2009
Apr.
21
子猫物語
カテゴリー: 月火水木金土日
2年前の寒い冬の日。12月23日。ボクは月明かりの下で震えていた。
そこへ大きな生き物が現れてボクをくわえた。
そしてもっと大きな生き物のところへボクを連れて行った。
そのもっと大きな生き物はボクを抱えて暖かいところへ運んでくれた。
ボクは安心して眠った。
次の日、もっと大きな生き物はボクを大勢の生き物がいるところへ連れて行って「飼い主になってくれる人いない?」と言った。「それよりこの子の肩おかしいよ。みんなでカンパして病院へ連れていこう」とやわらかい声が言った。もっと大きな生き物は「松澤さん」、大勢の生き物がいるところは「ファイヤーサイド」という名前と分かった。
病院というところへ行ってもボクの右肩は治らなかった。生まれつきなのか、捨てられた後に傷ついたのかボクには記憶がない。
病院のあと何日かファイヤーサイドの暖かいキカイの前で暮らした。赤いものがちらちら動いて、それを見ているだけでなんだか安心した。暖かいキカイは「薪ストーブ」というらしい。いろいろな人が覗きにきてくれて、おなかがいっぱいになるまでゴハンをくれた。
そしてボクは「ピーター」という名前をもらって最初にひろってくれた松澤さんの家の子になることが決まった。ここの家にも薪ストーブがあって、ボクは暖かく暮らしている。
一番最初に見た生き物はジョイという名前の犬だった。みんな命の恩人だ。
今では片足で元気に飛び回っている。元気すぎてたまに叱られるくらいだ。
(ピーター)