すずきみちよ 薪ストーブでおうちごはん

アウトドア料理コーディネーター鈴木道代によるシンプルな素材が生きる「おうちごはん」レシピ

イタリアのマンマの味・牛肉とセロリの煮込み

新しい年が始まりましたね。
我が家の年末年始ははいつもどおりアンコールとともにありましたよ。

クリスマスもお正月もストーブキッチンが大活躍。
ストーブトップにおせち作りの鍋が並ぶと今年も無事一年が終わるなぁと思います。

 

家の中に火がある生活でよかったなぁとあらためて感じるのがこの季節です。

 

憧れの味

幼い頃から外国の物語を読んで、暖炉のある家に憧れていました。
厳しい冬の生活にホッと安らぎを与えてくれる火のあるシーン。
そして食卓に上る聞いたこともないようなおいしそうなお料理の数々。

まだ町にはハンバーグやソテー、フライ、スパゲッティミートソースくらいの洋食しかなかった時代、その未知なる料理とはどんな見た目なのかと味なのかと想像を膨らませたものです。
世界中を訪ねてみたい、現地の味を食してみたいという興味はそのまま私の食べること好きにつながっているようです。

そして昔ステキな本が出ていたのですね。
「石井好子のヨーロッパ家庭料理」

シャンソン歌手の石井好子さんが各地のお家にお邪魔してその家の主婦に料理をしてもらって食卓を囲む様子までが描かれた料理本。
昭和51年初版で最近復刊されたようです。

今でこそ料理エッセイはたくさんありますが、海外旅行も気ままにできない戦後すぐにヨーロッパに住んだ方ならではの交友の深さでヨーローッパ各国のお料理が載っています。
フランス、イタリアはもちろんデンマークやノルウェーなど北欧まで。
食べることへの興味がそのまま瑞々しく描かれていて、各国へホームステイしたような気分が味わえる心躍る本です。

ワインや珍しいお料理道具の話などあってページをめくるだけでも楽しいけれど、手順は簡単なものが多いのでちょっと異国の味を試してみましょう。
クリスマス料理にと考えて選んだのが、イタリアのトラットリアの牛肉とセロリのトマト煮込み。

手に入りやすい材料で作り方も簡単。
ソテーしてコトコト煮込むだけときたら薪ストーブクッキングにピッタリです。
それにしてもどこの家でもじっくり時間はかけて家庭料理を大切にしているのが分かります。
テーブルセッティングも見事。さすがですね。

ホロリと柔らかく煮込んだ牛肉にセロリが爽やかさを加えていて何とも複雑な味でおいしい。
しっかりした赤ワインによく合います。特別な日のディナーに。

他にストーブトップではパエリアとマッシュポテト。
どちらも昔憧れた外国の味ですね。

 

牛肉とセロリの煮込み

材料

  • 牛肉 …500グラム
  • セロリ …2本
  • トマト缶 …2缶
  • 油 …適量
  • 白ワイン …少々
  • にんにく …少々
  • 塩こしょう …適量

 

作り方

1.牛肉を大きめに切り、油を引いたコンボクッカーでにんにくとソテーして塩こしょうをして白ワインを回しかける。

2.トマト缶を加え蓋をして1時間ほど煮込む。
途中水分がなくならないようにトリベット等で調節を。

3.セロリは筋を取って長さ10cmにカットし、鍋に加えてさらに1時間煮込む。

4.  塩こしょうで味を整え完成。

マッシュポテトとよく合います。
きっとイタリア家庭料理の味。

それではメリークリスマス♪

 
お肉の残りはトルティーヤに包んでレタスとマヨネーズで食べたらこれまた美味しかったですよ。
写真は別の時のものですが、こんな風に巻いて食べました。
多めに作ってサンドイッチもぜひ。

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薪ストーブの新兵器?

サンタから私にもプレゼントが。
火ばさみ+火かき棒の機能を持つツール、ファイヤーバードです。

普通の火ばさみより薪をつかむ部分が大きく、食い込みやすいデザインになっているので太めの薪も扱いやすい。
そしてもちろん火搔き棒としても使えて便利。
おきを砕いたり薪を返したりもできて1本四役。
キャンプの焚き火にも重宝しそう。
これからもじゃんじゃん薪ストーブクッキングがんばれそうです!
サンタさんありがとう〜。

そして新兵器、オーブンプレートも使ってみています。
ストーブの底に敷いて灰が受け皿に落ちないようにします。
これを使うと灰受け皿がオーブンになります。
以前灰受けの灰で焼いた焼き芋がドライな感じになったので、ドライフルーツ作りにいいかもと思い、リンゴのくし切りを並べてみました。


午後から夜まで弱く焚いて4時間くらい入れていたでしょうか。


セミドライになって甘みが凝縮。


薄いところはパリパリ、厚いところはややしっとり。

変わっていく食感が楽しくて、
焼いているそばから娘にどんどん味見され減っていきました。
炉内オーブンもいいですが、灰や薪のないオーブン空間があるのも料理の幅が広がりそう。
まだまだいろいろ挑戦してみたいです。

 

Photoes by Michiyo Suzuki
*隔月連載。次回の更新は3月中旬です。

 

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