北海道産“秋味”の料理2種を9インチスキレットとダッチオーブンで
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今年もそろそろ冬囲いの準備を始める頃になりました。
はやくなってゆく日暮れに秋の深まりを感じます。
東をむいた元縁側の大きな窓辺には、春からすこしずつ家族や友人と薪を積み重ねてきました。
いよいよ晩秋を迎え、雪を防ぐための「落とし板」という幅広の板を柱の間におとしこんでいきます。
大雪から建物を守るためのこの地域ならではの人々の知恵。
毎年、屋根から滑り落ちた雪はうずたかく積もっていき、
スノーダンプでならしても1階の軒先くらいまでの高さになります。
そこで、この「落とし板」がサッシなどが割れないように力を発揮するのです。
この内側は半屋外のたっぷり薪を置くスペースになっています。
薪はずっしり重くて長持ちするのは「一番寒い真冬用」、割らずに乾かした杉は「冬の始まり用」など、置く場所によって用途をかえてならべていきました。
そして、名残の秋明菊。
花の終わりはいさぎよいほどにはらはら散りゆきます。
宿根草なので、また来年会えるのを楽しみに・・。
秋の終わりの海へ末っ子を連れて、ちいさな旅に出かけました。
ヨットハーバーの静かな午後、舳先を同じ方向に向け、今にも出航しそうなヨットたち。
「この船に乗ってどこかいってみたいね」
「こんどは、魚市場へいってみようよ」
他県からのも、地元とれたてのもある磯の魚たち。目移りするほど彩り豊か。
末っ子は生きているかにや、バイ貝に目をみはり、もう夢中!
けれど、この時期はなんといっても「鮭」がおいしい!
もちろんぴちぴちと元気のいい生鮭が何本も揃っていました。
オスとメス、どっちがおいしいかは・・もちろんオスのほう。
卵に栄養をとられないからですって。
お店の人のいうとおり、おすすめの北海道産“秋味”を手に入れ
早速おいしい2品のストーブ料理にしてみました。
今回は2品ともストーブトップでの調理です。
鮭のつみれ汁 ロッジ社 ダッチオーブン10インチ
4~5人前
- 生秋鮭 …300g
- 木綿豆腐 …半丁
- 卵 …1個
- 片栗粉 …適量
- 塩 …少々
- ヒラタケ(その他きのこなんでも)…1パック
- ネギ …1本
- かつおだし …1.6L
- 酒 …大さじ3
- しょう油 …大さじ3
- 塩 …適量
1. 皮、骨をとりのぞいた鮭を包丁で細かく刻む。
細かくきざんだネギの葉も入れる。
2. ボウルに入れ、水切りした豆腐、卵、片栗粉、塩を加えてよく混ぜあわせる。
3. カツオでダシをとり、ストーブトップで細かい泡がでるまでダシを煮立たせ
酒、しょう油、塩を入れ味を調える。
4. スプーンでやさしくつみれをダシの中におとす。
5. 5分ほどそのまま火をとおし、ヒラタケ、ネギを加えたらふたをして
ストーブトップのはじのほうに寄せ、蒸らすように5分ほどおく。
豆腐のおかげでふわふわの食感のつみれになりました。
蒸らすように火をとおしたネギはしゃきしゃきと、ヒラタケも香りよく適度な歯ごたえ、
ダシのうまみも手伝って、秋を味わうには最高の組み合わせです。
鮭のちゃんちゃん焼き ロッジ社 9インチスキレット&カバー
2人前
- 鮭 …2切れ
- キャベツ …100g
- ネギ …1本
- ピーマン …1個
- 人参 …半分
- 塩コショウ …適量
- サラダ油 …適量
- バター …30g
- みそ …60g
- 砂糖 …大さじ1
- 酒 …大さじ1
- みりん …大さじ1(調味料は合わせておく)
1. スキレットはストーブトップでプレヒート(予熱)をし、サラダ油を適量入れ、
塩コショウした鮭の皮目のほうからこんがりと焼く。
2. 粗い細切りにした野菜類を鮭のまわりにたっぷりとのせる。
3. スキレットカバーをして、野菜がしんなりするまで火をとおす。
4. ふたをあけ、混ぜ合わせたみそをまんべんなくかけ、バターをのせ
ふたたびカバーをしてバターが溶けるまで蒸し焼きにする。
北海道の代表的な鮭料理のひとつ、このちゃんちゃん焼きのいわれは
「ちゃんちゃんと作れるから」「父ちゃんが作るから」などいろいろな説があるようですが、
簡単に作れ、野菜も魚もたっぷりとれます。
最後のバターが“北海道”らしさを演出していますね。
スキレットはカバーをすることで中の食材に歯ごたえを残したまま火を通してくれます。
手軽なストーブトップでの調理もオーブン的に使え、こんなに優秀なクックウェアは他にありません。
使い終わったらぬるま湯で洗い、ストーブトップやキッチンコンロで空焼きして水分をよくとばし
薄くサラダ油をすりこんでおきましょう。
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昼下がりの海は、波もおだやかで風もそれほど強くありませんでした。
遠く、雲の真下に見える山は「米山」よねやま。民謡にもその姿が謡われています。
先日我が家に遊びにきたポールさんたちとビーチコーミングをしましたが
なかなかきれいな「シーグラス」が見つからなかったので
今日は末っ子と一緒に海辺を探検することにしました。
それにしても気になるのは「ゴミ」。
プラスチックの容器、ビニール紐、なんでもあります。
なんと、アイスクリームの販売用冷蔵庫まで。
「これじゃ、いやだね~」
と言いながら、「シーグラス」を探しました。
あるところに丸い砂利がたまっているところをみつけ、手でかきわけてみると
白く光るシーグラスが・・。
波に洗われてすっかり丸くなっています。
末っ子は喜んであっちこっち探しています。
「ほら、見て。」
それは白い貝殻の中に入ったシーグラス。
偶然そうなったのでしょうが、なんだか真珠のように見えました。
海の楽しさ、美しさ、同時に怖さ、大事さ・・。
次世代に伝えるのがおとなの役目なら、子供と一緒に過ごす時間は大切な
バトンを渡す瞬間のつらなりなのでしょう。
子供のたくさんの貝殻をジャケットのポッケに詰め込んで、わたしたちは
「また来ようね。」
と言って日の傾いてきた海をあとにしました。