フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

冬の森暮らし 雪上キャンプをのんびり満喫

Kベースも5年目の冬を迎えます。

深夜の駒ヶ根入りにも関わらず、
週末森暮らしの目覚めはメチャクチャ早い。
雪でも積もっていれば尚更。
日の出の数時間前に目覚めてしまい、
真っ暗な部屋の中で薪を積める事から始まります。


冬の森暮らしは毎年なにかに驚かされますが、
隣接する川がここまで凍ったのは初めて。
滝になったこの箇所での氷は爆氷と呼ぶそうです。


川を見ると、水の表面だけが凍りその下に水が流れています。
部分的に眺めてみると様々な結氷の美しさがあり、
つい夢中になって撮ってしまいます。


朝晩の冷え込みに比べ、陽が昇り始めると次第に気温も上がってきました。


今年は大雪で困っている地方も多くあるようですが、
岐阜は全くと言っていいほど雪もなく、
雪景色に飢えていたのか一日屋外で過ごすことに決めました。
簡単なテーブルと椅子だけをセットしシンプルな雪上キャンプを決行。


朝食は岐阜奥美濃地方の名産「明方ハム」


雪上焚き火は、まず雪の上に丸太を敷き詰め、
その上に多めの焚き付けを組んで一気に燃やします。
焚き付けが燃え尽きて熾きになった頃が調理時です。
直火に強いターククラシックフライパンで定番のハムエッグ。


焚き火の傍ら、新たに加わったキンクラキングで焚き付けづくりを始めます。
さすがにキングは大きいだけあって、
より長く、より太い薪も割れるので有り難い存在です。

食事の後はコーヒータイム。
コーヒーは今までドリップ中心でしたが、
森暮らしではコーヒーのためにじっくりと時間を費やしてみたいと思い
エスプレッソ・カプチーノメーカーも新たに揃えました。
キッチンや薪ストーブ、アウトドアでも本格的なイタリアンが味わえる
蒸気圧式のコーヒーマシーンです。
前日に薪ストーブで何度も使いこなし、今回はアウトドアへ持ち出して初の試みです。
いくつか失敗談もありましたので、
購入を検討されている方のためにレポートしてみたいと思います。


これがそれぞれのパーツです。
左端が漉し器、その右隣がカップ数に応じて使い分けするリデューサーです。


カップ数は3・6・9カップあり、内部の印にあわせて水を注ぎます。
初めて抽出するときは3カップから始めてみるのが無難だと思います。


次に漉し器にコーヒー粉を入れますが、
漉し器を本体にセットしてから入れる場合と、
写真のように本体にセットする前に入れる場合と人それぞれのようです。
また粉は軽く平らにするだけでいい説と、
強めに押さえる説があるようなので、自分流の方法を習得されるといいと思います。
コーヒー粉はエスプレッソ用に挽いた粉が最適です。


そして蓋をセットしてノブをしっかり閉めて準備完了です。
その時、蓋の内側のパッキンがずれる場合があるのでよく確認してセットしましょう。
私はそれで一度失敗して蓋からコーヒーが漏れてしまいました。
また左手元にあるのがコーヒーバルブでこれは左側に回して開けておきます。
右下のスチームバルブは右側に回して閉じておきます。
野外では風があったので、七輪とキャンプストーブそれぞれの熱源を使いました。


この日は熱量が安定する七輪から使い始め、本体に熱を加えます。
加熱し始めると前ぶれもなく抽出口からコーヒーが出てくるのでサーバーなどを置いて待ちます。
コーヒーが出始めたら、20・30cc抽出して止める説と、数滴抽出して止める説など様々です。
最初に抽出したコーヒーは使わず捨てます。
コーヒーバルブを閉めてから1~2分加熱し続け内部の圧力を高めます。
コーヒーを抽出するタイミングは、
スチームバルブを少し開けてスチームの出方で判断するという方法もあるようです。


サーバーを抽出口に近づけ、コーヒーバルブを開いて抽出します。
最終的には蒸気と共に抽出されクレマ(細かい泡)が多く発生するので、
クレマの苦手な方はその手前でバルブを閉めます。
エスプレッソだけの場合はここで終了となり、
火から外してスチームバルブを開け蒸気を逃がします。
引き続きカプチーノやラテをする場合はこのまま加熱します。
次にスチーミングに移りますが、
コラムの撮影をしたこの2日間では正直な所上手く出来ませんでした。


泡でモコモコになってしまったり、ホットミルクになったり・・・。
要するにがむしゃらにやるだけでは何度やっても失敗ばかりです。
ネットでいろんな方法を模索し、動画でイメージトレーニングし、
練習を積み重ねてやっとコツを掴んできたように思います。
それほど難しいのかというとそうでもなく、
不器用な私が手こずっただけでウチのスタッフは一回で完璧に作っていました。

ここまで経験したポイントを簡単にまとめてみました。
まずフォームドミルクとスチームドミルクの違いですが、
フォームドミルクは細かい泡状のことで、スチームドミルクは蒸気で温められたミルクのこと。この2層が混合します。
またラテアートを作る場合は、専用のミルクジャグとラテボウル(マグカップ)があるとより上手く出来上がると思います。
使用する牛乳は、成分無調整、乳脂肪分3.6%以上(ごく一般的で安価な牛乳です)で、よく冷やしてから使います。

前置きが長くなりましたが、いよいよスチーミングです。
1,ミルクジャグに1/3~1/2程度の牛乳を入れます。
2,スチームノズルの水滴を抜くために軽く空ふかしをして水分を飛ばします。
3,ノズルを牛乳の表面から少し中に入れ、バルブを全開にします。ノズルはジャグの中心より少しずらした位置に入れ横回転の対流を作ります。
4,牛乳が少しずつ膨らんでくるので、ノズルと液面の距離感が一定になるよう調整しながらスチームします。

5,全体を馴染ませるためノズルを下げ縦回転の対流で攪拌すると牛乳がクリーム状に変わっていきます。
6,牛乳の温度が65℃ほどになったらスチーミング終了だと言われています。ジャグを外して火を止め、ノズルの先端に残った牛乳を拭き取り少し空ふきします。
7,ミルクジャグをテーブルでコンコンと叩いて大きな泡をつぶし、クルクル回して泡を落ち着かせます。

私が失敗した主な原因は、
・ノズルと牛乳の表面が深すぎたり浅すぎたりマチマチだったこと。
・長時間スチームし過ぎたこと。
・同じ牛乳を何度もスチームしたこと。・・・などが挙げられます。
手際よく短時間に行うことが重要なポイントです。


左のカップはフォームが固すぎて普通のラテになってしまいました。
右側はかろうじてラテアート風です。
スチーミングも慣れてくれば、初歩のラテアート程度ならそれほど難しくはないと思います。
カプチーノならそれほどフォームの仕上がりを気にしなくてもいいので、
それから練習した方が良さそうです。
お客様にもドリップオンリーの我が家でしたが、
コーヒーレパートリーの幅が広がりこれからが楽しみになりました。


その後、場所を変えてファイヤープレースをセッティング。


手羽元と野菜のカレーを煮込んで遅めの雪上ランチです。
特に何かをするということでもないですが、
焚き火をしながら屋外で過ごしていると、あっという間に時間が経過してしまいます。


アルプスに囲まれたこの環境は気に入っていますが、
すぐ西側の中央アルプスに遮られ市街地よりも早く陽が沈んでしまいます。
そうなると一気に冷え始め、外にいられなくなります。
焚き火に薪をくべるのをやめ、今度は風呂釜へ。


雪上キャンプの〆は、オイルランタンをぶら下げて雪見風呂です。


冬は寒いので滅多に露天風呂には入りませんが、
雪景色で星空がきれいとなれば1シーズンに一度は浸かってみたくなります。
しかし高齢にもなったことですしヒートショックも怖いので、
なんとか内風呂から移動できるように工夫していきたいと思っています。

来年の移住に向けて、やりたい事いっぱいです。

 

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