エッセイ集 薪ストーブの里から

ポールキャスナー 薪ストーブのある暮らし

日本における草分け的存在が贈るカントリーライフの提案。薪ストーブにまつわる様々なストーリーをお届けします。

宮崎学さん:森のシャーロックホームズ

「ほら、この葉っぱは今朝あたり鹿が食べた」と宮崎学さんが半分葉っぱのない植物を指差しながら語る。
私が見ても普通の植物だと思うぐらいわからないが、言われれば確かにかじられている。

宮崎さんが山の感知カメラの現場を案内してくれた。
中央アルプス山麓を1時間ほど沢登りをして、けもの道を歩いて、
大きな樹齢100年を越えるミズナラの木に行くことになりました。

 
足跡、木の皮、糞、臭い、音、すべてが動物の動きの印だ。これが読めるのは宮崎学さん。
私は彼に「森のシャーロックホームズ」のニックネームをつけた。


年数が経っているそうですが、熊が爪でこの木の皮を掻いた。
今まで気がつかなかったが、森を歩くとこのようなマークが多いらしい。
驚いたことに、この木はよく利用している駒ヶ根高原のリゾートホテルの駐車場のそばにある。
人が普通にいる場所ですよ。

 
宮崎さんの感知カメラの現場を行くには普通の人の通らない道を行く。
ホトトギスやメボソムシクイ鳥の声を聞きながら山を登る。
羽化したばかりの春蝉が鳴いているという。


「この木の皮を破ったのは鹿ですよ」。角が痒くなり、頭を木にこする。


時間が経つとこのように周りの皮が固くなり、他の動物の巣になるそうです。
つまり鹿が他の動物の家作りをしてくれている。


途中、岩の上に生えた木があった。

山へ入るとき、宮崎さんは「ヒューーーイ!」とも「ホーーーイ!」とも聞こえる大きくて高い声を出す。
「こちらに近づいてはダメだよ」と、熊に自分の場所を教えるために。


動物の糞を発見!森のシャーロックホームズは、大きさ、臭い、堅さ、色などで、何時のどの動物かがわかる。
ビニール袋に入れてポケットに仕舞い、家に持って帰る。そして何を食べたかなど分析する。
奥さんの話によりますと、洗濯をする時にポケットから色々なものが出てくる。
時にはポケットに入れ忘れたままの糞も…。


やっとそのミズナラにつきました。周りは美しい緑と沢の音だけが聞こえる静かな場所。
かなり上のところに深い穴があり、熊が冬眠するに最適だと言う。


カメラを入れているのはホームセンターで販売しているコンテーナーです。
スターウォーズに出てきそう。


3個の特注ストロボはメーカーに頼んで特別に設計したもの。最低100個単位で注文だそうです。
ハイテク機器と100円ショップのコラボレーションの手作り感知システムです。


毎週メモリーカードを交換にくる。


何が写っているか楽しみです。


このカメラは去年の9月から設置。
サル2カット、テン1カット撮れただけで、まだクマは写らない。でも絶対にクマは現れるはず。

宮崎学さんと樹齢100年を越えるミズナラ
「冷たい風が穴に入るのでクマが寝泊まりしないんじゃないか」と宮崎さん。
その穴を塞ぐため、ハーネスとザイルを使い木の高いところに登り、トタンで穴のふたを作った。


山から降りたら駒ヶ根高原にある「山の店」で山菜料理をごちそうになりました。
動物の話が面白い。動物が人間のように鳴き声でしゃべっている。
怒った声、うれしい声などあるという。





夜になると、普段人間が通っている道に動物が出てくる。
自分の家の庭でだって、鹿、狸、テン、狐、ハクビシンを見たことがある。

宮崎さんの感知カメラが普段見えない動物の動きをキャプチャーしてくれるので、
地球と一緒に暮らしている動物を理解することが大切です。

 


 

宮崎学さんのサイト
宮崎学  写真館「森の365日」

「森からの便り」で好評連載中
宮崎学フォトエッセイ「森の動物日記」


【宮崎学 最新刊 となりのツキノワグマ】
宮崎学さんの最新刊『となりのツキノワグマ』が2010年7月上旬に発売予定です。
「えっ?これが野生のツキノワグマ!?」
カメラがとらえた驚くべき実態の数々。
一歩山へ入ればクマはいる。。。
そう、あなたの隣に!



B5判変形、160ページ(オールカラー)
新樹社

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