すずきみちよ 薪ストーブでおうちごはん

アウトドア料理コーディネーター鈴木道代によるシンプルな素材が生きる「おうちごはん」レシピ

鶏肉の朴葉焼きと焼きトウモロコシ

 

 

今年の梅雨明けは早かったですね。
すでに梅雨明け前からかんかん照りの日が続いていましたから
もうすでに体は夏バテモード…。
でも食欲はあります!
しっかり食べるのが私のからだ作りの基本。
さっぱりと冷たい麺もいいですがきちんとごはんも食べたいもの。

夏に食べたくなる味といえば味噌。
ナスのピリ辛味噌炒めとか定番ですね。
味噌は大豆を米や麦の麹で発酵させた完全食品。
昔からその季節に必要なものをきちんと取り入れられるように考えられていたんでしょうね。

体もそのときにあったものを食べたいという欲求があるのが素晴らしい。
私も地球のサイクルのひとつ。
おいしく食べてこの暑く長~い節電の夏、涼しく乗り切りたいものです。

犬の散歩中拾った朴の葉に味噌を塗ってお肉と夏野菜を乗せて朴葉焼きに。
薪ストーブに細い薪と炭で火を入れます。
夕方の涼しくなった風と炭の橙色がいい感じ。

脇には地元で採れたての今年お初のトウモロコシを皮ごと焼いて。
炭火でじっくり。
久しぶりにアンコールに火を入れたら
とっても贅沢な時間が流れだしました。

保育園に娘を迎えに行って帰ってくるまで炉内で保温。
トウモロコシの皮をむいたら待ちきれずそのままかぶりついてます。

朴葉焼きも温かいままでやっぱり薪ストーブってスゴイ!!
おいしいエキスを吸って香ばしく焼けた味噌を
ごはんにつけて食べるとまたおいしいですよ~!!

 

 

 鶏肉の朴葉焼きと焼きトモロコシ

 

  • 鶏もも肉 …1枚
  • 味噌 …適量
  • お好みの野菜 …適量
  • 朴の葉 …2枚
  • トウモロコシ …2本

 

 

1.薪ストーブは軽く焚いて炭少々に火をおこす。朴の葉に味噌を広げて塗る。
鶏肉、野菜は食べやすい大きさに切っておく。

2.スキレットに朴の葉を敷き鶏肉を皮を下にして入れ、野菜も並べる。

3.蓋をして炉内のクッキングスタンドに乗せて焼く。トウモロコシも脇に置いて。

4.こんがりと焼き目がついて火が通ったら出来上がり。

鶏肉も柔らかくてジューシーです!

5.トウモロコシも焦げないように時々回しながら焼いて。
(少し焼きすぎて炭になってしまった部分アリ…)
茹でるより味が凝縮して甘かった~。

6.朴の葉に残った香りつきの味噌は翌日味噌いためにして食べきりました。

使用ストーブ » バーモントキャスティングス  アンコール
クックウェア » ロッジ  スキレット

 

 

自家製麹の味噌づくり

 

私は栄養士をしていましたから
味噌が大豆でできていることは勉強したので知っていました。
でも米味噌と麦味噌の違い、麹で発酵させていることなど
知っているような知らないようなというかハッキリ言いますとほどんど無知でしたね。

それが長野に有機農家で移住した友達に誘われて
味噌を作り始めてかれこれ10年以上、手前味噌を食べ続けています。
作ってみてわかったことがたくさんあります。
大豆を茹でてつくること。大豆と同量の麹と混ぜること。
米で作った麹が米味噌、麦で作った麹を使うと麦味噌と呼ばれること。

ここ2年はやっと地元にも仲間ができて
ちーむゴエモンの津久井在来大豆で味噌作りをしています。
そして今年は念願の自家製麹を使った味噌を仕込みました。
しかも米は自分たちの田んぼのもち米。
柔らかく蒸かしたもち米にもやしと呼ばれる種麹の細かい粉を振りかけ
米袋に入れ3日ほど保温して作ります。

味噌は何度も作ったことがあるけれど麹作りは初めて。
いつも麹が高くついてしまうので手作りしたいねと言っていたのです。

発泡スチロールの箱にペットボトルのお湯で保温したのですが
なかなか温度が上がらず麹菌がまわるのか心配しつつ。

でも3日目くらいにはそれらしい香りがしてきて
手作り麹完成となったのでした。

そして当たり前の日常がずーっと続くものと思っていた2月に今年の味噌は仕込みました。
焚き火で大釜2つを煮て、乾燥大豆の総量36kg。
手作り麹を使ったスペシャルゴエモン味噌はどんな具合かな?
そろそろかき混ぜるのにいい頃でしょうか。

 

 

おいしい米と味噌は日本人の食卓の基本中の基本。
今年もおいしいごはんと米麹の元になるお米がゴエモンの田んぼで生育中です。

少なからず放射性物質が振り注いだ私たちの田んぼと畑。
怒りと悔しい気持ちでいっぱいで
どうやって農と向き合っていいのか悩んだ日々もありました。

でもちーむゴエモンの友達に「それでも土に触ってると元気が出るよ!」と言われて
重い腰を上げて畑に行ってみると絹さやが鈴なりに。
まるで食べてーと言わんばかりに迫ってきました。
そして畑のお世話をしていると本当に土から逞しさを頂くようでした。

私はここの自然とともに生きると思って
ここに暮らしてきたんだと強く思い返しました。
そして大地とそれに繋がる暮らしを捨てなければいけない人の
痛みと苦しみを想像します。

いろいろな心配や不安がお母さんたちに渦巻いている。
子どもたちに何を食べさせたらいいんだろうと。
それは汚染の実態が公表されないからではないだろうか。
表示があれば私たち母親は選択することができる。
そうしてどこからともない不安は消え、
対策を考え実行し安心することができる。

私はここに暮らし、全てのことを命ある限り見届けたい。
大地の恵みをありがたく頂きながら。
そしてできる限りの対策をして
丈夫なからだを作って楽しく笑い、学び、育ちあいたい。

長崎の爆心地近くでも味噌を食べて玄米菜食にしていた人が
奇跡的に原爆症にならなかったという話も聞いています。
みそ味噌ミソ!!
時代は薪エネルギーと発酵食品にきてますゾ。
 

  • ページの先頭へ

薪ストーブエッセイ・森からの便り 新着案内