ふきのとう味噌の焼きおにぎりを3種のクックウェアで
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長い冬が終わりました。
雪解け水は小さな流れとなり、そのせせらぎはいつのまにか大きな川にあわさって田畑を潤します。
田んぼのあぜは、日増しに緑濃くなりますが、今はまだ柔らかい若草色・・。
春浅いこんな景色を目にするたび、わたしは百人一首のこんな歌を思い出します。
“君がため 春の野に出でて若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ” 光孝天皇
第58代天皇。任明天皇の第3皇子。一説には光源氏のモデルであったといわれる。
「あなたのために早春の野原の若菜を摘みにきています。
そんなわたしの袖口には春の雪がちらちら降りかかっています。」
百人一首のなかで春の歌は6首。
そのなかでもこの歌はもっとも優しく、のどかな春を歌っている気がします。
作者の詠んだ情景が、今も昔と変わらないのだ・・と思うと歴史の一場面も身近に感じられてきます。
今回の薪ストーブ料理では、春一番の若菜
“ふきのとう”を使って、「ふきのとう味噌」を作り、
またそれをストーブトップで炊いたごはんに塗って「ふきのとう味噌の焼きおにぎり」を作ります。
ふきを湯がくのはエマリアミルクパン、ふきのとう味噌を作るのはターク社のフライパン「ロースト」、
白米を炊くのはロッジ社ダッチオーブンと「3つのクックウェア」が活躍してくれました。
ふきのとう味噌
- ふきのとう …10個分(外側の枯れた葉はとり、よく水で洗う)
- 白味噌 …150g
- 砂糖 …80g(三温糖でもよい)
- 酒 …60cc
1.ふきのとうは小さじ1の塩を加えたお湯で3分ほど湯がき、湯を捨て水にさらす。
2.さらしたふきのとうの水分をぎゅっと搾り、包丁で細かくたたく。
3.ストーブトップにタークのフライパンをおき、予熱をしてサラダ油大さじ2をひく。
そこへみじん切りのふきのとうを入れ、木べらで炒める。
4.酒をそそぎ、次に砂糖を加えよく混ぜる。
5.味噌を加え、なめらかになるまでよく練り、水分をとばすように混ぜる。
6.焦がさないように、フライパンをおく位置をずらしたり、
上手に火加減をしながら煮詰めて完成。
ふきのとうの苦味や風味をもっと味わいたい時は、
湯がく時間を短くしたり個数を増やしてお好みに調整してください。
エマリアミルクパンのようなホウロウの鍋で湯がくと、山菜がきれいな緑を保ったまま仕上がります。
ダッチオーブンでごはんを炊く
- 米 …4合
- 水 …1.2倍~1.4倍量の水
1.米をよく洗ってといで、30分浸水しておく。
2.ざるにあげて水をきり、ダッチオーブンに米をいれ1.2~1.4倍量の水を入れる。
3.よく火のおきたストーブトップ、クッキンググリドルの中央に置いて、25分ほど炊く。
ごはんの炊けるいい匂いがしてきたら横にずらし10~15分ほど蒸らす。
炊き上がったらよくかきまぜておひつなどに移し、鉄鍋の匂いがご飯に移らないようにします。
ふきのとう味噌の焼きおにぎり
1.炊いたご飯に塩をつけて丸く握る。
2.ふきのとう味噌を上に塗る。
3.おき火を外側によせたストーブ炉内にクッキングスタンドをおき、焼き網をのせる。
そこへ味噌をつけたおにぎりをおいていく。
4.10分ほど焼いてできあがり。
こんがり香ばしいおこげがうれしい焼きおにぎり。
ふきのかおりいっぱいの甘めの味噌はとうふやこんにゃくの田楽に添えてもおいしそうです。
焼きおにぎり番外編
こんな食べ方もあるかな?と試してみたのが“焼きおにぎり茶漬け”
濃い目の緑茶をたっぷり注いでくずしながらいただきます。
かつおぶしでとったダシをかけてもよいでしょうね。
~山里の春~
あんなに高く積もった雪もじょじょに嵩が減ってきました。
と同時に雪の重みで折れた庭木があらわれてきて、「あ~あ」とため息をつきました。
桜もだいぶ枝を広げていたので今年は花見も期待できていたのですが。
のこぎりで短く切って、来冬の焚付け用に。
大好きな桜、最後まであなたの命を無駄にはしないよ、と心の中でなぐさめます。
「不思議なことに桜より大きく枝を伸ばしていた梅・・・」にはまったく被害は無く、
今年もぽつぽつと可憐な花をつけ始めました。
「いい香り」
うちの花見は梅が主役になりそうです。