フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

週末森暮らしの薪割り

普段は寝坊助なので日の出は拝んだことはありませんが、
駒ヶ根ライフでは不思議と早く目覚めます。
この日も目覚めたのは4時半。


顔を洗って身支度を済ませメインルームに行くと、
閉めきったカーテンが橙に染まってきました。
長野県の日の出は4時30分頃ですが、
ここ駒ヶ根は南アルプスから昇り始めるので5時前になります。


日の出から30分も経過するのに、まるで夕陽のような赤さ。
日の入りは中央アルプスに遮られ陽が沈む光景が見られないだけに、
夕陽が好きな私には思わぬ嬉しい光景でした。

暫く朝陽に酔いしれ、久しぶりのKベースをひとまわりすると、
雑草やらクモの巣やらで悲惨な空き家状態。
早朝から手ぬぐいを頭に巻いて野外作業を始めますが、
腹ぺこ過ぎて作業もそこそこに。
前夜駒ヶ根入りするときに、うっかり食材の持ち込みを忘れていたのに気づき、
そんな時に有り難いのが早朝6時30分から営業している近くのカフェ。
駒ヶ根での隠れ家的な存在です。


普段の朝は小食な私ですが、
この日に限ってフル・イングリッシュ・ブレックファスト。
質素な森暮らしも、たまには豪勢に。
がっつり完食し、さぁこれから多忙な森暮らしの一日が始まります。

駒ヶ根での薪の調達は、隣接した針葉樹の森を伐採する程度で、
広葉樹などはいつも岐阜から車の屋根に積んで運んでいました。
こちらに移住するようになれば、そう岐阜から運ぶわけにもいきません。


4月に地元の薪屋さんの売り出しを知り、
試しに軽トラ2杯分の原木を購入してみました。
普段、造園屋さんのお下がりしか焚いた事のない私にとって、このナラの原木は贅沢品。


片っ端から40cmの長さに玉切りし、軽トラに積み込みます。
何故わざわざ軽トラに積み込むかというと・・・


Kベースにはこの石垣の落差があるのです。
一旦軽トラを建物の近くに寄せて玉切りを運ぶのです。
大量に薪づくりをするようになれば、この動線はもう少し考え処です。


玉切りに便利なのがこのリフティングトング。
以前までは素手で玉切りを持ち上げていましたが、
トングは腰をかがめることなく持ち上げられるので体力的にも楽になりました。


積み込んだ軽トラから下ろすときも、
遠くの玉切りを掴むことができるので作業も捗ります。


焚き付け用にするヒノキの玉切りは、まず皮を剥いでしまいます。


こうすることで虫が寄りつかなくなり、白い粉が吹くこともありません。
またヒノキやスギの剥いだ皮は非常に燃えやすい焚き付けになるので、これもストックしておきます。


次に薪割り。まずは焚き付け用になるヒノキを斧で割ります。


割ったヒノキはキンクラで更に細かく。


手斧で割っていたときは結構ケガもしていましたが、
キンクラの登場で、より安全に細かい焚き付けが効率よく作れるようになったのは有り難いことです。

6月初めの週末は両日とも天気が良く、ナラの薪割りを開始。

さすがにこの時期は暑くて汗もだくだく、手ぬぐいが欠かせません。

たまたま新製品のサンプル撮影があったので、
読者の方だけにコッソリお知らせしようと思います。

ファイヤーサイドカレンダーでもお馴染みで、
私の敬愛する伊東孝志さんが描く手ぬぐいが新登場になりました。


日本手ぬぐいは外作業の多い森暮らしにはとても便利で、
日除けや埃よけに頭に巻いたり、ハンカチ代わりにポケットに入れたり、
露天風呂に使ったり、女性には手ぬぐい洗顔も注目を集めているようです。
工夫次第では様々なアイテムに早変わりするのも手ぬぐいの持ち味ですよね。


手ぬぐいは、ほつれが気になるという方もいるようですが、
左が初めて洗濯した新製品の手ぬぐいで、
右が7年前から使っている伊東さんが描いたガジュマルの手ぬぐいです。

最初はほつれが気になりますが、何度か洗うにつれ横糸がほつれることで縦糸が締まり右の手ぬぐいのようにほつれにくくなってきます。
そもそも手ぬぐいが切りっぱなしなのは水切れを良くするためで、
それで乾きも早くなり、雑菌の繁殖が抑えられてとても衛生的だと言われています。

手ぬぐいそのものの魅力に加え、伊東さんのイラスト!
しかも絵柄は薪割りシーンと田渕義雄さんのアンコールの2種類です。
発売は6月下旬を予定しているそうです。
待ち遠しいですね。
 

(隔月連載。次回の更新は2018年8月下旬です)

               

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