ポークファルシー Porc farci
先月、都内でQuébec(ケベック)で活躍している有名なシェフ、
Ricardo Larrivée(リカルド・ラリベ)と一緒に夕食を楽しむ集まりがありました。
カナダ大使館に招待され参加しました。
料理のお話が盛り上がっている中で
カナダポーク・インターナショナルの仕事をしている方と知り合って、
日本にも美味しいカナダポークが届けられていると聞いて
1月の料理が浮かびました。
(ポークファルシー Porc farci )
カナダのポーク料理
カナダは世界有数のポーク輸出国。
広大で空気も水も清らか。
そんな美しく豊かな自然環境の中、
豚たちは大麦、小麦など良質の穀物を食べてスクスクと健康的に育っています。
私の母方のオーロラおばあちゃんは子供が9人、孫が36人もいましたが、
みんなが集まる時には必ず自慢の食材を使って
ローストポークを作っていました。
その後それを引き継いだ母も、
日曜日にはローストポークが定番となっていきました。
(ローストポークとポークのにこごり)
豚料理は様々ありますが、
特にQuébecでは伝統的な料理として
「ポークのにこごり」「クレトン」
「テット・アン・フロマージュ」などがあります。
肉のゼラチン質を固めたもので、周りにラードがつくので、
バターの代わりにそのままパンに塗って食べます。
(クレトン)
(テット・アン・フロマージュ)
長野県に住んでいた頃にも豚の丸焼きをする時には、
頭からしっぽまで利用しました。
『マリーのケベック田舎料理』でも
ポーク料理のレパートリーを6種類紹介しています。
今回ポークカツを参考にして、
ちょっと変わったやり方で焼いてみました。
ポークファルシー
材料
- 豚ロース肉 …800g~1kg
- クランベリー(乾燥) …大さじ5
- クルミ(むき実) …大さじ5
- 赤ワイン …大さじ5
- 塩・こしょう …少々
- かたくり粉、小麦粉、卵 …適量
- (ハーブパン粉)
- イングリッシュマフィン …2~3枚
- エシャロット …1~2本
- フレッシュパセリ …2~3本
- (添えもの用)
- ジャガイモ …5~6個
- リンゴ …1個
- バター …10g
- 粒マスタード …大さじ1
- メープルシロップ …大さじ1
作り方
1.肉は15mmの厚みに切って周りの脂身を切り落とす。
1枚あたり220gくらいを目安に。
2.1枚の肉を広げるために中心から外へ肉たたきで叩く。
3.塩、こしょう、かたくり粉を少しふっておく。
赤ワインで3時間以上漬けたクランベリーとクルミをのせる。
4.包んだら爪楊枝でしっかり止める。
5.パン粉を作る。
イングリッシュマフィンをちぎってミキサーにかける。
エシャロットとパセリを細かく刻んだらパン粉と混ぜる。
6.コロッケを作る時と同じ手順で小麦粉、卵、パン粉をつける。
★私は卵の代わりに長イモのすりおろしを使うのが好き。
一層、歯ざわりがよく仕上がるから。
アウトドア用の串を使って肉の中に丁寧に刺し通す。
タワシでよく洗ったジャガイモをダッチオーブンの中に入れ、
その上に串刺しのポークをのせる。
7.ストーブの炉内でクッキングスタンドの上にダッチオーブンをのせる。
8.弱めの熾き火状態で25〜35分間を目安に火を通す。
9.生パン粉を使っているので、
こげこげにならないように時々外から覗くといい。
心配だったら途中でアルミホイルをかけてもいい。
10.出来上がった肉料理を少し休ませ、
ストーブの中に薪を入れ、今度はストーブトップでグリドルをよく温め、
バターを溶かし、輪切りにしたリンゴを少し炒め、火が通ったら
メープルシロップと粒マスタードを合わせたシロップをかけ、からめておく。
11.5分もかからないで美味しい添えものが出来上がり。
12.リンゴはポークとよく合う。
使用ストーブ » バーモントキャスティングス アンコール
わさびペーストを添えてオードブルに
私のポークファルシーにぴったりの物を発見しました。
青梅では「わさび」がとても有名です。
私の料理教室で知り合った人が近くのわさび工場「kaneku」で働いていて、
本わさび、オリーブオイル、にんにく、パルメザンチーズ、
松の実を使って「わさボーノ」を作っています。
この辛さはマイルドで今回のカナダポークによく合います。
青梅で生まれたこのペーストは私のお勧めです。
残ったポークファルシーを切って
リンゴと「わさボーノ」を添えて大皿にのせ、
食欲をそそるリッチなオードブルにすれば、
家族の笑顔がもう一度見れる!
Photoes by Marie Desjardins