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	<title>宮崎学フォトエッセイ・森の動物日記</title>
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	<description>【森からの便り】</description>
	<pubDate>Sun, 29 Jan 2012 14:47:46 +0000</pubDate>
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		<title>白いタヌキに再会</title>
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		<pubDate>Sun, 29 Jan 2012 09:31:11 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[タヌキ]]></category>

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		<description><![CDATA[
数日前の夜７時半ころでした。
中央アルプス山麓に設置してある無人撮影ロボットカメラの点検をしようと、林道に車を乗り入れたときでした。
ヘッドライトのなかに白いタヌキが現れて、林道を下ってくるところに出会いました。
タヌキは、ボクの車に驚き一瞬できびすを返して、お尻を向けて全速力で歩いてきた道を逃げていきました。
ボクは、車のアクセルを踏み、そのタヌキを少しでも観察しようとしましたが、タヌキは50ｍほど走ったところで道をそれて藪のなかに消えていきました。


全力で走るタヌキの後ろ姿は、お尻を左右に小刻みに振ってぽんぽんぽんと弾むようにいきますから動きは独特です。
そのタヌキは、たったの一頭だけで林道を歩いていましたが、実に30年ぶりの白いタヌキとの出会いにボクは嬉しくなりました。


それというのも、いまから30年前、中央アルプス山麓の同じ場所に白いタヌキがたくさんいた時期がありました。
どうも４平方キロほどの範囲に、20頭以上はいたのではないかと思われました。
ときには、真っ白いタヌキだけが3頭も並んで歩く姿にも出会いました。
当時白いタヌキはいたるところで目撃でき、それはこれまでになかった現象でした。


白いタヌキは、突然変異で生まれてくるアルピノです。
色素をなくして誕生してきた白化現象の特異なタヌキだったのでした。
両親が必ずしも白くなくても、普通のタヌキのなかに白化する遺伝子があると、数代のうちには誕生してくることがあるのです。
その白いタヌキが一箇所に20頭以上も高密度で生息しているということは、この地域に白化する遺伝子が多く潜在していたことを物語っていました。
白いタヌキですから、とうぜん多くの人たちにも目撃されることになり、するとウワサとなって、珍しさも加わり、かなり捕獲されて、剥製になったりしてしまいました。
そしてその後、3年ほどで白いタヌキはこの地域からすべて消えてしまったのです。

（Photo：30年前に撮影した白いタヌキ。この写真以外は10年前の南信地方での写真です）

そのような歴史を見ていたボクは、遺伝子さえ他のタヌキたちに受け継がれていればそのうちに必ず復活してくるだろうと思いました。
そのときがくるのは20年後か30年後か&#8230;、それとももっと時間がかかってからなのかと、ひそかに期待して待っていたのです。
その期待を裏付けるような出会いが、先日こうしてあったのです。


このように、偶然にしても白いタヌキと出会えたということは、すでに確実に白いタヌキが存在しているということです。
ということは、この一頭だけとは限らないのかもしれません。
丁寧に調査をしていけば、まだまだ白いタヌキは見つかってくると思います。
そして、2～3年もすれば、もっともっと爆発的に白いタヌキが現れてくるのではないでしょうか。
その前ぶれとなる出会いをこうしてボクがしたのですから、30年前の再来が必ずあると信じています。


もっとも、10年ほど前の話ですが、直線で50kmほど離れた南信地方の地域でも白いタヌキの情報があり、ボクは写真を撮ったことがありました。
それが、数年間で少しずつ北上してきていることは分かっていたのですが、ここへ来てのこのたびの出現ですから、白いタヌキの遺伝子は30年くらいかけて少しずつ移動していっているのではないかと思います。
なので、これから5年間くらいの間に、中央アルプス山麓では白いタヌキがたくさん出現する可能性があります。
今から、そのときをワクワクして待っているのです。

（Photo：10年ほど前。南信地方のとある山麓公園。タヌキはこのような場所で昼間から遊んでいました）

（Photo：左端が母親で、６頭兄弟がうまれてそのうちの２頭が白いタヌキでした）

（Photo：白いからといって弱いわけではなく、とても元気に走り回っていました）

（Photo：母親は、白タヌキが可愛らしいのかさかんに舐めて愛情を示していました）

（Photo：このような普通のタヌキにも、白い遺伝子がどこかに入っているのかもしれません）

（Photo：白い兄弟タヌキも、とても仲がよかったです）

]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img width="451" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/tanuki001.jpg" />
<p>数日前の夜７時半ころでした。<br />
中央アルプス山麓に設置してある無人撮影ロボットカメラの点検をしようと、林道に車を乗り入れたときでした。<br />
ヘッドライトのなかに白いタヌキが現れて、林道を下ってくるところに出会いました。<br />
タヌキは、ボクの車に驚き一瞬できびすを返して、お尻を向けて全速力で歩いてきた道を逃げていきました。<br />
ボクは、車のアクセルを踏み、そのタヌキを少しでも観察しようとしましたが、タヌキは50ｍほど走ったところで道をそれて藪のなかに消えていきました。<br />
<br />
<br />
全力で走るタヌキの後ろ姿は、お尻を左右に小刻みに振ってぽんぽんぽんと弾むようにいきますから動きは独特です。<br />
そのタヌキは、たったの一頭だけで林道を歩いていましたが、実に30年ぶりの白いタヌキとの出会いにボクは嬉しくなりました。<br />
<br />
<br />
それというのも、いまから30年前、中央アルプス山麓の同じ場所に白いタヌキがたくさんいた時期がありました。<br />
どうも４平方キロほどの範囲に、20頭以上はいたのではないかと思われました。<br />
ときには、真っ白いタヌキだけが3頭も並んで歩く姿にも出会いました。<br />
当時白いタヌキはいたるところで目撃でき、それはこれまでになかった現象でした。</p>
<p>
<br />
<br />白いタヌキは、突然変異で生まれてくるアルピノです。<br />
色素をなくして誕生してきた白化現象の特異なタヌキだったのでした。<br />
両親が必ずしも白くなくても、普通のタヌキのなかに白化する遺伝子があると、数代のうちには誕生してくることがあるのです。<br />
その白いタヌキが一箇所に20頭以上も高密度で生息しているということは、この地域に白化する遺伝子が多く潜在していたことを物語っていました。<br />
白いタヌキですから、とうぜん多くの人たちにも目撃されることになり、するとウワサとなって、珍しさも加わり、かなり捕獲されて、剥製になったりしてしまいました。<br />
そしてその後、3年ほどで白いタヌキはこの地域からすべて消えてしまったのです。</p>
<p><img width="463" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/tanuki002.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：30年前に撮影した白いタヌキ。この写真以外は10年前の南信地方での写真です）</span>
<br />
<br />そのような歴史を見ていたボクは、遺伝子さえ他のタヌキたちに受け継がれていればそのうちに必ず復活してくるだろうと思いました。<br />
そのときがくるのは20年後か30年後か&hellip;、それとももっと時間がかかってからなのかと、ひそかに期待して待っていたのです。<br />
その期待を裏付けるような出会いが、先日こうしてあったのです。<br />
<br />
<br />
このように、偶然にしても白いタヌキと出会えたということは、すでに確実に白いタヌキが存在しているということです。<br />
ということは、この一頭だけとは限らないのかもしれません。<br />
丁寧に調査をしていけば、まだまだ白いタヌキは見つかってくると思います。<br />
そして、2～3年もすれば、もっともっと爆発的に白いタヌキが現れてくるのではないでしょうか。<br />
その前ぶれとなる出会いをこうしてボクがしたのですから、30年前の再来が必ずあると信じています。<br />
<br />
<br />
もっとも、10年ほど前の話ですが、直線で50kmほど離れた南信地方の地域でも白いタヌキの情報があり、ボクは写真を撮ったことがありました。<br />
それが、数年間で少しずつ北上してきていることは分かっていたのですが、ここへ来てのこのたびの出現ですから、白いタヌキの遺伝子は30年くらいかけて少しずつ移動していっているのではないかと思います。<br />
なので、これから5年間くらいの間に、中央アルプス山麓では白いタヌキがたくさん出現する可能性があります。<br />
今から、そのときをワクワクして待っているのです。</p>
<p><img width="440" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/tanuki008.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：10年ほど前。南信地方のとある山麓公園。タヌキはこのような場所で昼間から遊んでいました）</span>
<p><img width="496" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/tanuki003.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(128, 0, 128);">（Photo：左端が母親で、６頭兄弟がうまれてそのうちの２頭が白いタヌキでした）</span>
<p><img width="450" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/tanuki004.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：白いからといって弱いわけではなく、とても元気に走り回っていました）</span>
<p><img width="451" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/tanuki005.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：母親は、白タヌキが可愛らしいのかさかんに舐めて愛情を示していました）</span>
<p><img width="460" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/tanuki006.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：このような普通のタヌキにも、白い遺伝子がどこかに入っているのかもしれません）</span>
<p><img width="451" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/tanuki007.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：白い兄弟タヌキも、とても仲がよかったです）</span>

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		</item>
		<item>
		<title>満月のテン</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/%e3%83%86%e3%83%b3/284.html</link>
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		<pubDate>Sun, 01 Jan 2012 14:26:01 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[テン]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/?p=284</guid>
		<description><![CDATA[
（Photo：新雪を踏んで深夜静かに現れたテン）
冬になると山の「テン」は、毛皮がふかふかになり全身が美しい黄色になります。
しなやかに動く姿態はスリムで、表情も可愛らしく、動きは敏捷です。
それでいて、なかなか出会うことのできない動物なので、あこがれてしまいます。

そんなテンを厳冬の満月の夜に撮影しようと待ってみました。
中央アルプスの標高１６００ｍほどにある森のはずれの林道に車を停めて、そのなかから静かに待ってみたのです。
昼間、雪の上にテンの足跡を見つけてあったので、ひょっとしたら夜間に現れるのではないかと思いました。
夜間なので、ライトを照らすこともできないから、月明かりを利用してみようと思ったのです。

（Photo：満月のアルプスの夜）

ちょうど、満月でした。
月の明かりに目が慣れると、夜間なのにびっくりするくらい明るいことに驚きました。
しかし、めちゃくちゃに寒いです。
車のなかといえども、エンジンをかけられないのでジンジンと冷えてきます。
車内のガラスはボクの息であっというまに曇っていき、外を見ることもできません。
このため、窓ガラスを１０センチくらい開けて、とにかく息を殺しながら寝袋にくるまって雪の斜面に目をこらしました。

（Photo：満月を見ていると厳かな気分になってしまう）

満月の雪面をじっと見ていると、景色はいつも同じようにみえます。
これならテンを見つけるのも楽勝だと、最初は思いました。
しかしじっと月明かりの森を見ていると、ときどき幻影となって、台地のへこみや落ち葉までもが動物のように見えてなりません。
そのたびに、双眼鏡で確認するのですが、錯覚だったことを思い知らされがっかりするのでした。

そんなボクの視界に、やっと、何かが動く気配を感じました。
物音をだしてもいけないので、双眼鏡は使えません。
しかし、満月の明かりといっても、そこはやはり夜なので昼間のようなわけにはいきません。
もどかしい気持ちのまま、雪原に影が動いたようでしたので一応カメラのシャッターを切ってみました。
ストロボが一瞬に閃光して、あたりが真っ白になっただけで動物らしきものは視界には入りませんでした。
それでもと思い、デジタルカメラのモニターを起こしてみたら、そこには真黄色の美しいテンの姿があるではありませんか。
やっぱり、テンは来ていたのです。

（Photo：冬毛のテンは「キテン」ともよばれる）

この一発の閃光でテンはすっとんで逃げてしまいましたが、満月なのにどうしてテンの姿が見えなかったのだろうと不思議に思いました。
しばらく考えていると、月の光と黄色いテンの体色は同系色なので、真白い雪の上ではひょっとしたら保護色になっていて人間の目には見えなかったのではないか、と思いました。
テンは猫くらいなのだから１０メートルほどの距離で見えないハズはないのですが、やはりそこは見えなかったのです。
まさに、月のマジックでした。
月光下ではステルス行動がとれるように動物たちの毛皮が光を吸収してしまうのではないか、と思いました。
テンだけでなく、タヌキやキツネまでもが月の魔術のもとでは姿が見えなくなってしまうのです。
このためボクは、それからというもの月光下では動物の姿そのものではなく、「影」を追えばいいことに気づきました。


これも体験しなければ分からないのですが、森の妖精にはこうすれば会えることを覚えました。
テンは、これまで出会うのも撮影するのも極めて難しいと思っていた動物だけに、いちどそのポイントをつかんでしまうとあとは連立方程式を解くようにカンタンにコトが進むものです。
足跡や糞などもすぐにわかるようになりますから、テンの行動を知ることもできます。
ボクはこうして、「森の妖精」のテンをとうとう自分のものにしてしまったのです。

（Photo：テンの足跡）
&#160;

（Photo：冬の森で倒木の上を渡テン。まさに妖精のようにしなやかな肢体が美しい）
&#160;

（Photo：テンの糞。ヤマブドウの実です）
&#160;

（Photo：中央アルプス。月光浴の夜）

（Photo：雪穴から顔を出してきたテン）
&#160;

]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img width="496" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/ten3(1).jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：新雪を踏んで深夜静かに現れたテン）</span>
<p>冬になると山の「テン」は、毛皮がふかふかになり全身が美しい黄色になります。<br />
しなやかに動く姿態はスリムで、表情も可愛らしく、動きは敏捷です。<br />
それでいて、なかなか出会うことのできない動物なので、あこがれてしまいます。<br />
<br />
そんなテンを厳冬の満月の夜に撮影しようと待ってみました。<br />
中央アルプスの標高１６００ｍほどにある森のはずれの林道に車を停めて、そのなかから静かに待ってみたのです。<br />
昼間、雪の上にテンの足跡を見つけてあったので、ひょっとしたら夜間に現れるのではないかと思いました。<br />
夜間なので、ライトを照らすこともできないから、月明かりを利用してみようと思ったのです。</p>
<p><img width="496" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/ten4.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：満月のアルプスの夜）</span>
<br />
<br />ちょうど、満月でした。<br />
月の明かりに目が慣れると、夜間なのにびっくりするくらい明るいことに驚きました。<br />
しかし、めちゃくちゃに寒いです。<br />
車のなかといえども、エンジンをかけられないのでジンジンと冷えてきます。<br />
車内のガラスはボクの息であっというまに曇っていき、外を見ることもできません。<br />
このため、窓ガラスを１０センチくらい開けて、とにかく息を殺しながら寝袋にくるまって雪の斜面に目をこらしました。</p>
<p><img width="477" height="390" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/ten5.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：満月を見ていると厳かな気分になってしまう）</span>
<br />
<br />満月の雪面をじっと見ていると、景色はいつも同じようにみえます。<br />
これならテンを見つけるのも楽勝だと、最初は思いました。<br />
しかしじっと月明かりの森を見ていると、ときどき幻影となって、台地のへこみや落ち葉までもが動物のように見えてなりません。<br />
そのたびに、双眼鏡で確認するのですが、錯覚だったことを思い知らされがっかりするのでした。<br />
<br />
そんなボクの視界に、やっと、何かが動く気配を感じました。<br />
物音をだしてもいけないので、双眼鏡は使えません。<br />
しかし、満月の明かりといっても、そこはやはり夜なので昼間のようなわけにはいきません。<br />
もどかしい気持ちのまま、雪原に影が動いたようでしたので一応カメラのシャッターを切ってみました。<br />
ストロボが一瞬に閃光して、あたりが真っ白になっただけで動物らしきものは視界には入りませんでした。<br />
それでもと思い、デジタルカメラのモニターを起こしてみたら、そこには真黄色の美しいテンの姿があるではありませんか。<br />
やっぱり、テンは来ていたのです。</p>
<p><img width="497" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/ten8.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：冬毛のテンは「キテン」ともよばれる）</span>
<br />
<br />この一発の閃光でテンはすっとんで逃げてしまいましたが、満月なのにどうしてテンの姿が見えなかったのだろうと不思議に思いました。<br />
しばらく考えていると、月の光と黄色いテンの体色は同系色なので、真白い雪の上ではひょっとしたら保護色になっていて人間の目には見えなかったのではないか、と思いました。<br />
テンは猫くらいなのだから１０メートルほどの距離で見えないハズはないのですが、やはりそこは見えなかったのです。<br />
まさに、月のマジックでした。<br />
月光下ではステルス行動がとれるように動物たちの毛皮が光を吸収してしまうのではないか、と思いました。<br />
テンだけでなく、タヌキやキツネまでもが月の魔術のもとでは姿が見えなくなってしまうのです。<br />
このためボクは、それからというもの月光下では動物の姿そのものではなく、「影」を追えばいいことに気づきました。<br />
<br />
<br />
これも体験しなければ分からないのですが、森の妖精にはこうすれば会えることを覚えました。<br />
テンは、これまで出会うのも撮影するのも極めて難しいと思っていた動物だけに、いちどそのポイントをつかんでしまうとあとは連立方程式を解くようにカンタンにコトが進むものです。<br />
足跡や糞などもすぐにわかるようになりますから、テンの行動を知ることもできます。<br />
ボクはこうして、「森の妖精」のテンをとうとう自分のものにしてしまったのです。</p>
<p><img width="496" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/ten12.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：テンの足跡）</span>
<p>&nbsp;</p>
<p><img width="496" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/ten6.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：</span><span style="color: rgb(153, 51, 102);">冬の森で倒木の上を渡テン。まさに妖精のようにしなやかな肢体が美しい</span><span style="color: rgb(153, 51, 102);">）</span>
<p>&nbsp;</p>
<p><img width="440" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/ten9.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：テンの糞。ヤマブドウの実です）</span>
<p>&nbsp;</p>
<p><img width="496" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/ten7.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：中央アルプス。月光浴の夜）</span>
<p><img width="493" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/ten1.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：雪穴から顔を出してきたテン）</span>
<p>&nbsp;</p>

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		</item>
		<item>
		<title>沖縄の飛べない不思議な鳥　ヤンバルクイナ</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/bird/272.html</link>
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		<pubDate>Tue, 29 Nov 2011 15:25:14 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[ヤンバルクイナ]]></category>

		<category><![CDATA[野鳥]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/?p=272</guid>
		<description><![CDATA[
（Photo：ヤンバルクイナ。顔や動きは古代の恐竜のような風貌です）


先日、沖縄のヤンバルにいってきました。
ヤンバルは沖縄本島の北部にある広大な密林地帯です。
ヤンバルを漢字で書けば「山原」ですから、たしかに山が原っぱのように広く濃密にひろがっています。

そのヤンバルには、飛べない野鳥の「ヤンバルクイナ」が生息しています。
もちろん、ボクはそのヤンバルクイナに出会いたくてでかけました。
ヤンバルクイナは、世界的にもここヤンバルの森だけにしか生息しておらず、数も少ないし珍しく、沖縄が世界に誇れる貴重な野鳥です。
それだけに、なかなかそう簡単には出会えるような野鳥ではありません。
ボクも、これまで何年も何回も挑戦してきましたが、まったくダメでした。
&#160;

（Photo：山原《ヤンバル》の森は深く広くどこまでもつづきます）

（Photo：山原《ヤンバル》にいくと、このような巨大なヤンバルクイナの展望台が迎えてくれます）


（Photo：やんばる地方に行くと、このような道路標識があります。交通事故も心配です。）

そのヤンバルクイナですが、はじめはどのように鳴くかもまったくわかりませんでした。
ところが、密林の中でけたたましく「ケレケレケレケレ・・・・」と響く声があり、その声がヤンバルクイナの声だとわかった時から、ボクにはヤンバルクイナ探しのコツがつかめたのです。
この声だったら、何年か前にも聞いたことがありますが、まさかそれがヤンバルクイナだとは当時思いもよりませんでした。
静かに深い森に向かって耳をすませていると、遠く近くいろんなところで「ケレケレケレ・・・」と鳴くのがわかります。

ここまでわかれば、あとは密林に入って静かに待つしかありません。
藪蚊の攻勢にあいながらも、毒蛇のハブに注意しながら待ちました。
すると、50メートルほどのところからいきなりヤンバルクイナの声が聞こえてくるではありませんか。

確かに、「いる」。
それも、近所に。
でも、姿はみえない。
しかし、確実にヤンバルクイナはいる。

そんなはやる気持ちをおさえながら、とにかく、静かに待ってみました。
密林の樹影で息をひそめていれば、ヤンバルクイナはどこかに必ず出てくるハズ。
たぶん、ボクはまだヤンバルクイナに見つかっていないハズだから、地面だけを注意していればいいと思いました。

そんなボクの緊張とは裏腹に、ヤンバルクイナはいきなり姿を見せてくれました。
20メートルほど先の密林の草陰で、真っ赤なくちばしをしたハトくらいの大きさの野鳥がボクのほうをじっと見つめています。それは、まぎれもないヤンバルクイナです。
撮影したいとはやる気持ちを押さえながら、このようなときは絶対に動いてはならないことを経験から知っています。
とにかく、ヤンバルイナのほうで動いてくれるまで、こちらは待つしかありません。
&#160;

（Photo：）森陰から、赤い嘴と目でこちらを静かに見ています）


すると、ヤンバルクイナはそろりそろりと広場に全身を見せてきました。
足も、くちばしと同じように真っ赤です。
広場の地面で、なにやら種子のようなものを探してはくちばしで摘んでいます。
それをみてボクは、もう撮影しても大丈夫だ、と思いました。
三脚につけたカメラの望遠レンズをゆっくり向けて、連写をしてみました。
意外にも、シャッターの音にはまったく反応を示しません。
これなら、カメラのファインダーにかぶりついたまま、ヤンバルクイナの動きにあわせてレンズを振っていけばいい、直感的にそう思いました。

ヤンバルクイナは、そのまま２０分ばかり広場に姿を見せてくれました。
ゆっくり歩きながら、周囲に警戒の気配りをし、ときには10メートルほどのところまでやってきてくれたではありませんか。
これにはボクのほうが驚いてしまいましたが、ふだんから密林に生活している野鳥だから、人間に対してはそれほど警戒心も強くないのではないかと思えました。

こうして、ボクはとうとう幻の野鳥ともいえるヤンバルクイナに出会うことができたのです。
太古の昔にいた「始祖鳥」のよう表情をした不思議な魔力を宿しているような風貌。
進化の過程で飛ぶ必要性を感じないまま沖縄の山原にいままで生き延びてきた野鳥だから、古くから島にいなかった動物などの進入があれば、あっという間に捕まってしまうのも実感できました。
人間が変えてきてしまった島の自然だから、貴重な種が絶滅してしまわないように、私たち日本人が守っていかなければならない野鳥なのだと実感しました。



（Photo：赤い嘴と目は、太古の恐竜のようで不気味です）


（Photo：歩く野鳥だけに、足は大きくて丈夫そうです）


（Photo：つがいのヤンバルクイナ。２羽づれでやってきてくれたのはラッキーでした）



（Photo：泥についたヤンバルクイナの足跡）


（Photo：ヤンバルクイナの糞。鳥そのものだけでなく糞や足跡、鳴き声を観察するのも大事）


（Photo：パッションフルーツが近所の農園で咲いていました）


（Photo：南米原産のトックリキワタという木が街路樹になっていました）



]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img width="460" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina012.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：ヤンバルクイナ。顔や動きは古代の恐竜のような風貌です）<br />
<br />
</span>
<p>先日、沖縄のヤンバルにいってきました。<br />
ヤンバルは沖縄本島の北部にある広大な密林地帯です。<br />
ヤンバルを漢字で書けば「山原」ですから、たしかに山が原っぱのように広く濃密にひろがっています。<br />
<br />
そのヤンバルには、飛べない野鳥の「ヤンバルクイナ」が生息しています。<br />
もちろん、ボクはそのヤンバルクイナに出会いたくてでかけました。<br />
ヤンバルクイナは、世界的にもここヤンバルの森だけにしか生息しておらず、数も少ないし珍しく、沖縄が世界に誇れる貴重な野鳥です。<br />
それだけに、なかなかそう簡単には出会えるような野鳥ではありません。<br />
ボクも、これまで何年も何回も挑戦してきましたが、まったくダメでした。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina001.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：山原《ヤンバル》の森は深く広くどこまでもつづきます）</span>
<p><img width="440" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina004.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：山原《ヤンバル》にいくと、このような巨大なヤンバルクイナの展望台が迎えてくれます）<br />
</span>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina011.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：やんばる地方に行くと、このような道路標識があります。交通事故も心配です。）</span>
<p>
<br />そのヤンバルクイナですが、はじめはどのように鳴くかもまったくわかりませんでした。<br />
ところが、密林の中でけたたましく「ケレケレケレケレ・・・・」と響く声があり、その声がヤンバルクイナの声だとわかった時から、ボクにはヤンバルクイナ探しのコツがつかめたのです。<br />
この声だったら、何年か前にも聞いたことがありますが、まさかそれがヤンバルクイナだとは当時思いもよりませんでした。<br />
静かに深い森に向かって耳をすませていると、遠く近くいろんなところで「ケレケレケレ・・・」と鳴くのがわかります。<br />
<br />
ここまでわかれば、あとは密林に入って静かに待つしかありません。<br />
藪蚊の攻勢にあいながらも、毒蛇のハブに注意しながら待ちました。<br />
すると、50メートルほどのところからいきなりヤンバルクイナの声が聞こえてくるではありませんか。<br />
<br />
確かに、「いる」。<br />
それも、近所に。<br />
でも、姿はみえない。<br />
しかし、確実にヤンバルクイナはいる。<br />
<br />
そんなはやる気持ちをおさえながら、とにかく、静かに待ってみました。<br />
密林の樹影で息をひそめていれば、ヤンバルクイナはどこかに必ず出てくるハズ。<br />
たぶん、ボクはまだヤンバルクイナに見つかっていないハズだから、地面だけを注意していればいいと思いました。<br />
<br />
そんなボクの緊張とは裏腹に、ヤンバルクイナはいきなり姿を見せてくれました。<br />
20メートルほど先の密林の草陰で、真っ赤なくちばしをしたハトくらいの大きさの野鳥がボクのほうをじっと見つめています。それは、まぎれもないヤンバルクイナです。<br />
撮影したいとはやる気持ちを押さえながら、このようなときは絶対に動いてはならないことを経験から知っています。<br />
とにかく、ヤンバルイナのほうで動いてくれるまで、こちらは待つしかありません。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="460" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina003.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：）森陰から、赤い嘴と目でこちらを静かに見ています）</span>
<br />
<br />
<br />すると、ヤンバルクイナはそろりそろりと広場に全身を見せてきました。<br />
足も、くちばしと同じように真っ赤です。<br />
広場の地面で、なにやら種子のようなものを探してはくちばしで摘んでいます。<br />
それをみてボクは、もう撮影しても大丈夫だ、と思いました。<br />
三脚につけたカメラの望遠レンズをゆっくり向けて、連写をしてみました。<br />
意外にも、シャッターの音にはまったく反応を示しません。<br />
これなら、カメラのファインダーにかぶりついたまま、ヤンバルクイナの動きにあわせてレンズを振っていけばいい、直感的にそう思いました。<br />
<br />
ヤンバルクイナは、そのまま２０分ばかり広場に姿を見せてくれました。<br />
ゆっくり歩きながら、周囲に警戒の気配りをし、ときには10メートルほどのところまでやってきてくれたではありませんか。<br />
これにはボクのほうが驚いてしまいましたが、ふだんから密林に生活している野鳥だから、人間に対してはそれほど警戒心も強くないのではないかと思えました。<br />
<br />
こうして、ボクはとうとう幻の野鳥ともいえるヤンバルクイナに出会うことができたのです。<br />
太古の昔にいた「始祖鳥」のよう表情をした不思議な魔力を宿しているような風貌。<br />
進化の過程で飛ぶ必要性を感じないまま沖縄の山原にいままで生き延びてきた野鳥だから、古くから島にいなかった動物などの進入があれば、あっという間に捕まってしまうのも実感できました。<br />
人間が変えてきてしまった島の自然だから、貴重な種が絶滅してしまわないように、私たち日本人が守っていかなければならない野鳥なのだと実感しました。<br />
<br />
<br />
<img width="460" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina008.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：赤い嘴と目は、太古の恐竜のようで不気味です）<br />
</span>
<p><img width="440" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina005.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：歩く野鳥だけに、足は大きくて丈夫そうです）<br />
</span>
<p><img width="460" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina006.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：つがいのヤンバルクイナ。２羽づれでやってきてくれたのはラッキーでした）<br />
<br />
</span>
<p><img width="440" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina009.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：泥についたヤンバルクイナの足跡）<br />
</span>
<p><img width="440" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina010.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：ヤンバルクイナの糞。鳥そのものだけでなく糞や足跡、鳴き声を観察するのも大事）<br />
</span>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina013.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：パッションフルーツが近所の農園で咲いていました）<br />
</span>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/kuina014.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：南米原産のトックリキワタという木が街路樹になっていました）<br />
<br />
</span>

]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/bird/272.html/feed</wfw:commentRss>
		</item>
		<item>
		<title>南アルプスの「相思鳥」（ソウシチョウ）</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/bird/264.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/bird/264.html#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 28 Oct 2011 14:03:36 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[野鳥]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/?p=264</guid>
		<description><![CDATA[
（Photo：仲良く二羽でとまっているソウシチョウ。夫婦でしょうか）
秋の南アルプス山麓の小さな村に出かけました。
過疎地で空き家だらけとなった集落の竹藪付近で、ボクは聞きなれない野鳥の声を聞きました。

『ビョッビョッビョッ　チョウーホイ　チョーホイ　チョーホイ　&#8230;　』

こんな声を聞いて、はて、いまのは何の鳥だろう？
と耳を疑ってしまいました。
野鳥の声はほとんど聞き分けられるボクですが、さすがにすぐには答えのでない鳴き声でした。

なんだろう&#8230;？
なんだろう&#8230;？
そう思っていると、もしやこの声は「ソシチョウ」ではないか、と思いました。
&#160;

（Photo：ウメモドキの実）

ソウシチョウはインドや中国、ベトナム、ミャンマーなどに自然分布している野鳥です。
それなのに、近年は九州から東北地方にいたる広範囲で野生化が伝えられています。
このため、特定外来生物にも指定され、
日本における侵略的外来種ワースト100に選定もされています。

ソウシチョウは可愛らしい野鳥でもあり、
夫婦仲のいいことから中国では「相思鳥」とも呼ばれ、
日本にも半世紀も前から愛玩用に大量に輸入されてきました。
また、ソウシチョウは大食漢でたくさんの糞をするため、
美肌効果に適するとされるウグイスの糞の代用にもされてきたようです。
このため、日本にも大量にソウシチョウが輸入されてきていましたから、
「籠抜け」して野生化してしまった可能性は充分考えられます。

ソウシチョウの知識のなかにボクはこのくらいのことはわかっていましたから、
声を聞いた瞬間に「ソウシチョウ」ではないかと思ってしまいました。
声のする竹藪を双眼鏡で観察していると、
やがてその声の主たちが２０羽ばかりの群れとなって背後の山林に舞っていきました。
そのときの姿は、身体の大きさやメジロのような飛翔から、
ソウシチョウにまちがいないと確信しました。
&#160;

（Photo：ソウシチョウ。まるで、蝋細工のような印象をうけてしまう可愛らしさです。）
&#160;

こうしてボクは、長野県の南アルプス山麓で
ソウシチョウをはじめて目撃することができました。
やはり、長野県でも野生化していたことを、複雑な気持ちで迎えてしまったのです。
こんな経験をしたのが６年ほど前でしたが、
その後、中央アルプス山麓でも3度ソウシチョウに会いました。
どうやら、ソウシチョウは確実に長野県にも定着していたのでした。

ソウシチョウは、いつも２０～３０羽の群れでいます。
そして、独特な声で鳴き交わしながらひっそりと移動していきます。
あるときは、雑木林だったり、またある時はスズタケやクマザサの竹林だったりします。
あまりオープンなところへは出なくて、
藪のなかをひっそりと潜行移動していることが多いみたいです。
だから、その姿をなかなか見つけにくいのだと思います。
&#160;

（Photo：地上で落ち葉の下からエサをさがしています）

しかし、そんなソウシチョウに出会ってしまうと、
やはり文句なく可愛いからうれしくなってしまいます。
嘴が真っ赤で、目はつぶらな黒、
体はウグイス色で翼には黄色や赤い縞模様があって人をあまり警戒しません。
ときには、３メートルくらいの至近距離でも会えますから、
可愛さだけが印象に残ってしまいます。

あまりにも可愛らしいから、
つい外来生物であることを忘れてしまって許したくなってしまいますが、
目の前から飛び去ってしまうとフクザツな気分になります。
正直いって、日本の自然に野生化してほしくない野鳥ですが、
もはや、このソウシチョウを日本の空から追放することはできないでしょう。
そのくらい日本の自然界に確実に定着して増えて、溶け込んでしまいましたから。
&#160;

（Photo：遠くアジアからやってきて、日本のアルプスの住み心地はどうでしょうか）



（Photo：山はすっかり秋色）
&#160;

（Photo：背中はメジロに似ていますが、翼の派手な色彩はメジロではありません）



（Photo：ちょっと警戒のしぐさです。これでカメラとの距離は２メートル）



]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img width="457" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/３.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：仲良く二羽でとまっているソウシチョウ。夫婦でしょうか）</span>
<p>秋の南アルプス山麓の小さな村に出かけました。<br />
過疎地で空き家だらけとなった集落の竹藪付近で、ボクは聞きなれない野鳥の声を聞きました。<br />
<br />
『ビョッビョッビョッ　チョウーホイ　チョーホイ　チョーホイ　&hellip;　』<br />
<br />
こんな声を聞いて、はて、いまのは何の鳥だろう？<br />
と耳を疑ってしまいました。<br />
野鳥の声はほとんど聞き分けられるボクですが、さすがにすぐには答えのでない鳴き声でした。<br />
<br />
なんだろう&hellip;？<br />
なんだろう&hellip;？<br />
そう思っていると、もしやこの声は「ソシチョウ」ではないか、と思いました。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/20071111umemodoki.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：ウメモドキの実）</span>
<p>
<br />ソウシチョウはインドや中国、ベトナム、ミャンマーなどに自然分布している野鳥です。<br />
それなのに、近年は九州から東北地方にいたる広範囲で野生化が伝えられています。<br />
このため、特定外来生物にも指定され、<br />
日本における侵略的外来種ワースト100に選定もされています。<br />
<br />
ソウシチョウは可愛らしい野鳥でもあり、<br />
夫婦仲のいいことから中国では「相思鳥」とも呼ばれ、<br />
日本にも半世紀も前から愛玩用に大量に輸入されてきました。<br />
また、ソウシチョウは大食漢でたくさんの糞をするため、<br />
美肌効果に適するとされるウグイスの糞の代用にもされてきたようです。<br />
このため、日本にも大量にソウシチョウが輸入されてきていましたから、<br />
「籠抜け」して野生化してしまった可能性は充分考えられます。<br />
<br />
ソウシチョウの知識のなかにボクはこのくらいのことはわかっていましたから、<br />
声を聞いた瞬間に「ソウシチョウ」ではないかと思ってしまいました。<br />
声のする竹藪を双眼鏡で観察していると、<br />
やがてその声の主たちが２０羽ばかりの群れとなって背後の山林に舞っていきました。<br />
そのときの姿は、身体の大きさやメジロのような飛翔から、<br />
ソウシチョウにまちがいないと確信しました。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="457" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/sosi001.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：ソウシチョウ。まるで、蝋細工のような印象をうけてしまう可愛らしさです。）</span>
<br />&nbsp;</p>
<p>
<br />こうしてボクは、長野県の南アルプス山麓で<br />
ソウシチョウをはじめて目撃することができました。<br />
やはり、長野県でも野生化していたことを、複雑な気持ちで迎えてしまったのです。<br />
こんな経験をしたのが６年ほど前でしたが、<br />
その後、中央アルプス山麓でも3度ソウシチョウに会いました。<br />
どうやら、ソウシチョウは確実に長野県にも定着していたのでした。<br />
<br />
ソウシチョウは、いつも２０～３０羽の群れでいます。<br />
そして、独特な声で鳴き交わしながらひっそりと移動していきます。<br />
あるときは、雑木林だったり、またある時はスズタケやクマザサの竹林だったりします。<br />
あまりオープンなところへは出なくて、<br />
藪のなかをひっそりと潜行移動していることが多いみたいです。<br />
だから、その姿をなかなか見つけにくいのだと思います。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="458" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/sosi002.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：地上で落ち葉の下からエサをさがしています）</span>
<br />
<br />しかし、そんなソウシチョウに出会ってしまうと、<br />
やはり文句なく可愛いからうれしくなってしまいます。<br />
嘴が真っ赤で、目はつぶらな黒、<br />
体はウグイス色で翼には黄色や赤い縞模様があって人をあまり警戒しません。<br />
ときには、３メートルくらいの至近距離でも会えますから、<br />
可愛さだけが印象に残ってしまいます。<br />
<br />
あまりにも可愛らしいから、<br />
つい外来生物であることを忘れてしまって許したくなってしまいますが、<br />
目の前から飛び去ってしまうとフクザツな気分になります。<br />
正直いって、日本の自然に野生化してほしくない野鳥ですが、<br />
もはや、このソウシチョウを日本の空から追放することはできないでしょう。<br />
そのくらい日本の自然界に確実に定着して増えて、溶け込んでしまいましたから。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/aki001.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：遠くアジアからやってきて、日本のアルプスの住み心地はどうでしょうか）<br />
<br />
</span>
<p><img width="315" height="420" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/R0011737.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：山はすっかり秋色）</span>
<br />&nbsp;</p>
<p><img width="276" height="420" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/sosi004.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：背中はメジロに似ていますが、翼の派手な色彩はメジロではありません）<br />
<br />
</span>
<p><img width="463" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/sosi007.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：ちょっと警戒のしぐさです。これでカメラとの距離は２メートル）<br />
<br />
</span>

]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/bird/264.html/feed</wfw:commentRss>
		</item>
		<item>
		<title>森の妖精の危機</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/kinoko/252.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/kinoko/252.html#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 27 Sep 2011 14:50:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[キノコ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/?p=252</guid>
		<description><![CDATA[
（Photo：名前不詳／小さくて可憐なキノコが朽木にいる様子はポエムのようです）


秋といえばキノコのシーズン。
信州の秋の山でキノコ採りを楽しみにしているファンはとても多いです。

この秋も、知人からさっそく声をかけられました。
「ガクさぁー　キノコ要るかい？」
「キノコって、何&#8230;？」
「マツタケさぁー」
マツタケは嫌いではないけれど、高価だし買ってまでして食べることでもない、とボクはいつも思っています。
でも、知人がくれるというのでありがたく頂戴しました。

そのときに、
「ガクさぁ、困ったもんだぜ。
最近はニホンジカがマツタケを食べるようになってしまってよぅ、ほら、キノコの頭はこんな具合さ&#8230;」
そういって見せてもらったマツタケは、見事に一番美味しそうな頭の部分がなくなっているのです。
これには、ボクも驚きました。

近年は、ニホンジカたいへん増えてきて、高山植物を食べてしまったり、
若い樹木の新芽や木の皮はもちろんのこと、
毒草までも食べたりと、いろんな食害も起きてきています。
しかしまさかマツタケをこんなにも好んで食べているとは知りませんでした。
しかも、太くて立派な高価そうなマツタケだけを選ぶようにして食べているのだそうです。
国産マツタケは、巷間ではほんとうに高価で取引されています。
そんな人間社会をよそに、ニホンジカは秋の山野でマツタケを無料でグルメしていたのです。
&#160;

（photo：マツタケ／頭をシカに食べられて無残な形となってしまったマツタケ）


ところで、今年の山でのキノコ狩りと言えば、
どうしても心配になってくるのが、放射性物質が含まれていないかということです。
これまでもキノコは放射性物質を積極的に吸収すると言われてきました。
それはチェルノブイリの事故の後に、
野生のキノコや野いちごをずっと食べてきた人々に影響が出てきて問題になっていたのですが、
日本では遠く離れた世界の話だと他人事のように見て見ぬフリをしてきたのです。

しかしやはり、今回の原発事故で
東北地方の野生キノコから高濃度の放射性物質が検出されました。
こうやって大変な被害にあってみて初めて、
「自然界からのサイン」を感じることができるのかもしれません。
こんな事態が起こってしまってからでは遅いのですが・・。


たしかに、キノコの生育環境を見ていけば、それは理詰めで納得できることばかりです。
大気から降り注いだ放射能は、土の表面や落ち葉や枯れ木にたまるでしょう。
そしてキノコは、その最も放射性物質の一番溜まりやすい地表面を割って出てくる菌類で、
しかも成長が著しく早く、周囲の水分と栄養分を一緒に吸収しながら出てきます。
森の中でキノコに出会うと、まるで森の精に出会ったように嬉しくなりますが、
美しい森の妖精は、栄養分と一緒に毒も吸収しやすいという悲しい運命にあるようです。

人間が食べられない「毒キノコ」はとても怖いです。
しっかりキノコを見分けられる目がない場合は、
野生のキノコに安易に手を出してはいけないと、ボクはずっと注意してきました。

ところが、安全とわかっている美味しい野生のシメジやナメコや、マツタケのような高価なものにまで、
今度は放射能というやっかいな「毒」が含まれるようになってしまいました。
その毒は、毒キノコのように食べたからといってすぐに体調を崩すようなものではないかもしれません。
しかし内部被ばくで身体の中に入った微量の放射能が、
骨などに入り身体の中からずっと被ばくさせていってしまうという、
「毒」よりやっかいなものになってしまったのです。


地球が誕生して４６億年、「新人」としての人間の誕生は２００万年前と言われています。
そして、現代人とおなじような人間はせいぜい１万年ほどの時間しかありません。
それなのに、たった数十年の間に、「原子力」という、
自然界がこれまで経験したことのないエネルギーを、人間は作り出してしまいました。

そして今回の事故は日本人の全員が、事故の収束を見届けることはできないだろう、
とまでいわれている取り返しのできない大変な事故です。
まさに地球の規模から見たら、現代人の想像範囲を越えてしまった大事故です。
その影響が、キノコのような小さな物質にまで影を落としているのですから、
環境とはすべてがつながりあっていることに気づかされます。

これまでキノコの姿を見ながら美しい自然を感じ、「ポエム」の世界に浸ってきましたが、
これからはどうしても見る目が変わってしまいます。
そのキノコがどう生きているのかといった
生育環境の深いところにまで思いをはせなければならないのかもしれません。

食用キノコも毒キノコも、同じ運命にしてしまった人間の罪を感じます。
キノコと同じように、人間自身も地球上のほんの片隅に住まわせてもらっている「動物」に過ぎませんから、
まさに地球に保護されて生きている私たちです。
その大家さんである地球をこんなかたちで汚してしまったのですから、
大家さんが怒ってしまうかもしれません。
&#160;

（Photo：クリタケ／朽木から発生するクリタケは美味しい食菌だ）



（Photo：エノキタケ／初雪が降ってもでてくるエノキタケはとても美味しい）



（Photo：名前不詳／パンのように美味しそうにみえるけれど、分からないキノコは絶対食べないこと）



（Photo：テングタケ／猛毒をもち、人を殺してしまうことある危険なキノコ）



（Photo：ベニテングタケ／とても美しいキノコだけれど、これも猛毒をもっている）


  
（Photo：カラカサタケ／ほんと傘のようにみえるキノコで似たものもありときには中毒を起こすことも&#8230;）



（Photo：ハタケシメジ／人間の小便から生えるといわれているが、とても美味しいキノコ）



（Photo：アミガサタケ／名前のとおり編み笠を冠ったようなキノコで、畑などに大発生することがある）





]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img width="440" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/02(1).jpg" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：名前不詳</span><span style="color: rgb(128, 0, 128);">／</span><span style="color: rgb(153, 51, 102);">小さくて可憐なキノコが朽木にいる様子はポエムのようです）<br />
<br />
</span>
<p>秋といえばキノコのシーズン。<br />
信州の秋の山でキノコ採りを楽しみにしているファンはとても多いです。<br />
<br />
この秋も、知人からさっそく声をかけられました。<br />
「ガクさぁー　キノコ要るかい？」<br />
「キノコって、何&hellip;？」<br />
「マツタケさぁー」<br />
マツタケは嫌いではないけれど、高価だし買ってまでして食べることでもない、とボクはいつも思っています。<br />
でも、知人がくれるというのでありがたく頂戴しました。<br />
<br />
そのときに、<br />
「ガクさぁ、困ったもんだぜ。<br />
最近はニホンジカがマツタケを食べるようになってしまってよぅ、ほら、キノコの頭はこんな具合さ&hellip;」<br />
そういって見せてもらったマツタケは、見事に一番美味しそうな頭の部分がなくなっているのです。<br />
これには、ボクも驚きました。<br />
<br />
近年は、ニホンジカたいへん増えてきて、高山植物を食べてしまったり、<br />
若い樹木の新芽や木の皮はもちろんのこと、<br />
毒草までも食べたりと、いろんな食害も起きてきています。<br />
しかしまさかマツタケをこんなにも好んで食べているとは知りませんでした。<br />
しかも、太くて立派な高価そうなマツタケだけを選ぶようにして食べているのだそうです。<br />
国産マツタケは、巷間ではほんとうに高価で取引されています。<br />
そんな人間社会をよそに、ニホンジカは秋の山野でマツタケを無料でグルメしていたのです。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="440" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/09matutake.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(128, 0, 128);">（photo：マツタケ</span><span style="color: rgb(128, 0, 128);">／</span><span style="color: rgb(128, 0, 128);">頭をシカに食べられて無残な形となってしまったマツタケ）</span>
<br />
<br />
<br />ところで、今年の山でのキノコ狩りと言えば、<br />
どうしても心配になってくるのが、放射性物質が含まれていないかということです。<br />
これまでもキノコは放射性物質を積極的に吸収すると言われてきました。<br />
それはチェルノブイリの事故の後に、<br />
野生のキノコや野いちごをずっと食べてきた人々に影響が出てきて問題になっていたのですが、<br />
日本では遠く離れた世界の話だと他人事のように見て見ぬフリをしてきたのです。<br />
<br />
しかしやはり、今回の原発事故で<br />
東北地方の野生キノコから高濃度の放射性物質が検出されました。<br />
こうやって大変な被害にあってみて初めて、<br />
「自然界からのサイン」を感じることができるのかもしれません。<br />
こんな事態が起こってしまってからでは遅いのですが・・。<br />
<br />
<br />
たしかに、キノコの生育環境を見ていけば、それは理詰めで納得できることばかりです。<br />
大気から降り注いだ放射能は、土の表面や落ち葉や枯れ木にたまるでしょう。<br />
そしてキノコは、その最も放射性物質の一番溜まりやすい地表面を割って出てくる菌類で、<br />
しかも成長が著しく早く、周囲の水分と栄養分を一緒に吸収しながら出てきます。<br />
森の中でキノコに出会うと、まるで森の精に出会ったように嬉しくなりますが、<br />
美しい森の妖精は、栄養分と一緒に毒も吸収しやすいという悲しい運命にあるようです。<br />
<br />
人間が食べられない「毒キノコ」はとても怖いです。<br />
しっかりキノコを見分けられる目がない場合は、<br />
野生のキノコに安易に手を出してはいけないと、ボクはずっと注意してきました。<br />
<br />
ところが、安全とわかっている美味しい野生のシメジやナメコや、マツタケのような高価なものにまで、<br />
今度は放射能というやっかいな「毒」が含まれるようになってしまいました。<br />
その毒は、毒キノコのように食べたからといってすぐに体調を崩すようなものではないかもしれません。<br />
しかし内部被ばくで身体の中に入った微量の放射能が、<br />
骨などに入り身体の中からずっと被ばくさせていってしまうという、<br />
「毒」よりやっかいなものになってしまったのです。<br />
<br />
<br />
地球が誕生して４６億年、「新人」としての人間の誕生は２００万年前と言われています。<br />
そして、現代人とおなじような人間はせいぜい１万年ほどの時間しかありません。<br />
それなのに、たった数十年の間に、「原子力」という、<br />
自然界がこれまで経験したことのないエネルギーを、人間は作り出してしまいました。<br />
<br />
そして今回の事故は日本人の全員が、事故の収束を見届けることはできないだろう、<br />
とまでいわれている取り返しのできない大変な事故です。<br />
まさに地球の規模から見たら、現代人の想像範囲を越えてしまった大事故です。<br />
その影響が、キノコのような小さな物質にまで影を落としているのですから、<br />
環境とはすべてがつながりあっていることに気づかされます。<br />
<br />
これまでキノコの姿を見ながら美しい自然を感じ、「ポエム」の世界に浸ってきましたが、<br />
これからはどうしても見る目が変わってしまいます。<br />
そのキノコがどう生きているのかといった<br />
生育環境の深いところにまで思いをはせなければならないのかもしれません。<br />
<br />
食用キノコも毒キノコも、同じ運命にしてしまった人間の罪を感じます。<br />
キノコと同じように、人間自身も地球上のほんの片隅に住まわせてもらっている「動物」に過ぎませんから、<br />
まさに地球に保護されて生きている私たちです。<br />
その大家さんである地球をこんなかたちで汚してしまったのですから、<br />
大家さんが怒ってしまうかもしれません。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="440" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/01kuritake.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(128, 0, 128);">（Photo：クリタケ</span><span style="color: rgb(128, 0, 128);">／</span><span style="color: rgb(128, 0, 128);">朽木から発生するクリタケは美味しい食菌だ）<br />
<br />
</span>
<p><img width="440" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/03enokitake.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(128, 0, 128);">（Photo：エノキタケ／初雪が降ってもでてくるエノキタケはとても美味しい）<br />
<br />
</span>
<p><img width="360" height="480" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/04(1).jpg" />
<br /><span style="color: rgb(128, 0, 128);">（Photo：名前不詳／パンのように美味しそうにみえるけれど、分からないキノコは絶対食べないこと）<br />
<br />
</span>
<p><img width="360" height="480" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/05tengutake.jpg" />
<br /><span style="color: rgb(128, 0, 128);">（Photo：テングタケ／猛毒をもち、人を殺してしまうことある危険なキノコ）<br />
<br />
</span>
<p><span style="color: rgb(128, 0, 128);"><img width="451" height="300" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/06benitengutake.jpg" />
<br />（Photo：ベニテングタケ／とても美しいキノコだけれど、これも猛毒をもっている）<br />
<br />
</span>
<p><span style="color: rgb(128, 0, 128);">  <img width="319" height="480" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/07karakasa.jpg" alt="" />
<br />（Photo：カラカサタケ／ほんと傘のようにみえるキノコで似たものもありときには中毒を起こすことも&hellip;）<br />
<br />
</span>
<p><span style="color: rgb(128, 0, 128);"><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/08hatakesimeji.jpg" alt="" />
<br />（Photo：ハタケシメジ／人間の小便から生えるといわれているが、とても美味しいキノコ）<br />
<br />
<br />
<img width="440" height="330" alt="" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/10amigasatake.jpg" />
<br />（Photo：アミガサタケ／名前のとおり編み笠を冠ったようなキノコで、畑などに大発生することがある）<br />
<br />
<br />
<br />
</span>

]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/kinoko/252.html/feed</wfw:commentRss>
		</item>
		<item>
		<title>月の魔力と人工の明かり</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/kankyou/244.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/kankyou/244.html#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 28 Aug 2011 16:20:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[環境問題]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/?p=244</guid>
		<description><![CDATA[
&#160;
夜の森は、とても神秘的です。
私たち人間には、真っ暗で恐ろしいところのように感じますが、そんなところではありません。
ボクはこれまでたくさんの夜の森をみてきました。

夜の森は、意外によく見えるものです。
実際に夜の森に入ってみますと、人間の目もすぐになれて、
森の陰影が昼間の世界のように見えてくるから不思議です。
人間の目も、かなり感度がいいんだなぁー、ということにも気づきます。

夜の森を利用するときは、月の明かりに手助けしてもらうといいでしょう。
満月を中心にして、前後１週間くらいは、夜の森を十分に楽しめます。
月明かりが、こんなにも明るく、そしてよく見えることに改めて気づかされます。

そんな夜間には、動物たちに出会うこともできます。
日本の動物たちは、夜間は光を吸収するような毛並みになっているので、
直接姿を見ることは難しいのですが、
月明かりが濃いと動物の「影」がくっきりとシルエットとなって見えます。
ですから、動物本体を探すよりも、影を先に探します。
影は月夜を引きずって動いていきますから、
その影のパララックス（視差）を追えばその先に動物がいるということになります。

こうして、毎月ある満月を楽しみ、月光浴をしながら自然に親しんでいると、
おのずと心は素直になり自然のありがたみがとてもよく感じられるようになってきます。
「月の魔力」が人間に自然界の営みを教えてくれるような気がします。
&#160;



今、日本では人間が作ったエネルギーがどんどん増殖しながら、
自然界にはかりしれない影響を与えはじめています。
電気が満月以上の明るさで、夜の日本を支配しているから、人間は光によるホルモンバランスを崩され、
そこに暮らす生きものたちや人間のすべてが心を狂わされていっているように思えてなりません。
&#160;

（Photo：東京・新宿にはドバトが深夜に活動していた）

都心などに暮らすドバトも夜間活動に移行するものが増えてきました。
ドバトは昼間活動して夜間は眠らなければならない鳥なのに、
すっかり夜行性になったものも少なくありません。

また、人口密集地にいけば街路灯や自動販売機などが蔓延し、
光の周波数に反応する昆虫たちが次々に集まっています。
こうして明かりに集められた虫たちは正常な場所での産卵もできず、
その場で死んでしまうものが少なくありません。
このため、種類によっては昆虫が激減しているものもあります。

さらには、アマガエルのように自動販売機に住み着くことで、
集まってくる虫を餌にしながら電気エネルギーを歓迎しているような生物もいます。
そして、薄暮系のキツネやタヌキのような日本古来の野生動物も
人工光を巧みに利用して活動しているものも少なくありません。
&#160;

（Photo：自動販売機の照明を求めて虫があつまり、
それを食べるためにアマガエルもレストランと考えているようだ）


「月の魔力」は地球上のすべての生物には大なり小なり関係していることでしょう。
しかし、人工光の功罪はもっと大きくなっていくと思います。
人間によってつくりあげられた明かりは、生物にとっては、本来寝ている時間に餌を捕ったり、
本来いない場所に餌がやってくるなどの、間接的な「餌付け」を生み出すことにもなります。

そのようなことは、自然界ではやはりあってはならないことですが、
それに加担している私たち人間は、いまここで電気エネルギーの利用を真剣に考え直さなければいけないのではないでしょうか。
毎月やってくる「満月」と相談しながら夜を考えていけば答えもでてくるのではないかと思います。
&#160;

（Photo：国道の信号機付近で眠るハクセキレイたち）


&#160;
（Photo：深夜のため池で、アオサギがさかんに餌とりをしていた）



（Photo：街の灯りをうけて樹上にシラサギたちが眠る）&#160;



（Photo：都心の夜景は、あまりにも無機質に感じてならなかった）

]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img width="393" height="390" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/9).jpg" alt="" />
<br />&nbsp;</p>
<p>夜の森は、とても神秘的です。<br />
私たち人間には、真っ暗で恐ろしいところのように感じますが、そんなところではありません。<br />
ボクはこれまでたくさんの夜の森をみてきました。<br />
<br />
夜の森は、意外によく見えるものです。<br />
実際に夜の森に入ってみますと、人間の目もすぐになれて、<br />
森の陰影が昼間の世界のように見えてくるから不思議です。<br />
人間の目も、かなり感度がいいんだなぁー、ということにも気づきます。<br />
<br />
夜の森を利用するときは、月の明かりに手助けしてもらうといいでしょう。<br />
満月を中心にして、前後１週間くらいは、夜の森を十分に楽しめます。<br />
月明かりが、こんなにも明るく、そしてよく見えることに改めて気づかされます。<br />
<br />
そんな夜間には、動物たちに出会うこともできます。<br />
日本の動物たちは、夜間は光を吸収するような毛並みになっているので、<br />
直接姿を見ることは難しいのですが、<br />
月明かりが濃いと動物の「影」がくっきりとシルエットとなって見えます。<br />
ですから、動物本体を探すよりも、影を先に探します。<br />
影は月夜を引きずって動いていきますから、<br />
その影のパララックス（視差）を追えばその先に動物がいるということになります。<br />
<br />
こうして、毎月ある満月を楽しみ、月光浴をしながら自然に親しんでいると、<br />
おのずと心は素直になり自然のありがたみがとてもよく感じられるようになってきます。<br />
「月の魔力」が人間に自然界の営みを教えてくれるような気がします。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/8).jpg" alt="" />
<br />
<br />
<br />今、日本では人間が作ったエネルギーがどんどん増殖しながら、<br />
自然界にはかりしれない影響を与えはじめています。<br />
電気が満月以上の明るさで、夜の日本を支配しているから、人間は光によるホルモンバランスを崩され、<br />
そこに暮らす生きものたちや人間のすべてが心を狂わされていっているように思えてなりません。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/4).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：東京・新宿にはドバトが深夜に活動していた）</span>
<br />
<br />都心などに暮らすドバトも夜間活動に移行するものが増えてきました。<br />
ドバトは昼間活動して夜間は眠らなければならない鳥なのに、<br />
すっかり夜行性になったものも少なくありません。<br />
<br />
また、人口密集地にいけば街路灯や自動販売機などが蔓延し、<br />
光の周波数に反応する昆虫たちが次々に集まっています。<br />
こうして明かりに集められた虫たちは正常な場所での産卵もできず、<br />
その場で死んでしまうものが少なくありません。<br />
このため、種類によっては昆虫が激減しているものもあります。<br />
<br />
さらには、アマガエルのように自動販売機に住み着くことで、<br />
集まってくる虫を餌にしながら電気エネルギーを歓迎しているような生物もいます。<br />
そして、薄暮系のキツネやタヌキのような日本古来の野生動物も<br />
人工光を巧みに利用して活動しているものも少なくありません。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/5).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：自動販売機の照明を求めて虫があつまり、<br />
それを食べるためにアマガエルもレストランと考えているようだ）</span>
<br />
<br />
<br />「月の魔力」は地球上のすべての生物には大なり小なり関係していることでしょう。<br />
しかし、人工光の功罪はもっと大きくなっていくと思います。<br />
人間によってつくりあげられた明かりは、生物にとっては、本来寝ている時間に餌を捕ったり、<br />
本来いない場所に餌がやってくるなどの、間接的な「餌付け」を生み出すことにもなります。<br />
<br />
そのようなことは、自然界ではやはりあってはならないことですが、<br />
それに加担している私たち人間は、いまここで電気エネルギーの利用を真剣に考え直さなければいけないのではないでしょうか。<br />
毎月やってくる「満月」と相談しながら夜を考えていけば答えもでてくるのではないかと思います。<br />
&nbsp;</p>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/２）.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：国道の信号機付近で眠るハクセキレイたち）<br />
<br />
</span>
<p>&nbsp;<img width="440" height="330" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/6)(4).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：深夜のため池で、アオサギがさかんに餌とりをしていた）<br />
<br />
</span>
<p><img width="451" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/10).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：街の灯りをうけて樹上にシラサギたちが眠る）</span>&nbsp;<br />
<br />
<br />
<img width="480" height="360" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/12).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：都心の夜景は、あまりにも無機質に感じてならなかった）</span>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>森と大地とノネズミ、そしてフクロウ</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/fukurou/235.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/fukurou/235.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 27 Jul 2011 13:52:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[ノネズミ]]></category>

		<category><![CDATA[フクロウ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/?p=235</guid>
		<description><![CDATA[&#160;
中央アルプス山麓の高原、真夏の深夜。
月明かりに照らされて、フクロウが音もなく飛来してきたかと思うと、枯れた杭にふわりと止まりました。
杭の上でしばらく地上を見つめていたと思ったら、
これまた音もなく舞い降りてノネズミを一瞬のうちに捕まえてしまいました。
そして、フクロウは悠然と森に帰っていきました。
&#160;
この杭は、どうやらフクロウの狩り場となる止まり木のようです。
ならば、フクロウがまたやってくるにちがいないと思い、
高感度の双眼鏡を三脚につけてそっと隠れて見守ってみました。
すると、３０分もしないうちに、フクロウがやってきました。
さきほどと同じように杭の上から地上を見つめ、再び舞い降りてネズミを捕まえていきました。
&#160;
&#160;

（Photo：ノネズミを捕まえて、巣に戻るフクロウ）


&#160;
フクロウは、ネズミが主食の猛禽類です。
１羽のフクロウが、一年間におよそ最低でも２５００匹ほどのネズミを捕まえて生活しています。
ネズミはこんなにフクロウに捕まえられては絶滅してしまうと思われそうですが、
ネズミの繁殖力はすごいものがありますから心配いりません。
とにかく、ノネズミは妊娠期間が２１日ですから、次々に新しい世代がうまれてくるからです。
しかも、親ネズミの平均寿命なんて１年くらいしかありません。

こうして、ネズミは１０メートルおきに１匹いる計算になるくらい、日本の山野にはたくさん生息しています。
こんなにたくさんいるネズミですが、フクロウだけでなくタカやヘビなどにも絶えず狙われています。
海のイワシと同じような立場にあるのが陸の「ネズミ」と思っていいでしょう。
&#160;
&#160;

（Photo：巣穴から顔を出したアカネズミ）


&#160;
大地にネズミがこんなにたくさん生息しているのには、意味があります。
それは、ネズミは大地の表土の浅いところにトンネルを掘って生活していますので、
土中のバクテリアたちに酸素を送るという役目を担っています。
&#160;
土中には何億匹といった小さなバクテリアたちがいて、彼らは土を柔らかくする仕事をしています。
こうしてバクテリアが活発になれば、植物などの根もどんどん延びていけますから、
山野が元気になっていきます。
&#160;
草原や農耕地、林、森林と、それぞれ生活に適したネズミたちが生活しているので、
ノネズミたちの活動が日本の豊かな緑を作ることになっているのです。
そして、植物や樹木が元気だと、ネズミたちの餌となる種子などがたくさんできますから、
ネズミたちも元気に活発になれるというわけです。
&#160;
&#160;

（Photo：アカネズミ。倒木をバイパス道路のようにして、すごく早く走っていきます）


&#160;
こうして、ネズミたちも増えていけば、
フクロウなどのネズミを餌とする生き物もどんどんネズミを食べて元気に繁殖します。
フクロウが巣を作る豊かな森では、秋になると葉が落ちて、
それが土を作る元になり、木の実はネズミを育てます。
これが、まさに食物連鎖であって、
こうしたフードチェーンを知るだけでも、大地がいかに大切なものかが分かります。
&#160;
その大地を、私たち人間は放射能で汚染してしまいました。
ノネズミにはその影響が一番先に現れてくると思いますが、
それを食べるフクロウたちにも連鎖していくのではないかと心配しています。
これからは、放射能という未知の分野も視野にいれた目で、
自然環境を観察していく必要が出来てしまいました。
&#160;
&#160;

（Photo：これは顔の丸いスミスネズミ。落ち葉は大地にとって必要な栄養分）



&#160;
&#160;

]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>&nbsp;<img width="426" height="210" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/001(7).jpg" alt="" />
<p>中央アルプス山麓の高原、真夏の深夜。</p>
<div>月明かりに照らされて、フクロウが音もなく飛来してきたかと思うと、枯れた杭にふわりと止まりました。</div>
<div>杭の上でしばらく地上を見つめていたと思ったら、<br />
これまた音もなく舞い降りてノネズミを一瞬のうちに捕まえてしまいました。</div>
<div>そして、フクロウは悠然と森に帰っていきました。</div>
<div>&nbsp;</div>
<div>この杭は、どうやらフクロウの狩り場となる止まり木のようです。</div>
<div>ならば、フクロウがまたやってくるにちがいないと思い、<br />
高感度の双眼鏡を三脚につけてそっと隠れて見守ってみました。</div>
<div>すると、３０分もしないうちに、フクロウがやってきました。</div>
<div>さきほどと同じように杭の上から地上を見つめ、再び舞い降りてネズミを捕まえていきました。<br />
&nbsp;</div>
<div>&nbsp;</div>
<div><img width="470" height="360" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/fu002.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102); ">（Photo：ノネズミを捕まえて、巣に戻るフクロウ）<br />
<br />
</span></div>
<div>&nbsp;</div>
<div>フクロウは、ネズミが主食の猛禽類です。</div>
<div>１羽のフクロウが、一年間におよそ最低でも２５００匹ほどのネズミを捕まえて生活しています。</div>
<div>ネズミはこんなにフクロウに捕まえられては絶滅してしまうと思われそうですが、<br />
ネズミの繁殖力はすごいものがありますから心配いりません。</div>
<div>とにかく、ノネズミは妊娠期間が２１日ですから、次々に新しい世代がうまれてくるからです。</div>
<div>しかも、親ネズミの平均寿命なんて１年くらいしかありません。<br />
<br />
こうして、ネズミは１０メートルおきに１匹いる計算になるくらい、日本の山野にはたくさん生息しています。</div>
<div>こんなにたくさんいるネズミですが、フクロウだけでなくタカやヘビなどにも絶えず狙われています。<br />
海のイワシと同じような立場にあるのが陸の「ネズミ」と思っていいでしょう。<br />
&nbsp;</div>
<div>&nbsp;</div>
<div><img width="436" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/fu003.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102); ">（Photo：巣穴から顔を出したアカネズミ）<br />
<br />
</span></div>
<div>&nbsp;</div>
<div>大地にネズミがこんなにたくさん生息しているのには、意味があります。</div>
<div>それは、ネズミは大地の表土の浅いところにトンネルを掘って生活していますので、<br />
土中のバクテリアたちに酸素を送るという役目を担っています。<br />
&nbsp;</div>
<div>土中には何億匹といった小さなバクテリアたちがいて、彼らは土を柔らかくする仕事をしています。</div>
<div>こうしてバクテリアが活発になれば、植物などの根もどんどん延びていけますから、<br />
山野が元気になっていきます。<br />
&nbsp;</div>
<div>草原や農耕地、林、森林と、それぞれ生活に適したネズミたちが生活しているので、<br />
ノネズミたちの活動が日本の豊かな緑を作ることになっているのです。</div>
<div>そして、植物や樹木が元気だと、ネズミたちの餌となる種子などがたくさんできますから、<br />
ネズミたちも元気に活発になれるというわけです。<br />
&nbsp;</div>
<div>&nbsp;</div>
<div><img width="450" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/fu004.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(128, 0, 128); ">（Photo：アカネズミ。倒木をバイパス道路のようにして、すごく早く走っていきます）<br />
<br />
</span></div>
<div>&nbsp;</div>
<div>こうして、ネズミたちも増えていけば、<br />
フクロウなどのネズミを餌とする生き物もどんどんネズミを食べて元気に繁殖します。</div>
<div>フクロウが巣を作る豊かな森では、秋になると葉が落ちて、<br />
それが土を作る元になり、木の実はネズミを育てます。</div>
<div>これが、まさに食物連鎖であって、<br />
こうしたフードチェーンを知るだけでも、大地がいかに大切なものかが分かります。<br />
&nbsp;</div>
<div>その大地を、私たち人間は放射能で汚染してしまいました。</div>
<div>ノネズミにはその影響が一番先に現れてくると思いますが、<br />
それを食べるフクロウたちにも連鎖していくのではないかと心配しています。</div>
<div>これからは、放射能という未知の分野も視野にいれた目で、<br />
自然環境を観察していく必要が出来てしまいました。<br />
&nbsp;</div>
<div>&nbsp;</div>
<div><img width="450" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/fu005.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102); ">（Photo：これは顔の丸いスミスネズミ。落ち葉は大地にとって必要な栄養分）<br />
<br />
<br />
</span></div>
<p>&nbsp;<img width="399" height="600" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/fu-006.jpg" alt="" />
<br />&nbsp;</p>

]]></content:encoded>
			<wfw:commentRss>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/fukurou/235.html/feed</wfw:commentRss>
		</item>
		<item>
		<title>カッコウと里親鳥の攻防戦</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/bird/228.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/bird/228.html#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 29 Jun 2011 15:12:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[野鳥]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/?p=228</guid>
		<description><![CDATA[
（Photo：巣立ち間際のカッコウのヒナ）
朝、カッコウの声で目が覚めました。

早朝より、
「カッコウ　カッコウ　&#8230;　」と、しきりに鳴いています。
この声を聞くと、信州の里にもやっと初夏が来たなぁーと毎年思います。

カッコウは、その声の特徴からそのまんまに鳴きますので、誰でも名前だけは知っている野鳥です。
私たちにはたいへん親しみのある声ですが、自然界ではカッコウの声をすごく迷惑がっている野鳥も少なくありません。
それは、カッコウは自分で子育てをしないで、オオヨシキリやモズなどに卵を預けてしまうからです。
このため、里親をさせられるほうはたまったものではありません。
自分の子供ではないと分かっていても、育てあげなければならない不条理にさらされるから、カッコウのことが嫌いなのです。

だから、「カッコウ」という声を聞けば憎悪が敏感に反応してしまって、カッコウを追い払いにいきます。
実はこれがカッコウの作戦なのであって、雄のカッコウが｢カッコウ　カッコウ」と鳴けば、近所で巣づくりをしているオオヨシキリやモズが騒ぎ立てます。
この隙に、雌のカッコウが里親となる巣へ飛び込んでいって卵を産んでしまいます。
このとき、里親となる巣の卵の数合わせをするために、カッコウの雌は相手の卵をひとつ口にくわえて逃げていきます。
こうして、里親たちはまんまとカッコウの作戦にひっかかってしまいます。

こうして産み込まれたカッコウの卵は、オオヨシキリの卵たちよりも1～2日早く孵化します。
早く生まれて、義兄弟となるオオヨシキリの卵をカッコウのヒナは背中に背負って全部外へ押し出してしまいます。
兄弟がいると餌を独り占めできないから、義兄弟となる卵は捨てて殺してしまうのです。
何千年も前から生物の進化としてカッコウが生きてきた姿ですから、これは自然界での、当たり前に繰り返される生命の試練なのです。

もっとも、カッコウだけが戦略的に優位に立っているとはかぎりません。
育ての親に見破られて、逆にカッコウの卵を捨てられたり、子育て放棄に遭うことも少なくありません。
そうしたこともあるので、カッコウは乱婚という形でいろんな雄と交尾しながら、それぞれの雄のカッコウに流れているＤＮＡを広範にばら撒くことを考えているようです。
このため、里親にさせられる呑気な野鳥がいると、カッコウたちに集中的に狙われて子育てをさせられることもあります。
このようなときには、一時的にカッコウの数が増えますので、いたるところで「カッコウ　カッコウ&#8230;」とさかんに声が聞かれる年もあります。

今年は、カッコウの声が一応は聞かれますが、全体的にはかなり少ないものです。
たぶん、ここ2～3年ほど前に、里親にさせられる野鳥たちが他人の子育てをさせられてはたまらないと、カッコウの子育て放棄が一斉にあったにちがいありません。
そのうちに、里親たちも世代交代を繰り返していきますから、その不条理さを時間とともに忘れてしまうものもいて、再びカッコウのＤＮＡ戦略に卵を預けられてしまうことが起きてきます。
そうすれば、カッコウの声も再びにぎやかになると思います。
自然界は、こうして、かなり厳しく生命のバトンタッチが繰り返されていくものです。
それが自然であって、いろんな試練に生命も磨かれていくのです。
そんな自然界の裏側を知っていれば、カッコウの声もまたちがった捉え方ができて楽しいものです。

（Photo：喉をふくらませて鳴くカッコウ）
&#160;

（Photo：里親にさせられるオオヨシキリ）
&#160;

（Photo：カッコウは乱婚なので、雌は雄を原則的にすべてうけいれます）
&#160;

（Photo：オオヨシキリの巣に産み込まれたカッコウの卵（矢印））
&#160;

（Photo：オオヨシキリは自分より大きくなったカッコウを育てます）
&#160;

（Photo：一足早く生まれたカッコウのヒナは、オオヨシキリの卵を背負って巣の外へ捨ててしまいます）

]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img width="466" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/7(2).jpg" alt="カッコウのヒナ" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：巣立ち間際のカッコウのヒナ）</span>
<p>朝、カッコウの声で目が覚めました。<br />
<br />
早朝より、<br />
「カッコウ　カッコウ　&hellip;　」と、しきりに鳴いています。<br />
この声を聞くと、信州の里にもやっと初夏が来たなぁーと毎年思います。<br />
<br />
カッコウは、その声の特徴からそのまんまに鳴きますので、誰でも名前だけは知っている野鳥です。<br />
私たちにはたいへん親しみのある声ですが、自然界ではカッコウの声をすごく迷惑がっている野鳥も少なくありません。<br />
それは、カッコウは自分で子育てをしないで、オオヨシキリやモズなどに卵を預けてしまうからです。<br />
このため、里親をさせられるほうはたまったものではありません。<br />
自分の子供ではないと分かっていても、育てあげなければならない不条理にさらされるから、カッコウのことが嫌いなのです。<br />
<br />
だから、「カッコウ」という声を聞けば憎悪が敏感に反応してしまって、カッコウを追い払いにいきます。<br />
実はこれがカッコウの作戦なのであって、雄のカッコウが｢カッコウ　カッコウ」と鳴けば、近所で巣づくりをしているオオヨシキリやモズが騒ぎ立てます。<br />
この隙に、雌のカッコウが里親となる巣へ飛び込んでいって卵を産んでしまいます。<br />
このとき、里親となる巣の卵の数合わせをするために、カッコウの雌は相手の卵をひとつ口にくわえて逃げていきます。<br />
こうして、里親たちはまんまとカッコウの作戦にひっかかってしまいます。<br />
<br />
こうして産み込まれたカッコウの卵は、オオヨシキリの卵たちよりも1～2日早く孵化します。<br />
早く生まれて、義兄弟となるオオヨシキリの卵をカッコウのヒナは背中に背負って全部外へ押し出してしまいます。<br />
兄弟がいると餌を独り占めできないから、義兄弟となる卵は捨てて殺してしまうのです。<br />
何千年も前から生物の進化としてカッコウが生きてきた姿ですから、これは自然界での、当たり前に繰り返される生命の試練なのです。<br />
<br />
もっとも、カッコウだけが戦略的に優位に立っているとはかぎりません。<br />
育ての親に見破られて、逆にカッコウの卵を捨てられたり、子育て放棄に遭うことも少なくありません。<br />
そうしたこともあるので、カッコウは乱婚という形でいろんな雄と交尾しながら、それぞれの雄のカッコウに流れているＤＮＡを広範にばら撒くことを考えているようです。<br />
このため、里親にさせられる呑気な野鳥がいると、カッコウたちに集中的に狙われて子育てをさせられることもあります。<br />
このようなときには、一時的にカッコウの数が増えますので、いたるところで「カッコウ　カッコウ&hellip;」とさかんに声が聞かれる年もあります。<br />
<br />
今年は、カッコウの声が一応は聞かれますが、全体的にはかなり少ないものです。<br />
たぶん、ここ2～3年ほど前に、里親にさせられる野鳥たちが他人の子育てをさせられてはたまらないと、カッコウの子育て放棄が一斉にあったにちがいありません。<br />
そのうちに、里親たちも世代交代を繰り返していきますから、その不条理さを時間とともに忘れてしまうものもいて、再びカッコウのＤＮＡ戦略に卵を預けられてしまうことが起きてきます。<br />
そうすれば、カッコウの声も再びにぎやかになると思います。<br />
自然界は、こうして、かなり厳しく生命のバトンタッチが繰り返されていくものです。<br />
それが自然であって、いろんな試練に生命も磨かれていくのです。<br />
そんな自然界の裏側を知っていれば、カッコウの声もまたちがった捉え方ができて楽しいものです。</p>
<p><img width="490" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/1(7).jpg" alt="カッコウ" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：喉をふくらませて鳴くカッコウ）</span>
<p>&nbsp;</p>
<p><img width="278" height="450" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/2(5).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：里親にさせられるオオヨシキリ）</span>
<p>&nbsp;</p>
<p><img width="466" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/4(4).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：カッコウは乱婚なので、雌は雄を原則的にすべてうけいれます）</span>
<p>&nbsp;</p>
<p><img width="466" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/5-2.jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：オオヨシキリの巣に産み込まれたカッコウの卵（矢印））</span>
<p>&nbsp;</p>
<p><img width="486" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/6(3).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：オオヨシキリは自分より大きくなったカッコウを育てます）</span>
<p>&nbsp;</p>
<p><img width="463" height="300" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/9(3).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：一足早く生まれたカッコウのヒナは、オオヨシキリの卵を背負って巣の外へ捨ててしまいます）</span>

]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>モモンガの棲む森</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/momonga/225.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/momonga/225.html#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 26 May 2011 14:34:21 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[モモンガ]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/?p=225</guid>
		<description><![CDATA[
いまから30年も前のこと、中央アルプスの森林帯でボクはクマタカの撮影をしたことがあります。
太い樹の上にボクの身を隠すブラインドを張って、そこに隠れて撮影をしていたのです。
そのブラインドに、あるときモモンガが７匹も棲みついてしまったことがあります。
モモンガたちは、ボクの汗拭き用に置いてあったタオルを布団がわりにして、木の皮と一緒に巣をつくって寝ていたのです。
そんな熟睡しているところに、いきなりボクが登っていってブラインドを開けたものですから大パニックになってブラインド中を走りまわっていました。
モモンガは本来は樹洞に巣をつくると思っていたのに、ブラインドというテント生地の中に７頭も棲みついたのには驚きました。

モモンガは、リスくらいの大きさで、目がまん丸で大きくて、とても可愛らしい顔をしています。
夜行性で、植物の芽や実などを主食にして生きている動物です。
夜の森でひっそり生活していますので、その姿をなかなか見ることはできません。
このため、とても数が少なくきわめて珍しい動物のように思われてしまっています。
ボクも以前は、「モモンガはどこにいるんだろう」と思い、長い間あこがれていた動物でした。
偶然ボクのブラインドに巣を作ったモモンガたちも、会いたいと思うとなかなか顔を見せてくれないのです。

（Photo：モモンガはキツツキの開けた穴を借用して巣にすることがあります）

ところがそのモモンガに、ある夜間やっと出会うことができました。
林につづく道路を車で走っていたところ、文庫本をひろげたくらいの大きさの生き物が、真っ暗闇の暗い林の樹間を滑空していったのです。
モモンガは、ムササビのように腕と腿にかけて膜をもっており、これをマントのように広げて高いところから低いところまで空中を滑空することができます。

その現場は、意外にも人家に近いところでした。
こんなところにもモモンガが生息しているのだ、というのがそのときの第一印象でした。
ボクはこの出会いをして以来、「モモンガは身近なところに確実にいる」という考えに変わりました。
そして、山野にでかけるたびに、モモンガが巣穴にしているであろう樹木の穴を丁寧に探すようになりました。
すると、モモンガの巣穴が、樹幹にも見つかるようになり、モモンガに近づくことができているとう確信が持てるようになってきました。

（Photo：滑空してきて着地した瞬間のモモンガ）

しかし夜行性のモモンガを撮影するのはなかなか難しいことでした。
ボクの得意なロボットカメラで見張ることを思いつき、無人での観察からスタートして少しずつモモンガのことを観察していったのです。
いつ顔を見せるかわからないモモンガを待って真夜中ずっと起きているのは不可能に近いです。
しかし、ロボットカメラなら夜間のどんな時間帯でも、きちんと予測をたて、センサーをしかけておけば確実に撮影してデータを見せてくれます。

林のなかに設置されたロボットカメラは、３台。
それぞれに、樹幹にそってときには１年間にもおよぶ撮影を試みました。
その結果、ロボットカメラはモモンガの動きを確実に捉えてくれました。
樹幹にそって登っていったり、下ってきたり、とにかく夜の森のなかでモモンガは活発に行動していることを記録してくれたのです。
日本の自然界はわからないことばかりです。
それをどうやって身近なものへもちこむには、観察あるのみです。
観察していれば必ずヒントが生まれ、「黙して語らない自然界」を少しずつ知っていくことができます。
モモンガ観察は、ボクにとってやっとはじまったばかりですが、これから夜の森でモモンガと語り合えると思えばうれしくなります。
&#160;

（Photo：昼間の樹幹で遊ぶモモンガの子供たち）

（Photo：昼間なのに、樹幹をさかさまになって降りてきたモモンガ）

（Photo：モモンガの好きな林）

（Photo：こんな別荘地のある林も、モモンガの棲みかです）

]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img height="450" width="299" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/3(4).jpg" alt="モモンガ" />
<p>いまから30年も前のこと、中央アルプスの森林帯でボクはクマタカの撮影をしたことがあります。<br />
太い樹の上にボクの身を隠すブラインドを張って、そこに隠れて撮影をしていたのです。<br />
そのブラインドに、あるときモモンガが７匹も棲みついてしまったことがあります。<br />
モモンガたちは、ボクの汗拭き用に置いてあったタオルを布団がわりにして、木の皮と一緒に巣をつくって寝ていたのです。<br />
そんな熟睡しているところに、いきなりボクが登っていってブラインドを開けたものですから大パニックになってブラインド中を走りまわっていました。<br />
モモンガは本来は樹洞に巣をつくると思っていたのに、ブラインドというテント生地の中に７頭も棲みついたのには驚きました。<br />
<br />
モモンガは、リスくらいの大きさで、目がまん丸で大きくて、とても可愛らしい顔をしています。<br />
夜行性で、植物の芽や実などを主食にして生きている動物です。<br />
夜の森でひっそり生活していますので、その姿をなかなか見ることはできません。<br />
このため、とても数が少なくきわめて珍しい動物のように思われてしまっています。<br />
ボクも以前は、「モモンガはどこにいるんだろう」と思い、長い間あこがれていた動物でした。<br />
偶然ボクのブラインドに巣を作ったモモンガたちも、会いたいと思うとなかなか顔を見せてくれないのです。</p>
<p><img height="480" width="319" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/2(4).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：モモンガはキツツキの開けた穴を借用して巣にすることがあります）</span>
<p>
<br />ところがそのモモンガに、ある夜間やっと出会うことができました。<br />
林につづく道路を車で走っていたところ、文庫本をひろげたくらいの大きさの生き物が、真っ暗闇の暗い林の樹間を滑空していったのです。<br />
モモンガは、ムササビのように腕と腿にかけて膜をもっており、これをマントのように広げて高いところから低いところまで空中を滑空することができます。<br />
<br />
その現場は、意外にも人家に近いところでした。<br />
こんなところにもモモンガが生息しているのだ、というのがそのときの第一印象でした。<br />
ボクはこの出会いをして以来、「モモンガは身近なところに確実にいる」という考えに変わりました。<br />
そして、山野にでかけるたびに、モモンガが巣穴にしているであろう樹木の穴を丁寧に探すようになりました。<br />
すると、モモンガの巣穴が、樹幹にも見つかるようになり、モモンガに近づくことができているとう確信が持てるようになってきました。</p>
<p><img height="480" width="319" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/4(3).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：滑空してきて着地した瞬間のモモンガ）</span>
<p>
<br />しかし夜行性のモモンガを撮影するのはなかなか難しいことでした。<br />
ボクの得意なロボットカメラで見張ることを思いつき、無人での観察からスタートして少しずつモモンガのことを観察していったのです。<br />
いつ顔を見せるかわからないモモンガを待って真夜中ずっと起きているのは不可能に近いです。<br />
しかし、ロボットカメラなら夜間のどんな時間帯でも、きちんと予測をたて、センサーをしかけておけば確実に撮影してデータを見せてくれます。<br />
<br />
林のなかに設置されたロボットカメラは、３台。<br />
それぞれに、樹幹にそってときには１年間にもおよぶ撮影を試みました。<br />
その結果、ロボットカメラはモモンガの動きを確実に捉えてくれました。<br />
樹幹にそって登っていったり、下ってきたり、とにかく夜の森のなかでモモンガは活発に行動していることを記録してくれたのです。<br />
日本の自然界はわからないことばかりです。<br />
それをどうやって身近なものへもちこむには、観察あるのみです。<br />
観察していれば必ずヒントが生まれ、「黙して語らない自然界」を少しずつ知っていくことができます。<br />
モモンガ観察は、ボクにとってやっとはじまったばかりですが、これから夜の森でモモンガと語り合えると思えばうれしくなります。<br />
&nbsp;</p>
<p><img height="480" width="319" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/005(4).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：昼間の樹幹で遊ぶモモンガの子供たち）</span>
<p><img height="480" width="318" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/007(5).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：昼間なのに、樹幹をさかさまになって降りてきたモモンガ）</span>
<p><img height="300" width="451" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/1(6).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：モモンガの好きな林）</span>
<p><img height="330" width="440" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/008(2).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：こんな別荘地のある林も、モモンガの棲みかです）</span>

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		</item>
		<item>
		<title>タヌキの掃除屋さん</title>
		<link>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/tanuki/223.html</link>
		<comments>http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/tanuki/223.html#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 28 Apr 2011 03:57:09 +0000</pubDate>
		<dc:creator>miyazaki</dc:creator>
		
		<category><![CDATA[タヌキ]]></category>

		<category><![CDATA[旅]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/?p=223</guid>
		<description><![CDATA[
（Photo：被災地の泥の上で、捜索隊の足跡をたどっていくタヌキの足跡）

（Photo：あくびをしているタヌキ）
タヌキは、北海道から九州までほぼ全国に広く棲んでいます。
日本特産種であって、ずっとずっと昔から日本の気候風土と共に過ごしてきた野生動物です。
そして人間とも深いかかわりをもって生きてきた動物ですから、漢字で書くとケモノ偏にさとと書いて「狸」となります。
この字が示すとおり、人間のそばで生活しているタヌキはとても多いのです。

タヌキはずっと昔から位置づけられてきた「自然界での役割」があります。
それは、スカベンジャーとして、自然界を掃除しながらなめらかに環境が営まれるようにするという役割です。
タヌキは雑食性で肉類から植物質までなんでも食べます。しかも肉類ではかなり腐敗の進んだところまで平気で食べて処理してしまう胃袋をもっています。
人間の食べ残した残飯を食べて掃除をしてくれるので、昔から日本人と互いに共存関係にあったから「狸」となったのでしょう。

ボクは3月11日の東北地震による津波で被害を受けた町や村にも、タヌキは多数出没しているのではないかと思いました。
そして今回被災地を取材し、実際に、津波被害にあった泥の上にタヌキの足跡をたくさん見つけました。
被災地の皆さんは、タヌキのことまで気が回らないかもしませんが、夜間になれば相当数のタヌキが被災地現場を徘徊してスカベンジャーをやっていたのです。
ソーセージや魚の加工品、人間の食材も水に浸かったとはいえたくさん流れています。
これらは、人間にとっては「ゴミ」ですが、そこに暮らす野生のタヌキたちにとっては大変なご馳走です。
だから、タヌキはそこいらじゅうを歩きまわってグルメをしていたのです。

そして地震津波の被災地だけでなく、原発事故で立入禁止区域になって取り残された家畜などが死ねば、こちらもタヌキたちの宴となっているでしょう。
自然界のシビアな一面を目の当たりにしていろいろ考えさせられました。
私たちは野生動物をただ「可愛い」とか「きれい」なだけで見てしまってはいけないと思います。
生き物にはみな自然の役割があって、そのルールにそった生き方をしているのが野生動物たちの本来の姿だからです。
普段人間が整備した町に住んでいると気がつかないかもしれませんが、昔から自然界を掃除してきてくれた動物がいること・・。
それで人間はずっと助けられてきた歴史があるのです。
牛や豚の死骸を食べてクリーニングしてくれる生物がいなかったら、その死骸から発生してくる病原菌などによって健康な人間たちも生命を脅かされることになるからです。
そうならないためにも、タヌキのような生物を自然界がプログラムしていることはすばらしいことだと思います。
そんなタヌキの存在を確かな視線で見てあげたいものです。

（Photo：泥の上にくっきりとついたタヌキの足跡）

（Photo：水位に沿って歩いたらしく、何回かにわたって水辺を歩くタヌキの足跡）

（Photo：遠景はすべてガレキ地帯。この奥まで足跡は向かっていた。）

（Photo：この流木の下は「「けもの道」になっていた）

（Photo：大津波の威力はすざまじく、すべてのものを飲み込んでいた）

（Photo：まだ冬毛のままのタヌキ）
&#160;

]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img height="300" width="448" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/4(2).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：被災地の泥の上で、捜索隊の足跡をたどっていくタヌキの足跡）</span>
<p><img height="300" width="452" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/9(2).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：あくびをしているタヌキ）</span>
<p>タヌキは、北海道から九州までほぼ全国に広く棲んでいます。<br />
日本特産種であって、ずっとずっと昔から日本の気候風土と共に過ごしてきた野生動物です。<br />
そして人間とも深いかかわりをもって生きてきた動物ですから、漢字で書くとケモノ偏にさとと書いて「狸」となります。<br />
この字が示すとおり、人間のそばで生活しているタヌキはとても多いのです。<br />
<br />
タヌキはずっと昔から位置づけられてきた「自然界での役割」があります。<br />
それは、スカベンジャーとして、自然界を掃除しながらなめらかに環境が営まれるようにするという役割です。<br />
タヌキは雑食性で肉類から植物質までなんでも食べます。しかも肉類ではかなり腐敗の進んだところまで平気で食べて処理してしまう胃袋をもっています。<br />
人間の食べ残した残飯を食べて掃除をしてくれるので、昔から日本人と互いに共存関係にあったから「狸」となったのでしょう。<br />
<br />
ボクは3月11日の東北地震による津波で被害を受けた町や村にも、タヌキは多数出没しているのではないかと思いました。<br />
そして今回被災地を取材し、実際に、津波被害にあった泥の上にタヌキの足跡をたくさん見つけました。<br />
被災地の皆さんは、タヌキのことまで気が回らないかもしませんが、夜間になれば相当数のタヌキが被災地現場を徘徊してスカベンジャーをやっていたのです。<br />
ソーセージや魚の加工品、人間の食材も水に浸かったとはいえたくさん流れています。<br />
これらは、人間にとっては「ゴミ」ですが、そこに暮らす野生のタヌキたちにとっては大変なご馳走です。<br />
だから、タヌキはそこいらじゅうを歩きまわってグルメをしていたのです。<br />
<br />
そして地震津波の被災地だけでなく、原発事故で立入禁止区域になって取り残された家畜などが死ねば、こちらもタヌキたちの宴となっているでしょう。<br />
自然界のシビアな一面を目の当たりにしていろいろ考えさせられました。<br />
私たちは野生動物をただ「可愛い」とか「きれい」なだけで見てしまってはいけないと思います。<br />
生き物にはみな自然の役割があって、そのルールにそった生き方をしているのが野生動物たちの本来の姿だからです。<br />
普段人間が整備した町に住んでいると気がつかないかもしれませんが、昔から自然界を掃除してきてくれた動物がいること・・。<br />
それで人間はずっと助けられてきた歴史があるのです。<br />
牛や豚の死骸を食べてクリーニングしてくれる生物がいなかったら、その死骸から発生してくる病原菌などによって健康な人間たちも生命を脅かされることになるからです。<br />
そうならないためにも、タヌキのような生物を自然界がプログラムしていることはすばらしいことだと思います。<br />
そんなタヌキの存在を確かな視線で見てあげたいものです。</p>
<p><img height="300" width="451" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/1(5).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：泥の上にくっきりとついたタヌキの足跡）</span>
<p><img height="300" width="451" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/2(3).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：水位に沿って歩いたらしく、何回かにわたって水辺を歩くタヌキの足跡）</span>
<p><img height="300" width="451" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/3(3).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：遠景はすべてガレキ地帯。この奥まで足跡は向かっていた。）</span>
<p><img height="300" width="448" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/5(3).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：この流木の下は「「けもの道」になっていた）</span>
<p><img height="330" width="440" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/6(2).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：大津波の威力はすざまじく、すべてのものを飲み込んでいた）</span>
<p><img height="300" width="457" src="http://fireside-essay.jp/modules/miyazaki/uploads/7(1).jpg" alt="" />
<br /><span style="color: rgb(153, 51, 102);">（Photo：まだ冬毛のままのタヌキ）</span>
<br />&nbsp;</p>

]]></content:encoded>
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