蒸し暑さと薪ストーブ
駒ヶ根高原に拠点を構えてから4年目の夏を迎えます。
相変わらず駒ヶ根入りする度に草刈りをしていると、
ひょっとして草刈りの達人になったのではないかと錯覚してしまいます。
そんなどうでもいいことをネットで調べていると、
どの道にも達人が存在しているものですね。
なんと「日本草むしりマイスター協会」という組織がありました。
草むしりで生きる覚悟を決めた中高年を本気で応援して頂ける組織だそうです。
ひょっとして、この先お世話になるかもしれませんから、
ブックマークに追加しておきました。
草刈りは仕方ないと覚悟していますが、ひとつ悩みの種が白樺のダメージです。
3年前に植えた10本の白樺が、今年の春に2本枯れてしまいました。
他に何本も侵され殺虫剤を注入するなど対処しましたが、
すでに手遅れの白樺も数本あります。
唯一元気に育っていた白樺も先日痕跡を見つけ、愕然としました。
その原因となっているのがカミキリ虫。
この時期、成虫が幹を食べて中に侵入し卵を産み付け、
幼虫が1~2年かけて幹の中を食い荒らすため枯れてしまうのです。
7月は成虫が飛び交う時期なので、
駒ヶ根入りする度に白樺を観察してみると必ず見つけます。
留守がちなこの条件では対処出来ないので、もう諦めるしかないかもしれません。
子供の頃は昆虫採取といえば蝉やカブトムシ、カミキリ虫までかわいがっていましたが、今は憎きカミキリ虫です!
蒸し暑さと薪ストーブ
7月後半に梅雨明けしましたが、まだまだ蒸し暑さが続きますね。
人の身体が蒸し暑く不快と感じる程度の目安を不快指数で表します。
気温・湿度の関係式からその数値を求め、
70~74の場合はやや不快と感じ、75~79で半数の人が、
80以上ではすべての人が不快と感じるそうです。
7月最終日曜日、駒ヶ根は朝から小雨時々強い雨でした。
外での作業も出来ず、のんびり室内で過ごすことに。
室温は27℃、湿度は78%。
これを不快指数で表すと77.9。
半分以上の人が不快と感じる数値です。
(※「不快指数ー高精度計算サイト」で求められます。)
梅雨時に薪ストーブを焚くとカラッとする。そんなイメージですが、
実際はどの程度湿度が低くなり体感的にどうなのかをこの機会に試してみました。
ただ焚くだけでは勿体ないので、薪ストーブ料理をしながらの体感テストです。
薪ストーブにくべたのは、細めのナラ3本と数本のスギの焚き付け。
火持ちの良いナラが熾きになれば炉内料理に程よい熱加減になります。
余談ですが、田渕義雄さんに頂いたロッキングチェアのフットレスト。
足を置くだけでなく、薪ストーブ前でチョコンと腰掛けるのに丁度いいサイズです。
熾きになるまでレコードでも聴きながら料理の仕込みを始めます。
自宅の部屋を整理していたら、十数年ぶりに見つけたナット・キング・コール。
父親が好きで、子供の頃から聴いていた懐かしいレコードです。
炉内ハンバーグステーキ
ハンバーグのタネを手間暇かけて作るのが苦手なので、
玉ねぎ、卵、パン粉等は一切使わず牛の挽肉だけで作ってみました。
つなぎは使わず塩コショーだけ丸めます。
付け合わせはじゃがいもとニンジン、ズッキーニです。
じゃがいも・ニンジンはあらかじめ炉内で少しローストしておきます。
タネはよくこねて空気抜きし、真ん中をくぼませます。
グリルパンにハンバーグとズッキーニをのせ、炉内のクッキングスタンドに置きます。
3分ほど焼いたら一旦取り出し、ハンバーグと付け合わせをひっくり返します。
炉内ではフライパンでカリッと肉汁を閉じ込め、
オーブン効果で中までじっくり焼き上げられます。
焼け具合は竹串を刺して透明な肉汁が出てきたら火が通っているサインです。
同様に付け合わせも竹串を刺して確認します。
ストーブトップに取り出し、おろし玉ねぎソースをかけて出来上がり。
つなぎなしハンバーグは肉汁が滴り落ち食べ応えあります。
焼きフルーツ
ランチを食べ終わっても熾きが十分残っているので、果物を焼いてみました。
果物は焼いて食べるだけで美味しさも増し、
動脈硬化や血圧上昇を抑える効果があるといいます。
ほとんどの果物は果肉より皮の方に栄養成分が多く含まれ、
焼くことで皮から実へ成分が浸透するそうです。
また果物の焦げには発がん性がないので、
こんがり焼いて皮ごと食べるのが理想的だとか。
焼くことでどんな果物がより美味しさが増すのか調べてみました。
(*日本経済新聞より)
焼きリンゴや焼きバナナは誰もが体験済みでしょうが、ブドウは意外です。
そこでいくつかスーパーに並んでいるものを買ってみました。
今回は皮ごと焼いた事がないネーブルオレンジと巨峰。
そして前回ズクショップのイベントで焼いたパイナップルがとても美味しかったので薪ストーブで再チャレンジです。
バナナは食べ慣れているので省きました。
パイナップルは皮を剥き、
オレンジと巨峰はサッと湯に通してしてそのままスキレットに置きます。
焼くことで皮の表面のワックスも燃えてしまうので抵抗はないと思います。
熾きが若干弱かったので焦げは控えめですが、
待ちきれなかったので取り出してしまいました。
さすがにパイナップルは旨い!
酸味も抑えられ甘みが増してとてもジューシーです。
巨峰は確かに甘みは増してはいますが、皮が旨くなることはないです。
オレンジも前評判ほどの美味しさは感じませんでしたが、
焼きが足らなかったかもしれません。
どちらにせよ焼きフルーツは健康促進にも良く、
バーベキューなどマンネリ化した食材に花を添えられるかもしれません。
さて、薪ストーブを焚き始め2時間ほど経過しました。
薪は追加することなく、最初のひと焚きだけです。
部屋は50畳と広いですが、真ん中をパーティションで2/3ほど仕切っています。
室温はさほど変わらず、湿度は62%まで低くなりました。
不快指数で表すと75.9で2ポイントの減少です。
当然エアコンの比ではありませんが、湿度が低くなったことは確かで、
ジトッと肌に粘り着くような感覚も薄らぎました。
薪ストーブは決して冬だけのものではなく、
四季を通して有効に活用することも可能です。
冒頭の草むしりマイスターではありませんが、
薪焚きマイスターがあってもいいかもしれませんね。
(隔月連載。次回の更新は10月上旬です)