焚き火から始まった薪ストーブライフ
・・・少年は焚き火の前にしゃがみこみ、炎の中に小枝を入れる。
小枝の先が蚊取り線香のようにじわじわと燃えてくる。
その枝をグルグル回すと灯りの軌跡がみえる。
少年はそれが面白くてたまらない。
軌跡遊びは更にエスカレートして、今度は暗いキャンプサイトを走り回る。
「危ないからやめなさい。」と叱られるが、
それでも焚き火から離れられない。・・・
幼い頃の思い出です。
私が育った家には薪ストーブこそありませんでしたが、
祖母の家では薪でご飯を炊き、薪で風呂を沸かす生活。
週末に祖母の家に遊びに行くことがどれほど楽しみであったか。
火のある生活はこの頃から培われていたのかもしれません。
1995年、スタジオを新築した際に、迷わず薪ストーブを導入しました。
ただ、設置当初は薪ストーブの知識もなく、闇雲に焚いていた記憶があります。
数年経ったある日、「薪ストーブの本」に出会い、
薪ストーブへの認識は間違いだらけだと気付きます。
同時に森暮らしの田渕義雄氏に憧れ、
バーモントキャスティングスに憧れたのもこの頃です。
そして2010年、念願のデファイアントが我が家にやってきました。
デファイアントに決めた理由
薪ストーブの機種を選択する際は暖房面積がひとつの目安になりますが、
私の場合は、ダッチオーヴン料理が基準でした。
【ダッチオーブン料理】
日頃、ローストチキンを振る舞う機会が多く、最も頻度の高いのが12インチディープ。
薪ストーブの炉内にそれが収まるかどうかは極めて重要な条件でした。
12インチディープは直径32cm、高さ20cm。
それに対してデファイアント炉内の奥行きは34cm。
扉開口部の高さが28cmあります。
まさにキャンプダッチオーブン12inch Deepにジャストサイズなのです。
【トップローディング】
そしてバーモントキャスティングス特有のトップローディング。
これも魅力的でした。
薪の入れやすさだけではなく、薪ストーブ料理でも威力を発揮してくれます。
炉内料理では焼きムラを防ぐために鍋を時々回転させます。
従来はフロント扉から鍋をつかんでいたのですが、重くて熱くて大変。
その点トップローディングならリッドリフターを使って簡単にしかも安全に回転できるのです。
食材を追加する場合や焼け具合を確認する時も容易に蓋を開けられ、とても便利。
また蓋に乗せた熾きもツールセットを使ってトップから払い落とせるので、熾きが室内にこぼれ焦げることもありません。
【広いストーブトップ】
デファイアントのストーブトップはとにかく広い。
3つの大型コンロと2つの小型コンロに匹敵するほど鍋やケトルが置けるのも魅力です。
更にウォーミングシェルフを装着するとストーブトップの面積はグンと広がります。
普段、ストーブトップいっぱいに置くことはありませんが、薪を投入するときにケトルやスチーマーが移動できるスペースがあるのは嬉しいことです。
【大きな炉内】
広い炉内には、60cmの薪や歪で大きな塊も入ってしまいます。
厳密に言えば63cmまでは入れたことがありますが、とてつもなく長いです。
薪が長いだけあって火持ちも良く、炎は炉内いっぱいにひろがります。
観音開きの大きなフロントドアから眺める炎のショーはまさに壮観。
カメラを構えて座り込んでいても飽きることはありません。
この美しい炎。
それが、なかなかうまく撮れないんだなぁ~、と思っている方。
ビギナー向けの撮影術を少しご紹介しますので、参考にしてみてください。
薪ストーブの炎を撮る
何も考えないで撮るとこんな雑な写真になってしまいます。
まず、薪ストーブ周辺はきれいに片付け、アクセサリーなどの配置も演出してみましょう。
カメラはヨコ位置タテ位置どちらが適切なのか、撮影アングルや角度、また画面に無駄がないようトリミングすることも大切です。
そして肝心な炎。フロントガラスに景色や窓が映り込んでしまう場合があります。
そんな場合は手前を黒くしてやれば解決します。
私は黒のカラーボードを使用していますが、黒い紙や服などでも代用できます。
また、デファイアント、アンコール、イントレビットは正面から撮影してもカメラマンは映り込みません。レゾリュート、アスペンは映り込むので自分が真っ黒になるか、少し斜めからの撮影になります。
反射が解消されれば、自分好みの炎を作り出して撮影してみましょう。
まず、カメラの内蔵ストロボは発光禁止にしておきます。
できれば三脚を使用した方がカメラブレを防ぐことができます。
撮影モードでTv(シャッタースピード優先)の設定ができるカメラなら、様々な炎の描写が可能です。
1/60秒にセット。比較的高速シャッターの場合は炎が静止して見えます。
1/4秒にセット。スローシャッターでは流れるような炎が撮影出来ます。
これらはすべて日中での撮影です。
夜の撮影は室内灯に影響され色かぶりが起きやすいこと、炎が明るくなりすぎて薪ストーブが暗くなってしまうなど、条件的には難しくなります。
ただ、薪ストーブをシルエットにして炎だけを撮影するなら夜が最適です。
部屋を真っ暗にすればガラスの反射もなく、炎を眺めながら思う存分撮影に専念できます。
目で感じてシャッターを押し、写真が撮れるまでには時間的誤差が生じます。このタイムラグを解消するためには、ピントは固定し、惜しまずたくさん撮ることです。
一次燃焼の勢いある炎から2次燃焼のトロリとした炎まで、1時間から2時間じっくり撮り続けてみてください。
きっと変幻自在の炎に魅了されますよ。
何度も炎の撮影をしていると、焚き方のコツも自ずと分かってきますしね。
今シーズン、是非チャレンジしてみてください。
いよいよ写風人さんの登場ですね!
ビギナー向けの撮影術を織り交ぜ、とても斬新なコーナーだと思います。
写真を見ているだけでも楽しいですね。
少年のような遊び心あるコラム、楽しみにしております。
matsuzawaさん、初コメントありがとうございます。
今日はブログにも皆さんからコメントを頂いて、大変有り難く思っています。
取り柄といっても特にないので、凡人の目線から薪ストーブライフを綴っていきたいと思います。
これからも宜しくお願いいたします。
エッセイの連載おめでとうございます。
写風人さんの写真はいつも綺麗なので見惚れています。
少しでもプロに近づけるような、素人でも使えるテクニックを教えてください。
クボタさん、ありがとうございます。
コメントの反映が少し遅れたみたいですみませんでした。
久保田さんは器用な方なので、その気になればバッチリじゃないですか。
九州上陸のバイクシーンはなかなか格好良かったですよ。
写風人さん、こんばんは。
連載開始おめでとうございます!
初回の炎の撮影の仕方すごく興味深かったです。
これから楽しみにしています。
momongaさん、初めまして。
いつも「webの森」を拝見して刺激を頂いています。
連載させていただくことは非常に光栄に感じながらも、
文才になさに悪戦苦闘しそうです。
今後とも宜しくお願い致します。
写風人さん、ご無沙汰しております。
このたびは、連載開始おめでとうございます。
夏の間眠っておりましたので、そろそろ目覚めようかと…
いろいろ刺激をもらいに来ますので、今後ともよろしくお願い致します。
田舎時遊人さんへ
こちらこそご無沙汰しています。コメント大変嬉しいです。
そもそも時遊人さんを師と仰ぎ、「写風人」というハンドルネームでネットデビューした私ですので、冬に向けてのお目覚めをお待ちしておりました。
久しぶりに更新されたブログも拝見しましたよ。
また、色々アドバイスをよろしくお願いします。