体験も…。
後編にてご紹介します。乞う、ご期待!!