ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

Vermont Castings灰受け皿料理入門編

30数年前のバーモントキャスティングスの薪ストーブ(デファイアント、ビジラント、レゾリュートなど)は灰受け皿は装備していなかった。
大昔のストーブは燃料として薪も石炭も使える多燃料型(マルチーヒュエル・Multi-Fuel)のものが多かった。
石炭をうまく燃焼させるためにグレート(火室底面の火格子のこと)の下から燃焼用空気を通す仕組みでした。
灰がグレートの上に溜まると格子穴が詰まり、下からの空気がスムーズに入らなくなるので、灰かき棒などでグレートの格子穴に灰を落とすとよく燃えます。
その灰を溜めるため、そして掃除しやすいように「灰受け皿」という便利なものは、ほとんどの多燃料型機に備えていました。


石炭を燃やすストーブの燃焼用の空気がグレートの下から侵入する仕組み。
灰で詰まると空気が足りなくなるので、動かせる「シェーカーグレート」を採用していた。灰を落とすので灰受け皿が便利です。

 

薪ストーブと石炭ストーブの違い

アメリカで石炭と薪を両方燃やす背景は、地方によってどちらの燃料が手に入りやすいかや経済性で選択することがあったので、一つのストーブで両方の燃料に対応するようになっていました。
40年前のバーモントキャスティングスは「薪専門のストーブ」デファイアントを開発しました。薪は石炭のストーブと違って、下から燃焼空気を取り入れる必要がないので、横から空気を入れる、当時画期的な水平燃焼方式でした。
長時間燃焼が可能になり、灰を溜めてその上で燃やす方が有利なストーブでしたので、わざと灰受け皿を備えませんでした。
日本の火鉢と同じ考え方で、灰を溜めて、熾火の断熱効果を利用して、朝まで種火が残ることに成功しました。
灰が溜まりすぎたら、シャベルや小型スコップで炉内から灰入れバケツに適当に掻き出します。

薪ストーブに灰受け皿は必要?

つまり、薪ストーブには灰受け皿が必要なかったわけです。
石炭を使いたいユーザーのためにオプションの「石炭部品セット」を開発して販売していました。
セットにはシェーカーグレートや灰受け皿などの部品があり、デファイアント、ビジラント、レゾリュート、イントレピッドに組み込めば石炭も燃やすことができました。
バーモントキャスティングスの薪ストーブの設計が進化してきて、触媒式のアンコールを1987年に発売しました。
触媒ストーブには石炭を使えないが、ユーザーなどの声に応えるために便利な蓋付きスイングアウト灰受け皿を備えました。非常に便利な機能です。
しかし私は昔から灰受け皿のないストーブに慣れていたので、自分ではほとんど使用せずに灰が溜まったら従来通りシャベルで炉内から掻き出し続けていました。
また、まだストーブの焚き方慣れていない人や、薪がよく乾燥していないユーザーが灰受けのドアを開けてたくさんの空気を下から入れてストーブを使っていた。

灰受け皿料理の発見

私もストーブの灰受け皿に灰が溜まったまま使っていました。
灰の中にさつまいもやジャガイモを入れてみて上手にできることを発見して驚きました。
しかし灰は邪魔でしたので、「灰が落ちないように遮断すればいいんじゃない?」と考え、鉄板をグレートの上に敷きました。
最初は薄い鉄板を使って歪んだりしたので、適切な厚みを選んで「オーブンプレート」を開発しました。販売する前に安全性、機能性などをよく検証しました。

灰受け皿はオーブンだ

私は灰受け皿は要らない派です。
しかしただ要らないのではなくて、灰受け皿が最高のオーブンとして使えるんですよ!
そうなるとオーブンの中に灰は欲しくないので、オーブンプレートを敷いて遮断する。

オーブンプレートの利点

オーブンプレートを敷くと次の利点があります:
● 灰受け皿がオーブンになります。
● 熾火の火持ちがよくなります。
● 灰受けドアから余計な空気が炉内に侵入しなくなるので、異常燃焼が防げます。
そのため炉内の部品の消耗が抑えられて、ストーブが長持ちします。
● 薪の燃費が良くなります。
● 炉内に薪をたくさん入れた状態でもオーブン料理が可能です。

オーブンプレートの設置方法

1. まずは既存のストーブの場合は機種とオーブンプレートが合うか確認しましょう。オーブンプレートはアンコール用デファイアント用の2種類があります。
2. オーブンプレートと炉床に隙間ができないよう、 灰や炭を完全に取り除いてください。残った灰や炭などがあると灰受けドアを開ける際にグレートから空気などが漏れます。
3. 両手で製品をしっかりと持ち、 フロント開口から設置します。

グレートに灰を落とすための火格子です。
この状態では灰受け皿で料理することが不可能です。
燃焼中、灰受けドアは開けてはいけない。
炉内に余計な空気が入り、高温になり、ストーブの内部の部品が早く消耗してしまいます。


オーブンプレートを敷きますと灰受け皿がオーブンに変わります。
灰受けドアを開けても炉内の温度が変わりません。

オーブンプレートの準備と使い方

1. あらかじめ灰受け皿を水で洗って乾かします。
連続料理をするのであれば灰受け皿を2個用意すると便利です。
パーツとして販売しています。
2.   できるだけオーブンプレートが見えるまで灰を取り出します。
必ず金属製の蓋つきバケツに灰を処理しましょう。
3. ストーブ用の温度計を灰受け皿の中心に置きます。
4. ダンパーを「開」の状態、燃焼空気を「全開」の状態にします。
5. 中くらいの大きさの乾燥薪(5〜7cm)を下に置いて、その上の細い乾燥針葉樹の焚き付け(2cmぐらい)をたっぷり上に載せて、その上に着火剤を2〜3個置きます。
6. 火をつけてドアを閉めます。
7. 8割程度燃えたら中から大の薪(5〜10cm程度)2本をトップドアから足します。
8. 30分から60分程度で灰受けの温度が200℃を超えます。


パリパリ乾燥針葉樹(ヒノキ)の焚き付けを使うと早く灰受けオーブンの温度が上昇します。
灰受け皿に薪ストーブ専用のサーモメーターを 入れて火を焚きます。
料理によりますが、だいたい180〜280°Cを保つようにしてください。


300℃に近くなりました。この写真は着火後ちょうど45分。

 

灰受け皿料理のレシピ集

さて、灰受けオーブンが180℃を超えたらいろんな料理に挑戦してみよう!
まずは簡単なものから行きましょう!

栗のロースト

秋なら栗でしょう!
超簡単です(皮をむくのが大変ですけど!笑)。調理時間25分
爆発しないようにポツンと皮に傷をつける。
もちろん包丁も使いますが、私がワイルドな男だからLPさんのミニハチェットでやりました!


灰受け皿に入れて15分程度。


栗が割れてきます。さらに10分ほどで焼き上がります。


栗の皮を剥いて、栗ご飯やお菓子の材料として使いますが、そのまま剥いて食べるのもおいしいです。 

 

ホールコーンのロースト

トウモロコシを皮付きのままローストすると中の水分でスチームしてとてもおいしいです。調理時間25分


ちょうど6本がデファイアントの灰受け皿に入りますが、先っちょを短く切ります。


やはりLPのミニハチェットは使いよい。

灰受け皿に薪ストーブ専用のサーモメーターを入れて火を焚きます。
180〜200°Cを保つようにしてください。
灰受けドアを閉じて15分程度焼いて、一度裏返します。


さらに10分焼いて出来上がりです!


熱々なので革製の手袋でないと持てません。


ホカホカでジューシーで〜す。うまい! 

 

ベークポテト

小型のジャガイモと塩。
調理時間:20分程。大きさによります。
ジャガイモを洗って皮付きのまま塩をかけて灰受け皿に入れます。


クッキングシートを使うと皿が汚れない。


10分〜15分程度で裏返します。


バターやサワークリームが合います。

次回こだわりのレシピで続き・・・・・・

関連コラム;
» 灰受け皿でお料理(前編)
» 灰受け皿でお料理(後編)
» ストーブ周りの確認と灰受け皿料理第2弾

 



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コメント

  1. いつも楽しく読ませていただいてます。
    ディファイアントにオーブンプレートを用いて、焼き芋をよく作って楽しんでいます。炉の中と違って、温度の上がりすぎて炭化するなんてことはないので、とても良いですね!
    使用してて、気がついたのですが、使用後に灰受け皿を閉めっぱなしにすると内部で、食材から出た水分が結露してしまうので、使用後は灰受け皿を開けて乾燥させてます☆

    おいしいレシピを楽しみにしてます。

  2. 茶道マスター様、

    コメントありがとうございます。
    使用後の灰受け皿の水分を乾燥のことおいせていただいてありがとうございます。確か水分の多い商材によって結露される可能性がありますよね。次回のコラムに加えます!
    ありがとうございます。

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