フォトエッセイ「写風人の薪焚き日和」

風のように自由気ままに撮り続けたい…カメラマンの視点から綴る日々の薪ストーブライフ

山暮らしはハードライフ

休暇だけの山暮らし。
のんびりと英気を養うためにここに来る訳ではありません。
また普段の生活の延長ならここにいる意味もありません。
自然の中にどっぷり浸かり、どれほど自分が未熟なのかを知るいい舞台なのです。

幸いこの地には豊富な草木があり、土や石、水もある。
これらを活かしていく知恵や知識を少しずつ養い、山暮らしの実践的な技術と経験を積み重ねていくための南信州ライフです。
ただ来る度にアレコレ欲張りすぎて、オーバーワークになりがちですが・・・。

 

雑草という名の草はない

南信州では初めて春を迎えます。
昨年、草木を一掃したつもりが、春の訪れと共に再び雑草の王国となりつつあります。

ある程度は覚悟していた事ですが、
雑草の相手をしているだけで日が暮れてしまいます。
十把一絡げに雑草と言っておりますが、

「雑草という名の草はない」

これは昭和天皇のお言葉です。
このフィールドを見渡してみると、分かるのはタンポポぐらい。
相手を知らずして対応もできません。


雑草の本を片手に調べてみると、この土地の大半を占めているのはスギナと判明。
(そうです、スギナも知らないほど植物音痴なのです。)

スギナは地下茎が深く、根を完全に除去するのは難しいそうです。
根をたどりながら土を掻き分けていく自分の姿は、まるでモグラだ!
抜いても抜いてもキリがありません。
ワンちゃん達が走り回るので除草剤は使いたくないし、何か悪あがきしているように思えてきました。

先ほどの昭和天皇のお言葉には続きがあります。
天皇がお住まいになる御座所の庭で、侍従たちが刈り残した雑草の事をお詫びすると、
「雑草という名の草はないんですよ。
どの植物にも名前があって、それぞれ好きな場所を選んで生を営んでいるんです。
人間の一方的な考えでこれを切ってはいけませんよ。」と・・・。


いっそスギナさんには好きなように生えてもらって、
南信州の庭はナチュラルグラスガーデンと呼ぶことにしよう。
座右の銘も決まった。
「スギナのように根深く生きる」だ。

 

山暮らしはグレンスフォシュの出番が多い

昨年は草刈り同様、邪魔な雑木も伐ってしまった。
(いや雑木という名の木はないのでした・・・。)


これは斧で伐り倒し、葉枯らしさせておきたヒノキ。
そろそろ皮むきしないと虫がついてしまいます。

その前にまず枝払い。
ちょこまかと喜劇のように動いていますが、マジ真剣にやってます。
スカンジナビアンフォレストは斧身が重く柄が長いので、こんな枝払いには最適です。


次は皮むきのためにヒノキを移動。
作業のしやすいように置き換えるのも苦労します。

枝がいっぱいあったせいか皮が簡単にむけず、ドローナイフで削ることにしました。スゥ~と滑らかによく伐れます。
この辺りはスギが多く間伐材の皮むきにも重宝しそうです。
手先が器用になってきたら家具作りにもチャレンジしたいですね。
皮むきが終わったヒノキは玉切りにはせず、小屋作りの資材として確保しておきます。

これで大きな原木は片付きましたが、依然として残っているのが小枝の山。
薪焚き人でなければゴミとしか思えないような小枝も貴重な薪エネルギーです。

片手斧のハンターワイルドライフの出番。

アクセサリーカタログの表紙にもなっている「空飛ぶ小枝」シーンです。
60~70cnほどの玉切りを利用すると、無理のない姿勢で作業できます。
しかしこれを片付けるのは根気以外の何者でもありません。

ひとりで作業をしていると食事も疎かになりますが、
たまに仲間が集まると食事も盛り上がります。

この日はZCOO-SHOPのmatsuzawaさんとkumagaiさんが
テント持参で駆け付けてくれました。

 

焚き火でメシを喰う Vol.3

本日の焚き火料理は、「どでかハンバーグにキーマカレーをドドッ」です。

 

材料

  • 【ハンバーグのたね】
  • 牛ひき肉…300g、豚ひき肉…150g
  • 玉ねぎ…1こ(みじん切り)
  • 卵…1こ
  • 食パン…1枚
  • 牛乳…大さじ3
  • 塩・コショー…適宜
  • ナツメグ…適宜
  • 【キーマカレーソース】
  • キーマカレーの素
  • 玉ねぎ…1こ(みじん切り)
  • にんにく…1片(みじん切り)
  • 【つけあわせ】
  • じゃがいも…2個
  • ニンジン…1本

 

作り方

【下準備】
食パンは細かくちぎっておきます。
牛と豚のひき肉に塩を少々加え指を立てるように混ぜ合わせます。
(*手の平は体温が高いので指を使います。)

粘りがでてきたらまず卵を混ぜ合わせ、続いて玉ねぎ、パン粉、塩コショー、ナツメグを加え、肉に馴染むまで混ぜ合わせます。
(*玉ねぎは生の方がシャキシャキ感とジューシーさがより際立つ。)
(*炒めた玉ねぎは肉汁の流出を防ぎ、甘みも出やすい。)
(*今回は生を使いました。お好みでどうぞ)

ハンバーグのタネを数回まな板に落としながら空気を抜きます。
ラップをして30分ほど冷蔵庫で寝かせます。
キーマカレー用の玉ねぎとニンニクをみじん切りにします。


【焚き火にて調理】


ダッチオーブンにハンバーグのタネを広げ、上火下火とも中弱火で20分ほど焼きます。


*上火下火を使うのでタネをひっくり返す必要はありません。
*プレヒートせず低い温度からジワジワ焼いた方がジューシーな仕上がりになります。


同時にキーマカレーを作ります。
プレヒートしたフライパンに油を引きニンニクを炒めます。
次に玉ねぎを炒め、しんなりしてきたらキーマカレーの素を加えます。


ハンバーグが焼けたら、ローストしておいたジャガイモ・にんじんを加え、
キーマカレーを流し込んで出来上がり。

暑い日に体力仕事をしたときは、肉とカレーが一番ですね。

 

(隔月連載。次回の更新は8月上旬です)

             

  • ページの先頭へ

コメント

  1. 確か皮を簡単にむくには、木を切る時期があったはず…
    確か水をあげる時期5~10月頃に切って 早めにむくと簡単にむけつそうです。
    自分はやったことありませんが(笑)

    大変な作業みたいですが、楽しそうですね!(^^)

  2. Ziggyさんへ
    いつもコメントありがとうございます。

    今回伐採したヒノキは枝葉を付けたままにして乾燥させる葉枯らしという方法を試してみたかったのです。ですから伐採後に皮をむく事は考えていませんでした。
    杉の場合は剥いた皮を利用するので、伐採後すぐに皮剥きした方がいいのでしょうね。
    今回のヒノキは枝が多過ぎて、伐採直後でも皮はむけなかったと思います。剥くというより削るという感じでしたが簡単でしたよ。

  3. おじゃましました。
    どでかハンバーグカレー美味しく頂戴しました。
    こんなに大きなハンバーグは初めて見ましたよ。
    次回は私達が写風人さんにランチをご馳走します
    ので、また梅雨があけましたら、お邪魔させて頂
    きます。次回は野宿させて下さい。

  4. 初めてお伺いしました。
    男らしい料理をたっぷりとありがとうございました。
    それにしてもいろいろ暑かったですね。
    またお邪魔させていただきます。

    • matsuzawaさん、kumagaiさん、
      コメントありがとうございます。

      お二人が来て頂いたお陰で盛り上がりました。
      野宿でもキャンプでも、気軽に使って下さい。
      また野遊びのノウハウも色々教えて下さいね。

薪ストーブエッセイ・森からの便り 新着案内