フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

焚き火でソロキャンプ

人はなぜ便利な生活から抜け出し、不便な野外生活に繰り出すのだろう?
キャンプ生活への憧れは、昔の英雄の生活への憧れか、あるいは西部劇にえがかれている冒険と独立独行の生活をしてみたいという欲望からなのか・・・。

これは、アメリカキャンプ協会の資料を基に和訳された本「キャンプ・カウンセリング」の一節です。
1960年代の著書なので、今時のキャンプには古くさいかもしれませんが、田渕義雄氏やマタギの本と共に私の野外生活必須の書でもあります。

「キャンプ・カウンセリング」は何週間もの野外共同生活を指導するカウンセラーのための教本で、自然の中で創意工夫しながら生活していく数々のプロ グラムが紹介されています。

例えば野外炊事は焚き火だけが唯一の熱源。
かまど作りや火起こしなど、今でいうならブッシュクラフト的な知識や技術が詰まってます。
最新アイテムを満載した引っ越し作業的レジャーキャンプもいいですけど、
こんなオールドスタイルのキャンプもアリでしょ。

ただ、現実的には焚き火のできるキャンプ場は少なくなりましたね。
私の住む岐阜県でもごく僅かです。

 

静かなるキャンプ場を求めて

賑やかなキャンプ場が苦手な私としては、
オフシーズンの平日にブラッと出掛けてみました。
向かった先は岐阜県のロックフィールドいとしろ
初めて訪れたキャンプ場ですが、山紫水明の大自然に溢れたフィールドです。


規則に縛られることなく、自由に焚き火を愉しめます。
案の定、誰ひとりいなくて、広大な75サイトは独り占め。

気ままなソロキャンプは装備も少なめです。

食器用のケース、コットンタープ、そしてタッフダックのログキャリー


耐久性に優れたログキャリーには、薪やケトル、ツールなどが余裕で収まり、
アウトドアでも多目的トートバッグとして大活躍。これ大好き。
Made in U.S.A.に弱いんですよ・・・。

サイトを決めたら、まずはカマド作りと火起こし。
石を丸く並べるだけがカマドではありません。
炊事用にお勧めのスタイルが並列型。(罠型ともいいます。)

堅木の太薪を平行に並べてまき馬を作り、その中で火を起こし燃やし続けます。
まき馬は徐々に熱が蓄えられるので、長時間の炊事も可能となり
薪の追加も少なくて済みます。
また斜めに間隔を狭めれば様々な大きさの鍋やケトルが掛けられます。
この後、まき馬が少しずつ変化していく様子もご覧下さい。

焚き火の脇にいつも置くのはグランマーコッパーケトル

薪ストーブ同様、野外でもたっぷりのお湯は重宝するものです。
万が一の消火用としても役立ちます。
ただキャンプファイヤーじゃないですから、大きな焚き火は必要ありません。

焚き火は小さく。
これは多くのタキビストから学んだ事です。
必要最小限の熱があれば充分。
大きな炎よりもたっぷりの熾きを蓄えることです。


料理によっては強火が欲しい場合があります。
そんな時には、細めの針葉樹を2・3本加えれば火力もアップします。
「ここでキャンプすれば薪は十分ある」と分かっていればいいですが、
初めて行くキャンプ場なら最低限の薪は持参したいものです。

そろそろ、昼時になりました。

 

あり合わせで作る焚き火料理

あれこれレシピを考えるのは、正直なところ面倒臭い。
特にソロなら、ササッと作ってしまいたいのが本来の性分です。


今回も事前に計画していたデイキャンプではなかったので、食材はあり合わせ。
キッチンに転がっていた期限間近のコンビーフをケースに入れ、
芽のでかけたジャガイモと外に吊してあった玉ねぎを掴み、
「これでなんとかなるだろう。」って感じで出てきました。
途中コンビニに寄って飲料水を購入し、ついでにチーズも。


それらをままごとのように適当に刻んで、
味付けは「味塩こしょう粗挽き黒コショー粒ガーリック入り」
(長い名前だ・・・。)


そして、ひたすら炒める。


出来上がりは、輪切りのまな板にのせる。それがテーブル代わり。
食器類はカップだけ、炒めたタナーでそのまま食う。
ソロだからできる手抜きです。

途中、フライパンをワンプレートにして川辺に移動。

適当に作った料理も、野外では美味しく感じます。
いや、実際旨かったです、この料理。
28cmのフライパンにてんこ盛りでしたけど、ペロッといっちゃいました。


コベコベのフライパンも、ケトルのお湯できれいに剥がれます。

 

生豆だけは忘れない

食後もタークで焚き火焙煎ワイルドコーヒー。

生豆だけは忘れずに持ってきました。


フライパンでは多少ムラ焼きができますが、それもご愛敬。
キャンプ場のオーナーさんをお招きしてコーヒータイムです。


煎りたての豆を布に包んで石で砕いてもらいました。


沸騰したポットにそのまま流し込んで数分蒸らします。
「ワイルドコーヒーはそのまま注いで飲む。」
と言いたいところですが、粉がカップにいっぱい入って飲みづらいです。


先ほどの布で濾していただきます。
多少ほろ苦く、ブレスコーヒーに近い味わいです。
味よりも雰囲気ですけどね・・・。

 

立つ鳥後を濁さず

食べるものも食べて、飲むものも飲んだら、ごろ寝したり焚き火と戯れたり。

焚き火は帰るまでにはすべて灰にしたいものです。
デイキャンプ終盤は薪を立てて、早く燃え尽きるようにします。
真っ白な灰になれば後始末は簡単。

しっかり水をかけて、砂や土で焼け跡が分からないように整地します。

となりのサイトにはこんな焚き火跡もありました。

水を掛けて消せばいいってものじゃない。
次の人が気持ちよく使えるように後始末して立ち去ってほしいですね。

直火のできるキャンプ場といっても、好き勝手にやっていいものでもない。
風が強いときは控えるべきだと思います。
火の粉は数百メートル飛ぶとも言われ、思わぬ火災を引き起こします。
また、他のキャンパーの風上では焚かない。
他人の煙は迷惑以外の何者でもありませんからね。

火の不始末や乱暴な扱いで、焚き火が規制されていくことは大変残念です。
直火のできる貴重なキャンプ場を維持できるかどうかは
キャンパーのモラルにかかっているのです。

 



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コメント

  1.  薪割り、焚火、熾きを育てること・・・
    ダッチ料理のレシピ、生豆からのコーヒーなど
    長い時間をかけて、『火』と向き合っていらしたのですね^ー^

    『薪焚き道』のような精神性さえ感じます。

    • m.yamaさんへ

      「薪焚き道」武道のようでいい響きですね。
      でも、その道を究めるほどの技や精神は持ち合わせていませんが、焚き火の前なら何時間でも座っていても飽きません。不思議ですね。

  2. 焚き火、ちょっと前まで普通にしていましたが、いまは田舎でもご法度。野焼きの芳しい匂い、白くたなびく帯状の煙、熾火のきらめき、そしてスモークゲットインユアアイズ。

    ソロキャンプ。あの頃に帰りたい。

  3. 写風人さん お久しぶりです。

    去年末 長野のボロ家にダッチウエストを設置したBOOです。
    今年に入ってなぜか?キャンプ熱にうなされ続け、写風人さんのブログに触発され続け
    遂に、人生半分以上過ぎたオバちゃんが、ソロキャンプを決行するつもりです。
    時は、6月13日の金曜日(キャー!)

    場所は、ロックフィールドいとしろ にしようか、立場川キャンプ場にするか
    ちょっと迷っております。
    直火焚きできる所しか行きたくない私です。
    写風人さんを神と崇めている私です、焚火道の信奉者なのです。

    人生初、ソロキャンだからロックフィールドいとしろにしようかな?

  4. BOOさんへ。
    私もBOOさんのブログ拝見してますよ。

    人生初のソロキャンプですか。
    今からワクワクですね。
    立場川キャンプ場は行ったことがありませんが、いとしろは静かで景色もよくて、焚き火キャンプには最高のフィールドです。
    サスケくんもきっと気に入ると思いますよ。
    のんびり英気を養ってください。
    あまり飲み過ぎないように・・・。

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