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	<title>田渕義雄薪ストーブエッセイ・きみがいなければ生きていけない</title>
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	<description>【森からの便り】</description>
	<pubDate>Thu, 26 Jan 2012 05:01:51 +0000</pubDate>
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		<title>Dreams of Woodstove　薪ストーブの夢の続き</title>
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		<pubDate>Thu, 26 Jan 2012 05:01:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[
終日、氷点下の日々がつづく。朝は&#8722;１５℃まで冷え込んでいる。
今冬の最低気温は、今のところ&#8722;１８℃。
このところ、&#8722;２０℃まで冷え込む冬がなかった。
この冬はどうかな？
凛として、更 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
<br />終日、氷点下の日々がつづく。朝は&minus;１５℃まで冷え込んでいる。<br />
今冬の最低気温は、今のところ&minus;１８℃。<br />
このところ、&minus;２０℃まで冷え込む冬がなかった。<br />
この冬はどうかな？<br />
凛として、更に冷え込んでみせろ！<br />
<br />
<br />
<img width="341" height="510" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201201_06(1).jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />１月はほとんど雪がなかったので、いつになく動き回った。<br />
で、冬眠する哺乳動物の安息を味わうことができなかった。<br />
もうすぐ２月。<br />
中部高地は、これからが雪深くなってくる。<br />
雪原と紺碧の空と明るい日中の日差しと&hellip;&hellip;。<br />
ハイデザート（高地砂漠）の冬に似た、我が寒山の雪景色が好きだ。<br />
<br />
２月は何処へも行きたくない。誰にも会いたくない。<br />
４台の薪ストーブと共に、この冬を数えていたい。<br />
<br />
<br />
「すべての月は、２月の好天を呪う」。<br />
２月が暖冬なら、春の到来が平安ではなくなる。<br />
そして、夏も秋も&hellip;&hellip;。<br />
２月は、厳しい冬であったほうがいい。<br />
山脈に降り積もった雪は、透明で冷たい水を湛えた真っ白いダムだ！<br />
そのダムの水は、春までそこで凍り付いているべきだ。<br />
<br />
<br />
今日は、４台の薪ストーブを同時に焚いてみた。<br />
居間のアンコールとオフィスのイントレピッドと台所のクックストーブと、<br />
それから木工室のレゾリュートと。<br />
庭に下りてみれば、煙の匂いがほのかに漂っている。<br />
いいな！　雪の庭に漂う薪ストーブの煙の匂いって素敵だな。<br />
これだよ。これが欲しくて、タブチ君はこの山で２９度目の冬を数えているんだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201201_02.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />木工室の赤いイントレピッドがクラッシック・ブラックのレゾリュートに替わった。<br />
しかも、このレゾリュートはオリジナルモデルのそれ。<br />
フロントドアは観音開きで、ガラスは上半分だけ。<br />
灰受け皿はなくて、そのぶん炉室がぐっと深い。<br />
２０年以上昔に、居間で愛用していたビジラントと同じ造りだ。<br />
ファイヤーサイドの松澤さんが、自分のコレクションを譲ってくれたんだ。<br />
<br />
レゾリュートに火を入れる。<br />
火力の立ち上がりがスローだ。<br />
フロントドアを半開きにしてみる。<br />
たちまち炎が立ち上がってくる。<br />
炉室がオレンジ色に燃え立つ。<br />
サーモメーターの針が、身震いしながら上昇していく。<br />
昔のビジラントと同じ燃え方だ。<br />
懐かしさが込み上げてきて、わたし感動しました。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201201_03.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />１９８０年代にEPA（アメリカ環境保護庁）の薪ストーブに関する排気ガス規制が施行された。<br />
それは、乗用車並の排ガス規制だった。<br />
で、以降の薪ストーブは今日的な燃焼システムを余儀なくされることとなった。<br />
当時、「EPAの排ガス規制は、オイルマネーと電力マネーの陰謀だ」とも噂されたが、<br />
そのせいで薪ストーブは発展的な進化を遂げることになった。<br />
<br />
しかし、バーモントキャスティングス社の初期のストーブも素敵だ！<br />
燃焼システムがシンプルである。部品の数が少ない。<br />
そのぶん、ストーブメンテナンスが簡便だ。<br />
コンテンポラリーなそれは、進化を遂げたストーブとしてあり、燃焼効率にも優れている。<br />
しかし薪ストーブは、その薪とストーブの取り扱い方によって、<br />
その性能を大きく左右されるエネルギーシステムとしてる。<br />
<br />
古い道具には、昔のそれならではのよさがある。<br />
いかにもレトロな雰囲気を醸し出していることも、その美徳のひとつだ。<br />
古い物に、そこはかとない佳きノスタルジーを感じるのはどうしてだろうか？<br />
我思うに、それはこういうことなのではなかろうか。<br />
<br />
<br />
まだ若くて貧乏だった時代に、ひとつの夢を託してタブチ君は高価だった薪ストーブを買った。<br />
そのストーブと共に年を重ねて自分もストーブもひとつの時代を生きた。<br />
それでいいのだ！<br />
逆のことを思ってみよう。<br />
ハウスメーカーから買ったオール電化の真新しい家で、自分だけが年老いている光景を&hellip;&hellip;。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="493" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201201_05.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />自分もそうであったように、若者は夢の奴隷だ。<br />
ありもしない夢。叶えてみれば、さしたる意味もなく朽ちてゆく夢。<br />
妄想にすぎなかった夢。等々。夢は我々の試金石としてある。<br />
<br />
タブチ君には、人が協調しかねるひとつの夢があった。<br />
彼は、その夢を抱いてこの寒い山に来た。<br />
そして、ここでその夢を温めつづけてきた。<br />
それは、薪ストーブの夢だった。<br />
<br />
木工室の冬を１０年間暖めてくれた赤いイントレピッドは、<br />
春になったら庭のゲストキャビンに施工される。<br />
そして、山の麓に住む老人を訪ねる数少ない客人の夜を暖めることになるだろう。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201201_04.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />人の夢や幸せは色々。<br />
十人十色とはそういうことだ。<br />
それが、どんなに突飛な夢であっても、人の夢を笑うな。<br />
時代錯誤でアナルコ（anarcho）的だと思える夢にこそ、<br />
世界の再生が宿っているかも知れなじゃないか。<br />
<br />
国策としての原発が完膚無きまでに破綻したことで、<br />
今この国の中央政府はアナルコ的（無政府）だ。<br />
この社会状況は３０年間はつづく。<br />
だが、原発を容認してきたのは市民町民村民である我々自身である。<br />
なかんずく、福島県民を率いてきた県知事がそうであったことは明らかだ。<br />
<br />
<br />
タブチ君の親族には、ある原発の最高責任者を務めた者がいる。<br />
彼は慎重派だったので、野に置かれて退職した。<br />
電力会社の社内にあって、愁いに満ちた者達がいる。<br />
辛いことかも知れないが、この選挙民にしてこの程度の中央政府だということを、<br />
我々は納得しなければならない。<br />
<br />
<br />
薪ストーブを焚きながら、孤立無援を標榜しながら&hellip;&hellip;山深く住み侍る者がいる。<br />
そういう者にしか、見えてこないビジョンがある。<br />
ビジョンとは、今見えている夢のことだ。<br />
タブチ君の場合には、森林大国としてのこの祖国における薪エネルギーの夢だ。<br />
<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi<br />
<br />
&nbsp;</p>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>The Woodburner need not be poverty.　ピッザより五平餅</title>
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		<pubDate>Tue, 27 Dec 2011 00:22:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[クリスマスの日、旧友の山荘に薪ストーブを施工しに行った。
「年内に入るかな&#8230;&#8230;」。
そう言った、友人の声が耳に残った。
本心をいえば、春になってからにしたかった。

冬の高冷地の朝まだき。
八 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>クリスマスの日、旧友の山荘に薪ストーブを施工しに行った。<br />
「年内に入るかな&hellip;&hellip;」。<br />
そう言った、友人の声が耳に残った。<br />
本心をいえば、春になってからにしたかった。<br />
<br />
冬の高冷地の朝まだき。<br />
八ヶ岳山麓から２台の２トントラックが山中湖に向けて出発した。<br />
氷点下１０度だった。<br />
東富士五湖道路から見えている富士山が壮麗だった。<br />
凛として雪化粧したその山頂から、雪煙を吹き出していた。<br />
<br />
９時にKの山荘に着いた。<br />
来年定年を迎える彼は、数年前に古い別荘地の一角に建つ、古い山荘を購入した。<br />
以来、横浜の自宅と山中湖の山荘を足繁く往き来しているらしい。<br />
マッシュルーム・ハンティングと山菜採りとバードウォッチング、<br />
それからオフロード・モーターサイクル乗りが彼の趣味だ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201112_01.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />薪ストーブの施工に簡単はない。<br />
いつだって、何某かの伏兵がそこには潜んでいる。<br />
煙道工事は一筋縄では終わらない。<br />
薪ストーブを施工する際には、<br />
熟練した板金職人と機智の才にたけた大工職人の手を借りなければならない。<br />
山中湖を渡ってくる風は凍っていた。<br />
その風に吹かれながら、屋根の上に三人の男がいた。<br />
<br />
薪ストーブの施工は、いつも夕暮れに追われながら終了する。<br />
それから、慌ただしい後始末の後、いよいよ火入れの儀式にたどりつく。<br />
<br />
Kの薪ストーブは、レゾリュート・アクレイムのクラッシック・ブラック。<br />
その黒いストーブの大きなガラスドアにオレンジ色の炎が揺らぎはじめた。<br />
ストーブが少しずつ暖まっていく。<br />
ストーブと煙道の塗料が焦げる臭いがする。<br />
窓を開けて、その臭いを換気しながら、レゾリュートの温度を上げていく。<br />
凍っていた室内が、ゆっくりと暖まっていく。<br />
しかし、今日は試運転の日だ。<br />
ストーブの温度を上げすぎるべきではない。<br />
ストーブの鋳鉄が馴染んでくるまで、幾度かの慣らし運転が必要だ。<br />
<br />
「三月になったら、２トンダンプに山積みの薪を運んでくるよ。<br />
その時に、チェンソー学校を実施しよう」。<br />
そう言い残して、八ヶ岳への帰路についた。<br />
<br />
Kは、ファイヤーサイドのウェブサイトを開いて、事前にアクレイムの学習をしていた。<br />
大小２丁の斧と楢の薪束も用意していた。<br />
彼は、良き薪焚き人になるだろう。<br />
彼の自然趣味と孤独を、アクレイムが暖かく慰めてくれるだろう。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201112_02.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br /><span style="font-size: larger;">&nbsp;The Simple Life need not be poverty.</span>
<br />薪焚き人は貧困とは無縁だ。<br />
富を経験したことのない自分にしてみれば、富の何であるかはわからない。<br />
しかし、「シンプルライフに貧困はない」と確信している。<br />
貧困は心の狭さ貧しさに由来する。<br />
「何かと言えば、職がない、仕事がない」と言う。「それが、貧困の原因だ」と。<br />
本当にそうだろうか？<br />
仕事は、&ldquo;有るか無いか&rdquo;ではなくて、自分で創るもんなんじゃないだろうか。<br />
<br />
生きることが仕事だ。<br />
自分らしく、より良く生きることが、先ずもっての一番大切な仕事だ。<br />
そのために必要な金を、どう自分らしく稼ぐかを考えればいいんじゃないのか？<br />
自分に何ができるかを考えよう。<br />
想像力がすべてだ！<br />
貧困も絶望も戦争も原発事故も、想像力の欠如から来る。<br />
<br />
<br />
<br />
紀元前６世紀に、ギリシャのアテネで最初のコインが発明された。<br />
金は便利な道具だった。<br />
お金の御陰で、人は血縁的共同体の呪縛から解放されて、自由を知った。<br />
しかしそれは同時に、プライマリーな集団からの孤立であり、<br />
安気な自給自足的自然生活からの絶縁でもあった。<br />
<br />
「自分の菜園を持っている貧者は、<br />
サラダであれフルーツであれその庭で育てられる全ての物を、<br />
それを持たない富者よりもより良く食べるだろう」<br />
J.C.Loudon,An Encyclopedia of Gardening 1826年<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201112_03.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />この文章を、この家の家計的に言い替えれば、<br />
それは今&ldquo;日本人ならピッザより五平餅だろ&rdquo;ということだ。<br />
ピッザは好きだよ。でもー、それを今望むのはちょっとー。<br />
高価なガソリンを消費してタイヤのゴムを磨り減らして、<br />
食材を求めに街のグロサリーに行かなければならない。<br />
賢者は、面倒を避ける。<br />
台所には食べ残した冷や飯がある。<br />
アンコールが上機嫌に歌っている。<br />
そうだ！　五平餅を食べよう。<br />
<br />
五平餅は、ファイヤーサイドのある伊那谷エリアの郷土料理。<br />
昔、五平衛さんという樵がいた。<br />
彼の好物は、味噌の付いたおにぎりを鉈で削いだ木べらに握りつぶして、<br />
焚き火にかざした焼きご飯だった。<br />
五平衛さんは、季節の木の芽や木の実をすぶして味噌に混ぜた。<br />
その味噌が焚き火で焦げるいい匂いが漂うので、仲間の樵達もそれを真似た。<br />
で、誰言うとなく、それを&ldquo;五平餅&rdquo;と呼ぶようになった。</p>
<p>&nbsp;<br />
&nbsp;</p>
<h3>五平餅のレシピ</h3>
<p><img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201112_04.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 0);"><strong>五平味噌；</strong></span>味噌、煎り胡麻、清酒、砂糖を擂り鉢ですり混ぜる。<br />
我がエリアは胡桃の産地。で、この家では好んで胡桃もすり潰す。<br />
<img width="403" height="270" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201112_05.jpg" />
<br />
<br />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 0);"><strong>ご飯；</strong></span>擂り粉木で軽く潰して、粘りを出す。<br />
<span style="color: rgb(153, 51, 0);"><strong>木べら；</strong></span>手斧で生の薪を割って作る。乾いた薪で作った木べらは、すぐに燃えてしまうだろう。<br />
木べらにご飯を楕円状に握りつぶす。<br />
厚さは２センチまで。その方が、火の通りがいい。<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201112_06.jpg" alt="" />
<br />
<br />調理法は写真通り。<br />
ご飯の表面がこんがり焦げたら、刷毛で味噌を塗って軽く炙って召し上がれ。<br />
<br />
<strong>注意；</strong>五平餅は見た目よりもリッチな食べ物。<br />
美味しいからといって、食べ過ぎないように。<br />
<br />
<strong>追伸；</strong>トップローディングの薪ストーブっていいな！<br />
<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi<br />
&nbsp;</p>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>Keep fire woods in your wood-shed.　薪ストーブと原発</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/856.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/856.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 25 Nov 2011 10:17:58 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/?p=856</guid>
		<description><![CDATA[
いつになく健やかな秋がつづいた。
このまま秋がずっとつづくように思えた。
夏をのらくらと無為に過ごしてしまったので、１０月と１１月は雑事に追われた。

で、薪作りがまだできていない。
枯葉集めができていない。
枯葉は、 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
<br />いつになく健やかな秋がつづいた。<br />
このまま秋がずっとつづくように思えた。<br />
夏をのらくらと無為に過ごしてしまったので、１０月と１１月は雑事に追われた。<br />
<br />
で、薪作りがまだできていない。<br />
枯葉集めができていない。<br />
枯葉は、木枯らしに吹き飛ばされる前に熊手で掻き集めて、<br />
堆肥置き場に積み込んでおくべきだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201111_01.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />庭の冬支度がまだできていない。<br />
球根を掘り起こして、植え替えなければならない。<br />
花壇の球根は、５年に一度は秋に掘り起こして菜園の圃場に植え替える。<br />
そうすることで、立派な球根を沢山育てることが出来る。<br />
それを、来年の秋に花壇に植え込むんだ。<br />
毎年、球根を買い求めている園芸家はバカだ。<br />
球根は、自分の庭でいくらでも増やすことが出来る。<br />
<br />
ストーブの煙道掃除とストーブメインテナンスは、１０月のうちに済ませた。<br />
当然じゃないか！<br />
何があっても、それだけは木枯らしが吹く前に済ませておくべきだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201111_02.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />薪作りは、来週末に為す。<br />
しかるべき薪友（しんゆう＝親友）に電話して、５人からなる精鋭部隊を編成した。<br />
この原稿を書き終わったら、わたしは３台のチェンソー・メンテナンスを為し、<br />
薪作りのための装具を整える。<br />
<br />
薪作りの準備は、アウトドア・アクティビィティーのそれに似ている。<br />
今回のそれは、ロッククライミングもある登山に似ている。<br />
庭の大きな立木を何本か倒さなければならないからだ。<br />
クライミング用のロープと安全装具を点検しなければならない。<br />
食糧計画と寝泊まりのための手配も重要だ。<br />
ベースキャンプは、庭のキャビンと庭のキャンプファイヤ・プレイスとする。<br />
いいぞ、五人編成の精鋭部隊が一泊二日の計画で、<br />
薪山のサミットに集中アタックを懸けるんだ！<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201111_06.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />冒険と計画。<br />
ことを為すに当たっての計画と準備は大切だ。<br />
それを、成し遂げるための戦略戦術。それを考えることが、老兵の仕事だ。<br />
経験が全てだ！<br />
チェックリストではチェックできない伏兵が潜んでいるだろうことを考慮しなければならない。<br />
突進と退却。そして、休息。<br />
<br />
<br />
<br />
わたしの青春は、アウトドア・アクティビィティーと共にあった。<br />
登山とバックパッキングとロッククライミング。<br />
それから、鱒釣りとカヌー旅行。<br />
高山によじ登ったし、身震いするような急流に立ち込んで、でっかい鱒を釣った。<br />
若い間に稼いだ金は、そういうことのために費やされた。<br />
で、わたしの人生に余分な金があったことはない。　<br />
<br />
人は、そんなわたしを&ldquo;アナーキーで自滅的な奴だ&rdquo;と思った。<br />
さもなくば、&ldquo;能天気なバカだ&rdquo;と。<br />
「あんなタブチだから、あんな山奥に引っ越して自給自足だなんて言ってられるんだ」と。<br />
しかし、とうの本人は案外臆病で気の小さい奴だということを、人は知らない。<br />
今も昔も、タブチは大胆な奴ではない。<br />
<br />
小学生の頃のわたしの通信簿の余白には、いつもこう書かれていた。<br />
「学業は優良といえるが、協調性に欠ける嫌いがある」と。<br />
担任教諭のこのコメントは、タブチ君をずっと悩ましつづけた。<br />
養老の身になってさえ、それが棘のようなトラウマとなって残った。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201111_04.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />この度の大震災と大津波の折りに、こんなことがあった。<br />
海辺の小学校の学童が７０人余り、津波に流されて命を落とした。<br />
避難マニュアル通りに、先生に誘導されて指定された避難場所に向かう途中に、<br />
みんな津波に呑みこまれてしまった。<br />
<br />
しかし、３人の学童が生き残った。<br />
先生の指示に従わなかった一人の子供が、学校のすぐ側の裏山に駆け登った。<br />
二人の子供が彼の後につづいた。<br />
協調性に欠ける三人の子供は手に手を取り合って、協調しながら裏山に登った。<br />
そして、怪我もしないで助かった。<br />
<br />
この物語は、哲学的な寓話として後生に語り継がれるだろう。<br />
辛くて重たい物語だが、協調性に欠ける３人の子供だけが無事だった。<br />
そして、タブチ君のトラウマはとけた。<br />
<br />
<br />
<br />
わたしの学生時代の後半は、学園紛争に明け暮れる日々としてあった。<br />
擦り切れた全学連旗を掲げて街頭デモの先頭に立ったこともあった。<br />
青い林檎にかじりついて、その酸っぱさを学んだし、<br />
機動隊の棍棒は痛いものだと知った。<br />
我々は、野良猫のように蹴散らかされた。そして、高度経済成長の渦に投げ込まれた。<br />
<br />
あの時代のあの学生運動への情熱がなんであったのかは、自分には永遠の謎としてある。<br />
だが&hellip;&hellip;協調性に欠ける学徒達の腹いせだったかも知れない&hellip;という羞恥は残るにしても、後悔はない。<br />
何故なら、そこには時代や社会に対する&ldquo;純真さ&rdquo;があったからである。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201111_05.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />&ldquo;オール電化時代&rdquo;のただ中にあって、薪ストーブの愛好家になった薪焚き人は、<br />
協調性に欠ける学徒として捉えることができる。<br />
原発よりは、森や山や渓流を敬うべきだと考えた者達が、<br />
薪ストーブのある家を築き、菜園を耕した。<br />
<br />
協調性にたけた時代のエリートを笑え。<br />
原発を推進してきた科学者と、<br />
学生運動を笑いながら国家官僚の梯子を登りつめた学友を笑え！<br />
金融資本主義者の鞄持ちになった数学者を笑え。<br />
きみたちは、世界は弱肉強食の競争社会だというダーウィンの亡霊にまだ取り憑かれている。<br />
<br />
自然界は、種の多様性から成り立っている。<br />
それを可能にしている原理は、&ldquo;棲み分け&rdquo;だ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201111_03.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />エネルギーに関わるカウンター産業として、<br />
２０世紀を生きながらえてきた薪ストーブ。<br />
その細い流れを集めて、薪ストーブが今、確かなストリームになろうとしている。<br />
<br />
協調性に欠けていた者達が、来週末にこの庭に集まり、<br />
チェンソーと薪割り機のエンジン音を寒山の谷間に轟かせる。<br />
それは、独裁的中央集権主義エネルギー政策にNOを唱える者達の<br />
誇らしげなシュプレヒコールなんだ。<br />
<br />
何度でも大きな声で言う、<br />
「原発は時代遅れだ！」と。<br />
<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi<br />
<br />
<br />
&nbsp;</p>

]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/856.html/feed</wfw:commentRss>
		</item>
		<item>
		<title>Seed to Seed.　種から種へ</title>
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		<pubDate>Wed, 26 Oct 2011 02:35:12 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[
花に嵐。紅葉に秋風。
さよならだけが人生？
それとも、さよならはまた会う日までの約束の言葉？
明日もまた会える気軽さで、人は人と別れる。
が、それっきり会えない人が沢山いる。

紅葉の季節になると、人はどうしてセンチメ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>
<br />花に嵐。紅葉に秋風。<br />
さよならだけが人生？<br />
それとも、さよならはまた会う日までの約束の言葉？<br />
明日もまた会える気軽さで、人は人と別れる。<br />
が、それっきり会えない人が沢山いる。<br />
<br />
紅葉の季節になると、人はどうしてセンチメンタルな気分になるんだろうか？<br />
何処にも行かない。誰とも会いたくない。<br />
そう思う心とは裏腹に、人待ち顔になってる自分がいる。<br />
秋なんだね&hellip;&hellip;。<br />
<br />
広葉樹の紅葉が終わろうとしている。<br />
ミズナラと山胡桃の紅葉が秋風に吹かれて、カラカラと乾いた音を立ててる。<br />
そして、落葉。落ち葉が舞う。<br />
森に、畑に、道に、庭に、屋根に&hellip;&hellip;孤独な老人の部屋の窓辺に。<br />
落葉松の針葉が色付きはじめた。<br />
落葉松が山々をオレンジ・イエローに染め上げれば、すぐに冬だ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201110_01.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />今日わたしは、ラディッシュの種を採取した。<br />
メイン州のJohnny&#8217;s Selected Seeds の1993年版のカタログで通販した<br />
SORAという品種の二十日大根の種だ。<br />
<br />
以来、このラディッシュはずっと我が庭にあって、食卓の常連。<br />
SORA はピンポン球ほどに大きく育ってもスポンジ状にならない真っ赤なラディッシュ。<br />
肉質固く、辛み強く、美味。<br />
<br />
大根系の種は、大きくて強靱。<br />
保存状態さえよければ、１０年前のそれでも容易に発芽する。<br />
で、５年に一度位の割合でSORA の種を採取する。<br />
莢の中に種を宿すものは、莢ごとよく乾燥させてから莢ごと保存する。<br />
<br />
SORA を買ったときには、OAKLEAF（レタス）とOREGON SPRING（トマト）と<br />
ピクルス用の胡瓜の種も取り寄せた。<br />
これらの野菜も、その世代を繰り返しながら異国の庭で安らかな旅をつづけている。<br />
<br />
トマトや胡瓜は、完熟した物を握りつぶしてバケツの水に浸けて３日ほど日向に置いておく。<br />
それから、種を採って水洗いし、乾燥保存する。<br />
種は、乾燥した暗い所で保存する。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201110_06.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />Heir-loom Seed (イアールーム・シード）という言葉がある。<br />
世襲財産としての野菜や植物の種をそう呼ぶ。<br />
地域地域で代々受け継がれてきた在来の固定種だ。<br />
<br />
我々は、ホームセンターや種苗店の棚から気軽に種袋を買い求める。<br />
昨今はF1（交配）の種が流行。<br />
一世代限りの固定化されていない種だ。<br />
F1の種からは、同じ種は採れない。交配以前の種になる。<br />
中には種ができない物もある。そのような種を不捻という。<br />
<br />
F1は良いとこ取りをしたクローン的な交配種としてある。<br />
均一に育って、収穫期も均一。<br />
で、コマーシャル（商業的な）栽培に向いている。<br />
品種改良の賜とされる交配種だが、その特性は家庭菜園にはかえって不向きだ。<br />
我々の庭では、収穫期はむしろバラバラであった方が好都合なのである。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201110_07.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />F1交配の種は悲しい。<br />
「不捻性（植物が種子を生じない現象）の種から育った作物には、<br />
栄養学的な欠陥が潜んでいるんじゃないだろうか？」という疑念が残る。<br />
自分の庭の気候にあった種を育てていく歓びが、F1交配種にはない。<br />
<br />
山間高冷地の庭には高冷地に向いた種が必要だ。<br />
種は、三世代繰り返せばその庭に順応する多様性を持つといわれる。<br />
「２７年間完全有機栽培の我が圃場で、もっともっと素敵で元気な種になれ」。<br />
そう祈りながら、夏を一緒に暮らす幸せが交配種にはない。<br />
<br />
交配種の種は短命。<br />
１年経っただけで、発芽しにくくなる。<br />
エリア、エリアに適した固定種の種を<br />
きめ細かく販売しようとしない大手種苗会社が為していることは、<br />
中央集権的であり独占資本主義的だ。<br />
この国の独占的電力会社のそれに似て、交配種の種はコストリーだ。<br />
そしてね、たぶん、きっと、行き過ぎたそれへの過信と乱用には危険がね&hellip;&hellip;。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201110_02.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />１９９１年８月。「薪ストーブの本　〜薪エネルギーと薪焚き人の人生〜」が出版された。<br />
ハードカバー上製本のカバーには我が家の赤いアンコールが印刷された。<br />
表紙カバーの赤い帯紙には大きな白抜き文字で、こう書かれている。<br />
「&ldquo;薪ストーブの時代&rdquo;が、そこまで来ている&hellip;&hellip;」と。<br />
<br />
版元の社長は刷り上がった「薪ストーブの本」の帯紙を見て、<br />
「本当に大丈夫だろうね」と一言つぶやいた。<br />
「はい、ご安心下さい」と、応えた。<br />
北海道の出身だった社長にしてみれば、&ldquo;薪ストーブ&rdquo;には好ましい印象がなかった。<br />
薪ストーブの時代が来るなんて、誰も思っても見なかったのである。<br />
<br />
<br />
今から２０年前に、わたしは&ldquo;薪ストーブの種&rdquo;を播いた。<br />
以来、「薪ストーブの本」は１２刷りされ、１３刷りを待っている。<br />
その間に、盟友ポール・キャスナーのFIRESIDE は大きく育って、綺麗な花を咲かせている。<br />
<br />
11月３日文化の日に、FIRESIDE 設立２５周年記念&ldquo;ARIGATO FESTIVAL&quot; が開催される。<br />
タブチ君も呼ばれて、「薪ストーブのチカラ」という標題での講演会も。<br />
こぞって、ご参集されたし！<br />
<a href="http://www.firesidestove.com/news/184.html" target="_blank">&raquo; FIRESIDE 設立２５周年記念&ldquo;ARIGATO FESTIVAL&quot; </a>
<br />
<br />
<br />
<br /><img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201110_04.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />何かといえば、ネガティブな情報ばかりが流布されやすい時代だ。<br />
しかし、種は播かれつづけている。<br />
木の実や草の実が風に乗って大空を翔ていくように、<br />
翼持つ新しい時代の種が播かれつづけている。<br />
<br />
やがて春が巡れば、それらの種は元気に芽吹いて、立派に成長して開花するだろう。<br />
新しい世代は老朽船を修復したりはしない。<br />
新しい人たちは、新しい船を建造する。<br />
そして、月のない暗い夜に、人知れず大海原に出航していく。<br />
<br />
<span style="color: rgb(153, 51, 0);">
<br />「ひとりの子供が、彼の仲間と歩調を共にしないのは、<br />
その子供はみんなとはちがうドラムの音を聴いているからだ。<br />
人は、どんなに遠回りでも、<br />
またそれが、どんなに調子外れなものであっても、<br />
自分の耳に聞こえている音楽に合わせて人生の歩みをつづけていくべきだ。<br />
林檎や楢の木と同じように早く成長しなければならない理由など、我々にはない。<br />
自分の春を、急いで夏にしてしまう理由など、我々にはない」。　</span>
<br />Henry David Thoreou 「Wolden or Life in the woods 」1984 年より。<br />
<br />
<br />
<br />
追伸：ARIGATO FESTIVAL の当日、会場でタブチ君の木工品の展示即売が。<br />
また以降、FIRESIDE 本社ショウルームで、彼の木工製品が展示販売されます。<br />
Come visit to KOMAGANE.<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201110_05.jpg" />
<br />
<br />Photoes by Yoshio Tabuchi</p>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>Song at  the Beginning of Woodstove  Season.　初秋の歌</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/797.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/797.html#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 29 Sep 2011 01:06:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/?p=797</guid>
		<description><![CDATA[秋になると、どうして遠くの音が聞こえてくるんだろう？
沢音が遠く近く聞こえている。
手斧で薪を細く割る音が、庭に木霊する。
その薪を薪小屋に積んでいく音が、妙にはっきりと聞こえる&#8230;&#8230;。
まだ健 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>秋になると、どうして遠くの音が聞こえてくるんだろう？<br />
沢音が遠く近く聞こえている。<br />
手斧で薪を細く割る音が、庭に木霊する。<br />
その薪を薪小屋に積んでいく音が、妙にはっきりと聞こえる&hellip;&hellip;。<br />
まだ健やかなこんな時候には、朝起きたら細い薪でひと焚きしてやればそれでいい。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201109_01.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />秋になると、日差しが透明になる。<br />
万物がその光の中でまどろみながら、夏にさよならを言ってる。<br />
蝉と鳥たちの声はとだえた。<br />
紅葉を待つ木々の葉はそよりともしない。<br />
つい昨日までTシャツ姿だった。<br />
今朝はもうフリースのジャケットを着て、ストーブに火を起こしている。<br />
煙道から立ち上る煙が庭に下りてきて、懐かしい煙の匂いがする。<br />
<br />
薪ストーブの煙の匂いとなってやって来たこの秋を、さあー見守ろう。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201109_04.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />台風１５号がそこいらじゅうに大雨を降らした。<br />
千曲川は二十数年振りの大川になった。<br />
岩魚釣る流れも変わって、川岸はピカピカに磨かれた。<br />
そして、この家に来る水道管が流された。<br />
断水だ！<br />
我が家の水道管は裏庭を流れる涸れ沢の河床を潜っている。<br />
その沢床が１メートルも抉られて、水道管が引きちぎられた。<br />
<br />
沢水が退かない。<br />
水道管の修復工事が遅れている。<br />
秋になって木々が水を揚げなくなっているんだ。<br />
樹齢５０年のミズナラの木は、夏には１日で２００リットルの水を大気に蒸発させるという。<br />
花瓶の水が生けた花に吸われる水のことを思えば、さもありなん。<br />
で、我思う&hellip;。<br />
「川の岸辺は、緑の樹林帯にしておけ。沼地や湿地や低地ははそのままにしておけ」と。<br />
<br />
わたしが毛鉤を振る川の土手には、幾筋もの縞模様が描かれている。<br />
流れが描いたこの縞模様は、我々にこう伝言している。<br />
「人生も家も高いところに築け」と。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="301" height="450" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201109_05.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />断水とは、水道栓をひねっても水が出てこないということだ。<br />
わかってはいても、つい蛇口のハンドルをひねっている自分がいる。<br />
断水は笑える&hellip;&hellip;。<br />
断水は水道の便利さをつくづくと思い知らされる。<br />
<br />
水道課のお兄さんが、２０リットル入りのポリタンクを３個持ってきてくれた。<br />
隣人の水道から、車で水を運べばどうということはない。<br />
洗い水は沢水をバケツで運んでいる。<br />
その沢水を飲んでみれば、村営水道の水よりも冷たくて美味しい。<br />
<br />
洗面や台所で使う水は、１日４０リットルもあれば足りる。<br />
バックパッキングやキャンピングをさんざんやったからね。<br />
やきもきすることはなかった。<br />
風呂は村の旅館の温泉を使わしてもらった。<br />
それはそれで、隣人との社交を楽しめてよかった。<br />
<br />
不便はトイレだ。<br />
水洗トイレは大量の水を消費する。<br />
幸い、バスタブには水が張ってあった。<br />
２鉢ある天水鉢は雨水で満たされていた。<br />
その水をトイレの水タンクに入れている。<br />
<br />
断水時に便利だった物。<br />
それは、バケツと琺瑯の水差しと、それから大小２つのカッパーケトルだった。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201109_02.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />断水して１週間になるが、蛇口からはまだ水が出ない。<br />
でも、平気さ！<br />
断水して、停電して、プロパンガスのボンベと石油タンクが空になっても大丈夫。<br />
電気がなくても生きていける。電話もパソコンもね。<br />
<br />
なければないで、昔にタイムスリップして生きるだけのことだ。<br />
それはそれで、そこには目から鱗の贅沢な暮らしがあるかも知れない。<br />
毎日がアドベンチャラスな、アウトドアアクティビティーの歓びがね。<br />
その分、電気代も、ガス代も、電話代もいらない。<br />
<br />
<br />
タイムマシーンなんていう機械を考える奴はクルクルパーだ。<br />
電気を止めてしまえば、人は過去を旅することができる。<br />
１０年間ノーエレクトリーシティ・リビングやってから電気のある暮らしに戻ってみれば、<br />
人は１０年後の未来を生きることができる。<br />
実を言えば、人は過去と未来を自在に往き来することができるんじゃないだろうか？<br />
<br />
そのような見地から日常生活をみつめてみれば、薪ストーブほど面白い道具はない！<br />
薪ストーブはタイムマシーンなんだ。<br />
薪ストーブに火を起こしてみれば、人はたちまちレトロな暮らしの良さを楽しむことができる。<br />
家に薪ストーブがあるということは、１９世紀の良いとこ取りをしながら２１世紀を生きるということだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201109_03.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />すべてのエネルギーを電力に変えて、文明の豊かさ享受しようという考えは古いよ。<br />
薪エネルギーの豊かさと便利さを電気に変えるなんて破廉恥だ。<br />
薪エネルギーは薪エネルギーだ。<br />
それを、バイオマスなんて呼ぶな。<br />
薪炭は、シンプルであるが故の永遠のエネルギーだ。<br />
シンプル・イズ・ベスト。原発は時代遅れだ。　<br />
<br />
この森暮らしの家には、アンコールと２台のイントレピットと、<br />
それから台所にはスウェーデン製の薪焚きクッキングストーブがある。<br />
そして、薪小屋には乾いた薪がね。<br />
もしかしたら、タブチ君は５０年後の未来を暮らしているのかも知れない。<br />
彼は新し物好きだからね。<br />
<br />
山が、森が、沢音が、アンコールの黄色い炎が&hellip;&hellip;<br />
秋から冬へのプレリュードをアダージョで歌っている。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201109_07.jpg" />
<br />
<br />
<br />Photoes by Yoshio Tabuchi<br />
<br />
&nbsp;</p>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>Memories of Summer  夏の形見　</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/774.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/774.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 26 Aug 2011 09:52:05 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/?p=774</guid>
		<description><![CDATA[木々の葉が重たく繁茂している。
オオルリが綺麗な声でピールリ、ポールリと歌っている。
ルドベキアが花壇を黄色く染めあげ、夏がこのままずっとつづくように思える。
でも、黄色く色づいた山胡桃と白樺の葉が芝生の緑に落ちている。 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>木々の葉が重たく繁茂している。<br />
オオルリが綺麗な声でピールリ、ポールリと歌っている。<br />
ルドベキアが花壇を黄色く染めあげ、夏がこのままずっとつづくように思える。<br />
でも、黄色く色づいた山胡桃と白樺の葉が芝生の緑に落ちている。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201108_04.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />トマトがいつになく豊作だ。<br />
大きな実が真っ赤に熟れて、その重みで支柱が撓んでいる。<br />
この庭でトマトを作るのは容易ではなかった。夏の気温が足りないのだ。<br />
茄子も南瓜も豊作。<br />
びっくりするほどグラマラスで艶やかな茄子と南瓜が成ってる。<br />
<br />
今日、一番大きなトマトを秤に乗せてみた。３６０g あった。<br />
暑い真夏日が数日つづいた。<br />
最高最低気温計をチェックしてみれば、３２，５℃を指している。<br />
我が寒山で３０℃を超える夏日は希だ。<br />
去年の夏も暑かったように記憶している。それでも３０℃を超える夏日はなかった。<br />
<br />
にしても、トマトのできが立派だ。<br />
この夏、成り物はおしなべて豊作。集落の人たちもそう口を揃える。<br />
「セシウムの御陰様かも」。<br />
ヨシオ君はそう軽口を言ってみたが、村民は黙っていた。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201108_01.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />&ldquo;セシウム&rdquo;って何なんだろうか？<br />
小学館の大字泉を繙いてみればこう書いている。<br />
「セシウム&nbsp; [cesium]&nbsp; アルカリ金属元素の一つ。<br />
単体は銀白色の柔らかい金属で、空気中ではただちに酸化され、水と激しく反応して水素を発生する。<br />
炎色反応青紫色。電気の良導体で、光電管に使用。<br />
核分裂によって生じる人工放射性同位体のセシウム１３７は半減期３０年で、<br />
バリウム１３７となって&gamma;（ガンマ）線を出し、人体に有害。<br />
元素記号Cs 　原子番号５５　原子量１３２・９」<br />
<br />
セシウムはミネラル（鉱物）だ。<br />
茸も植物も動物もミネラルが好きだ。<br />
細胞レベルでいえば植物のそれも動物のそれも同じだからね。<br />
で、「アッ、美味しそうなミネラルが来た」。そう考えて、このミネラルを積極的に摂取するんだ。<br />
胎児や成長期の子供がより多くのセシウムを体内に取り込んでしまうのは、そういうことだろう。<br />
アトム君とウランちゃんとセシウムさんの御陰で、この秋は豊作なんじゃないのか！<br />
広島形原爆２００個分のセシウムが撒き散らかされたからね。<br />
そして、セシウムは今でも撒き散らかされている。<br />
<br />
セシウムというミネラルは動植物を歓ばせるんじゃないだろうか？<br />
で、みんなはそれをパクパクと体内に取り込もうとする。<br />
問題なのは、それが核分裂による人工放射性同位体のセシウムだということだ。<br />
放射性セシウムは、食物連鎖によって濃縮されて人体に留まり、血液として体内を巡る。<br />
そして、人のDNAを傷つけていく。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201108_05.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />ウクライナのチェルノブイリの立ち入り禁止区域の緑麗しい映像を、テレビのドキュメンタリー番組で見た。<br />
鹿が飛び跳ねている。猪が土をほじくり、狼も彷徨いている。<br />
サッカー場のグランドは、２５年間で美しい雑木林になった。<br />
近郊の森では美味しそうな茸がにょきにょき&hellip;&hellip;。<br />
世界中のエコロジスト（生態学者）が、チェルノブイリの立ち入り禁止区域とフクシマを見つめている。<br />
手つかずになった土地の、自然の再生力の力強さと放射性セシウムの生態学的推移を。<br />
<br />
フクシマの原発事故は、我々に哲学的な思考の必要性を強いている。<br />
また、宗教的とも思える深い悲しみと文明のカルマ（業）を、我々に突きつけている。<br />
それを、そう考えどう克服していくかは、人それぞれの個性とこれからの文化文明の有り様による。<br />
<br />
<br />
<br />
年老いたせいもあるだろう。<br />
また、汚染された稲藁を食べた牛の顔の、悲しげな映像を見せられたせいもある。<br />
以来、肉をほとんど口にしなくなった。その分、菜園の野菜を食べている。<br />
そして、気付いた。<br />
「物品も衣服もそうだが、食物は少し足りない位の方が、人はより快適に暮らすことができる」と。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201108_06.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />電力だって、そうなんじゃないのか？<br />
例えば、テレビジョンという家電。家庭では冷蔵庫の次に電力を消費している。<br />
なのに、映像を消して音声だけを聞けるボタンが、リモコンには付いていない。<br />
テレビ番組には、画像が要らない物が多くある。<br />
テレビジョンにどうしてラジオが内蔵されていないのだろうか。　<br />
<br />
ラジオが好きだ。<br />
すぐにも行ってしまう夏。夕立があって肌寒くなった夕暮れ。<br />
どこか遠くから聞こえてくるような&hellip;&hellip;AMラジオからの音声に耳傾けながら、<br />
アンコールに火を起こすのが好きだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201108_03.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />しかし、山深く住み侍りければラジオの電波はここには届きにくい。<br />
テレビは村営の有線アンテナでよく映っている。<br />
そうであるなら、そこにラジオの電波を乗せて欲しい。<br />
テレビ番組をラジオとして聞ける映像消去ボタンが欲しい。簡単なことでしょ。<br />
そうすることで、どのくらいの電力が節電できるのかを、誰か計算してくれ。<br />
<br />
<br />
ボランタリー・シンプリシティー（Voluntary Simplicity）。主体的簡素。<br />
No more more. モアーは時代遅れだ。<br />
強欲の果てにあるのは、倦怠と荒廃。<br />
「それよりは、より少なく稼いでより少ない消費。１万円多く稼ぐよりは、１万円少なく消費するほうが容易だ」。<br />
母なる大地と海がそう言ってる。<br />
政治が何かをしてくれると思うな。政治に何をさせるかを考えよう。<br />
<br />
<br />
夏野行く牡鹿の角の束の間の夢のように夏が逝こうとしている。<br />
きみを忘れて暮らした７月と８月。<br />
「恋人と離れて暮らす解放感ほど清々することはない&hellip;」。<br />
そう書いた哲学者は誰だったっけ。<br />
<span style="font-size: larger;">
<br />Welcome to back home,my sweet Encore.</span>
<br />お帰り。久し振りだね。今日からはまた一緒に暮らすんだね。<br />
きみは素敵だ。きみの素朴さには、何物にも代え難い快適さがある。<br />
今日はトマトを煮込んで、トマトソースを沢山作ろう。<br />
トマトソースの瓶詰めは、来るべき冬のための綺麗な色の夏の形見だ。<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201108_02.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />Photoes by Yoshio Tabuchi<br />
<br />
&nbsp;</p>

]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/774.html/feed</wfw:commentRss>
		</item>
		<item>
		<title>A Summer Day of Self-Sufficient Gardener　菜園家の夏</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/744.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/744.html#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 25 Jul 2011 09:26:11 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/?p=744</guid>
		<description><![CDATA[６時に起きた。早起きは三文の得。
三文は６０円位かな。だったら、１年で二万一千九百円。
５０年だったら百九万五千円。金利に福利も付くだろうから大金だね。

で、金持ちは早起き。
わたしの場合には、早起きが苦手だったから金 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>６時に起きた。早起きは三文の得。<br />
三文は６０円位かな。だったら、１年で二万一千九百円。<br />
５０年だったら百九万五千円。金利に福利も付くだろうから大金だね。<br />
<br />
で、金持ちは早起き。<br />
わたしの場合には、早起きが苦手だったから金持ちには成れなかった。<br />
しかし、改むるに遅きはなし！<br />
<br />
<br />
庭へ下りてネギとホウレン草を抜いてくる。<br />
今年の葱は&ldquo;松本一本葱&rdquo;。<br />
夜盗虫がその根本を囓るのは美味しい証拠だ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201107_06.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />夏の朝食は断然ご飯だ！<br />
納豆に刻んだ葱をたっぷり添えた。<br />
ホウレン草のお浸しと胡瓜の糠漬け。<br />
それから、コカブの味噌汁で白米を美味しく頂いた。<br />
<br />
納豆は細い木べらでネバネバになるまでかき混ぜると美味しい。<br />
消化もよくなる。<br />
「２００回かき混ぜろ」と言うひともいるが、<br />
「５０〜６０回で十分だろっ」というのがタブチ君の意見。<br />
<br />
<br />
朝がまだ清々しいうちに菜園の草掻きをこなした。<br />
草掻きは毎日こまめにこなすべし。<br />
雑草を大きくしてしまえば草掻きはもの凄く嫌な仕事に。<br />
で、菜園の圃場はいつも綺麗か雑草だらけのどちらかだ。<br />
「雑草だらけの庭みたいだ」という表現がある。<br />
口先ばっかりで実行の伴わない人のことだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201107_07.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />今日は、玉葱の種を播く日だ。<br />
１０月に定植するための苗を育てるんだ。<br />
黄玉葱と赤玉葱の種を播いた。<br />
葱苗の生育はベーリー・スロー。<br />
１０日以上前に苗床を作っておいた。<br />
堆肥とストーブの灰を鋤き込み、毎日のようにレイキで表土を掻いた。<br />
地中で発芽している雑草を事前にやっつけておくためだ！<br />
そうしておかないと、苗床の雑草取りに悩まされるだろう。<br />
年を重ねて、いろいろ経験してみて分かることなのだが、<br />
どんな仕事でも下準備が大切なんだよな。<br />
<br />
<br />
数日前に定植したキャベツの苗が順調に育っている。<br />
苗のぐるりに木灰をまいておいたからね。<br />
キャベツの苗を植えると夜盗虫がやってきて、その根元を食いちぎる。<br />
そして、夜中キャベツの草液を吸い尽くして、昼間は土の中に姿をくらます。<br />
夜盗蛾の幼虫は菜園家の敵だ！<br />
この吸血鬼から野菜の苗を守る戦術、それはストーブの灰で苗のぐるりに結界をつくってやることだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201107_02.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />♪アベマリア　邪悪な侵略者から我らのキャベツを守り賜え　アベマリア♪<br />
そう歌いながら、苗のぐるりにドーナツ状の結界を作るんだ。<br />
<br />
夜盗虫は木灰の上を這い回るのが苦手だ！<br />
で、キャベツの苗は侵略者の野望から守られるのである。<br />
ドラキュラには十字架とニンニク。夜盗虫にはアベマリアと木灰。<br />
木灰は雨に当たって溶けて、苗床にしみ込む。<br />
そして、カリ肥料となって丈夫で元気なキャベツを育てる。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldline(2).jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />陽が高くなって、気温が急に上昇してきた。<br />
高冷地の夏の直射日光は砂漠並みに強烈だ。<br />
１１時、昼食用の野菜を収穫して母屋に逃げ込む。<br />
外は真夏日。<br />
木立に囲まれた家の中は２５℃。湿度６０％。快適。<br />
<br />
昼は、ズッキーニ・ボートにスパゲッティーを添えた。<br />
バーモント風のランチだ。<br />
３株のズッキーニが旬だ。食べても食べてもズッキーニは成りつづける。<br />
少しでも油断すると大きなヘチマほどに育ってしまう。<br />
なので、ほとんど毎日のようにズッキーニ・ボートを食べている。<br />
<br />
<br />
<img width="301" height="450" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201107_01.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br /><span style="color: rgb(128, 128, 0);"><span style="font-size: larger;"><strong>☆ズッキーニ・ボートのレシピ</strong></span></span>
<ul>
    <li>２４，５センチに育ったズッキーニを縦二つ切りにする。<br />
    スプーンで芯を掘り取れば、丸木のボートのよう。</li>
    <li>塩を一つまみ落とした熱湯で固茹でする。茹ですぎないように。</li>
    <li>固ゆでしたボートに賽の目に刻んだトマトと生のオレガノを詰める。<br />
    その上にピッザァ用のシュレッディッド・チーズを乗せてオーブンに。<br />
    チーズがこんがりとろければ出来上がり。胡椒と塩はお好みで。</li>
</ul>
<p>
<br /><span style="color: rgb(128, 128, 0);"><strong>★ボートのお供は野菜スパゲッティー</strong></span>
<br />なぜなら、ズッキーニを茹でた湯でスパゲッティーを茹でればいいからである。<br />
なぜ野菜スパなのかといえば、菜園に野菜が溢れているからだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldline(3).jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />食前に白ワインを飲んだ。<br />
アルコールの船に乗って１時間の午睡。<br />
昼寝から目覚めて、渋々書斎へ。<br />
書類を整理する。東京の出版社に電話。<br />
パソコンを立ち上げて、１週間ぶりにeメールを開く。<br />
ジャンクメールがいっぱいだ。消去消去。<br />
それから、検索サイトでお勉強。<br />
といっても、秋に定植するハスカップの情報を覗いてみただけだ。<br />
オフィスワークは早々に終えて、木工室へ。<br />
明日は木工に従事するつもりだ。そのための下準備をする。<br />
<br />
<br />
夏の陽が傾いてきた。涼しい山風が谷を下りはじめた。<br />
柴刈り機のエンジンをかけて、芝刈り。<br />
この庭の芝を全部綺麗に刈り取るには小半日かかる。<br />
いいんだ、毎日１時間刈ればそれでいいんだ。芝刈りは止めどない。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201107_03.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />芝刈りはわたしのウォーキングだ。<br />
最近の柴刈り機は自走式だが、それでも腰と上半身にも力が入る。汗をかく。<br />
１時間の芝刈りは、１時間の山歩きに相当するアウトドア・アクティビティーである。<br />
綺麗に刈り込まれた芝生に囲まれてある菜園を、うっとりと見つめる。<br />
それは、薪小屋に積み込んだ自分の薪山をうっとりと見つめる眼差しと同じものだ。<br />
<br />
<br />
<br />
夕食は、庭に降った枯れ枝で塩鯖を焼いた。<br />
大根おろしをたっぷり添えた。<br />
そういえば、ストーブで魚を焼くための自在鈎を作った。<br />
<a href="http://www.firesidestove.com/products/stoveaccessories/fireside-s-05.html" target="_blank">焼き網</a>を炉室にセットするための自在だ。<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201107_04.jpg" />
<br />
<br />
<br /><a href="http://www.firesidestove.com/products/woodstoves/encore.html" target="_blank">アンコール</a>や<a href="http://www.firesidestove.com/products/woodstoves/intrepid.html" target="_blank">イントレピット</a>の蟹目（アンダイアン）に焼き網の付け根を乗せる。<br />
焼き網のハンドルを自在鈎の溝にセットする。<br />
自在鈎には上下幾つもの溝が刻まれている。<br />
炉室の火力に応じて焼き網の高さを調節することができる。<br />
<br />
山桜の厚板を加工した、この&ldquo;焼き網用自在鈎&rdquo;は<br />
使って超コンビニエンス（便利）。見て審美的。<br />
秋になったら、ファイヤーサイド本社のカントリーストアーで売り出そうかしら。<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201107_05.jpg" />
<br />
<br />
<br />Photoes by Yoshio Tabuchi<br />
<br />
&nbsp;</p>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>Summer vacation of the Woodstoves　薪ストーブの夏休み</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/721.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/721.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 29 Jun 2011 00:42:06 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/?p=721</guid>
		<description><![CDATA[
「森の中で道が二つに分かれていた
わたしは&#8230;&#8230;踏み跡が少ない方の道を辿ったすると、すべてが違うものになった」
Robert Frost （ニューイングランドの詩人）


人生はひとつづきのハ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><strong>
<br /><span style="color: rgb(51, 51, 0);">「森の中で道が二つに分かれていた<br />
わたしは&hellip;&hellip;踏み跡が少ない方の道を辿ったすると、すべてが違うものになった」</span></strong><span style="color: rgb(51, 51, 0);">
<br />Robert Frost （ニューイングランドの詩人）</span>
<br />
<br />
<br />人生はひとつづきのハイウェイのよう思える。<br />
しかし、人生のナビゲーションは、目的地が入力されていないモニタースクリーンに似ている。<br />
人生には目的地がないからである。<br />
人生のGPS は、今、自分がここにいることだけを示している。<br />
<br />
<br />
<img width="287" height="450" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201106_01.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />高速道路がある。一般国道がある。県道があり、村道がある。<br />
農道があり、林道がある。そして、草深い脇道がある。<br />
<br />
人生にはいくつかの交差点がある。<br />
いずれにしても、その道が何処につづいているのかは誰にも分からない。<br />
<br />
ある時、わたしは草深い森の小径を行くことにした。<br />
同行者は踏み跡の確かな道を選んだ。<br />
わたしはみんなと別れて、その路を独りで辿った。<br />
草深い森の小径の奥のほうに、明るい光のようなものがあるように感じたからだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201106_02.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />森の中に草地があった。<br />
テントを張ってそこでキャンプをすることに決めた。<br />
枯れ枝を拾い集めて焚き火を起こした。<br />
焚き火の煙のいい匂いが森に漂った。<br />
「いいな、これだ！　焚き火だ。薪だ。<br />
薪さえあれば何とかなるかも知れない」。そう思った。<br />
<br />
わたしは、この森の空き地が好きになった。<br />
もっと、ここで暮らしてみたいと思った。<br />
季節は夏で、天気もよかった。<br />
誰にも逢わない森の中だったが、淋しくはなかった。<br />
<br />
<br />
インディアン・ティピーを持ち込んで、長逗留することにした。<br />
ティピーの床に石で囲炉裏を組んだ。<br />
ティピーの囲炉裏で焚き火を焚いて、夏を暮らした。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="453" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201106_03.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />夏はいつまでもつづかない。<br />
季節が巡って、秋の長雨がやってきた。<br />
インディアン・ティピーは、雨の少ないデザートに向いたソフトハウスだということを悟った。<br />
<br />
四角い木の家を建てることにした。<br />
木の家の中で焚き火はできない。<br />
薪ストーブを買ってきた。台湾製の素朴なストーブだった。<br />
当時は、そんなストーブしか手に入らなかった。<br />
それでも、薪ストーブの暖かさは素敵だった。<br />
<br />
わたしは、&ldquo;薪ストーブ&rdquo;というこの古風なエネルギー・システムに魅了された。<br />
ヨシオ君は、大都会の下町のガソリンスタンドの子供として育った。<br />
化石燃料の臭いの中で育った子供にしてみれば、薪エネルギーは&ldquo;魔法の火&rdquo;に思えた。<br />
<br />
最初は水道もガスもなかった。<br />
沢水を汲んだ。薪ストーブで煮炊きした。<br />
不便だとは思わなかった。<br />
毎日がキャンプ生活のようで、ヨシオ君は幸せだった。<br />
そして、薪ストーブのない暮らしなど考えられなくなった。<br />
「きみがいなければ生きていけない&hellip;&hellip;」。ヨシオ君はそう思うようになった。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201106_07.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />やがて、電気が来た。プロパンガスが来た。<br />
電話が通じた。ファクシミリが普及した。<br />
パソコンが来た。光ファイバーが来た。<br />
月が移り、星が巡り、木々が育った。<br />
２９年と９ヶ月の歳月が過ぎた。<br />
<br />
テクノロジーの進歩には凄まじいものがあった。<br />
で、「アナログ世代にしてみれば目が回るような三十年間だった」ようにも思える。<br />
けれども、その一方で「べつにー、何にも変わっていない！」という思いが強くある。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201106_06.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />利便さと不便さは、相対的なものにすぎない。<br />
ひとは幸福を求めて自分らしく生きようと務める。<br />
だが、文明の利便さを享受することが幸福への近道だと思うのは、錯覚だ。<br />
なぜなら、文明の利便さにはコストが伴うからである。<br />
<br />
利便さを、ひとは金で買ってる。で、より多くの金とリスクが必要になる。<br />
ひとは今、さまざまなジレンマの海に漂って悩ましい。<br />
<br />
FUKUSIMA のおかげで、我々は今、避けては通れないジレンマに直面している。<br />
ジレンマとは二律背反している状況に陥っていることだ。<br />
二律背反とは、「相互に矛盾する二つの命題が、同等の妥当性をもってせめぎ合う」ことだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201106_08.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />哲学に興味があろうとなかろうと、我々は今、哲学的な時代を生きようとしている。<br />
原発ありやなしやという議論は、優れて哲学的な命題としてある。<br />
短絡的に結論を強いる議論は慎むべきだ。<br />
<br />
にしても、ヨシオ君の意見も聞きたい？<br />
だったら、薪ストーブ愛好家の感想はこうだ。<br />
原発は帝国主義的だ。<br />
原発の内部をテレビスクリーンで見ていると、帝国主義者の秘密要塞を見ている思いがする。<br />
<br />
森の中で、道が二つに分かれている。<br />
踏みならされている道と、草深い小径とに。<br />
その交差点に道標はない。<br />
我々は、二つの道を同時に歩くことができない。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="456" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201106_05.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />木々の緑に従って夏が深まっていく。<br />
すべてを忘れ、きみを忘れ、夏をただ暮らしている。<br />
どんなに愛していたって、きみを忘れる日々も必要だ。<br />
きみは今、サマーバケイションの旅に出ている。　<br />
<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi<br />
&nbsp;</p>

]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/721.html/feed</wfw:commentRss>
		</item>
		<item>
		<title>Belove your tools　我が庭の道具</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/699.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/story/699.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 27 May 2011 07:25:20 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/?p=699</guid>
		<description><![CDATA[５月２０日に郭公が啼いた。
♪カッコー、カッコー。「もう霜はないよ、野菜の苗を植えてもケッコー」。
郭公が、そう歌った。
で、トマトと胡瓜とピーマンと鷹の爪と、それからセロリの苗を定植した。

５月２３日は雨催いになった [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>５月２０日に郭公が啼いた。<br />
♪カッコー、カッコー。「もう霜はないよ、野菜の苗を植えてもケッコー」。<br />
郭公が、そう歌った。<br />
で、トマトと胡瓜とピーマンと鷹の爪と、それからセロリの苗を定植した。<br />
<br />
５月２３日は雨催いになった。<br />
天気予報が「明日は雨になる」と伝えた。<br />
野菜苗の定植直後に雨が降れば言うことなし。<br />
夜遅くになって雨が降りはじめた。<br />
<br />
<br />
<br />
<img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201105_01.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />寒い朝になった。居間のカーテンを引く。<br />
雪だ！　新緑の木々が雪の重さでしなだれている。<br />
慌てて庭に目をやる。緑の芝生と圃場が、一寸程の雪に埋もれている。<br />
新緑の木々の枝々から、雪解けの滴がぼたぼたと降っている。<br />
菜園のトマトと胡瓜の運命は如何に？<br />
怖くて、庭に下りるのが嫌だった。<br />
<br />
紅葉に雪&hellip;&hellip;は、何度か経験した。しかし、新緑に雪は変だ。<br />
村人も、「なんだか怪しいなあ&hellip;」と。<br />
言いたくはないんだが、FUKUSIMA の原発事故は不吉だ。<br />
そのせいだとは思いたくないのだが、季節が平安じゃないんだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201105_02.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />「原発に、賛成か反対か？」という議論に、わたしは与したくない。<br />
賛成か反対かという考えは、いつだって短絡的だ。<br />
議論すべきは、&ldquo;人類は今、地球が一年間で生産できる総量の二倍を毎年消費している&rdquo;<br />
という事実をどう考えるかだ。<br />
<br />
五千万年かかって自然が蓄積した化石燃料を、束の間の内に使い切ろうとしていることが、ヤバイんだ！<br />
しかし、温暖化問題を原発推進の口実にするのは&ldquo;騙し&rdquo;だ。<br />
今進行しつつあるこの地球温暖化の原因が何であるのかは、本当には説明されていない。<br />
<br />
今から五千年前は温暖な時代だった。そこいらじゅうが水浸しだった。<br />
その頃、房総半島は&ldquo;島&rdquo;だった。海水面が栃木県の南部にまで進出していた。<br />
栃木県に貝塚遺跡があることで、そうだったことがわかる。<br />
<br />
わたしの村の天狗山には、日本一標高の高いジョーモニアン（縄文人）の遺跡がある。<br />
今から４，５００年前、縄文中期の村だ。そこは、標高１，５００メートル以上ある。<br />
八ヶ岳山麓の高冷地は、この頃ジョーモニアンのコスモポリスだった。<br />
そこいらじゅうに街や村があった。<br />
縄文中期の温暖化の理由は何だったんだろうか？　誰か分かり易く説明してくれ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201105_03.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />更新世第三間氷河期に我々は生きているのだが、この間氷河期は温暖化と寒冷化を繰り返している。<br />
この２００年間は寒冷な時代だった。<br />
太田道灌が江戸城を築いたときには、銀座は海だった。<br />
江戸城への物資は、目の前にあった東京湾から水路で運ばれていた。<br />
<br />
ニューヨーク市のマンハッタンは島だ。<br />
マンハッタンはその昔、青い貝のボタンを欲しがったエリアのインディアンの酋長が、<br />
島とボタンを交換したことで白人の土地となった。<br />
その時、「チィーフ、いくらなんでも損なトレードじゃ御座いませんか？」と、執事が酋長に進言した。<br />
酋長は答えた。「いいんだ。この島はいずれ海に沈むんだから」と。<br />
<br />
人の世は、いつだって場当たり的だ。それが、歴史の教えだ。<br />
信じていいのは、薪エネルギーと薪ストーブ！<br />
それから、自給自足的菜園家の庭。<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201105_06.jpg" />
<br />
<br />
<br />
<br />昨日と今日の二日間を費やして、ガーデンツールスのメンテナンスに心を砕き、手を汚した。<br />
グラインダーで道具達の刃先を整えた。<br />
木のハンドルには木工用の桐油を塗った。桐油は番傘に塗られた防水油だ。<br />
鉄の部分には、天ぷら油の廃油を塗った。<br />
吊り紐を、新しい革紐に替えた。そして、こう感じた。<br />
<br />
「庭の道具は、なんて美しいんだろう！<br />
芸術なんていらない。高価な調度品や飾り物はなくていい。<br />
使い古してアンティークなそれのようになっているガーデンツールスこそが、高貴だ。<br />
見よ、木と鉄からなるこの造形美を」<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="301" height="450" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201105_07.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />庭仕事のための手道具は、興味深い。<br />
わたしの庭には、和洋のそれが渾然一体となってある。<br />
なににつけそうなるのが、日本人の心の広さだ。<br />
欧米のそれには、欧米人ならではの庭への思いがある。<br />
和風なそれには、日本人ならではのシンプリシティーと鍛鉄への執念が宿っている。<br />
<br />
庭の道具は、使い込み手入れを繰り返していくことでますますその真価を発揮する。<br />
鍬は、世襲物に勝る物なし。<br />
何十年も使い古していく内に、鍬の刃や爪が滑らかに磨り減って使い勝手がよくなっていく。<br />
土が鍬に纏い付きにくくなっていく。<br />
<br />
３０年近く菜園家やってる。<br />
気が付けば多くのガーデンツールスが手許にある。<br />
同じ用途の道具であっても、そのデザインが微妙に違う。<br />
例えば、草掻き。英語ではウィーダーと呼ばれる雑草取りのことだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201105_04.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />自分の手許だけでも、写真の如くこれだけの種類がある。<br />
しかし、これはコレクションじゃない。<br />
菜園家は、これら草掻の違いと個性を楽しみながら、庭仕事をするんだ。<br />
<br />
季節を取り違えた雪の被害は、それ程でもなくてよかった。<br />
青葉に向かう季節の庭で、ガーデンツールスのメンテナンスに心を砕いてよかった。<br />
庭の道具の奥深さと、その美しさを再認識することができてよかった。<br />
流木みたいに風化した木のハンドルに桐油を塗りながら、こう思った。<br />
<br />
「庭の道具のように、慎ましく無名であることを成熟と考えたい。これでいいのだ！」と。<br />
<br />
時を忘れて、自分の道具の手入れに心を砕く時&hellip;&hellip;、<br />
ひとは自分の人生を自分で祝福しているんだ。<br />
<br />
<br />
<br />
Photoes by Yoshio Tabuchi</p>

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		<title>Be Rustic　素朴であれ</title>
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		<pubDate>Tue, 26 Apr 2011 05:52:23 +0000</pubDate>
		<dc:creator>田渕</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[薪ストーブエッセイ]]></category>

		<category><![CDATA[薪ストーブ物語]]></category>

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		<description><![CDATA[ピー、ピー、ピー。
「春はこっち、こっち。さあー、通って、通って」。
ピー、ピー、ピー。
「冬はあっち。まだ雪を頂いているあの高山へ」。

ゴジュウカラが、ホイッスル吹いて交通整理してた。
そのゴジュウカラが口笛を吹かな [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>ピー、ピー、ピー。<br />
「春はこっち、こっち。さあー、通って、通って」。<br />
ピー、ピー、ピー。<br />
「冬はあっち。まだ雪を頂いているあの高山へ」。<br />
<br />
ゴジュウカラが、ホイッスル吹いて交通整理してた。<br />
そのゴジュウカラが口笛を吹かなくなった。<br />
お気に入りのバードハウスで巣作りを終えて、今はきっと卵を温めているんだ。<br />
<br />
<br />
<img width="301" height="450" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_04.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />白樺水の季節は過ぎた。水仙とムスカリが咲き始めた。<br />
ヒマラヤン・プリムラが紫色の花穂を膨らましている。<br />
スモモの花芽が日毎に大きくなっている。<br />
タンポポの若葉を、サンルームのレタスに混ぜて食べてる。<br />
新鮮なサラダはやっぱり美味しいな。<br />
キッチンガーデニングの季節到来！　忙しくなるけど、嬉しい。<br />
<br />
寒山の朝はまだ薄氷が張る。<br />
でも、枯れ枝をひと焚きすれば、部屋はたちまち暖かくなる。<br />
紅茶をすすりながら、夏みかんとヨーグルトをたっぷり乗せたシリアルを食べる。<br />
夏みかんの酸っぱさが美味しい。目が覚めるな。<br />
この夏みかんは、４０年前に原発建設を拒んだ伊勢志摩の海辺から送られてくる。<br />
ニッポンの夏みかんは、世界で一番美味しい柑橘類だ。<br />
パントリーの夏みかんを食べきれば、季節はもう夏になっているだろう。<br />
<br />
<br />
サマータイムを導入してますか？<br />
私は一ヶ月前から１時間のサマータイムだ。今は、２時間前倒ししている。<br />
春なんだよ！　朝が待ち遠しくて夜更かしなんかしてられない。<br />
寝るは天国。娑婆の阿呆は夜起きて働く。<br />
朝がまだ清々しい内にひと仕事しておけば、午後はのんびりモードで春の一日を過ごすことができる。<br />
会社務めだって同じことでしょ。<br />
国はどうしてサマータイムを導入しないんだろうか。<br />
サマータイムは楽しい。サマータイムは自然的だ。<br />
サマータイムは季節を敬うリビングスタイルだ。<br />
<br />
馬鹿！ こんなご時世だというのに、どうしてサマータイム制度を導入しないんだ。<br />
夜は暗いもの。恋はつらいもの。<br />
月のない暗い夜に、悪の炎は燃え上がるもの。<br />
夜起きて政治やるんじゃねーよ。てめえらが、先ずもって節電しろ。<br />
<br />
春は、難しい仕事したくないな。<br />
春は、難しいこと考えたくない。考えられない。<br />
安気で楽しい仕事がしたい。春なんだもん！<br />
<br />
<br />
<br />
<img width="594" height="60" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldline3.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />今朝、わたしはガーデンシェッド（物置小屋）を片付けた。<br />
ハンドルが壊れてしまって、鉄の本体だけになっているスコップが３丁小屋の奥に置かれていた。<br />
捨ててしまおうと思ったが、思い止まった。<br />
錆錆になってはいるが、ハンドルをすげ替えれば使える。<br />
そこで、庭の木立から適当な太さの立木を切り出してきて生き返らせることにした。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_05.jpg" />
<br />
<br />
<br />さっそく、ドローナイフで樹皮を削ってハンドルの形を整えた。<br />
ドローナイフは、鉋台のない鉋（かんな）だ。<br />
体重を後ろに傾けることでナイフを引いて材を削る。<br />
腕力を要しないので、楽によく削れる。<br />
大中小のハンドルを３本削るのに、２時間はかからなかった。<br />
<br />
<br />
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<img width="450" height="480" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_01.jpg" />
<br />
<br /><img width="424" height="540" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_02.jpg" />
<br />
<br />ログビルダーは、ドローナイフで太い丸太を整形する。<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_11(1).jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />
<br />スコップのハンドルには３種類ある。<br />
手許がY型とT型とストレートと。<br />
真っ直ぐなハンドルのそれは、長柄だ。自分の肩丈ほどにした。<br />
<br />
長柄のスコップは、腰を折らないで土を掬うことができる。<br />
腰をかがめることが苦手な白人は、真っ直ぐな長柄ハンドルを好む。<br />
長柄のスコップは、梃子の原理が働くので楽に土を掬える。<br />
<br />
<br />
<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_08.jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />さっそく、菜園の土を掬ってみた。<br />
すると、どうだろう！　これがねー、私の思惑が的中。<br />
使いやすいんだ。腰に負担がないんだ。<br />
庭仕事やりすぎて、腰が曲がってしまうのは嫌だ。<br />
タブチ君はわりと頭いいみたいだ。<br />
<br />
２丁あった小型のスコップの１丁には、ごく短いハンドルをあしらった。<br />
これは、しゃがんで土を掬うための、大型の移植鏝だ。<br />
<br />
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<img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_06.jpg" alt="" />
<br />
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<br /><img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/coldline3(1).jpg" />
<br />
<br />
<br />私はウィンザーチェアー作りの名手である。<br />
自分でそう言っているのだからそうなんだ！<br />
今でこそ、精巧で瀟洒なそれを作ることができるが、私の椅子作りは庭の枝木を材料にして始まった。<br />
<br />
<br />
<img width="433" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_03.jpg" />
<br />
<br />
<br />写真のそれは、私が最初に作ったウィンザーチェアーだ。<br />
私がウィンザーチェアーに興味を持ったのは、そのスピンドルと脚が木立の枝木で作れると思ったからである。<br />
そしてそれは、&ldquo;ウィンザーチェアーの原型&rdquo;としてあると考えたからである。<br />
<br />
私は、今までに１００脚以上の精巧なウィンザーチェアーを作った。<br />
だが、私の最高傑作は２５年前に木立の枝木で作った最初の数脚かも知れない。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_07.jpg" />
<br />
<br />
<br />薪焚き人なら、大なり小なり木工に興味を持つだろう。<br />
私の場合には、工業用の三相２００ボルトの動力を使うまでに至った。<br />
<br />
しかし、ハンドツールスによる素朴なウッドワーキングは素敵だ！　<br />
何故なら、その作品にはアマチュアならではの祈りが宿るからである。<br />
それは、プロの木工家には絶対に作れない椅子や家具や木皿としてある。<br />
<br />
<br />
<img width="448" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_09.jpg" />
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<br /><img alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/t201104_10.jpg" />
<br />
<br />
<br />&ldquo;素朴&rdquo;という漢字の&ldquo;朴&rdquo;の字には木がある。<br />
素朴とは、切られたままの木のように飾り気がないと言う意味だ。<br />
で、想うのだが&hellip;&hellip;<br />
「人生も木工も婦人の裁縫も素朴的であることが、今は素敵で格好いいことなのではなかろうか？」と。<br />
<br />
薪ストーブがそうであるように&hellip;&hellip;この時代に素朴的であるということは、<br />
実は最もソフィストケート（洗練）された心の有り様としてあるんだ、と思う。<br />
<br />
<br />
Photes by Y.Tabuchi<br />
イラストレーション：田代和泉（田渕義雄書「野遊び道具」小学館刊より）<br />
<br />
<br />
&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;&mdash;<br />
<br />
<br />
■ 編集部より<br />
記事中の道具　<a href="http://www.firesidestove.com/products/firewoodtools/gransfors-05.html" target="_blank">&raquo; グレンスフォシュ・ブルークスのスウェーディッシュ・ドローナイフ</a>
<br />
<br />
<br /><img src="http://fireside-essay.jp/modules/tabuti/uploads/cabinet.jpg" alt="" />
<br />田渕義雄さんの家具作品がネットショップで購入可能になりました。<br />
<a target="_blank" href="http://iwanesanso.ocnk.net/product-list/41">&raquo; 山根山荘ネットShop</a>
<br />
<br />そのほか田渕さんに関するお問い合わせはこちらまで<br />
<a href="http://fireside-essay.jp/contact/contact.html" target="_blank">&raquo; 「森からの便り」問い合わせフォーム</a>

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