ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

薪ストーブクッキングチャレンジ:同じレシピで3タイプの薪ストーブ

薪ストーブ料理のことを考えたら「挑戦したいけど私のストーブは違うタイプなのでできるのかな?」と思う方が多いのではないかと気がつきました。
そういうことならば同じお料理を違うストーブで作ったら、「できるんだ!」そして「なるほど」「やってみよう!」になって、みんながストーブユーザーになったら嬉しい!

そこでファイヤーサイドの扱う3メーカー3タイプのストーブで同じレシピ作ってみました。まずはストーブトップの熱とオーブン料理(2機種は炉内で)。
それぞれ違うテクニックの工夫が必要でしたけれども、難しくありませんでした。

 

それぞれのストーブの特徴

チャレンジの3機種はアメリカのバーモントキャスティングス社のデファイアント、 デンマークのHETA社のインスパイア55H、そしてイタリアのデマニンコア社のドミノ8のクッキングストーブ!

 
アメリカのバーモントキャスティングス社のデファイアントは、
55cmの長い薪が入る超でかいストーブ。
広い燃焼室があるので太い薪を満タンにすれば18時間以上燃え続けます。
自分の家のデファイアントの最長燃焼時間は48時間以上の経験があります!!
ある冬21時ごろに薪を入れて、朝早く旅に出かけた。
次の日の夜に家に戻ったが遅いため火を入れずに寝た。
次の朝、火をつける時、十分着火に使える熾火が灰の中に生きていた。
ふいごでその種火を熾し、焚き付けに火がついた!


デンマークのHETA社のインスパイア55Hの広い窓の炎。
椅子に座って見るとちょうどいい高さに設計された、スッキリしたデザインのストーブです。普通はこのタイプのストーブは炉内でのオーブン料理は難しいと思われますが、思ったより上手くできることが確認できました。
少年時代からお父さんのストーブ工場で働いていたカースティン・バック社長と弟のマーティン生産部長の兄弟で経営している、若さを感じるストーブメーカーです。


イタリアのデマンニンコアのドミノ8のクッキングストーブは、
北イタリアのアルプスのクックストーブです。
52cmの長い薪が入る炉室がストーブトップに近いため、すぐに広い天板が熱くなる。中心にあるクッキングリングは取り外しができて、直火焼きや底が平らでない中華鍋も使えます。下にある大きいオーブンでいつでもオーブン料理ができます。


イタリアの田舎の家はクッキングストーブが多い。特に北部。
イタリアのクッキングストーブのメーカーは数十社ありますが、デマニンコアを選んだ理由は他のクックストーブと違って、全体の鉄板の間に耐火煉瓦がサンドウィッチされているため、蓄熱性能が優れているから。


今回の料理チャレンジの会場はファイヤーサイドの駒ヶ根ショールームです。
同じ部屋の実演ストーブは3台とも煙突につないでいます。
とても寒い日でしたので、3台同時に火を入れても暑すぎない!
まずは火を焚きましょう。
ドミノのオーブンが温まるまで1時間かかるので、先にドミノに火を入れます。

 

ローストママレードチキンの下ごしらえ

 今日のお料理はローストママレードチキンと野菜(小玉の玉ねぎ、ニンジンとジャガイモ)です。それとアップルクランブル。
チキンの調味料はママレード、醤油、ハーブ(タイム)、バターだけです。


適量のママレードと醤油を混ぜて、鳥のもも肉とニンジンに30分以上漬け込みます。


タイムをたっぷり入れます。風味と色合いが良いですね!


調理用の薪も用意します。
ストーブの横にキンクラを設置し、細割りの広葉樹を作りました。
針葉樹は火力を早く上げる時に使いますが、よく爆ぜるので、料理に炭が飛んでしまいますので、料理の最中は使いません。

 

デファイアントdeママレードチキン


デファイアントの火が熾火状態になったら、
細く割った薪を入れて調理の準備に入ります。


これが燃え上がったら


左右に分けてクッキングスタンドを設置します。


ストーブトップでフランス製の鋳物のホウロウ長方ロースターを温めて、
バター50g程度を溶かして野菜を焼きます。


野菜に軽い焦げ色がついたらロースターを炉内に移し、
もも肉を皮面を下にして焼きます。時々汁をスプーンで肉にかけます。

 

インスパイアdeママレードチキン


HETAのインスパイア55Hにもデファイアントと同じ準備をします。
デファイアントよりも炉内が狭いため、薪の大きさを調整。


クッキングスタンドはちょうど良いサイズです。


炉内にロースターをセットします。


インスパイアの場合は全て炉内で焼いてみました。


左右に小型の薪を置いて中火程度にし、野菜を順番に入れます。


軽い焦げ色がついたらもも肉を皮を下にして入れ、


焼きます。


十分に熱が通ったら裏返して


少しロースターの下に炭火を加えて焼き上げます。


いい感じになったら出来上がりです。


取り出すときに火傷しないように注意しましょう!

 

ドミノdeママレードチキン

次にドミノで焼きました。
調理用のストーブなのでどう出来上がりが違うのか楽しみですね!
  
ドミノは他の2台のストーブと違って、オーブンが付いている。


なのでオーブンの温度を上げるには少し時間がかかります。
ドミノの全体が耐火レンガに包まれているため、そのレンガを温めておくと冷めるまで時間が長い。毎日使えば蓄熱方式のストーブは温める時間が短くなります。オーブンも早く熱くなります。
つまり、冷えた状態からオーブンが熱くなるまで1、2時間かかりますが、毎日使っていれば30分程度で熱くなります。
それは耐火レンガに熱が残ってくれるので、すぐに温度が上がるからです。


他のストーブと同じで、ストーブトップにロースターを置いて野菜をバター焼きにします。


ストーブトップが広いです。位置によって温度が違います。
炎と熱いガスがオーブンに流れるので、クッキングリング(中心)より後ろの方の熱が高いです!


燃焼室が近いせいかとても焼き具合が良い!


オーブンがちょうど良い温度になってきた!


もも肉の皮を下にして入れて


時々汁をスプーンで肉にかけます。

 

アップルクランブルの下ごしらえ

クランブルは戦争中のイギリスで配給の小麦粉、バター、砂糖などが貴重なため、パイの生地を作るのが難しくなっている時代に誕生しました。

小麦粉3に砂糖1の割合を混ぜて、バター1を指やフードプロセッサーでバターが小粒になるまで混ぜ込みます(小麦粉300gに砂糖100gにバター100g)。
好みの甘さにより砂糖の分量を調整しましょう。


りんごの芯を抜きます。


このような芯抜き器があると便利です。


りんごを細くスライスして


シナモンと砂糖で十分につけます。


わたしはオーガニックの黒砂糖にしていますが、
ハチミツやメープルシロップでもいいと思います。


容器にバターを塗ります。


りんごを容器に並べて


上に生地を振りかけます。

 
その上に繰り返して、りんご、そして生地を重ねて3〜4段にします。


最後に生地で蓋をします。


本来はりんごの汁が浮き上がり、生地に溶け込んでいくはずです。
それぞれのストーブの温度(炉内またはオーブン)を200℃前後にします。

 

アップルクランブルを焼く


先と同じで左右に火を分けて温度上がりすぎないように注意しながら30〜45分焼きます。


だんだんと焦げ色がついてきます。りんごが柔らかくなったら出来上がりです!

インスパイアも同じです!

そしてドミノも同じです。


ドミノの場合はオーブンの奥の温度が手前よりも高いので、
途中ロースーターを廻すと均等に焼き上がります。

 

結果

● デファイアントとインスパイアは炉室で焼いたためスモーキーでワイルドな味と焦げ色がついた。特に野菜ともも肉が美味しかった。
りんごの汁が上の生地まで染み込みが浅かったため、生地がドライな感じでした。りんごの種類も関係があると思いました。
また野菜ともも肉の油がロースターにかなりついたので、洗うことが必要だった。ホウロウロースターなので、割と楽に汚れが落ちた。
● ドミノは楽でした。炉内の薪の工夫も要らないことと、出来上がり(見た目)が綺麗でした。りんごの汁が上の生地まで上がり、求めた仕上がりになりました。

 

結論

どのストーブでも美味しく出来ました。
炉内で料理の場合、焦げやすいがワイルドな味と仕上がりになります。
インスパイアでも十分オーブン料理が可能です。
炉内へのクッキングスタンドの出し入れ、細かい薪の準備と補充、ガラスや容器の汚れ、また容器を炉内から出したりする工夫が必要ですが、こんなに美味しい野趣料理ができるとワクワクします。

やはりドミノは調理用のストーブなので、楽で綺麗に仕上がります。
こんなに簡単で美味しくできるのはドミノが一番だと思いました。
毎日薪ストーブでお料理するならばドミノは最高です。
それぞれのストーブに特徴がありますが、お料理であればドミノが最高です。
それぞれのストーブで同じ料理をしてもどれも美味しく出来ました。
デファイアントとインスパイアはワイルドで面白い!
ドミノは綺麗で楽でした。
一番大変だったことは、同時に行ったので忙しかった!笑
一台ずつだったら楽勝だね。
まぁ材料の支度の面で見れば楽ですが、火の管理面では忙しかったです!

 



このWebマガジンはファイヤーサイドが提供しています。

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コメント

  1. ポールさん、10月に福山ではお世話になりました。
    今回もどれも美味しそうな料理ですね。
    福山の薪ストーブクッキングのときにも
    持ってこられていましたが、
    この長方形のプレート?は販売したいとお話しされていましたが
    その後どうなったでしょうか?
    りんごのクランブル焼きをされている長方形のプレートですが、
    これはIHでも使用できますか?
    灰受け皿にも入って便利そうでしたよね。
    ネットで検索してみたけど長方形でIHで使用できて
    薪ストーブでも使用できるものって
    なかなかなさそうですね。
    販売のめどが立っているなら教えてほしいです。

  2. Luckyさま、

    コメントありがとうございました。
    福山のイベントの時もお世話になりました。
    はい、長方形のプレート検討中ですが、もう少しでご提案できると思います。
    IHもIRも対応できますよ!

  3. ポールさん、早速のお返事ありがとうございます。
    発売を楽しみに待っています。
    この冬に間に合うといいのですが。。。
    でも、薪ストーブ以外でも活躍しそうですね。(^^♪
    コスコで買ったyellowのグローブ、ありがとうございました。

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