エッセイ集 薪ストーブの里から

宮崎学 フォトエッセイ 森の動物日記

森と里と野生動物たちから教わった自然のメッセージ 信州・駒ヶ根在住の動物写真家宮崎学のフォトエッセイです

シジュウカラの子育て

2010/5/26 宮崎 タグ:
| カテゴリー: シジュウカラ | comments(2) »

巣箱にやってきたシジュウカラ

シジュウカラという野鳥をご存じでしょうか。
黒い帽子に白い頬。
都市の住宅街から公園、地方の田園から高原、森、林…、とにかくその気になってちょっと注意してみれば、シジュウカラにはどこでも出会えます。
おいらの財布はいつも「始終から」なんて、駄洒落をいう人もいます。
まあ、それだけシジュウカラは、なんとなくみんなに親しまれている野鳥なのでしょう。

中央アルプス山麓のとある喫茶店の庭先の巣箱に、シジュウカラが毎年入って子育てをします。
喫茶店のオヤジさんはボクと旧知の仲。
「gakuさんやぁ、おらの仕掛けた巣箱に入るのだったら、家賃取らねぇー代わりにさぁー、部屋の中を覗かしてもらいてぇー、だに!」
オヤジさんは巣箱の中をどうしても見て見たいといいます。
そんな相談をされてしまったので、ボクもアイデアを出してあげました。
「子育てを始めてからでは遅いから、来年のために、今から巣箱の天井に小型カメラを仕込んだ新しい巣箱をつくって、それに入るのを待てばいいじゃん!?」
「ほぉー そんなことってgakuさんできるんかねぇー?
だったら、一つおらに作ってくんねぇーか、なぁー」

そういうことで、巣箱に小型カメラを仕込み、内部の様子を部屋の中にあるテレビ画面で見られる装置を作ってあげました。
どこにでもいるシジュウカラですから、このくらいの仕込みをした巣箱でもまったく警戒しないことはボクも知っていたのです。だから、この作戦は絶対に成功すると思っていました。

案の定、春になってシジュウカラは巣箱にすぐに入って巣作りをしはじめました。
その様子を見ていたオヤジさんは、
「シジュウカラっちゅうもんは、住宅難なんだなぁー。こんなにも簡単に巣箱にきてくれるんだから、ほんに人間なんて仲間だと思っているにちげえねぇー、だ!」
そういって、モニターテレビに映し出される映像を食い入るように見つめる日々がつづきました。

獣毛を毛布にするために拾っているシジュウカラ
(獣毛を毛布にするために拾っているシジュウカラ)

「おやおや、コケを持ってきて巣の土台をつくっているぜぇー。
こんどは、犬の毛やら化学繊維の綿をもってきているぜぇー。
純毛でも化繊でも彼らはなんでもいいんだわなぁー?」

「オヤジさん、われわれだってペットボトルからできているシャツ着ているんだから、シジュウカラだってそんなの平気なんだぜぃ」
巣箱の中で巣作り、抱卵、子育てをするシジュウカラを観察しながら、オヤジさんはたくさんの発見があったようです。

シジュウカラの卵
(シジュウカラの卵)

ふ化したばかりのシジュウカラのヒナ
(ふ化したばかりのシジュウカラのヒナ)

子育て中のシジュウカラの両親
(子育て中のシジュウカラの両親)

シジュウカラは、抱卵は、メスだけがします。
そのメスに、オスが餌をもってプレゼントをします。
抱卵中のメスは、とにかくすべての卵にまんべんなく熱を加えるために、巣の中でクルクルと体の向きを変えて回転しています。
そしてヒナが巣立つときは、体を少しでも軽くするために脱糞をしていくのです。
さらには、外敵に襲われないためにも、巣立ちは全員が30分ほどのあいだに巣箱を飛び出していくことまでわかりました。

抱卵しながら体を回転させているメス
(抱卵しながら体を回転させているメス)

巣箱の中のシジュウカラと卵
(夜間に嘴を背中に入れて眠っているのに、やはり体を回転させている)

巣箱の中のシジュウカラと卵
(卵から生まれ、巣立ちしたあとの巣にはヒナの糞が残されて子育てのドラマが終わる)

 とにかく、見ることがすべて発見だらけで、オヤジさんはたいそう喜んでいました。
そしてヒトコト、
「こんなに身近なところにたくさんいるシジュウカラなのに、おらは何にも知らなかった。
自然に生きている生命に、こんなにも感動したことはなかったぜぇー
あーあ、gakuさんに相談してみてよかったぁー
ありがとう、な」

ボクも、そう思いました。
世の中には自然保護という言葉だけが先行しているようですが、シジュウカラの巣作りの秘密ひとつとっても、知っている人は少ないのではないでしょうか。
こうして、見て、観察して、知ることが、自然界の仕組みを少しでも理解できることなのです。
シジュウカラなんて、ほんとどこにでもいる野鳥なのだから、やっぱりこういうところから自然に親しめることってとっても大切なことだと思います。

初夏の森で出会う動物たち

2010/4/10 宮崎 タグ: , ,
| カテゴリー: リス, 未分類 | comment(0) »



森で遊ぶのに、とてもいい季節になりました。 森にひたれば、風がちがいます。
匂いも、水の音や光も、森には独特の生命力があって勇気づけられます。
木々からのフィトンチッドが、わたしたちの体を清冽にみがいてくれるからなのでしょう。

そんな森で薪あつめをするのもいいものです。
野鳥もいちばん元気な時期なので、小鳥たちのさえずりはまさにバックミュージックです。
森のなかは、ほんとうに見るところがいっぱいあって、ひとつひとつに気くばりしていると不思議があまりにも多すぎて時間がどんなにあってもたりません。

動物たちには、直接出会うことはできなくても、森にはたくさんのサインがあります。
足元には、リスが松ぼっくりを食べたあとの「エビフライ」が落ちていたり、ノネズミの小さな巣穴を見つけたりもできるからです。
そうしたちょっとした痕跡にであって想像するだけで、楽しい時間がどんどん通りすぎてしまいます。
森とは、まさにそんな教科書のない教室のようなところです。

そこで、あなたたちはどんな発見に出会えることでしょうか?
そんな人間を木陰からそっとリスが見ているかもしれません。
今月は駒ヶ根の「薪ストーブライフ フェスティバル」で、森の生きものたちをテーマにしたミニギャラリーをしますのでぜひお出かけください。

松ぼっくりをリスが食べたあと モミの松かさをリスが食べた現場
クルミをリスが食べたあと カラマツの実をリスが食べると
小さなエビフライとなります
アカネズミの巣穴 巣穴に細い小枝を立てかけてみると、
出入りの様子がわかります
穴から顔をだしてきたアカネズミ 頭かき中のリス
枝から枝へジャンプ。軽業師のようです。 森はオイラの遊び場だーいといっているリス

ズクショップ5周年イベント
薪ストーブライフ フェスティバル
ENJOY!! WOODSTOVE LIFE FESTIVAL

開催日:4月29日(祝)
時間:10:00~16:00
会場: ZCOO-SHOP
(ズクショップ)
ファイヤーサイド本社ショールーム内
(長野県駒ヶ根市赤穂497-871、中央道駒ヶ根ICより3分)
問い合わせ:0265-82-7366

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