フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

岐阜⇄南信州 対照的な薪焚き環境

今年は寒いような暖かいような・・・。
どちらにしても2月は薪焚きシーズン真っ只中ですね。
岐阜でも南信州でも、どっぷり薪ストーブに浸かっています。

しかし、その薪焚き環境は微妙に対照的です。

まず岐阜の住まい。
南側は里山に面し自然に溢れていますが、
隣には住宅もあり北側にはマンションも建ち並んでいます。

気流の乱れや風向きで、高層マンションへの影響はないとは言えません。
その環境下で、日頃気を付けていることがあります。
それは煙のいやな臭い。

岐阜では、極力煙の出ない焚き方を心掛けています。
住宅街で新たに設置された方々も参考にして頂けたらと思います。
苦情が出たら焚きづらくなりますからね。

私の朝の焚き始めは、
細かな焚き付けから中太の薪へと空気の通り道を作って組み、
燻さないように燃やし始めます。
炎が安定したらダンパーは開けたままの状態で犬の散歩に出掛けます。
そして散歩途中で煙突からの臭いを確認します。
煙突の真下では臭いは分かりませんからね。

煙突からの煙はほとんどなく、僅かに甘くやわらかな香りが漂ってくるほどです。
焚き火では味わえない薪ストーブ独特の香りです。

それでは、どのような時に煙が上がりやすいのか?
何度も外に出て煙突を眺めながら焚いてみました。
もちろん煙突が適切に設置され、乾燥薪を使用していることが前提です。

特に煙が上がりやすいのは、薪を補充する時。

熾きが少なくなっている状態でいきなり大量の薪を詰め込んだり
長持ちするからといって極太の薪をいくつも入れたりすると
薪は燻され煙はモクモク上がります。
空気調整を絞りすぎたり、早くダンパーを閉めすぎても煙は多く発生します。

薪の補充は十分な熾きがあるときに
ファイヤーバードや火かき棒で熾きを広げ、

極太の薪よりも中太の薪を使用した方が早く火が回ります。

すぐに炎が上がれば煙は微量で済みます。
またダンパーを閉め水平燃焼させれば煙はでないと勘違いされがちですが、
それは適切な状態で切り替えた場合です。
部屋の中で薪ストーブを眺めているだけでは、煙の状態は分かりません。
慣れないうちは、外に出て煙を観察することが大切です。
井の中の蛙にならないように・・・。

 

そしてこちらは南信州のアンコール。
夜に到着してすぐに焚き始め、就寝まで黙々と焚き続けます。

そして翌朝、炉内に残っている熾きの輝きを見ると感動すら覚えます。
ダンパーを開け空気調整を全開にして、細めの焚き付けをひと握り放り込みます。
すぐにメラメラと炎が上がり、続いて太めの焚き付けと中太の薪を新たに追加します。

試しに、少し早いかなという時点で空気調整を絞って外に出てみました。

いかにも嫌な臭いが漂ってきそうです。
これを住宅街でやるとかなりマズいですが、
煙で迷惑を掛ける民家もないので、外での焚き火もやり放題。
こちらでは好き勝手に薪焚きライフを愉しんでいます。

室内では薪ストーブ周りも遊び心のある空間にしていきたいと、
常にリノベーションの連続。

お陰様で今年も雑誌の取材などを頂き大変光栄なことです。
ただ、部屋の様子がいつも変わり映えしないと申し訳ないので、
その度に目新しいネタづくりに励んでいますが・・・。

大したものではありませんが、
最近手作りした小物をいくつか紹介させて頂きます。

ケヤキの無垢板を貰いしばらく手付かずのままでしたが
取材をきっかけにサインボードづくりを始めました。

アイアン文字はきまった書体しかないので、
種類の多い木製アルファベットで好みの書体を探してみました。
しかし、どうも質感が物足りなく
アイアン塗料を使って重厚感を演出しました。


薪ストーブや鉄鍋など鉄を基調にしている壁面なので
なんとか違和感なくディスプレーできたかと…。

次は鉄脚と足場板のテーブル。

DIY不慣れの私でも1時間ほどで出来上がり、2脚完成!
ひとつは窓際のカウンターに。
もうひとつはコーヒー専用テーブルに。


これは昔の白黒プリントの引き伸ばし機を改良したドリップスタンドです。

残りの部品は・・・というと

アンティークコーナーで古き良き時代を偲ばせています。

さて、今日はのんびりコーヒーブレイクしてみましょう。

コーヒー器具を収めたキャビネットの前にテーブルをセット。


焚き火で焙煎した珈琲豆をミルでゴリゴリ。


最近になって、ウェーブドリッパーを使い始めました。
味がどう変化したのか、よく分かりませんが・・・。

次はお湯。
グランマーコッパーケトルのお湯をドリップポットに。

アツアツに沸騰していますが、いつも素手です。
熱くないです!
手の皮が厚い訳でもないです。


革レースを巻き、不精者には素手で注げる便利デバイス。
もちろん焚き火には使わず、薪ストーブ専用にしています。
週末だけの南信州なので、頻度も低く、今のところ革の劣化はありません。
毎日使うような場合は保証できませんが・・・。

いよいよドリップ開始。

改良スタンドはこんな感じです。

南信州では、2つのケトルで常時10リットルのお湯が沸いています。
特にコーヒーはカップを温めるなど倍の量が必要になりますが
不意の来客でも、多勢の来客でも、慌てることなく対応できます。
些細なことですが、常にお湯が湧いているっていいですね。
薪ストーブライフ満喫中!

 
(隔月連載。次回の更新は4月上旬です)

 

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コメント

  1. こんにちは!

    足場板のカフェテーブル、渋くていいですね。
    鉄製の脚は市販でしょうか?

    鉄製品はDIYできないし、本物は高価なのでなかなか手が出ません。

    ウェーブドリッパーは底が平らなんですね。 フィルターも何かいい感じです。
    導入検討してみます!

    • hearthさん、コメントありがとうございます。
      私も鉄製品は手作り出来ないので、市販のものです。
      でも将来は免許を取って鉄細工もしたいと思っています。
      木工もやりたいし、陶器も作りたいし、やりたい事だらけです。

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