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	<title>Tabuti ブログ</title>
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	<pubDate>Thu, 29 Jul 2010 03:50:20 +0000</pubDate>
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		<title>Woodstove in August  八月の薪ストーブ</title>
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		<pubDate>Thu, 29 Jul 2010 03:13:12 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[八月。夏が燃え立って、ルドベキアの花が咲き競う季節。
この小さなヒマワリは北米原産のワイルドフラワー（野草）。
野原や道ばたの何処にでも咲いていて、アメリカの夏を謳っている。
コロラド、ワイオミング、モンタナ、オレゴン。 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>八月。夏が燃え立って、ルドベキアの花が咲き競う季節。<br />
この小さなヒマワリは北米原産のワイルドフラワー（野草）。<br />
野原や道ばたの何処にでも咲いていて、アメリカの夏を謳っている。<br />
コロラド、ワイオミング、モンタナ、オレゴン。<br />
それから、ニューイングランドのヴァーモント、メイン。<br />
<br />
庭にルドベキアの花が咲き誇れば、アメリカの鱒釣りの夢を追った日々が思い出される。<br />
清らかな水辺で人生の幾日かを分かち合った鱒釣りの仲間達。<br />
みんな今でもフライロッドを振っているだろうか。<br />
<br />
ストーブのサイドドアから長すぎる丸太を押し込んで、<br />
ドアから丸太がはみ出でているのを笑っていたディックとスチュアート&hellip;&hellip;。<br />
二人は今でもあのフィッシングロッジにいて、初代デファイアントを焚いてるだろう。<br />
<br />
<br />
<img width="493" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain-july10-4.jpg" />
<br />
<br />
<br />八月。<br />
薪ストーブに火が入らない唯一の月。<br />
水差しにルドベキアの花束を差してストーブトップに置いて&hellip;過ぎた夏を懐かしむ。<br />
７０年代と８０年代のアメリカはよかった。<br />
茫洋とした夢のようなものがそこここに漂っていて、みんなフレンドリーで屈託がなかった。<br />
バーモントキャスティングスの薪ストーブは、そんな時代の落とし子として生まれた。<br />
わたしは、この会社を訪ねた最初の日本人だった。<br />
<br />
<br />
<img width="493" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain-july10encore.jpg" />
<br />
<br />
<br />夏の薪ストーブは、花瓶を置くための最良の花台である。<br />
そのストーブトップほど庭の花を飾るにふさわしい場所はない。<br />
十分なスペースがあるので大きな花瓶でも邪魔にならない。<br />
<br />
ストーブトップに置かれた花瓶の花たちは誇らしげだ。<br />
そこは、切り花のための夏の玉座だ。<br />
あなたの家の、夏の薪ストーブはどうしていますか？　<br />
<br />
<br />
<img width="493" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain-july10-3.jpg" />
<br />
<br />
<br />夏の薪ストーブは、ダンパーを開いて吸気口を全開にしておこう。<br />
そうしておけば、ストーブはクワィエットな換気装置として部屋の空気を浄化してくれる。<br />
煙道が夏の日差しで熱くなるのでかなりの対流が起こるんだ。<br />
<br />
クッキンググリドルを開いて、ストーブトップに火の付いた蚊取り線香を置いてみたまえ。<br />
その煙がどんどん煙道に吸い込まれていくさまに、あなたは目を見張るだろう。<br />
薪ストーブは、燃えているときはもちろん、そうでないときでも部屋の空気を浄化してくれる。<br />
<br />
村内でも、近頃はハウスメーカーの高気密住宅が目立つようになった。<br />
その家の屋根からはチムニーのような物が突き出ている。<br />
「立派な煙道を築いて薪ストーブを導入したんだな」。そう思っていた。<br />
しかし、それは部屋の空気を換気するためだけの大袈裟な仕掛けだった。<br />
<br />
「いくら暖房しても、換気装置がすごい勢いで部屋の空気を吸い出すから寒いんですよ」。<br />
去年ハウスメーカーの家を新築した住人が冬にそう言ってた。<br />
馬鹿だなー、薪ストーブを導入すればいいのに&hellip;&hellip;。<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain-july10-2.jpg" />
<br />
<br />
<br />「今日も各地で酷暑日が&hellip;」と天気予報が連日大騒ぎしている。<br />
「もっと暑くなれ。真夏日がいつまでもつづけ」。<br />
わたしは缶ビール片手にそうほくそ笑んでいる。<br />
我が寒山の夏はアルカディア。<br />
下界が酷暑になればなるほど、我々の幸福度は増す。<br />
<br />
この夏は、ラズベリーもブルベリーも南瓜も馬鈴薯も瓜も最高の出来だ。<br />
３０度を超す日が何日もつづくといいのだが、今年の最高気温は今のところ２８度止まり。<br />
午後になると、積乱雲が日差しをさえぎって涼しくなってしまう。残念！<br />
<br />
<span style="font-size: larger;">
<br />八ヶ岳　雲をあつめて　雲隠れ<br />
雷雨あるらし　みやまべの里</span>
<br />&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>サンティーを召し上がれ</h3>
<p>夏はアイスティーが美味しい。<br />
日差しの中で庭仕事をした後の午後のアイスティーは特にね！<br />
で、美味しいアイスティーのスマートな作り方をお教えしましょう。<br />
北カリフォルニアのレストランの庭で、そうしているのを見て覚えた。<br />
<br />
朝、ガラスの水差しに茶葉を適量入れて水を。茶葉の量は控えめでいい。<br />
それを、夏の日差しの中に日中置いておく。<br />
日差しの中で、日向水が静かに対流してゆっくりと紅茶のうま味を抽出する。<br />
わたしは庭にある石のテーブルの上にそれを置く。<br />
夏の日差しの中で、石のテーブルは５０度にもなる。<br />
夕方になったら茶葉を漉して冷蔵庫に。<br />
<br />
<br />
<img width="321" height="480" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain-july10suntea.jpg" />
<br />
<br />
<br />日向水による水出しティーは、渋みのないすっきりとした味の美味しい&ldquo;サンティー&rdquo;だ。<br />
熱湯でいれる紅茶よりもよい香りが留まる。<br />
ティーバッグでもいい味になります。同じ方法で美味しいアイスコーヒーも。<br />
サンティーはガス代の節約になってエコ。<br />
茶葉も半分の量ですむので家計にも優しい。<br />
<br />
＊追伸；我慢できないほどの暑さを克服する方法。<br />
それは、&ldquo;笑ってしまう&rdquo;ことだ。<br />
そうすれば、その暑さをみんなで共有している連帯感が生まれて、<br />
少しは涼しい気分になれるだろう。<br />
笑ってしまおう！<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi</p>

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		</item>
		<item>
		<title>The kitchen Garden is beyond all praise.  キッチンガーデンとミニハチェット</title>
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		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/433.html#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 28 Jun 2010 02:36:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[六月の朝は、苺を食べた。
庭の苺をたっぷりシリアルのボールに乗せて牛乳をかけて苺を食べつづけた。
昼食と夕食はアスパラガスとレタスとラディッシュとコカブを食べつづけた。

そして、七月。
苺の季節が終わろうとしている。ラ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>六月の朝は、苺を食べた。<br />
庭の苺をたっぷりシリアルのボールに乗せて牛乳をかけて苺を食べつづけた。<br />
昼食と夕食はアスパラガスとレタスとラディッシュとコカブを食べつづけた。<br />
<br />
そして、七月。<br />
苺の季節が終わろうとしている。ラズベリーが実りはじめた。<br />
七月の朝はラズベリーを食べつづけるだろう。<br />
<br />
ラズベリーは我が庭の自慢なんだ。毎年２０～３０キロ収穫する。<br />
その実を摘むのは妻の仕事だ。<br />
「ラズベリーが実ると憂鬱になる。自分の仕事ができない」と妻が言う。<br />
で、この春はエンジン式の柴刈り機でラズベリーの株を大胆に剪定した。<br />
そうしたら、皮肉なことにラズベリーの花付きが素晴らしくいい。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1006_04.jpg" />
<br />
<br />
<br />「ラズベリーの花がいつもより大きい。今年は豊作になるわ。<br />
ジャムにしていけばいい量じゃないわね」<br />
と妻が苦笑いする。<br />
<br />
で、二人で佐久平の家電量販店まで出向いて、フリーザーを新調した。<br />
ラズベリーを冷凍保存するためだ。<br />
キッチンガーデン（菜園）の作物をお金に換算したくはないが、ラズベリーには１キロ１万円の価値がある。<br />
そうであれば、嫌々ながらであっても、誰かさんは七月の朝をラズベリー畑で過ごすことになるだろう。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1006_03.jpg" />
<br />
<br />
<br />&ldquo;グリンピースの豆ご飯&rdquo;は誰かさんの好物。<br />
グリーンピーとシュガーピー（絹莢）とスナップビーンの種を播いた。<br />
ピース（peas)の栽培は苦手だった。 トレリス（蔓棚）を作るのが面倒だ。<br />
支柱を立ててネットを張るのに手間がかかる。<br />
季節が過ぎて、トレリスを片づけるのはそれ以上に嫌だ。<br />
胡瓜のトレリスもそうだ！　長い支柱を始末するのも気乗りしない仕事だ。<br />
<br />
そこで、去年は枯れ枝をトレリスに見立ててピーを育ててみた。<br />
庭の木立から枝付きのいい枯れ枝を拾ってきて、その畝に突き刺していった。<br />
その生育を見守りながら、その都度適当に枝を差していけばいいので苦にならない。<br />
そこが、枝木によるトレーニング（仕立て）のいいところだ。<br />
<br />
また、枝木の仕立ては菜園にラスティック（素朴）な景観をもたらしてくれる。<br />
そしてそして、枝木仕立てのなによりの美徳は、秋になったらそれをハンドアックス（片手斧）で短く折ってしまえばいいことだ。<br />
それは最高の焚き付けになる。木立の枯れ枝を祝福せよ！<br />
<br />
<br />
<img width="301" height="450" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1006_02.jpg" />
<br />
<br />
<br />枝木仕立てのコツは、枝木の木元を鉛筆のように鋭く尖らしてやること。<br />
そうすれば、難なく地中深く枝木を突き刺すことができる。<br />
こんな時に大活躍してくれるのが、ミニハチェットだった。<br />
<br />
<br />
Eureka （ユーリカ）！　我、発見せり。<br />
全長２６センチ３００グラムのこの可愛らしい斧は、&ldquo;シャープなナイフとしての小さな手斧&rdquo;なんだ！<br />
枝木を尖らせるときの、ミニハチェットの使い心地のよさといったらないんだ。<br />
同様な意味で、小型の弓鋸も枝木を切るには使い心地のいいものである。<br />
鋸歯が細くて薄いので、軽く鋸が挽ける。<br />
<br />
ミニハチェットは、妻が枯れ枝で焚き付けを作るときに愛用している。<br />
また、南瓜を割るときにも。<br />
この愛らしい手斧は彼女専用で、自分は「バックパッキングの折りでも&hellip;」と考えていた。<br />
しかし、その実力を知るにいたって「小さな物が、時には大きな役に立つんだ！」ということに感心した。<br />
道具好きの木工家でもある自分にしてみれば、それは、次のような喩えの形而上学的発見でもあった。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1006_01.jpg" />
<br />
<br />
<br />&ldquo;大は小を兼ねる&rdquo;と言うが、そうじゃないんだ。<br />
「小さな泉の水は、大きな桶では酌めない。小さな泉の水は、小さな片手桶で酌み取らなければならない」。<br />
<br />
我々の幸せは、ちいさな幸せの積み重ねであればそれでいい。<br />
小さな幸せを、小さな手桶で静かに酌み取っていくことが大切なのではなかろうか。<br />
自分の体力に余る大きな重い桶で、大きな泉の水を無理して酌もうとしなくていいんだ。<br />
人生は思っていたよりもずっと長くて&hellip;まだ若いきみやあなたよりも少しは多くを見てきた者として、そう助言することができる。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1006_05.jpg" />
<br />
<br />
<br />薄衣のワンピースをまとった豊穣の女神ケレスが、七月の緑麗しい庭にたたずんでいる&hellip;。<br />
そして、タブチ君にウィンクしている。<br />
グリンピーの莢が膨らんできた。胡瓜が小さな実を付けている。<br />
トマトと馬鈴薯が順調に生育している。<br />
秋までにトマトは１５０個、馬鈴薯は１０００個収穫できると目論んでいる。<br />
菜園は自分たちのための小さな農園である。<br />
<br />
「菜園は、人が持つべき物の中で最良の持ち物だ」と思う。<br />
千冊の書物からよりも、より大切なことをより多く、人は自分の菜園から学ぶだろう。<br />
<br />
<strong>「菜園をつくりなさい。鍬でよく耕して、そこに馬鈴薯の種芋を埋めるんだ。<br />
その生育を見守りながら、株元に何回か土寄せをしてやりなさい。<br />
秋になったら掘り出して、ストーブトップで茹でて食べなさい」<br />
キマグレーノ・タブーチ（寒い山の説教師）</strong>
<br />
<br />
<br />Photoes by Yoshio Tabuchi</p>

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		</item>
		<item>
		<title>Arcadia is here　寒山六月的アルカディア</title>
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		<pubDate>Tue, 25 May 2010 06:23:50 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[六月の緑は日捲りのカレンダー。山々の緑が日毎に深まっていく。庭の木立が緑に染まっていく。
その林床を桜草がピンクに染めていく。
水仙とチューリップの季節はいった。その花柄を折り取っていく。
小鳥たちのラブソングはもうない [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>六月の緑は日捲りのカレンダー。山々の緑が日毎に深まっていく。庭の木立が緑に染まっていく。<br />
その林床を桜草がピンクに染めていく。<br />
水仙とチューリップの季節はいった。その花柄を折り取っていく。<br />
小鳥たちのラブソングはもうない。木立の幹に掛けた巣箱に近づけば、コガラの雛たちの声が聞こえる。<br />
菜園が夏草のそれに従って緑に染まっていく。<br />
<br />
<br />
<img width="274" height="420" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1005_01.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />パルナシウスが庭を舞いはじめた。初夏にだけたおやかに庭や草原を舞うこの蝶が好きだ。<br />
うすばしろ蝶のラテンネーム（学名）であるパルナシウスは&ldquo;パルナッソス山の住人&rdquo;という意味。<br />
パルナッソス山はギリシャのシークレット・マウンテン。アポロはミューズたちと共にこの山に住んでいた。<br />
またその山麓には哲学者の大学があった。<br />
フランス菊が咲いて、パルナシウスが夢見るように庭を舞えば、季節は夏なんだ。さあー、夏のページを繙こう。<br />
<br />
<br />
<img width="404" height="270" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1005_02(1).jpg" alt="パルナシウス：うすばしろ蝶" />
<br />
<br />
<br />太陽が子午線を登りつめていく六月。６月２１日夏至の正午に太陽は子午線を登りつめる。<br />
北緯２３度２６分に位置する土地（台湾の中部、インド、湾岸エリア、北アフリカ、それからメキシコ）では、<br />
この日の正午に太陽の影は消滅する。<br />
本当の夏は六月なんだ。夏至を過ぎれば、日一日と昼間の時間は短くなっていく。<br />
<br />
わたしは夏至の日に生まれた。タブチ君は双子座のB型（道理で！）。<br />
アストロジー（占星術）には少し興味がある。<br />
自分の誕生月と季節の推移がその子供の感受性に運命をもたらすかも知れないと思うからだ。<br />
自分は一年で一番日が長くて明るい日に生まれた。しかし、その日は天文学的には夏が終わる日なんだ。<br />
<br />
「ジェミニ（双子座）は話し好き、隠し事をしない。適応性に富み多才。<br />
ジェミニには二面性がある。移り気で神経質。自分勝手。女性好き。<br />
ジェミニの文学上の典型はバイロンのドン・ジュアン（ドンファン）。<br />
６月２１日日生まれの著名人は実存主義者のジャン-ポール・サルトル」。<br />
アストロジーの本を繙いてみればそう書いてある。<br />
そうかもね&hellip;。Women are beatiful. 話好きなのだが、そのくせ自分には孤独癖があるみたいだ。<br />
&ldquo;気紛れで自分勝手&rdquo;といのは言い得て妙。あなたの星座はなんですか？<br />
<br />
<br />
<img width="274" height="420" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1005_3.jpg" alt="" />
<br />
<br /><strong>
<br />時鳥きく折りにこそ夏山の<br />
青葉は花におとらざりけり（西行）</strong>
<br />
<br />自分の生まれた季節が好きだ。で、六月の自分は断然ハッピー。<br />
一年で一番麗しい季節、それは双子座の日々だ。<br />
高緯度地域や高冷地ではとくにそうだ！ 「アルカディアはここにある」と感じる。<br />
アルカディアはギリシャの高原にあったという桃源郷のことだが、人はどうして異国の僻地や神話の世界にそれを探そうとするのだろうか？ <br />
アルカディアはここにあり、そしてあなたの住むそこにある。<br />
われわれは誰でもアルカディアに住むアルカディアンであるべきだ。<br />
<br />
人の幸せはいろいろだが、みんなが自分の郷土をアルカディアだと感じることが大切なのだ。<br />
そうでしょ。だって、みんながその逆を思えば、そこはアルカディアの逆の土地になるだろう。<br />
今からたったの５０年前、我が弧状列島はここもそこも類い希に緑麗しいアルカディアだった。<br />
今ではそうとも思えないかも知れないけれど、実は今でも日本列島はアルカディアである。<br />
六月の山々の緑が、そう言っている。<br />
<br />
<br />
<img width="406" height="270" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1005_05.jpg" />
<br />
<br />
<br />わたしは今日、すぐ側の川で釣ってきた岩魚の塩焼きと、庭のアスパラガスと山ウドとラディッシュのサラダで白米を食べた。<br />
春先に剪定したラズベリーの枯れ茎とリンゴの剪定枝をアンコールで燃やして、その熾き火で岩魚を焼いた。<br />
<br />
寒山六月の夕暮れは肌寒い。わたしはそれを&ldquo;青葉冷え&rdquo;と名付けた。<br />
薪小屋の薪でストーブを焚くほどではないのだけれど、ちょっと肌寒く感じる夕暮れ。<br />
枯れ枝でストーブに火を起こす。部屋がたちまち暖まってきて、部屋の空気が乾いていい気持ち！<br />
<br />
枯れ枝の火が熾き火になったところで、<a target="_blank" href="http://www.firesidestove.com/products/woodstoves/encore.html">アンコール</a>のドアを全開にする。<br />
炉室に焼き網を差し込んで魚をグリルするんだ。<br />
&ldquo;枯れ枝の熾き火焼き魚&rdquo;は美味しい。六月の薪ストーブは、素敵なグリル・ファイアーである。<br />
<br />
<br />
<img width="404" height="270" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1005_04.jpg" />
<br />
<br />
<br />岩魚が毛鉤に飛びかかってくる六月。その遅い夕暮れをわたしは釣り暮らす。<br />
そして、菜園の野菜を添えて冷たい流れからの贈り物を有り難くいただく。アルカディアはここにある&hellip;。<br />
<br />
来るべき冬のための薪も作らず、夏を釣り暮らした付けの勘定書は九月に送り届けられるだろう。<br />
さもあればあれ！　秋になったら秋に考えるさ。<br />
「今、ここでそこで、みんなアルカディアンたれ。また、パルナシアンであれ。<br />
何をあくせく明日をのみ思い煩うのか。楽しきは楽しめ、限りある人の命ぞ」。<br />
それが、双子座からの六月の伝言なんだ。<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi</p>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>Dandelion Celebration　タンポポのオムレツ</title>
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		<pubDate>Wed, 28 Apr 2010 00:09:42 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[英国の著名な劇作家であるバーナード・ショウはこう言っている。
「神に出逢いたければ庭を探せ」

バーナードは孤独を好んだ作家だった。彼の電話は呼び出し専用で、外部からかかってくることはなかった。
彼は庭に一坪ほどの小屋を [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>英国の著名な劇作家であるバーナード・ショウはこう言っている。<br />
<strong>「神に出逢いたければ庭を探せ」</strong>
<br />
<br />バーナードは孤独を好んだ作家だった。彼の電話は呼び出し専用で、外部からかかってくることはなかった。<br />
彼は庭に一坪ほどの小屋を建てて、そこで執筆した。<br />
この小屋は、その窓をいつも日差しに向けていられるように回転式になっていた。<br />
<br />
<br />
<img width="409" height="270" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t10_04_003.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />「五月の庭にはミューズが住んでいる」。わたしの場合にはそう感じる。<br />
彼女は左手に綺麗な色の絵の具を、右手には魔法の絵筆を持っている。<br />
彼女は浅葱色（あさぎいろ）の軽やかなワンピースを着ている。<br />
ショートヘアーの髪は水彩絵の具の明るいオーカー（黄土色）。<br />
だったら、ほっそりとしたその目の色はネモフィラの花の透明なスカイブルーといったところかな。<br />
<br />
ワンピースの裾を静かに揺すりながら、素足の彼女が庭を歩く&hellip;。<br />
ときどき立ち止まって足許をみつめる。絵筆をほんの少し動かす。<br />
するとそこに菫が咲いている。芝草の中にムスカリの紫がある。<br />
<br />
彼女は何本もの絵筆を持っている。彼女の絵の具は、そのまま色んな花の色になっている。<br />
彼女は迷わない。絵筆に絵の具をつけて、それを動かす。<br />
すると、そこに金色の水仙が咲いている。ヒアシンスが咲く。ネモフィラが咲く。<br />
スモモが咲く。山桜が咲く。リンゴが咲く。チューリップが咲く。<br />
<br />
<br />
<img width="277" height="420" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t10_04_006.jpg" />
<br />
<br />
<br />そのようにして、彼女は庭と呼ばれるキャンバスに綺麗な絵を描いていく。<br />
注意深く、細い絵筆で、ときどき小首を傾げながら&hellip;繊細な手つきで&hellip;。<br />
でも、ギリシャ神話の昔からミューズは気紛れで、飽きっぽい。<br />
<br />
やがて彼女は、太い絵筆に緑色の絵の具をたっぷりとふくませる。<br />
オーケストラの指揮者がそのタクトを思いっきり振り下ろすようにその絵筆を動かす。<br />
すると、芝生がぱっと緑になる。<br />
もう一度、絵筆を振り下ろす。<br />
すると、芝生の緑に黄色いタンポポの絵の具がまき散らかされている。<br />
<br />
五月の庭には、音楽のミューズも&hellip;&hellip;。<br />
コガラとシジュウカラがソプラノで囀る。初鶯がまだ舌足らずな声で歌う。<br />
ウソが口笛を吹く。イカルが「日月星」と囀る。黒ツグミが明け方「杏子、杏子」とリッチな声で歌う。<br />
すると、杏の花が咲く。その歌声は、いつしかコーラスになって美しいハーモニーを奏でる。<br />
<br />
「小鳥は、縄張り宣言のために鳴くのだ」と教えられた。そんなの、功利主義者の嘘よね。<br />
鳥たちは、仲良くみんなで歌っている。<br />
「春なんだよ！　春は再生の季節。ロマンチックな春。恋の季節。素敵なきみとデートしたいな」。<br />
小鳥たち、それぞれの言葉でそう歌っているんだ。<br />
<br />
<br />
<img width="284" height="420" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t01_04_004.jpg" />
<br />
<br />
<br />やがて、郭公が晴れ晴れとした声で、季節が初夏へと移ろっていったことを告げるだろう。<br />
「郭公鳴かぬ内は結構と言うな」。高冷地にはそういう格言がある。<br />
「郭公が鳴かない内は、まだ遅霜がある。だから、郭公が鳴くまでは寒さに弱いトマトや茄子の苗は定植するな」という意味。<br />
この格言は、園芸的ミューズからの厳守すべき伝言であることを報告しておこう。<br />
<br />
<br />
四月がいつになく寒かったので、春野菜のコストが高騰しているらしい。そこで、グッドニュースを。<br />
「庭のタンポポは滋養に富んだ美味しい春野菜だ」ということを。<br />
タンポポは鉄分とビタミンAとシアミンとリブフラビン（ビタミンB2）に富んだ葉野菜としてある。<br />
なかでも特記すべきは、ビタミンAの豊富さだ。<br />
ほうれん草はビタミンAに富んだ野菜として知られているが、タンポポにはその倍近くの値が。<br />
レタスとの比較なら十倍近くに。<br />
だから、庭の嫌われ者であるタンポポに対する最善の対処法は「食べてしまおう」ということである。<br />
<br />
<br />
<img width="281" height="420" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t10_04_002(1).jpg" />
<br />
<br />
<br />タンポポの若葉はほうれん草のようにして美味しく食べることができる。<br />
欧米では栽培されたタンポポの葉が普通に売られている。<br />
レタスに混ぜてグリーンサラダとして。スープやラーメンの青菜として。また、炒め物の野菜として。<br />
タンポポの葉は、春が深まって大きくなってしまうと苦さが増して強張る。花の咲き始めが旬だ。<br />
タンポポの花は、食用菊的に活用することができる。わたしのお薦めは&ldquo;タンポポのオムレツ&rdquo;。<br />
<br />
<br />
<img width="410" height="270" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t10_04_001.jpg" />
<br />
<br /><span style="color: rgb(51, 153, 102);"><strong>
<br />タンポポのオムレツ（２～３人分）</strong></span>
<br />＊咲き始め的タンポポの花　１カップ<br />
＊卵　４個<br />
＊バター　大さじ２盛り<br />
＊塩胡椒　適宜<br />
<br />
フライパンにバターを溶かしてタンポポの花を軽く炒める。<br />
塩と胡椒で好みの味付けを。これを具にしてオムレツを焼けば出来上がり。<br />
ご存じでしょうが、オムレツを焼くときには強火的中火で素早く。ただし、焼きすぎないように。<br />
タンポポのオムレツには、タンポポの若葉と花も添えて召し上がれ。<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi</p>

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		</item>
		<item>
		<title>Spring of cold mountain　寒山の春</title>
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		<pubDate>Tue, 30 Mar 2010 01:02:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[高冷地に住む佳さの一つは、春がどのようにしてやって来るのかを、じっくりと見守れることだ。
人は季節を四分割して、春夏秋冬と名付ける。
人は、何かにつけてケジメを付けたいのだ。
なぜかと言えば、区切りをつけることで、人は前 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>高冷地に住む佳さの一つは、春がどのようにしてやって来るのかを、じっくりと見守れることだ。<br />
人は季節を四分割して、春夏秋冬と名付ける。<br />
人は、何かにつけてケジメを付けたいのだ。<br />
なぜかと言えば、区切りをつけることで、人は前へ先へと進むことができると思うからだ。<br />
物流による物流のための物流的消費構造がそのことに拍車を掛ける。<br />
で、急ぐ理由は何もないのに、人は忙がしい。<br />
わたしの後ろに後続車などまったくないのに、わたしの車の前に飛び出してくる村娘の自動車みたいに&hellip;。<br />
<br />
<br />
<img width="408" height="270" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1003_045.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />&ldquo;高冷地の春は束の間&rdquo;。長い間、そう思っていた。<br />
五月になって、庭のオオヤマザクラが咲いて、リンゴの花がほころぶ。<br />
とうとうこの山里にも遅い春がやってきたのだ！&nbsp; <br />
そう思う間もなく、春はたちまち夏に追われて高山に逃げ込んでいってしまう。<br />
しかし、そうではないのだ。<br />
桜の開花期がどこよりも遅いということは、そのぶん春が長期に及ぶということだ。<br />
<br />
<br />
<img width="276" height="420" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1003_048.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />二月の或る暖かい日に、コガラが舌足らずな声で囀る。<br />
翌日からはまた厳しい寒さがつづいて、<a target="_blank" href="http://www.firesidestove.com/products/woodstoves/encore.html">アンコール</a>が夜通し燃えつづける。<br />
コガラは、それっきり歌わない。<br />
しかし、あの日から春はこの庭にあって、雪のマントの下で目覚めていたのだ。<br />
<br />
そして、三月。<br />
枯葉に埋まった庭の日溜まりに、おずおずとその頭をもちあげているフキノトウを発見する。<br />
山を下りていたツグミが帰ってきて、枯葉を嘴で跳ね上げて食べ物を探している。<br />
<br />
そして&hellip;四月になったある朝、<br />
バスルームの洗面台で顔を洗っているとき、ガラス窓の気配がいつもとは違っていることに気づく。<br />
「なんだろうか？」と思って、窓の向こうを見つめる。すると、木立の下生えの灌木にかすかな&ldquo;緑&rdquo;を発見する。<br />
それは、今年最初に見る新緑だ！　まだ半分眠っていた眼がぱちくりしてその緑を見つめる。<br />
<br />
その瞬間の驚きと歓びをどう表現したらいいのだろうか？　<br />
その日、まだ冬姿のままの庭の芝生を歩いている鳥を見る。アカハラが長い冬の休暇から帰ってきたのだ！<br />
<br />
<br />
<img width="401" height="270" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1003_050.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />その日から、寒山の春は日めくりのカレンダーになる。<br />
ヒマラヤン・プリムローズがピンクのぼんぼりを灯して、冬眠から目覚めたスジボソヤマキチョウを誘う。<br />
水仙が咲く。ムスカリが花壇を紫に染める。梅が咲く。白いスモモの花が甘い香りを春風に乗せる。<br />
<br />
スモモの花の甘い香りは、女の化粧のそれだ。<br />
つまりは、女の化粧の匂いはスモモのそれを真似たのだ。<br />
「スモモの花が咲くときには、男衆に気を付けるように」というインストラクションがこの山里にはある。<br />
それから、梅が満開になる。山桜が咲く。リンゴの花が頬をピンクに染める。<br />
木花咲耶姫（このはなのさくやひめ）が「タブチ君、春爛漫よ」と微笑む。<br />
<br />
<br />
<img width="281" height="420" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1003_052.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />薪ストーブが焚きたくて、この寒い山に来た。<br />
きみに出逢えて本当によかった。思っていた以上にずっときみといられる土地に来てよかった。<br />
木花咲耶姫とこの土地を終の棲家とすることができて、わたしはラッキーだった。<br />
薪ストーブ焚きながら、遅い春の到来をじっくり見守る閑暇を得ることができてよかった。<br />
<span style="font-size: larger;">
<br />Things are the same.But everything is changing. </span>諸行無常。<br />
いつの世も、時代はめまぐるし変化する。諸行無常は、寂しい言葉じゃない。<br />
それは、「今を、それぞれに自分らしく生きなさい」というエールだ。<br />
春再び。この春もすぐに逝く。楽しきは楽しめ。限りある人の命ぞ。<br />
<br />
<br />
<img width="278" height="420" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1003_051.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />薪切って、薪割って、薪乾かして、薪焚いて&hellip;<br />
また、薪切って、薪割って、それが幸せと気づかせてくれた薪ストーブに感謝！　<br />
たがだか死んでいくまでの今日一日を、今日も薪ストーブと戯れることができてよかった。<br />
きみと一緒なら、孤立無援であることを恐れない。<br />
<br />
人は今、人間とばかり人生を分かち合いたがっている。<br />
漢字の人間は&rdquo;じんかん&rdquo;ということであり、それは世間とか娑婆という意味だ。確かに人は&ldquo;類的な存在&rdquo;である。<br />
でも今は人は、人間（じんかん）に流され、人間に惑わされて、他人の視線が自分の価値だと勘違いしている時代なのではなかろうか？<br />
<br />
孤独に気づかない孤独な大衆。高度に社会化されたマネー資本主義の僕。我も群れたし、熱くなるほどに&hellip;。<br />
だが、それはできない。春なのに、「来るべき冬のために、さっさと薪を作れ！」という託宣がが聞こえくるからである。<br />
<span style="font-size: larger;">How to live sanitaly and simply in a troubled world.&nbsp; </span>
<br />「正気を保ちながら、この厄介な世界をどう簡素に生きるか」を考えなさい。<br />
この家の<a target="_blank" href="http://www.firesidestove.com/products/woodstoves/encore.html">アンコール</a>と<a target="_blank" href="http://www.firesidestove.com/products/woodstoves/intrepid.html">イントレピット</a>がそう言っている。<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi</p>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>Smoke cookery in the garden 「薪焚き人の薫製術」</title>
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		<pubDate>Thu, 25 Feb 2010 01:15:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[クロスカントリースキーには遅すぎ、渓流釣りには早すぎる三月。
冬用の厚い靴下を履いていようか、それとも薄手のそれにしようか、いつも迷う三月。
残雪の野面を渡る風は冷たいが、さりとて家に閉じこもっているには陽光が明るすぎる [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>クロスカントリースキーには遅すぎ、渓流釣りには早すぎる三月。<br />
冬用の厚い靴下を履いていようか、それとも薄手のそれにしようか、いつも迷う三月。<br />
残雪の野面を渡る風は冷たいが、さりとて家に閉じこもっているには陽光が明るすぎる三月。<br />
薪作りにはいい季節なのだが&hellip;きみのことを今は考えたくない。<br />
それよりも、春がどのようにしてこの庭にやってくるかを見守ろう。<br />
季節の曖昧さを託（かこ）って閑暇を得ることは悪いことではないだろう。<br />
なぜなら、時を無駄遣いすることは非常に楽しいことだからである。<br />
<br />
で、山の三月燻煙月。<br />
全てを忘れきみを忘れ、三月の日がな一日を薫製作りに興じる。<br />
薫製作りは、時を無駄遣いすることが好きな薪焚き人の特権であることを報告したい。<br />
<br />
<br />
<img width="260" height="390" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1002_24_08(1).jpg" />
<br />
<br />
<br />薫製作りのよさは、&rdquo;初心者であっても失敗がない&rdquo;ということである。<br />
薫製の本を繙いてみれば、難しそうなレシピがいろいろに書いてある。<br />
それはそれで意味のある情報なのだろうが、我々は薫製業者ではない。<br />
我々はホームメイドの薫製を作って自家消費したいだけのことだ。<br />
<br />
大切なこと。それは、&rdquo;薫製とは塩漬けした肉や魚を煙で燻す素朴な保存食的調理術のことである&rdquo;ということだ。<br />
それは、人類が&ldquo;火&rdquo;を発見して以来からずっと受け継がれてきた調理法としてある。<br />
薫製を&ldquo;美味しい&rdquo;と感じる味覚は、数万年かそれ以上昔から受け継いできた我々人類に共通するDNAの記憶からきているのだろう。<br />
<br />
木材の煙には多量のクレオソートが含まれる。<br />
クレオソートは様々なフェノール類の混合物としてあり、それは防腐剤や整腸剤や鎮痛剤として用いられる。<br />
つまり、塩漬けした食材をクレオソートの煙で燻した保存食として薫製がある。<br />
<br />
薫製は食欲を増進し整腸効果のある食物だといえる。<br />
しかし、その薬効上、薫製の食べ過ぎは慎むべきだろう。<br />
また、保存食であっても、ホームメイドのそれは長期間の保存を控えるべきだ。<br />
この家では、３週間で食べ尽くすように心掛けている。<br />
&nbsp;</p>
<p><span style="font-size: larger;"><strong>☆スモーカーと燻煙材について</strong></span>
<br />
<br /><img width="257" height="390" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1002_24_02(2).jpg" />
<br />
<br />わたしのスモーカー（薫煙器）は、鋼板で作られた円筒状のそれ。<br />
火種を置く深皿が底の部分にセットできるようデザインされているだけのシンプルなものだ。<br />
この深皿にストーブの灰を詰めて、灰に炭火を埋める。<br />
その炭火にスモークチップ（燻煙剤）を乗せて燻煙する仕掛けだ。<br />
炭火は、薪ストーブの炉室で簡単に起こすことができる。<br />
<br />
<br />
<img width="404" height="270" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1002_24_04.jpg" alt="" />
<br />
<br />専門店に出向けば、様々な種類のスモーク剤が売られている。便利なものだが高価だ。<br />
私流の薫製作りだったら１万円分のそれが必要になるだろうか。<br />
薪焚き人なら、スモークチップは自給すべきだ。<br />
薪山の中からよい香りのする材を選んで、手斧で笹掻きすればいい。<br />
ミズナラ（オーク）と山桜、それからリンゴの剪定枝がわたしの燻煙材だ。<br />
<br />
チェンソーで丸太を１寸ほどの厚みで横切りして、それを手斧でチップにしてもいい。<br />
ただし、チェーンオイルが材にしみこむので注意。<br />
こういう時には、天ぷら油やサラダオイルをチェーンオイルの代用とすれば安心。<br />
&nbsp;</p>
<p><span style="font-size: larger;"><strong>☆食材と塩漬け</strong></span>
<br />
<br /><img width="406" height="270" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1002_24_06.jpg" />
<br />
<br />いろんな魚を薫製にしてきが、わたしのお薦めは秋刀魚だ。手に入りやすいし安価。<br />
この季節だったら、鰊が旬。鰊の薫製は北欧人の定番。<br />
北海道産の新鮮な鰊があればね。でも、村のグロッサリーにそれは来ない。<br />
<br />
秋刀魚や鰊は三枚におろす。内臓を綺麗に取り去って、小骨抜きで小骨を始末しておけば食べやすくなる。<br />
琺瑯のバットに食材を並べて、海水と同じ濃度の塩水で一晩冷蔵庫で塩漬けにする。<br />
ベーコンは、バラ肉に塩をたっぷりすり込んでから、押し蓋に重しをして冷蔵庫に２日程置く。<br />
肉の水分が揚がってきて塩漬けに。<br />
&nbsp;</p>
<p><span style="font-size: larger;"><strong>☆塩抜き　</strong></span>
<br />塩漬けた食材は塩分が強すぎる。水道水をちょろちょろ流しながら１時間ほど真水で塩抜きする。<br />
&nbsp;</p>
<p><span style="font-size: larger;"><strong>☆風乾</strong></span>
<br />
<br /><img width="406" height="270" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1002_24_05.jpg" />
<br />
<br />薫製作りの秘訣は、実はこの風乾にある。<br />
燻煙する前に、食材を如何に風乾するかがその出来上がりを左右する。<br />
雪原を渡って来る三月の乾いて冷たい風が風乾の理想だ。<br />
つまり、食材を凍らせることなく、冷たい大気でその水分を取り除いてやることが肝要なのだ。<br />
朝、真水で塩抜きした食材を、写真のようにして半日風乾してやろう。<br />
&nbsp;</p>
<p><span style="font-size: larger;"><strong>☆燻煙</strong></span>
<br />
<br /><img width="255" height="390" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1002_24_03.jpg" />
<br />
<br />風乾までの行程を手際よくこなせることができれば、燻煙は煙任せ。<br />
とはいえ、燻煙材が燃え上がってスモーカーの中の食材がローストされてしまったり<br />
焦げてしまわないように煙の番を怠ってはならない。<br />
<br />
スモーカーにずっと手を突っ込んでいられる温度を保とう。<br />
ガーデンチェアーに腰掛けて、推理小説か好きな詩集のページを捲りながら煙の番をして時を無駄遣いしよう。<br />
魚の開きだったら３～４時間。ベーコンなら６時間以上の燻煙というのがわたしの目安だ。<br />
野趣に富むホームメイドの薫製は、商業的なそれよりも断然美味しい。<br />
<br />
<br />
<img width="405" height="270" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t1002_24_07.jpg" />
<br />
<br />&nbsp;</p>
<p><span style="font-size: larger;"><strong>★薪ストーブ業界への提言！</strong></span>
<br />薫製術への通暁は、薪焚き人に新たな地平をもたらす。<br />
そうであれば、全国の薪ストーブ屋さんは、素敵なスモーカーと薫製術情報の供給源でもあればと思う。<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi</p>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>Fire woods  「人生いろいろ、薪もいろいろ」</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/284.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/284.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 27 Jan 2010 11:11:18 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/?p=284</guid>
		<description><![CDATA[薪小屋の薪山が日毎に低くなっていく。やがて一山二山と消えていく。
秋には軒先からはみ出すほどに積み込まれていたのに、
今は軽自動車を収納できるほどのスペースができてしまった。
哀れ薪山の薪。燃えゆきて儚し。
されど、それ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>薪小屋の薪山が日毎に低くなっていく。やがて一山二山と消えていく。<br />
秋には軒先からはみ出すほどに積み込まれていたのに、<br />
今は軽自動車を収納できるほどのスペースができてしまった。<br />
哀れ薪山の薪。燃えゆきて儚し。<br />
されど、それが汝の定め。己の務めを夏が来るまで潔く果たしつづけよ。アーメン。<br />
<br />
１１月、１２月、１月の３ヶ月間の間に、１年分の薪の５分の３が燃え尽きてしまう。<br />
「老後の資金を思っていたよりも早く使い果たそうとしている&hellip;」。<br />
薪小屋に薪を取りに行く度に、そんな気がして切ない。<br />
しかし、日差しが日毎に明るくなってきた。サンルームに光が満ちあふれてきた。夕暮れが日毎に遅くなってきた。<br />
これからは、日中に消費する薪の量が日毎に少なくなっていくだろう。<br />
<br />
<br />
<img width="276" height="420" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/tabuchi10_01_06.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />１月は逝った。２月は逃げる。３月は去る。<br />
実を言えば、もう春は始まっているのだ。<br />
光の春。雪がその光をいっそう眩しいものにして、これからは１年中で一 番明るい季節だ！　<br />
みんな、よかったじゃん。旧暦にて、迎春のお歓びを申し上げます。<br />
今年も薪作って、薪焚いて、楽しく暮らしましょう。<br />
<br />
渓流釣りにはまだ早すぎる２月、３月。<br />
さりとて、一日中インドアに閉じこもっているには日差しが明るすぎる日。<br />
薪作りで、筋肉に活を入れて体を暖めるにいい季節の到来である。<br />
冬中凍り付いていたチェンソーに息吹を吹き込んでやろう。斧を研いで士気を鼓舞しよう。<br />
この季節に薪を作って、来シーズンに備えるのがスタンダードな薪作りのあり方でもある。<br />
<br />
<br />
<img width="409" height="270" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/tabuchi10_01_01(1).jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />薪エネルギーとしての薪の優劣を問う質問をよく受ける。<br />
自分の考えはこうだ。<br />
薪は地産地消のエネルギーとしてある。<br />
それがどんなに優良な樹種からなる原材であっても、遠距離から運ばなければならないものはよい薪とはいえない。<br />
なぜなら、運搬費用が薪のコストを大きく規定するからである。<br />
<br />
「俺は金持ちだからコストの高さは厭わない」と言う人がいるかもしれない。<br />
しかし、貴重な化石燃料を消費し、タイヤのゴムを磨り減らして、排気ガスと二酸化炭素をまき散らしながら遠くから運ばれてくるそれは、不道徳であり倫理観が欠如した薪だと言わなければならない。<br />
それは、他人の海であるソマリアの海や南太平洋から運ばれてくるマグロのようなものだ。<br />
<br />
私が言いたいことはこういうことである。<br />
「一番 いい薪は、一番手に入りやすい身近な薪のことだ」と。<br />
<br />
<br />
<img width="278" height="420" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/tabuchi10_01_07.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />自分のエリアの人工林で除間伐され、木材としての価値のない間伐材。<br />
それが、だだ同然で手に入るものなら、それこそが最高の薪だ。<br />
「木材として価値がない」と判断された間伐材は林野に放置される。<br />
放置された間伐木は林野の健全な生育を妨げ、人がその森に踏み入る障害となる。<br />
進歩的な最新レポートによれば、「人工林の樹木は人に見つめられ愛されることで元気になり、その生育が早まる」という。<br />
<br />
林野に放置された間伐木は、酸素を吸収して炭酸ガスを放出しながら緩やかな酸化の課程を経て数十年かかって朽ちていく。<br />
その間伐木を運び出して薪エネルギーとして活用することは、その間伐木の酸化の過程を薪ストーブの炉室で人為的に執り行うこである。<br />
<br />
つまりこの場合には、薪焚き人は名実共に炭酸ガスをいっさい排出していないことになる。<br />
そればかりではない。林野から障害木を運び出したことで、我々は樹木がより多くの酸素を作り出す手助けをすることになるのだ。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/tabuchi10_01_03.jpg" />
<br />
<br />
<br />薪ストーブの普及と共に、間伐木や障害木が只で供給され始めている。<br />
それは有益な廃棄物として広場や空き地に積まれて、「ご自由にお持ち帰りください」という看板が添えられる。<br />
行政の側にしてみれば邪魔者を処分するコスト削減になる。<br />
一石二鳥の市民町民村民サービスとしてそれはある。<br />
<br />
湘南の海辺に住んで薪ストーブを愛用している友人がいる。<br />
彼のウィークエンドは、そのような薪木を愛車に詰め込んでくることに費やされる。<br />
そのせいで、彼のBMDは、いつも木屑で汚れている。軽トラ買えばいいのに&hellip;と思うのだが、<br />
「このセダンで、薪拾って薪焚いて暮らすから楽しいんだよ」というのが彼の弁だ。<br />
<br />
とはいえ、山深く住み侍りけるタブチ君の場合にはそうはいかない。<br />
高冷な我が寒山では、薪ストーブ普及率はたぶん日本一だ。<br />
で、只の薪木はどこにもない。皮肉なものである。<br />
四方を林野で囲まれている山村では、みんなが薪を焚きたがるのでかえって薪木が貴重なのだ。<br />
<br />
<br />
<img width="261" height="390" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/tabuchi10_01_04(1).jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />私は知り合いの林業家から高価な薪木を買っている。<br />
彼とは２５年来の友人関係を育みつづけている。その甲斐あって、この家の薪はいつもスーパーAAAだ。<br />
この冬に焚いている薪は、その９０パーセントがミズナラ。<br />
言いたくないけど、ミズナラの薪はカラマツの五倍以上の価値があることを報告しておかなければならない。<br />
<br />
薪焚き人の人生もいろいろ。薪もいろいろ。薪エネルギーのコストにグローバルな相場はない。<br />
薪木の需給は個人的にスマートにやりな！　<br />
よい供給人と出会ったら、彼の誕生日に一升瓶かワインを贈るのを忘れないように。<br />
そして、彼のことは薪焚き人仲間には秘密にしておこう。<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi &amp; Paul Kastner</p>

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		</item>
		<item>
		<title>Winter of Woodstove enthusiast　「薪焚き人の冬」</title>
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		<pubDate>Mon, 28 Dec 2009 03:04:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[寒い山の冬はロマンチックだ。きみのことだけを思っていればいい。
冬はきみのこと以外は何も考えられなくなる。だから、冬は何処へも行かない。誰にも会わない。
冬はずっときみと一緒にいる。冬の寒山は誰もやってこない孤島だ。孤立 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>寒い山の冬はロマンチックだ。きみのことだけを思っていればいい。<br />
冬はきみのこと以外は何も考えられなくなる。だから、冬は何処へも行かない。誰にも会わない。<br />
冬はずっときみと一緒にいる。冬の寒山は誰もやってこない孤島だ。孤立無援の砦だ。<br />
なんて素敵なんだろう&hellip;春までずっと、きみと二人きりで暮らすなんて。<br />
<br />
払うべき税金と村内の買掛金は全て年内に支払った。<br />
ベースメントのパントリー（食料貯蔵室）には１年分の玄米と玄麦を貯蔵した。<br />
南瓜もある。馬齢著もある。長芋もある。人参もある。瓶詰めも沢山ある。<br />
<br />
<br />
<img width="452" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain09_12_03.jpg" alt="coldmountain-薪焚き人の冬" />
<br />
<br />
<br />小春日和となって時々発火していた夏の残り火も燃え尽きた。<br />
さあー、いよいよ寒山の冬だ。<br />
風を司るアイオロスよ、その袋に詰め込んだ北風を雪と共に解き放せ。<br />
我が<a href="http://www.firesidestove.com/products/woodstoves/encore.html" target="_blank">アンコール</a>の紫煙よ、イカロスの翼にも似た軽い煙よ。高く舞い上がり村の空に溶け込んでいけ。<br />
恐れを知らない<a href="http://www.firesidestove.com/products/woodstoves/intrepid.html" target="_blank">イントレピッド</a>よ、冬中我が木工室を暖めつづけよ。<br />
薪を焚かない村人は冬をどう暮らしているのだろうか？　<br />
熱心な薪焚き人にしてみれば、薪ストーブが燃えない高冷地の冬など想像することさえできない。<br />
なぜなら冬は、薪ストーブを楽しむためにこそあるからである&hellip;。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain09_12_04(2).jpg" alt="coldmountain-薪焚き人の冬-木工室" />
<br />
<br />
<br /><span style="font-size: larger;">Be Romantic.</span> ロマンチックであれ。<br />
薪ストーブの側で想う春の夢は無限。<br />
春になったら、忘れな草の花壇を作ろう。忘れな草のあの瑠璃色が好きだ。<br />
春になったら、ラズベリーを植え替えよう。<br />
ブルーベリーの苗をあと１０本買ってきて、ブルーベリーの収穫を五倍にしよう。<br />
新しい畝を起こして馬鈴薯と南瓜を増産したいな。蕎麦も収穫してみたい。<br />
<br />
それから、夏になったら久しぶりに旅だな！　<br />
スロバキアとモンテネグロの山村を訪ね歩いてみたい。<br />
彼の地の渓流で鱒釣りを楽しみながら、そこの薪焚き人たちと薪コミュニケーションしたい。<br />
<br />
夢の翼に乗って、冬に見る夢は自由自在に羽ばたく。<br />
何しろ冬は薪ストーブと薪のことだけを思っていればそれでいい。<br />
少なくとも冬には芝刈りをしなくてもいい。菜園の雑草を取らなくてもいい。<br />
しかも、冬に見る夢のコストは只だ！　リスクも無し。<br />
春になって叶わないと悟った冬の夢は、綺麗さっぱり忘れてしまえばいいからである。<br />
<br />
<br />
<img width="450" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain09_12_02.jpg" alt="coldmountain-薪焚き人の冬-薪小屋" />
<br />
<br />
<br />よく晴れて風の無い冬の日。<br />
気まぐれな海洋性の高気圧がシベリアからの季節風を遮って、いつになく暖かい日。<br />
そんな日には庭の日だまりで薪割りに興じるのが好きだ。<br />
油圧式の薪割りマシーンを購入して以来、薪割りは機械割りが主力になった。<br />
さりとて、斧を振るっての手割りのよさを放棄するわけにはいかない。<br />
<br />
薪の手割りには娯楽性がある。それは、一人遊びのスポーツとしてある。<br />
独り薪を割るリズムとその音には音楽があり、また静けさが宿る。<br />
<br />
一方、エンジン音と排気ガスの臭いの中で為す機械割りは、いかにも退屈な仕事だといえる。<br />
どちらも古典的な肉体労働なのだが、そのクォリティーには大きな差がある。<br />
いや、そうではない。それは&ldquo;差&rdquo;という程度の違いではない。その&ldquo;質&rdquo;が全く違うのだ。<br />
労働論的に言うなら、それは稼ぐための仕事と楽しみながら為す仕事の違いである。<br />
<br />
機械割りは太い玉切りを油圧のパワーで割り裂く。私のそれは２０トンの油圧力を誇る。<br />
だから、どんなに節くれ立った玉切りでも容易く割り裂くことができる。<br />
だが、薪割り機は細割りには向いていない。<br />
直径１０センチの玉切りでも５０センチのそれでも、同じ時間とガソリンと騒音と排気ガスを必要とする。<br />
<br />
小径木は手割りに限る。斧で割った方がずっと手早いし楽しい。<br />
また、機械で太割りしておいた薪を半年程乾燥させてひび割れてきたそれは、手割りで容易く割ることができる。<br />
節のない柾目のそれなら、斧を当てただけでスパッと割れる。<br />
<br />
<br />
<img width="260" height="390" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain09_12_01.jpg" alt="coldmountain-薪焚き人の冬-薪割り" />
<br />
<br />
<br />私の場合には毎年１０トン以上の薪を割らなくてならない。<br />
ここに来て数年の間はそれを全て手割りしていた。<br />
どうしても割れない木は、芯までそれが凍る真冬を待って楔で割った。<br />
凍った木は割りやすくなる。まだ若かったし、当時は誰でもがそうしていた。<br />
<br />
二十数年前に今あるアメリカ製の強力な薪割り機を隣人と共同購入した。<br />
一瞬にして、薪割りの産業革命が起こった。得意になって全ての薪を機械割りしつづけた。<br />
そして、斧で割る薪割りの楽しみを忘れた。<br />
<br />
しかし、ある冬に機械で割った薪をもっと細割りしなければならない必要に迫られた。<br />
その年は岩魚を釣るに忙しくしていて、薪作りが遅れてしまったのだ。<br />
で、冬になっても薪が生乾きだった。<br />
生乾きの薪でも、それを細割りにすればよく燃えるものだ。<br />
薪割り機を持ち出すのも面倒だったので、割り易そうな薪を選んで斧で手割りすることにした。<br />
そして、薪を斧で割る楽しみを思い出した。<br />
<br />
斧で薪を割る音が、静まりかえった雪の庭に木霊していく&hellip;。<br />
それは、薪焚き人が自分を自分で祝福している音楽なのだ。<br />
<br />
<br />
Photos by Y. Tabuchi &amp; M. Umeda　　<br />
&nbsp;</p>

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		<item>
		<title>Faith in a tree　「樹木への信念」</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/208.html</link>
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		<pubDate>Wed, 25 Nov 2009 10:10:59 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[「わたしは大きな樹です。夏には涼しい木陰を投げかけ、冬には北風を遮ります。
わたしは二酸化炭素を食べて、酸素を大気に放ちます。
わたしはその二酸化炭素を炭素として木質に固定化します。
木材は、わたしが固定化した二酸化炭素 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>「わたしは大きな樹です。夏には涼しい木陰を投げかけ、冬には北風を遮ります。<br />
わたしは二酸化炭素を食べて、酸素を大気に放ちます。<br />
わたしはその二酸化炭素を炭素として木質に固定化します。<br />
木材は、わたしが固定化した二酸化炭素の生まれ変わりです。<br />
わたしはあなたの家の柱になります。<br />
その家の素敵なドアや窓になり、椅子になりキャビネットになりベッドになります。<br />
子供の揺籃（ゆりかご）になり木の船になり、斧の柄になります。<br />
わたしは薪になって、雪深い冬の夜にもあなたの家に小春日和の日差しに似た暖かさを運びます」<br />
<br />
一本の樹木は、我々にそう語りかけながら静かに佇んでいる。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="Cold Mountainラズベリーの紅葉" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain0911_01.jpg" />
<br />
<br />
<br />緑の山々を朝に夕に眺めながら、木々に囲まれて２８年間暮らしてみれば、<br />
自分をとりまく環境が文字通り自分の視野に影響を及ぼしていることが分かる。<br />
そして、その思いはいつか樹木への信仰に似た信念に変わっていることに気づく。<br />
樹木&hellip;それはこの世で最も大きく壮麗な生命。そして、我々に最も優しく役に立ってくれる創造物。<br />
<br />
森と樹木を敬え！　人生も人の幸せもいろいろだが、自然を敬わない社会や時代に明日はない。<br />
今ある時代の疑わしさや混乱はそこからきている。<br />
何度でも言いつづける&hellip;リベラルとは自然のことだ。自然は惜しげない。自然は誰にでも平等だ。<br />
みんなで自然を敬う社会こそが、民主主義の原点であり目指す道だ。<br />
<br />
冬へ&hellip;。<br />
ラズベリーの紅葉はラズベリーレッド。秋の名残のその紅葉に初雪が降りて、季節は冬へ。<br />
枝々の葉をすっかり落とした木々の潔さはどうだ。冬姿に なった木々の佇まいもいい。<br />
夏には鬱蒼としていた庭がすっかり明るくなって、初冬の光が優しく差し込んでいる。<br />
我が中部高地の冷温帯落葉闊葉樹林エリアの初冬が好きだ。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="COLDMOUNTAIN  WORKSHOP" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain0911_02.jpg" />
<br />
<br />
<br />夏耕冬木。冬は家具作りに精を出す季節。<br />
樹木への信念が、わたしの木工術をバックアップしてくれている。<br />
木工が好きだ。木の堅さ柔らかさが好きだ。<br />
木を椅子やテーブルやキャビネットに生まれ変わらせていく木工術に心ときめく。<br />
<a target="_blank" href="http://www.firesidestove.com/products/woodstoves/intrepid.html">イントレピッド</a>で木工室を暖めながら、瀟洒なウィンザーチェアーやロッキングチェアーを作るのが大好きだ。<br />
それは、うっとりとする座り心地を持った美しい木のスカルプチャーとしてある。<br />
<br />
私は国産材を好む。自分の国の樹木のことをもっと知りたいと思う。<br />
私が作るウィンザーチェアーは、国内材の山桜（チェリー材）とトネリコから成っている。<br />
座板と背板と肘掛けは桜。スピンドルと脚にトネリコを使う。<br />
トネリコはプロ野球選手のバットになる丈夫な材。山桜は使い込むほどに飴色になっていく手触りのいい高級な家具材。<br />
<br />
<br />
<img width="456" height="300" alt="Cold Mountainウィンザーチェアー" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain0911_03.jpg" />
<br />
<br />
<br />あまり知られていないことだが、アメリカ合衆国はチェリー材の宝庫。<br />
ペンシルバニア州の山に広大なアメリカンチェリーの人工林があり、チェリー材を世界中 に供給している。<br />
チェリー材は高級な家具材として取り扱われる。<br />
アメリカンチェリーも素敵な材だ。加工しやすいし、それをリンシードオイル（亜麻仁油）で 仕上げてみれば、瀟洒な家具になる。<br />
<br />
では、日本のチェリー材である山桜はどうなんだろうか？　<br />
アメリカンチェリーと日本のチェリーを椅子やテーブルにして思ったこと。<br />
それは、日本の桜材は、 極東アジアの中緯度地帯に浮かぶこの島国ならではのものだということだ。<br />
海を渡って吹きつける季節風が堅牢な桜材を育むのだ。<br />
<br />
一方、アメリカンチェリーは大陸育ちという感じがする。<br />
何が言いたいのかといえば、島国育ちの日本の桜材は少し扱いにくいが、奥深い個性が宿る素晴らしい材だということである。<br />
そして、こう思う。「日本の木工家なら、日本の山桜と人生を共にしたい」と。<br />
<br />
<br />
わたしたちは、今でも国土の７０パーセント近くが森林で覆われている緑の列島に住んでいることを誇りに思おう。<br />
そして、この森林に育つ樹木はそれぞれに個性的なもので、何処にもない森林資源だということに思いを巡らそう。<br />
「家はところの木で建てろ」とう格言がある。<br />
「そのエリアの家は、そのエリアで育った 木で建てるの一番理にかなっている」という意味。<br />
<br />
「グローバルに考え、ローカリーに行動せよ」という言葉は、そういうことである。<br />
幸せになりたいんだったら、祖国の林野に、もっともっと人手とお金を！<br />
家になりたがっている木がある。建具になりたがっている木がある。家具になりたがっている木がある。<br />
そして、薪エネルギーになって冬を煌々と燃えたがっている木がある。<br />
<br />
<br />
<img width="257" height="390" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain0911_05.jpg" alt="Cold Mountain" />
<br />
<br />Photoes by Yoshiki Hayashi &amp;Yoshio Tabuchi<br />
<br />
<br />
<a href="http://fireside-essay.jp/contact/contact.html">田渕さんの家具に関するお問い合わせはこちらからどうぞ。（編集部）</a>

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		</item>
		<item>
		<title>Beyond a dream 　「夢の彼方へ」</title>
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		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/176.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 28 Oct 2009 08:18:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/?p=176</guid>
		<description><![CDATA[季節は秋で天気もよかった。トラックに夢を満載して大都会を後にした。
ミズナラのドングリが、赤いトタン屋根に落ちる日に引っ越してきた。
ここが私のベースキャンプ。すぐ側に岩魚泳ぐ渓流が流れていて、夏にはクライマーで賑わう岩 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>季節は秋で天気もよかった。トラックに夢を満載して大都会を後にした。<br />
ミズナラのドングリが、赤いトタン屋根に落ちる日に引っ越してきた。<br />
ここが私のベースキャンプ。すぐ側に岩魚泳ぐ渓流が流れていて、夏にはクライマーで賑わう岩山がそびえ立っている。そして&hellip;月が移り星が巡った。<br />
<br />
<br />
<img width="460" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain0910_28_1.jpg" />
<br />
<br />
<br />これが、満２８年になる寒山の家と庭です。<br />
秋に栗鼠が木の実を自分の巣にせっせと運び込むように、わたしは自分たちの家と庭にインベストメント（投資）してきた。<br />
で、この家の屋根には４本の煙道（煙突）が突き刺さっている。<br />
シンプルな家だが、それがこの家のアイデンティティーだ。<br />
<br />
東京の下町で生まれた。私はガソリン屋の小倅だった。化石燃料の臭いの中で育った。<br />
そんな環境への反動だったのだろうか。緑の野山を歩き回ることが好きな子供だった。<br />
高校生の時に八ヶ岳をバックパッキングした。そこの山小屋で薪ストーブを知った。<br />
「これだ！　薪だ！　なんて素敵なエネルギーなんだろう」とガソリン屋の子供は思った。<br />
以来、緑の山で薪ストーブ焚きながら暮らすことがこの子供の夢になった。<br />
<br />
夢は叶うものだ。何故なら、人は実現可能な夢を夢見るからだ。そうではない夢のことを、妄想と呼ぶ。<br />
自分の夢を心の奥深くに抱きつつづけ、その夢を大切に育むこと。<br />
そして、その夢の実現に向かって努力すれば、本人が思っていた以上の成功があるだろう。<br />
<br />
率直に言って、私の夢は自分が思っていた以上に叶った。<br />
キッチンガーデンの土と戯れて、自分で育てたカリフラワーと南瓜のおいしさを知った。<br />
青いリンゴを囓ってみて、その酸っぱさを学んた。指で触ってみて、夏のアザミの棘は痛いと悟った。<br />
薪作って好きな薪ストーブ焚いて２８年間暮らしたのだから、これ以上どんな期待もありはしないさ。<br />
<br />
<br />
<img width="464" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain0910_28_3.jpg" />
<br />
<br />
<br />人生は勝ち負けのコンペティションじゃない。&ldquo;勝ち組負け組&rdquo;という言葉が大嫌いだ。<br />
人生をどうしても勝ち負けで考えたいんだったら、私はこう言う。「人生は楽しんでしまった者の勝ちだ！」と。<br />
負け惜しみかもしれないが、貯金通帳も株券も有価証券も名声も今際の刻みには何の役にも立たない。<br />
楽しかった思い出だけが旅のよき道連れになってくれるだろう。<br />
<br />
きみは、高山植物が咲き競う尾根道を何日も何日もガールフレンドと二人だけでバックパッキングしたことがあるか。<br />
大地垂直の果て一枚岩の大岸壁をロッククライミングしたことがあるか。<br />
きみは、モンタナの川にラフトボート浮かべて♪歌いながら笑いながらみんなで鱒釣りを楽しんだことがあるか。<br />
オレゴンの峡谷で海から遡上してきた８０センチのスチールヘッドトラウトをフィッシュオンしたときの、あの電撃的な衝撃電流を味わったことがあるか。<br />
<br />
<br />
<img width="302" height="450" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain0910_28_2(1).jpg" />
<br />
<br />
<br />夢の彼方へ&hellip;。人はそれぞれに自分の夢を叶えて、やがて老いていく。<br />
若いうちには６０歳を過ぎてからのことなど気にもしないが、人生のイブニングをどう生 きるかが今問われようとしている。<br />
時代や社会の変遷もまたそうである。<br />
経済成長路線を邁進してきた私たちの社会は、がんばった甲斐あってその夢を実現した。<br />
そして今、その夢の彼方をどう生きるかが問われている。<br />
<br />
人生がそうであるように、どんな社会発展にもイブニングがある。それが、歴史の教えだ。<br />
それを衰退と捉えるのか、それとも成熟と捉えるのかが問題なのだ。 <br />
「私たちの社会は今まさに成熟しようとしている」と捉えたい。<br />
少子高齢化社会の陰の部分ばかりを議論すべきではない。<br />
この陰は束の間の陰だ。すぐその向こうには、美しい夕映えがあり、朝がある。<br />
<br />
人口の減少を憂えるべきではない。人口減少問題に関して言えば、この国は世界の優等生である。<br />
世界中の人口学者が そう賞賛している。成熟とは、何かを主体的に喪失していく課程のことである。<br />
この国の若者や子供は恵まれている。何故なら、私たち爺や婆の社会的世襲財産をごっそり世襲することができるからだ。<br />
よかったじゃん！　濡れ手に粟だよ。<br />
<br />
「ヨシオには老人趣味がある」。姉によくそう言われた。<br />
子供の頃から洗練された感受性の持ち主だったのさ。ヨシオ君は子供の頃から夢の彼方にいたんだ。<br />
子供の頃の夢は長い人生の試金石。<br />
人にどう思われようが、フライフィッシングが楽しめる流れのすぐ側に住み、薪作って薪焚いて暮らすためのインフラに投資してきてよかった。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldmountain0910_28_4.jpg" />
<br />
<br />Photes by Yoshiki Hayashi &amp; Yoshio Tabuchi</p>

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