フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

初めての長期夏季休暇

週末森暮らしを始めて5回目の夏を迎えました。
過去の夏季休暇は長くて3日でしたが、今年は思い切って9日間の休暇をとり、
そのすべてを駒ヶ根での滞在に費やしました。

それだけ長期なら今まで出来なかった事をこの夏実現させたい。
実はここ伊那谷周辺には観光地や見どころがいっぱいですが、
物件探しを始めて8年間一度も出掛けたことがなかったのです。
せめて地元にある駒ヶ岳ロープウェイで千畳敷に登ってみたい。
諏訪湖の花火も見たい。
久しぶりに八ヶ岳も行ってみたい。

休暇は9日間もある!
そう思っていたのは最初だけでした。
結局どこにも行けず(いや、行かず)今回はKベースに隠りっきり。
普段デスクワークの多い私が身体にむち打って過ごした9日間を綴ります。

 

アンコールを運ぶ

来年からの移住では少なくとも3台の薪ストーブを設置したいと考えています。
そしてもう一つ実現させたかったのが、ZCOOSHOPのように火のある暮らしのシンボルとして赤のアンコールを玄関アプローチに設置することでした。

休暇前に運良く廃棄処分するアンコールが手に入り、駒ヶ根に運ぶために外せるパーツはすべて取り除き、本体を代車のままデリカに積み込みました。
ここまでは男手がありましたが、駒ヶ根では一人で下ろさなければなりません。

休暇の初日はまずアンコールを下ろすことが最優先。
デリカから直接下ろすには落差がありすぎ、
少しでも傾いたら一人では支えきれません。
初日にケガでもしたらこの休暇も水の泡ですからね。
なるべく落差がなくなるよう慎重に段階を経て下ろすことにしました。
デリカが部屋に寄せられないので、まず軽トラに乗せ換えます。


軽トラを掃き出し窓に寄せ、代車のままリビングを通り廊下を抜けて玄関に。
玄関の段差にも足場板を渡し、やっと玄関外にたどり着きました。


フルカラーや扉、ウォーミングシェルフを取り付けて無事設置完了。
玄関先のリフォームによってはまた移動することになるかもしれませんが、
暫くはここでウェルカムオブジェです。
アンコールを設置できただけで、この休暇は大満足。
もう観光なんてどうでもいい。
ずっとこのアンコールを見ていたい気分になります。

 

意を決して大掃除

春から秋にかけては凄まじく伸びる草との闘いです。

慣れている広場の草刈りは初日に済ませました。
ここは駒ヶ根入りする度に手入れしますが、たまの週末に来るだけでは、
どうしても作業内容が限られてしまいます。
見て見ぬ振りをしている場所や、手付かずの場所がいくつもあり、意を決して挑むことに。


玄関前のボサボサはついサボり気味になり2年ほど手を付けていません。


桜の落ち葉も掻き出してみると軽トラ2杯分。
落ち葉と言うよりすでに腐葉土です。
農園や園芸でもやっていれば、いい堆肥になるでしょうが・・・。


野良仕事は、なり振り構わずこんな服装です。
この写真をSNSに投稿したところ、
「そちらは長袖を着るほど涼しいのですか?」とコメントされました。
確かに岐阜ほど暑くはないですが、
作業中はどんなに暑くても長袖を着用し肌を露出しないようにしています。

休暇前半は35℃前後の暑さが続き、午前中の作業を終えたらシャワーを浴びて着替え、夕食前にもシャワーと着替えするほど汗まみれ泥まみれになりました。
休暇中盤には雨になると分かっていたので、屋根と雨樋の掃除も早めに行いました。


南側の屋根は、以前空き家だった頃から数えると10年以上は手付かずの状態です。
屋根そのもののリフォームが必要でしょうが、
莫大な費用が掛かりすぎて今のところ保留状態。
取り敢えず雨漏りの原因にもなりかねない苔の撤去に取り掛かります。


屋根での作業は墜落防止のためヘルメットと安全帯ロープなどを着用します。
ただこの屋根には安全帯フックを掛ける場所がないので、
反対側に軽トラを置き命綱の支えにしました。


高圧洗浄機で外壁などの汚れを落とし、
大活躍した軽トラも感謝を込めて2年ぶりの洗車。
ご近所さんから貰った軽トラですが、森暮らしには欠かせない道具です。

 

雨の日は

今年は7月の2週目から猛暑日が続き、しばらく雨とも縁がありませんでした。
できれば雨が降らないまま休暇を過ごしたかったのですが、中盤になって雨続き。
屋根や雨樋の掃除跡もキレイに流されて、結果としては嬉しい雨でした。


DIYやちょっとした作業はタープ下で出来るので、
多少の雨ならここがプチ作業場になります。


刃物研ぎは斧・ナイフ・包丁・園芸鋏など一斉に行います。
簡単なメンテナンスはシャープナーやディスクストーンで行い、
刃こぼれや鏡面仕上げなどはグラインダーをセットして念入りに、
包丁やナイフは砥石で仕上げます。


中盤を過ぎてから気温がグッと下がり、14℃まで冷え込むこともありました。
雨の日の湿気っぽい部屋も乾かない洗濯物も薪ストーブでカラッと乾き、
苦手なエアコンの風よりも快適に過ごしました。

 

休暇も後半に

後半は天候も回復し、日中でも30℃を超えない初秋のような過ごしやすさでした。
前半は野良仕事・中盤は部屋の掃除に明け暮れ、
気がつけば休暇らしい遊びは何一つしていません。
今更出掛けるのも面倒臭いし、やり残した作業も気になるし・・・、
そこで庭キャンプすることにしました。


これなら野良仕事しながらキャンプも楽しめる。
そもそもそうする為にこの地を選んだんですから。
敷地内なのでキャンプの装備は至ってシンプル。
タープと焚き火さえあれば十分です。


食事も凝らず、焚き火で温めるだけの缶詰料理。
でも少し手間を加えてます。
真ん中の焼き鳥缶には溶けるチーズをトッピングして、
手前のじゃがいも缶と奥のコーン缶にはバターを加えています。
鍋も器も不要、献立を考えたり仕込みする手間もない究極の怠慢料理です。

そういえば、火のある暮らしで最も肝心な作業を後回しにしていました。

春に伐った玉切りがまだ50個ほど割り残したままです。
しかもこの休暇中に原木の手配をしたことをすっかり忘れていました。
原木が来る前にこの玉切りを片づけなければ、
と焦って割ってみるもすでに体力を使い果たし足腰ガタガタ。


思うほど割れないまま、原木が到着してしまいました。


多少節もありますが、ナラの原木を調達できた事は嬉しい限りです。
あ~、20tクラスの薪割り機が欲しい。人手も欲しい・・・。
最後に弱音を吐く長期夏季休暇でした。                

 
(隔月連載。次回の更新は2018年10月下旬です)

 

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