納涼祭特別編・前編 貝柱おこわと豪快餃子と火の道具たち
火入れ式
あれ、今年梅雨明け宣言ってあったかな?とだれかにききたくなるような雨の日が続き、うーん、アウトドアイベントってこんなハラハラドキドキがつきものです・・。
今日はファイヤーサイドの庭にしつらえた石のファイヤープレイスの火入れ式を行う大事な一日。
合わせてスタッフさん全員で納涼祭も楽しむ予定です。私もアウトドア料理の腕を振るうべく、新潟から駆けつけました。うれしいことにおてんとう様も気をつかってくれたようで、晴れ間が見えてきました。
「みんな~、集まって!」
ポールさんの呼びかけに待機していたスタッフのみんながぞくぞくと集合。
「どうぞ、今後とも安心安全な火の取り扱いができますように。」
祈りが捧げられ、真ん中に組まれた焚きつけにお神酒が注がれます。
マッチの火が風にあおられ2本、3本、ふいっと消えてしまいますが、いつのまにか小さな火は次々と焚きつけに燃え移り、またたく間にぼぅぼぅと大きくなります。
そしてそれは“火の道具”づくしな一日のはじまりとなりました。
貝柱おこわと豪快餃子
12時の会食予定を目標にファイヤーサイドの一室ではテーブルの上を食材がすきまなく埋め、わいわいと料理の下ごしらえがはじまっていました。
ポールさんは、ミネストローネとハーブチキンのグリル。
前日から丁寧に仕込まれた自家製ブロードをもとに、ズッキーニ、セロリ、トマト、彩り豊かな夏野菜がコトコト煮込まれていきます。
今回、わたしが担当するのは、貝柱のたきこみおこわと豪快餃子、ミニ胡麻あんぱんの3品。
水戻しに一番時間がかかるので、貝柱おこわから取りかかりました。
貝柱のたきこみおこわ
- (6人分)
- 干し貝柱 …60g
- もち米 …3合
- 貝柱戻し汁 …400cc
- 酒 …150cc
- 塩・しょう油 …各小さじ1
- アサツキ …適量
1.もち米は1時間ほど水につける。貝柱は3~4時間ほど水で戻す。
2.米の水気をきり、ダッチオーブンにいれる。
戻し汁、酒、塩・しょう油を加え、貝柱も入れ、ざっと混ぜる。
3.強火にかけて、蒸気がでてきたら弱火にし、20分ほど炊く。
パチパチと音がし始めたら火からおろし、蒸らす。
焚き火台とファイヤープレイス
車輪つきの焚き火台が5台ほどファイヤープレイスのまわりに準備されています。
ファイヤープレイスの真ん中で焚かれた薪が真っ赤に燃えるおきになり、それぞれの焚き火台にスコップで配られると、熱源が広がったぶんこのあたりの気温は10度くらい上がったんじゃないか・・と思うほど。
スタッフのみんなは汗びっしょりになって焚き火台の間をぬうように歩き、いつでも鍋やスキレットがかけられるよう、火をかきたて、支度を急いでいました。
おこわを炊きはじめ、餃子を豪快に焼く。
屋内の調理スペースとファイヤープレイスの間をいったりきたりしながら火の調整具合にあわせて下ごしらえをすすめる・・。そして、「いつでも鍋かけられるよ~」という知らせに、まずは14インチキャンプダッチ2つにそれぞれ水をきったもち米、だし汁、貝柱を投入。ふたを閉め、取っ手をもち、中身がこぼれないよう用心しながらおき火が赤く焼けた焚き火台へと急ぎます。
まずはこのおこわを火にかけないことには・・。
このあと125個の餃子包みとあんぱん60個の分割、餡入れが待っている・・。
無事2つのダッチオーブンをトライポッドにつるし、火の調整を大澤専務にお願いして餃子作りに向かう。
もちろん1人で包んでいては日が暮れてしまうので強力な助っ人、3名のスタッフに手伝ってもらいました。
豪快餃子
- (約50個分 )
- 豚ひき肉 …500g
- キャベツ …小1/2個
- ニラ …1束
- 海老 …100g
- オイスターソース …大さじ1
- 酒 …大さじ1
- しょうゆ …大さじ1
- 砂糖 …大さじ1
- 塩 …小さじ1
- ごま油 …大さじ1
- 片栗粉 …大さじ2
- 餃子の皮 …50枚(プラス多めに用意しておく)
1.キャベツをみじん切りにし、分量外の塩を小さじ1ほどまぶし、ボウルの中でざっと混ぜる。水分が出てきたら、ぎゅっとしぼる。
2.別のボウルにひき肉、あらみじんぎりにした海老とニラ、オイスターソース、酒、しょうゆ、砂糖、塩、ごま油を加え、よく混ぜる。粘りが出て、まとまってきたら水気をしぼったキャベツ、片栗粉を加えてよく混ぜ、ラップをして冷蔵庫で10分ほど休ませる。
3.餃子の皮のふちを少し水でぬらし、スプーン1杯ほどの餃子あんをのせ、ひだをよ寄せながら包む。
4.プレヒートしたスキレットに油をひき、餃子を手早く並べ、うっすら焼き色がついたら餃子の半分の高さまで水を注ぎ、ふたをして蒸し焼きにする。
5.水分がなくなってきたらふたをとり、パリッとするまで焼く。
焚き火台のおきは餃子を焼くのにちょうどいい感じになっています。
「スキレットで焼いていこう!」
冷蔵庫からバットにぎっしり並べられた餃子を持ってきました。
クッキングスタンドがセットされ、イベント用の豪快な14インチスキレットがどん、と置かれます。
いつもの9インチスキレットとは比べようもない迫力!!
餃子の焼き加減が最初と最後では違ってしまうので2,3人で並べていったほうがいいようです。
「じりじりじり~」最初の焼き色をつける音。
「じゅわ~!」水を注ぐ音。
「しゅ~」蒸し焼き中。
「ぴちぴちぴち」焼き上がり、近いですよ~。
こんなときの、音まで“ごちそう”です。
「暑い日にできたて熱々、鋳~物だ!」だれかが言ったような。
酢、しょうゆ、からし、おろしにんにくetc,たっぷりとつけておいしく召し上がれ!
さぁ、先に炊き始めた貝柱のたきこみおこわの様子も見なくちゃいけません。
今回の料理はどれも30人分ほどを作っています。
1つのダッチオーブンに12合のもち米ですが、火力が強ければ25分ほどで炊き上がるのでうっかりするとおこげを通り越して本当にこげてしまうおそれがあります。
火を調節していた大澤専務に
「どうですか?」
と聞くと、
「そろそろいい具合じゃないかな。」
という答えが。
「ふたをずらして見てみますか!」
そろそろっと開けてみると、
「おいしそう!!」
ふっくらと炊けていました。
「もう1つのほうは・・」
「こっちはまだかな、ちょっと火が弱かった。」
再び火にかけられます。
ダッチオーブンでのごはんの炊き上がりの目安は蒸気が落ち着いて
「ピチピチッ」「パチパチ」
というようなはじける音がし始めた頃。
水分がごく少なくなってごはんが乾き始めた音と、ほんのりとしたおこげの匂い。
こうなったら火からおろして15分ほどふたをしたまま蒸らします。
蒸らしが終わったら底から混ぜ、器に盛って刻んだアサツキを風味付けに散らします。
そしていよいよ、このあとはミニ胡麻あんぱん作りと、どきどき夏休みの社会科見学
「薪ストーブ倉庫の巻。」へと続きます。お楽しみに・・。