フクロウと会話する方法
ボクはフクロウの写真集(平凡社 タイトル「フクロウ」)を、1989年に出版しています。
この写真集を撮るために年間200日間、それも10年にわたって、山の中に寝泊まりしてフクロウと会話してきました。
その結果、ボクは16種類のフクロウの声を通訳できるようになりました。
フクロウの代表的な鳴き声は、
「ホッホー ホロッコ ホッホー
ホッホー ホロッコ ホッホー 」
という独特のリズムをもっています。夜の森に響き渡り、心の奥にまでしみわたる、実にいい声です。
多分、フクロウの声を聞いたことがある人はこの鳴き声ではないでしょうか。
このホッホー ホロッコ ホッホーという声は、オスが喉袋を風船のように絞ったり膨らめたりしながら出すので、遠くは2km以上も聞こえます。
これに対して、メスのフクロウは喉袋をもっていないので、「ボッボー ボッボッボ ボッボ」とメロディーは同じでも、とても小さなダミ声でせいぜい100mほどしか聞こえません。
オスが鳴くと、メスがそれに応えていることが多く、夜の森でちゃんと会話をしていることがうかがえます。
フクロウのオスとメスの声をまず聞き分けられるようになったら、あとは、季節や場所に照らし合わせながらじっくり耳を澄ませていると、いろんな声のあることに気づいていきます。
笑うように「ホッホッホッホッホッホ…」と連続的に鳴くオス。
これは、春の子育て前に巣の近くで繰り返されます。
「ここで巣づくりをするから、ほかのフクロウは来るな。オイラには嫁さんもいるし、樹洞というマイホームもある」といったナワバリ宣言でもあります。
毎夜毎夜、静かに耳を澄ませていると、こんな会話がわかってくるから面白いです。
「おなかがすいたから早く餌を持ってきておくれ~」
「いま、餌探し中」
「餌もってきているのに、どこにいるのー?」
「ここにいますよぅー 早くはやくもってきてぇーー」
「卵を温めているから安心してていいよ」
「元気だったかい?」
「緊張しなさい、警戒しなさい!」
「怒りなさい!」
「お母さんですよ、元気に生まれてきてね」のような、
卵や子供たちに語りかける声も別にあります。
このようにフクロウにはたくさんの声があって、それぞれに意思疎通の言葉になっていることに気づいたら、夜のフクロウの行動が手に取るように読めるようになります。
信じてもらえないかもしれませんが、森を抱えた町や村などには現在でも、およそ500~800mおきにフクロウが1羽いる計算になります。
しかし、現代社会の住宅は、防音効果のきいたサッシ窓やサイディングに囲まれて、しかも室内はテレビや冷蔵庫、パソコンの音などのノイズだらけです。
このような家の中にいると、せっかく外でフクロウが鳴いていても、ほとんど聞き逃していることが多いものです。
「フクロウなんてそんなにいないし、まさか自分が出会うなんてとても難しいことだろう」
と、信じれない人は実験をしてみればわかります。
まず、原野や畑の縁などに地主から許可を得て、2~3mの高さで棒杭を立ててみてください。
フクロウはいつも止まり木に止まってエサにするネズミを探していますので、都合の良い高さの止まり木があれば、すぐに止まりたくなるからです。
夜中にそんな場所にとまる野鳥はフクロウ以外に考えられませんから、その棒杭の先端に、秋葉原の電気街で売られている150円くらいのマイクロスイッチをとりつけます。
このスイッチをフクロウが止まって踏むことで、電磁カウンターが動くようにすれば、一夜に8回とか10回も実際にフクロウがやって来て止まっていくというような確認もできます。
電磁カウンターを安く仕上げようとすれば、100円ショップで売られている「万歩計」がいいでしょう。
あの万歩計の内部を一箇所ハンダ付けするだけで、電磁カウンターに早代わりします。
こうして、フクロウの存在がわかれば、カウンターの代わりにブザーなどを使用して、シュラフにくるまったままフクロウがやってきたことを音で効率的に知ることもできます。
自然を難しく考えるのではなくて、頭を柔らかくしてアイデアを実践実行すれば、森の哲学者とも言われているフクロウだって出会うことは可能なのです。
僕の庭にもフクロウはいるでしょうか?私も棒をたててみたいですね。宮崎さん、是非やり方を教えてください。またカメラの点検のルートにつれてください。
先日はどうも。
我が家近辺にフクロウがいるのはわかってました。
しかしっ!ただほーほー言ってるだけ、と思ってました。
今度、じっくり聞いてみよう。
でも、今、この時も家の中はロックミュージックがんがん(笑)
■ポールさんちは、あの探検小屋の屋根上に止まり木をつけるのがいいですね。
で、フクロウが止まれば寝室まで信号が送られてきてブザーが鳴るようにすればバッチリ、です。
■あーるさん、フクロウはいまの時期いちばん鳴かないときなんですよ。
これから、10月、11月は、メスの子別れ声が聞こえます。
「ゴッゴッゴッゴ ゴワー ゴワー ゴワー ゴゴゴゴゴ…」
それはそれは、スゴイ声、です。
うちの裏山にはフクロウがいます。
夏にギャッギャッと鳴くのは、フクロウの雌ですよと、学さんのちょっと前のブログを教えていただいて、目からうろこ、大変驚きました。
ゴイサギだとばかり思っていました。
でも、意味はなんなんでしょう??
今夏もたまに鳴いています。ホ、ホロロと鳴く声も聞こえます。
修行全く足りず、意味わからず残念・・・。
わかったら楽しいでしょうね。
それから、10月11月の、子別れのそれはすごい声、多分、去年聞きました。
夕方、薄暗い中、2羽で鳴き交わしていたようにみえました。
すごい現場に立ち会ってたんだ~と、納得です、ありがとうございました。
■ひろぽんさん
自然観察は、目だけではありません。
耳、鼻もつかって目も同時なら、複眼発想もできて3倍以上の観察眼が育ちます。
姿が見えなくても、声だけで、その存在を知ることができますし、
声も姿もなくて、臭いだけで知ることもできるから、です。
ボクは、そうやっていつも自分を鍛えております。
昔から仏教の世界には、「かんざつじねん=観察自然」という言葉があり、人々は自然に耳を傾けていろんなことを語ってきたのです。
これは、現代社会となったいまでも、通用することでもあります。
宮崎 様
はじめまして、
時々ホームページを拝見させて頂いております。
ふくろうと会話ができるなんて素晴らしいことですね。
やはり何をやっても10年はかかということですね。
また、写真がすばらしい、
一瞬の動きを予測して撮るという事は、動物の習性を知ることが大切なのでしょう。
昨年の春だったかな、私が別荘に行っている時、偶然にも
朝8時過ぎふくろうが、窓の外に飛んできました。
よく見ると、まだ産毛がついた子供でした。
窓から30メートルほど離れた所で、私が作った看板の上に留まったので
あわてて手持ちの300ミリの望遠レンズに交換して写真をとることができました。
その後1分くらいして親が木の上に飛んできて、そこで3~4分いたように
思います。巣立ちだったのでしょうか、家内と二人で見たのですが
初めての出会いで、ほんとうに感動しました。
そんなふくろうの親子の会話が、もし聞けたとしたら最高でしょうね。私も
25年ほど前から雑木林を作っております。
そのため、ごほうびにどんな所か、ふくろう親子が見にきてくれたのでしょうか、時々鳴き声は聞いていたのですが、
これからは、もっともっと関心を持って聞いてみたいと思っております。
武智 さま
>昨年の春だったかな、私が別荘に行っている時、偶然にも
>朝8時過ぎふくろうが、窓の外に飛んできました。
>よく見ると、まだ産毛がついた子供でした。
それは、まちがいなく近所で繁殖したフクロウですね。
別荘地では、穴をもてないフクロウが床下など地上で子育てする場合があります。
フクロウと会話ができれば、子育て中の独特な声がありますので、熟練すれば巣場所を突き止めることが可能です。
ただし、時間もかかりますし、耳がよくないとちょっとした会話を聞き逃してしまいますので、一般の人には難しいと思います。
はじめまして♪
昨夜、自宅で、はじめてフクロウの声を聞きました。
2羽が呼応する声だったのですが、どんなことを話しているのだろうと
不思議に思い、こちらのサイトに辿り着きました。
メスには喉袋がないということがわかり、納得いたしました。
本当に「森の哲学者」のような神秘的な声でした。
mixiの日記の方にこちらのサイトを紹介させていただきました。
素晴らしい「森の日記」ありがとうございます♪
ティナ さん
返信が遅くなり申し訳ございませんでした。
9月に入り、どこのフクロウもメスが鳴きはじめています。
メスの声は、叫ぶような「ゴワッゴワッゴワッゴゴゴゴ フギャーフッギャー・・・」という、恐ろしげな声です。。
この声は、夕方と明け方によく聞かれます。
フクロウは、ほんとうにたくさん生息していますので、夜間の森にちょっとだけ耳を傾けることを心がけていくといいですよ。
先日は、ほっほっ ほっほっ ほっほっ 2回から8回鳴いて、同じ声でした。今日は、2から3回 ほっほっ ほっほっ の後、違う声で ほほっ ほっほっ とだけ、鳴いてました。これは、ふくろうですか?オスとメスですか?今は、23時です。三重県名張です。そう言われてみれば、20時以降ばかり、でも、もう聞こえない。23時20分ごろから
実は先週から フクロウかミミズクの様な大型の鳥が庭のキンモクセイに昼寝をしにくるんです。 しかし周辺は山川からかなり離れていて森も100キロ周辺にありません。撮影に近すぐと逃げて翌朝また昼寝にきます。色はグレーで群なのか4羽も一緒に昼寝している様です。