ポールキャスナー 薪ストーブのある生活

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

近所で眠っている薪

私は薪作りが大好きです。
そして、もう一つ好きなのが薪集めです。
もちろん立ち木や落ちている薪を拾うのも面白い。

しかし思わぬところで発見することもあります。
それは民家に眠っている薪です。
時代が変わって薪を使う習慣がなくなった家が多いことが分かりました。
使わなくなった薪が民家の周りに置いてある。


 

 

消えゆく薪文化と新たに根づいた薪ストーブ文化

薪を使う習慣が日本の田舎から消えていくことは非常に残念です。
かつてはおじいさんたちが山で芝刈りすることで
健全な森の管理と村の経済が成り立つ仕組みでしたが、
近代になって若い人にその習慣が受け継がれない。

研究によりますと、森林に有害なナラ枯れ病などが拡大したのはそのせいもあるようです。
ナラ枯れ病の原因は大木につく糸状菌です。年をとったナラ林ほど被害が大きい。
間伐することで森の風通しがよくなり、そして大木にならず森が育つ。
薪として収穫すると大木にならないうちに切るので、昔はナラ枯れの被害が少なかったそうです。

もう一つ残念なことは、薪の文化が消えることです。
日本は昔から薪炭文化であり、その生活が段々となくなっています。
かまど、薪風呂、火鉢、囲炉裏などが化石燃料やオール電化に変わりました。

幸いに新しい薪文化、薪ストーブが発達しています。
しかし昔の方法ではない薪の採り方です。

私は南信州の山奥に生活していた時代(23歳から36歳まで)、
隣のおじいさんと手鋸(ノコギリ)、鉈(なた)、斧、背負子だけを持って山に入りました。
春~秋は田圃や野菜作り、冬は薪作りのライフサイクルでした。

鉈や手鋸で木を倒したので、大木ではなくて細い木や曲がった木、病気の木をまず収穫する。
背負子をいっぱいにして山から降りることを毎日繰り返した。
一日分を毎日積み重ねて冬中大量の薪が集められた。

現代の日本では、薪ストーブ用の薪の収穫は4tトラックなどで林道に入り、
チェーンソーを使って大量に採る。
私も今はチェーンソーと斧または薪割り機で薪を作っている。
もちろん薪ストーブの薪使用量はお風呂を沸かす量に比べて格段に多いので
手鋸ですべて作ることができないが、
その習慣がなくなってくることが寂しく感じます。

 

 

眠れる薪を再利用

オール電化に切り替えてエコキュートのボイラーを設置した民家。
奥にオール電化ボイラーが見えます。

手前は数年前の要らなくなったお風呂用の薪です。
お風呂用のものは薪ストーブの焚き付けに最適です。

田舎でも街でもこのような薪が眠っていることがあります。
使わなくなった持ち主さんはたいてい喜んで分けてくれます。
薪が積んである家を見つけたら声をかける前にまず次のことを確認します。

  • その家に薪ストーブや風呂用の煙突はあるか?
  • エコキュートボイラーはあるか?
  • その薪にたくさん埃がかかっているか?何年も置いてある状態なのか?

この条件をクリアしてあれば声をかけましょう。
ピンポン:「すみません、たくさん薪が眠っているようですが、まだお宅では薪を利用していますか?」

その後、分けていただけるのであれば、代金をオファーしましょう。
片付けだけで喜ぶ方はいますが、それは当たり前と思えません。
私は軽トラック一杯で¥6,000が目安です。
しかし、薪の質(虫食い)や種類によってその額が上下します。
また、自分で積み降ろしするか、その家の方が手伝ってくれるか、全部運んでくれるかにもよります。

さらに、この薪を購入してあげれば、その家の方にまた薪作りの作業を頼むことも可能です。
山があるのに薪を作るのをやめてしまった人でも、
薪を売ることができるのがわかったら、冬に収入が生まれます。

古い薪を運ぶ時の注意点は2つです。
ホコリやネズミの糞がついたものは必ずマスクをして作業すること。
時々蛇が冬眠していることがあります。
毒蛇なら噛まれる恐れがあるので、皮の手袋を使い注意を払ってください。

たくさんいい薪が眠っていますので、新しい冒険をしましょう。

 



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コメント

  1. Hi there, mail from Sitgreaves National Forest, in AZ.
    You don’t know how much I hate to waste, — anything. Every single time when I find nice size of woods (for stove) in forest, I pick them up. Last time when I used my chain-saw was four years ago. I mean I got all of my fire woods of last four years from my neighbor’s properties or national forest, without using extra precious natural resources from our Mother Earth. Sounds good,isn’t it ?
    Somehow, forest service office doesn’t want me to ‘move’ anything from federal land. But I believe what I was, and am doing is actually working to keep forest clean for better condition, — right ?
    Anyway, I’m glad to know you also won’t waste ‘hidden treasures’.
    Well, please remember how much I’m enjoying this site, — always. thanks lots.

    no mad NOMAD, diehardwalker

  2. Hi Paul-san,

    That is a very good way to keeping the forest tidy. I realized I was being greedy.
    There is some small mountain where I live in Kamakura. My 6-year old son and I used to go into a mountain to collect as much wood as possible. This has made our bag packs full of wood and but very heavey to walk home. We call this action of collecting wood “Ninomiyakinjiro” gokko. My son actually enjoys it!
    By the way, Tabuchi-san is a good friend of my nextdoor neighbors Larry-san and Hanae-san. He has been to our neighborhood a couple of times.

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