高橋みな 火のあるお料理とクックウェア探検

ウッドストーブクッキングアドバイザー高橋みなが楽しい料理と共にクックウェアの可能性に迫る!

流木のトライポッドと夏をつつんだカルツォーネ


 

 

ある夏の日

庭のかたすみに作った畑の野菜たちが、
暑くなるにつれて大きくなり始めたのでわくわくしながら毎日見守っています。

紫や、緑の宝石のような茄子にピーマン。
つやつやと光り輝いています。

いろいろな野菜料理を楽しみたくなり、
まずはキャンプダッチオーブンを下げるための
「トライポッド」を流木で作ろう、と思い立ちました。

柏崎の海岸には浜辺に打ち寄せられた流木があちらこちらに散らばっています。
白っぽく日にさらされ、虫食いのある乾いた木肌が美しい。
そのまま飾ったり、布を下げるのも好きです。
ほどよい長さ、太さのものを3本探し出し、クルマにつみこんで帰りました。

野外で過ごすことが好きな友人と「デイキャンプ」をしよう、と計画していたので
7月のある日、車で2時間ほどの白馬高原に向かいました。

冬はスキー場であるその場所は、雪解け水がごうごうと流れる川沿いで、
気持ちよく開けた平地。
さっそく椅子やテーブルをひろげ、お気に入りの音楽をながし、
持ってきた流木で 即席トライポッドを作っていきます。

ところが・・、ダッチオーブンを吊り下げる為のチェーンを持ってきてなかった!
鍵型になった木の枝を切ってくくりつけ、
そこへダッチオーブンをひっかければいいか、 と思っているところへ
「これが使えそうだ」と友人はファイヤーツールの火かきぼうを自在かぎに・・、

こんな具合です。

しゅろ縄でしばってなかなかいい感じ。
足りないところを「工夫」で乗り切る、というのが楽しい!
(今回は流木で遊んでみましたが、もちろん鉄製のトライポッドも便利です)
そしてさっそく、夏野菜をたっぷり包んだ「カルツォーネ」の支度をしていきました。

調理の途中で雨が強くなってきたので作業を中断し、
自宅に帰ってから再びつくった画像になっていますが、ご了承ください。

 

 

夏野菜のカルツォーネ

 

具の材料

  • なす …3個
  • 赤、黄パプリカ …各1/3個
  • トマト …3個
  • 玉ねぎ …1個
  • にんにく …ひとかけら
  • 黒オリーブ …適量
  • モッツァレラチーズ …1p
  • 塩 …小さじ1
  • 砂糖 …大さじ1
  • 赤ワインビネガー …大さじ1
  • オリーブオイル …適量

 

ピザ生地

  • 強力粉 …400g
  • 砂糖 …大さじ1
  • ドライイースト …小さじ1
  • オリーブオイル …大さじ1
  • ぬるま湯 …250ccくらい

 

 

 

1.先にピザ生地を作っておく。
ボウルにぬるま湯以外の材料をすべて入れておく。
そこへぬるま湯を注ぎ、全体をざっと混ぜる。
混ざったら力を入れて10分ほどこねる。

2.表面が滑らかになってきたら周りにオリーブオイルを塗ってボウルにラップをかけて
あたたかいところで2倍くらいに膨らむまで置いておく。

3.なかの具を作る。
にんにくはみじん切りにし、そのほかの野菜は1・5センチ角のさいの目にする。
黒オリーブは厚めの輪切りにしておく。

4.スキレットにオリーブオイルをいれ、にんにくをじっくり炒める。
野菜を加えて炒め 黒オリーブ、塩、砂糖、赤ワインビネガーを加えて煮込む。

5.野菜の水分が煮詰まってきたら、火からおろしてさます。

6.モッツァレラチーズは1.5センチ角のさいの目に切って水気をきる。

7.発酵のおわったピザ生地をとりだし、4等分し丸くひろげて具を真ん中あたりにのせる。
その上にモッツァレラチーズをのせ、バジルをおく。

8.生地を向こうからかぶせて端をしっかり止める。

9.火にかけておいたキャンプダッチオーブンの蓋を開け、
丸網をセットし、カルツォーネをおく。

再び蓋をし、その上におこった炭をおく。
5~6分ほどしたら蓋を開け、いい焼き色に焼きあがったら完成。

クックウェア: ロッジ  »スキレット  »キャンプダッチオーブン

 

 好きな具を包んで焼く“包み焼きピザ”カルツォーネ。
パリッとした焼き上がりをナイフで切り分けると熱々の中身があらわれます。
牛肉や鶏肉の煮込みなどに変えて変化をつけてもおいしい!!

この日のデイキャンプではその他、
「黒オリーブとモッツァレラのトマトソーススパゲティ」
「ミニトマトとアボカドのサラダ」
アメリカの鋳物のホットサンドクッカーを焚き火であぶった「ハムとチーズのホットサンド」。
ライ麦の入った田舎風パンにバターが染み込んでカリカリ香ばしくてとってもおいしかった!

小雨が強くなり弱くなり、の一日。
「川霧がでてきたら、雨はあがる」という言い伝えどおり
梅雨の名残の雨はこの日で最後、翌日は青く晴れ渡る空が見えました。

 

 

青鬼の村

川原でのデイキャンプのあと、
江戸時代末期からのおもかげを残す「青鬼」の村を散策しました。
「あおに」と読み、もともとは茅葺き屋根の家々ですが
現在は萱をおおった鉄板葺きになっています。

斜面に開かれた村なので坂が多く、
そのところどころに石仏や、はさがけのための木組みなど、
日本の農村文化の名残があります。

 青鬼沢から引かれた水は村内の用水路をとおって今も使用されていますが、
「ガッタリ」という米を搗くための道具(巨大なシシオドシのようなもの)は
受け皿に水が満杯になると「ガコン」と下に落ちる仕組み、
その反動でコメをトン、と搗く。

ゆるやかな時間の流れを感じる「水を動力」にした
昔の暮らしを感じることができました。 

 

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