フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

森でネイチャークラフト

1つ年上の先輩から、厄除けに護摩供養をしてきたと報告がありました。
来年は私も厄年です。
護摩とは、「焚く」「焼く」などの意味をもつことばで、
仏の智慧の火を以て煩悩(苦の根元)を焼きつくすことです。
火中に投じる護摩木は、パチパチと大きな音で爆ぜるようヌルデの材が使われているそうです。宗教的高揚感を演出している訳ですね。

 

栗の収穫と薪のお返し

薪ストーブでよく爆ぜる樹木といえばクリ。
南信州 駒ヶ根ベースでは、茂りすぎたクリの枝を何本か薪にしてあるので、今シーズンはパチパチと爆ぜる音が愉しめそうです。
(焚日山荘から、駒ヶ根ベースに改名しました。)

そのクリの木。

9月中旬には「栗」が収穫期を迎えました。

いががパックリ割れて、大粒の栗の実が覗いています。
枝を揺するとドサドサッと落ちてくるものなんですね。
ヘルメットをしていて助かりましたよ。


かなり収穫できました。

これだけあっても剥くのが大変なので、ご近所にお裾分けしました。
すると
「10束ばかり持っていくかい。」
と薪のお返し。
( 栗はタダなのに・・・。)
ありがとうございます。


お言葉に甘えて、いただいてきました。


たまに薪を購入すると、針金で縛られた束をよく見かけます。
これって、指が痛くなったり、掴めなかったりで意外と大変ですよね。
そこで新製品のウッドグリッパーを試してみました。


原理は単純。両サイドの爪で引っ掛けるだけです。
ズルッと外れてしまいそうに思えますが、
しっかり食いつき一度も落ちることはありませんでした。


薪棚に積むまでの一連の動作です。

薪とグリップの距離が近いので高い位置にも積みやすいし、
地面の玉切りを両手で持ち上げるよりも、遥かに楽です。
効率的にも、グリッパーを使った方がよりスピーディに感じました。
これはお薦めです。
薪や玉切りの長さに応じて4種類がラインナップされています。

 

焼き栗ごはん

薪棚に積み終わったところで、すでに昼を過ぎていました。
ランチは先ほど収穫した栗で、焼き栗ごはんです。


虫に食われていないかよく選別し、小川で栗を洗います。


切れ目を入れて、焚き火で焼き上げます。


【材料】米2.5合、もち米0.5合、焼き栗、酒、塩、昆布ダシ

水580ccを入れ、調味料、焼き栗を加えて焚き火にかけます。
火力は中火で約15分。
焚き火から外して約12分蒸らします。


もち米を入れることで、ふっくらもっちり美味しいご飯と、
焼き栗の香ばしさが食欲をそそります。

 

せせらぎサイト

駒ヶ根ベースには一泊程度の滞在なので、
ほとんどが諸々の作業で費やされてしまいます。
その合間をぬって整備しているのが、前回ソロキャンプをしたエリア。
小さな川をひいて、せせらぎサイトと名付けました。

ソロキャンプなら小さなかまどひとつあれば十分ですが、
数人のキャンプとなると、食器や道具の置き場所に困ります。
そこで更に焚き火周りの充実を図るために、食器棚兼焚き火台を作ってみました。

材料はこの森にある枝。
ずいぶん枝払いをしたので、薪としてもクラフト材料としても溢れるほどの量です。


今回のネイチャークラフトは、トライポッドを応用した4脚の焚き火棚。
4つの支柱に枝で枠を作り、麻紐で縛っていきます。


簡易的な棚を作るために、2辺の枝は長くしてあります。
もう一段上にも、細めの枝で枠を固定して出来上がりです。


さっそく食器や調理器具などを吊してみました。

私のキャンプカウンセラーの本によると、チッペワ食器棚と呼ぶようです。
1960年代に翻訳された本なので聞き慣れない名称ですが、
チッペワの由来はよく分かりません。(おそらくアメリカの地名かも。)


この棚の特徴は、はみでた枝が利用できること。
四方に棚を作ることも出来る訳です。


また上段の枠も便利なフック。
食器やカトラリー類など軽いものであれば大量に引っ掛けられます。


下の枠には枝を渡して鍋やケトルを掛け、調理も可能です。


枝の形を利用すれば、調理した鍋を置くこともできるので、
ここで立ち食いできますね。


つい切り落としたくなるようなこんな小枝も、立派なフックに早変わり。


この日のせせらぎサイトには、差し掛け小屋と焚き火台まで。
さて次は何を作りましょう・・・。

いろんな形の枝を集めては、何に使えるか考えるだけでもワクワクします。
枝は想像力を駆り立てる自然素材。
そう思うと、薪にするのが惜しくなってしまいます。

(隔月連載。次回の更新は12月上旬です)

 

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コメント

  1. Dear Shahoojin, how are you doing ?
    I always appreciate you for beautiful pictures and useful tips.
    By the way, ‘Chippewa’ is a name of Native America tribe. — I don’t like to say ‘Indian’, ‘cause they are not. Anyway, I’ve seen a picture of their camping site. There was a cupboard beside of their cooking fire, just looked like you made. I’m not 100% sure, but I guess the name of ‘Chippewa cupboard’ originate in their culture.
    Have good day, and again, thanks for good information.

    no mad NOMAD, diehardwalker, Sitgreaves National forest Arizona.

    p.s. If my guess is wrong, gomenne.

    • Dear Tonto Gata
      Thank you for comment from far-off Arizona.
      This rack was from a book of American Camping Association.
      It is publication for 1961 years.
      ‘Chippewa’ is American regional culture an origin?
      It was studied very much.
      I want to enjoy camping-style of America from now on.

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