フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

森暮らしのバックパックサウナ

毎年2月になると、2014年の豪雪を思い出します。
駒ヶ根ベースに初めてアンコールを設置して1週間後の事です。
岐阜を午後2時に出発して、駒ヶ根に到着したのはなんと夜の10時。
普段なら2時間足らずで到着するのが、
通行止めやら渋滞やらで8時間も掛かりました。
それでも引っ返さずに駒ヶ根に向かうほど当時は執念を持っていたんですね~。

そりゃこんな楽しいことが待っているんですから、何が何でも行きますよね。
駒ヶ根に通い始めて初めての冬でしたから、
毎年これだけ積もるのかと期待も膨らみましたが、
残念なことにその後は膝まで埋もれるような積雪に巡りあっていません。

今年の2月初め、数センチほどの積雪がありました。
タイミング良くバックパックサウナをお借りすることがあったので
雪上でのサウナ体験をしてみました。

ストーブとテント一式すべてバックパックに収納されているモバイルサウナです。


夏でも冬でも、山でも川でも歩いて行ける場所ならどこでも移動可能。


携帯サウナといってもあなどれません。
陽が落ちて氷点下になってもテント内は蒸し風呂状態。
風呂のないキャンプ場でもバックパックサウナがあれば
冷えた身体もポカポカになりますね。
今回は駒ヶ根ベースの敷地内での体験をレポートしたいと思います。

 

バックパックサウナ体験レポート

まず構成部品と設置までの流れをご紹介します。
総重量は12.8kg。
1泊の登山でも15kgほどのザックを背負うので、それに比べれば軽い方です。

ストーブはケースに包んでバックパックの底に、テントは折り畳んでその上に、
ポールは両サイドのポケットに収納されています。


ストーブ部品は煙突まで含んで、これだけがひとまとめになっています。
分かってはいたものの、取り出してみて改めて驚きです!

次に設営手順です。
設置場所は、芝生や枯れ葉など燃えやすい場所は避けましょう。

テントを広げ、四隅のコーナーをペグダウンします。
ポールを組み立て、テントトップを引っ掛けます。


トグルボタンを使って4辺のポールにテントを止めていきます。


ガイロープをそれぞれペグダウンしてテントを固定します。


ドアにポールを差し込み、ファスナーを閉めます。
片開き式の簡単な操作で開け閉め出来るので、
万が一の時にも素早く脱出できるよう安全性が考慮されています。


次にストーブのセット。
設置場所にヒートシールドを置き、その上にストーブ・水タンクをのせ付属のベルトで固定します。


煙突をセットしたら、水タンクに約9リットルほどの水を注ぎます。


薪、グローブ、火ばさみなどを用意。
薪は乾燥していれば拾い集めた枝などでも十分です。
ノコギリや斧があれば薪作りも捗ります。

背面の拾気口が空いていることを確認して着火。
燃え始めたらストーブの扉は閉めて燃焼するようにしてください。
暫く燃やしているとタンクの水が沸騰し、
煙突の蒸気吹き出し口からスチームが発生してきます。


蛇口からはお湯も利用できますが、
食品衛生上の処理はされていないので飲料用には利用できないようです。

ここまでテントサウナの撮影を進めながら体験してきましたが、
イマイチ良さが分かりません。
それもそのはず、実はサウナに入るのは初めてなのです!
大体お風呂というものはのんびり入っていられないタチなので、いつもカラスの行水。
スーパー銭湯へ行っても(ほとんど行きませんが・・・)、
サウナなど見向きもしたことがありません。
ましてや水風呂なんて不思議で仕方ありませんでした。

偶然なのか神のお導きなのか、テレビでサウナの極意が放送されていました。
このタイミングで見逃すわけにはいきません。
番組によるとサウナには「ととのう」という感覚があるといいます。
早速番組通りに試してみようと、今度は露天風呂の近くにサウナを設置。


サウナ→水風呂→休憩を3セット繰り返してみることにしました。
サウナに入る前に露天風呂を沸かし、一度身体を温めます。
コップ1杯の水を飲んでテントサウナへ。


フィンランド式と言われるドライサウナは100℃ほどに達するようですが
このバックパックサウナはスチーム式。
焚き方や外気温、テント内の高低で温度湿度の違いはありますが、
今回、顔の高さほどに吊り下げたサウナ用温度計では室温が60~70℃、
湿度が80~90%ほどでした。
自撮りしながら開け閉めしていると、温度湿度共下がってしまうので
1セット目は撮影はやめ、手始めとしてサウナに10分ほど。
この間、露天風呂の湯を抜きながら水を加えて水温20℃ほどにしてもらいました。
(本来は15~18℃が理想のようですが、リスクを減らしちょっとぬるめに。)


かけ湯をして少しずつ慣れながら水風呂に浸かること2分。
じっとしていれば熱を持った身体と水の間に膜が出てきます。
これを「温度の羽衣」と呼ぶそうです。
水風呂に慣れてしまえば「ととのう」はもうすぐそこ!


濡れた身体を拭いて休憩10分。
これがサウナ最大の至福のとき。恍惚の瞬間。
水風呂で冷えた身体がじんわり温まってきて、
脳内が瞑想状態でありつつ覚醒し、
更に感覚的に癒やされている不思議な状態になるとの事。
番組では瞑想のシータ波、覚醒のベータ波、癒やしのアルファ波、
それぞれの脳波が上昇していることも検証されました。
これら瞑想・覚醒・癒やしが、サウナ道で言う「ととのう」だそうです。

今回は自撮りしながらだったので
「ととのう」が体験できたかどうか分かりませんが、
入浴とはまた違う、何か清々しい気持ちよさを感じられました。
サウナ!ハマりそうです。
子供用プールを利用すれば、家庭でもサウナ→水風呂→休憩が実現できそうですね。

 
(隔月連載。次回の更新は2019年4月下旬です)

 



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