フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

初冠雪と初焚き。そして初割り

10月18日、中央アルプス・南アルプスとも初冠雪になり、
南信州はいきなり冬がやって来たような寒さです。

初冠雪って、こんなに早かったっけ? 
確か昨年の初冠雪をInstagramに載せた記憶があったので
遡って調べてみると、昨年より4日早いだけでした。
移住して2年なので、例年並みなのか早いのかは分かりませんが、
初冠雪は薪ストーブシーズン到来の指標とも言えますね。

煙突掃除やメンテナンスは9月中には済ませておいたので、いつでも来い!って状態です。

ただ室内の薪棚に関しては先シーズンの最後に使い切ってしまったので空っぽのままでした。


室内用の薪は樹皮を剥がしやすいヒノキにしています。
1/3はキンクラで作った焚き付けを積み、残りは太めの薪ですが、樹皮を剥がすのは虫食いによる粉薪を防ぐためです。

窓の外には普段使いの雑木を積み、
テラスデッキにはヒノキの焚き付けをストック。


ロギは1年の中で最も多く焚くので、これでも焚き付けは足らないくらいです。

今年の初焚きはちょっとした儀式でスタートしました。

長野県伊那市にある薪一さんの「火伏せ祈願薪」です。
単に火災除けのレーザー刻印をしてあるだけではなく、実際神主さんにご祈祷頂いた薪なので、御利益ありそうですね。


「火の災いが起きませんように・・・。」と祀りながら、それぞれの薪ストーブで初焚きしました。

「初冠雪」「初焚き」に続き、今月はもう一つの「お初」がありました。

9月に発売されたファイヤーサイドアックス(以下FSアックスと略)です。
パッケージに入っているので、プレゼントにもいいですね。


斧頭重量、柄長が最も似かよったグレンスフォシュブルーク
ロング大型薪割り(以下445と略)と比較してみました。


445は斧頭が1800g、FSアックスは1900gとほぼ同じ重量ですが、腹部に違いがあります。
FSアックスは膨らみを持たせたXラインがあるので、薪に食い込むほど接地面が少なくなり摩擦抵抗を軽減してくれます。


更に斧刃の形状を見てみましょう。
445はスカンジグラインドで北欧ナイフによく見られる形状です。
研ぎやすく薪割り作業に適していると言われています。
一方、FSアックスはコンベックスグラインド。
ハマグリ刃とも言われ膨らみを持たせています。
この形状は刃持ちが良く刃こぼれもしにくいのが特徴です。


柄の長さは445が790mm、FSアックスが785mmとこれもほぼ同じです。
材質はグレンスフォシュのヒッコリー材に対して、FSアックスは樫(かし)。
樫の魅力は非常に堅く、また粘りがあり強度も高いので耐久性に優れていることです。
柄の形状はややカーブを持たせながら、グリップエンドで抜け落ちを防いでくれます。
グリップは445に比べやや太いと感じますが、手の大きい方は握りやすいと思います。


実際に割り比べてみました。
まず水分多めの松。
445は食い込むながら数回叩いて割れる。
FSアックスは弾き飛ばされながらある時一瞬に割れる。そんな感じです。

次に玉切りしたばかりのナラ。
これは両者とも気持ちよく割れました。
そして乾ききった堅めのサクラは、両者とも手こずりました。
445は食い込みを外すのに苦労したのに対し、FSアックスの食い込みは容易に外れます。
全般的にグレンスフォシュは切れ味良くスパッと軽快、FSアックスは力強く割れるといった印象でした。


斧にはネーム代わりに自分の刻印を押していますが、
グレンスフォシュは全体的に丸みを帯びているので、よく失敗します。


その点 FSアックスは平らになっているので、刻印がバッチリ決まりました。


最後に私事ですが、
10月1日よりズクショップ&ショールームのスタッフとして働くことになりました。
水曜日は定休日ですがほぼ毎日いますので、駒ヶ根方面にお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

 
(隔月連載。次回の更新は2020年12月下旬です)

 

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