フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

薪割りは格闘技

我が家の裏山にも春が来た。
桜が散り始めた頃、アベマキやコナラの花が咲き始めた。
これらブナ科の木は葉の展開と同時に開花する。

裏山は大好きな冬枯れの雑木林から、
鮮やかな新緑の景色に変わりつつある。

やがて夏には空が見えないほど深緑で覆われ、
秋になれば裏山の小道はどんぐりで埋め尽くされる。
春になったばかりなのに、晩秋が待ち遠しい。
そういえば、始めて薪狩りをした里山にもどんぐりがたくさん落ちていた。

 
我が家に薪ストーブを設置したのは、今から18年前。
当初、薪は100束5万円で買っていた。

1シーズン300束燃やせば、薪だけで15万円も掛かってしまう。
そんな時、近くの土建業から伐採情報を入手した。

現場は子供の頃どんぐり拾いにきていた懐かしい里山だった。
200mに渡って原木が伐り倒されていた。
15万、いや20万・30万が目前に落ちている。そんな思いだった。
なんとか自宅まで運びたい。
友人に声を掛け、トラックと人手を手配した。

チェンソーすら持っていないビギナーの薪焚き人は
人海戦術で4mもの原木をトラックに積め込んだ・・・

 
15年ほど前の懐かしい写真です。
今思うと、よく人力で4mもの原木を積み上げたと感心してしまいます。
原木を入手したことがきっかけで、チェンソーと斧を購入。
使いこなしていく内にチェンソーは満足できたものの、
斧はどうもしっくりきませんでした。
ある時ネットで斧を探していると、ふと目にとまったものがあります。
グレンスフォシュ・ブルークスの大型薪割りです。

「こんな薪割りが欲しかった。」
世界中の薪割り人からそんな賞賛の嵐が巻き起こった話題の斧!
このフレーズに惹かれて買ってしまったんですね。

日本製の斧から外国製のアックスまでアレコレ使いこなしてみましたが、
やはりグレンスフォシュが一番。
この頃はファイヤーサイド社とのお付き合いもない時期ですから
決してお世辞でもPRでもありません。

薪は自力で調達するようになってから薪代が浮き、
その分、マイ斧のラインナップも増えていきました。

軽量で扱いやすい大型薪割りは最も出番が多いアックスです。
現行のロゴデザインとは少々違うようですが、かなり擦れてきました。

 
さて、話は薪集めの話題に戻ります。
生まれたときから地元で育ち、地元で商売をしているせいか、
他業種との付き合いも多くなり友人も増えてきました。
薪づくりの愉しさに味を占めた私は、
材木業、土建業、造園業などあらゆる友人に声を掛けて薪集めを始めました。
現場で玉切りすることもあれば、ユニックで運び入れてくれることも。

「有り難い」の一言に尽きますが、難点も少々。
枯死のための伐採や、朽ちて使い物にならない原木もあれば、
とても手に負えないほどの大木が運び込まれることもあります。

「薪割りはスポーツだ。」と言われますが、この時ばかりはまるで格闘技。
先日も原木のドロップキック(丸太が落ちた)を右足に受け、
不運にも安全靴の鋼鉄のない甲に強打。
その夜は痛みも激しくなり、全く歩けない状態になってしまいました。
幸い翌日には回復しましたが、お互いケガには気をつけましょう。
 
 
もうひとつ問題点があるとすれば、毎年どれだけ集まるか予測できない事。
過去の流れからいくと、年度末の3月までに伐採の依頼が多いようです。
その時期に原木が手に入らなければ購入するつもりですが、
その最終手段にでることは未だかつてありません。
幸い私は、仕事量の多い優秀な造園業の友人を持っているのかもしれません。

昨年割った薪は、現在カーポートを占領して来シーズンの出番を待っています。
そして裏庭には3月に入手したプラタナスの原木が玉切りを待っています。
これらもかなり太くて手強い。
薪割りに費やす時間と体力を考えれば、
原木を購入して楽な薪づくりを愉しんだ方が合理的かもしれません。

しかしとても手に負えないような原木と向かい合っている方が
木と戯れている気がするんですよね。
本来なら儚く焼却処分される原木。
立派な薪にして我が家のデファイアントで成仏させてあげましょう。

 



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コメント

  1. 楽しいエッセイありがとうございます。今は、薪割りの季節ですね。私も数々の失敗があります。原木が足に落ちて怪我をしたり、薪集めしようと思ったら通報されたり、腐った樹を持たされたり。でも、あの暖かさは格別ですから、やめられませんね(笑)

    • おがちゃん様へ
      いつもありがとうございます。
      通報されちゃったんですか?とんだ災難でしたね。
      友人も地主さんから間伐を頼まれて伐採してたら、「自然破壊だ。」って訳の分からない人にからまれた事もあるそうですよ。
      人の迷惑と大きなケガさえ注意していれば、多少の打撲や失敗も笑い話で済ませたいですね。

  2. 丸太の原木・・・大きいですね!
     まさに格闘技!!お怪我にはご注意を~
    薪は割って使う事ができるのですものね。
    もう割られた薪棚を見ることばかりで・・・。
    どんな大木も割られて、ストーブで成仏させる・・・
     薪とストーブがお好きなのが伝わってきます。

    新緑も日差しでキラキラとまぶしく、とっても綺麗な季節になってきましたね^ー^

    • m.yamauchiさん、こんばんは。
      薪は表からみえない裏庭でコソコソ作ってるんですよ。
      薪棚は作品展示みたいなものでしょうか。
      でも人には譲れない作品ですね。愛情込めて作ってますから全部自分で食べてしまいたいくらいです。

  3. 私も知り合いから立ち木や丸太を譲ってもらって、週末に薪作りをしています。生傷が絶えませんし、週の初めは筋肉痛でつらいことが多々ありますが、薪の山が積みあがっていくの見ると楽しくなってしまって、趣味と言って良いのでしょうね。また、道具もついつい買い増して、チェーンソーとグレンフォッシュの斧の数が増えてきました。これからもがんばります。ところで写真の太い丸太はどうやって割られるのでしょうか?

    • なかさん、コメントありがとうございます。
      原木を譲って頂けるというのは、本当に有り難いことですよね。私も常に感謝しながらこのような人脈は大切にしていきたいと思っています。
      手強そうな原木が届いた時は、正直滅入る気持ちもないことはないですが、それが薪になったときの達成感は計り知れないですね。
      写真の大きな原木は桜の木で、届いた時には長さが2mほどありました。それを40cm程度に玉切りにしたものが写真に載っている丸太です。それを裏庭まで転がし地面に置いて割ろうとしましたが、とても堅くて堅くて・・・。最終的にはチェンソーで4等分して端から少しずつ割っていきました。出来上がりはとても薪棚に積めないような歪な形になってしまいましたが・・・。

  4. こんにちは。
    グレンスフォッシュの斧の記事を拝見して、私も欲しくなりました。ちなみに、現在は土佐の和斧とナタを使用しており、満足しています。

    私にとっても薪割りはスポーツですね。なかなか割れない薪をどうしたら良いか考え、狙いを定めながら割るというプロセスが好きです。難しい方が面白いですね
    また、秋が訪れ薪がピキピキと音を立てて乾燥するように季節の変化を感じたり、薪の間でヤモリ親子や虫が越冬するのを見かけるように命を感じたりするのも好きです。

    住まいは鎌倉の谷戸で小さな森に囲まれており、造園屋さんから貰える薪があるため、薪の入手には不自由はありません。
    ただ、鎌倉では伐採ばかりで植樹や植林されていないように感じます。持続可能かつ薪ストーブを楽しめる社会であるためには、市民レベルで植樹や植林をしていく必要があるのだろうと感じています。

    • オツジさん、コメントありがとうございます。
      土佐の和斧ですか、かっこいいですね。
      斧も斧頭の形や重さ、柄の長さなど様々ですが、グレンスフォッシュの大型薪割りは私の体格と体力にぴったりフィットしていると感じてます。
      自分に合った斧を見つけることの方が大切かもしれませんね。

      伐採された原木からも自然の生命力を感じますね。
      今ある玉切りからも葉が芽吹き始め、生きているんだなぁって感じますが、無残に朽ちるよりもこの手で成仏させてあげたい、そんな思いです。
      樹木はまさに持続可能なエネルギー。伐採地に若い木を植えることではじめて資源としての世代交代が成立するんですね。そんな活動も進められると素晴らしいと思います。

  5. 私も最初に薪集めを始めたときにはえらいめにあいました。素人は断る勇気など持ち合わせてはいなかったのです。薪にならない芝をつかまされたり、いもむしの大群に襲われたり。色々な経験をして今がある感じですね

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