エッセイ集 薪ストーブの里から

宮崎学 フォトエッセイ 森の動物日記

森と里と野生動物たちから教わった自然のメッセージ 信州・駒ヶ根在住の動物写真家宮崎学のフォトエッセイです

美しい三陸海岸の思い出

2011/3/25 miyazaki | カテゴリー: タカ, , 野鳥 | comments(4) »


(Photo:八戸市の近くの美しい海岸線)

三陸海岸は、とてもすばらしいところです。
ここの景色が大好きで、ボクは茨城県から福島、宮城、岩手、青森県へと海岸線を何回も車で走ったことがあります。
あるときには、タカの勇姿を求め、またあるときにはカラスの巣を探して経巡りました。


(Photo:カラスの小さなヒナたち)


ボクの車は一見普通のワンボックス車ですが、中にはベッドや炊事道具までついています。
こうした車なので、気の向くまま、好きなところで寝泊りをして旅を続けています。
このような旅では、やはり地域の人々と会話をして、いろんな知見を得る楽しみがあります。
魚介類が大好きなボクは、それぞれの地で新鮮な魚たちに出合うことが大きな楽しみです。
とにかく、市場に寄ったり、漁港に寄ったりして、のんびりと旅を続けるのが好きなのです。


(Photo:新鮮なホヤ)

宮城県の気仙沼市では、たった50円でホヤを買いました。
ホヤは磯臭くて好き嫌いのある食べ物ですが、ボクは大好きです。丸ごとのホヤでしたから、皮を裂き、内臓を出して、柿の実のような色をした肉を刺身で食べるのです。新鮮なホヤは、ほんとうに美味しいものです。
そして、同じく気仙沼から岩手県に抜ける海岸線の小さな魚屋さんでは、生のコウナゴを200円で買いました。信州では「チリジャコ」はありますが、生のコウナゴなんて出合ったことがなかったので、どうして食べてよいのか分かりませんでした。
そこで、お店のオジサンに聞けば。
「このまま、醤油をかけてワサビをちょんといれて、ズルズルっと食べればいいべ」って、教えてくれました。
いやはや、郷に入れば郷に従えで、こうして生のコウナゴを味わうことができました。その味は、甘くてシロウオを柔らかくしたカンジの歯ごたえで実に美味しかったです。


(Photo:生のコウナゴは季節を追って産地も北上していきます)

また、青森の八戸市では、道の駅のようなこじんまりした魚屋さんで「キュウリウオ」を買いました。キュウリウオは、胡瓜のような香りのするサンマくらいあるワカサギのような魚です。東北から北海道沿岸で獲れますが、信州にはほとんどなじみのない魚です。
このキュウリウオは、一夜干しにして焼物にするととても美味しいのです。その昔、北海道の根室でご馳走になった思い出があり、釜石市では一皿4尾250円という安さで売られていました。
さっそく、塩水に半日くらい漬けておいて、車のバックミラーアームに吊るして走り、乾燥させながら旅を続けました。
そんな感じでガソリンスタンドに給油に立ち寄ったら、女店員がボクのキュウリウオを見つけて座り込んで大笑いをしてしまいました。
魚をバックミラーに吊るして走るドライバーなんて地元の漁港にもいないみたいです。
だからといって、燃料代のおまけはありませんでしたが知らない土地での旅のオモシロさは、このような人との出会いもあるのだと思いました。


(Photo:走行中に日干しを試みているキュウリウオ)

こうして、三陸海岸を旅していくのですが、海が豊かですから魚を狙う野鳥もたくさんいます。
ミサゴといって、魚だけを専門に捕まえて生活しているタカの仲間にであったのも幸運でした。しかも、ミサゴは3羽も一緒になって頭上で抜けるような青空を背景に旋回してくれたのです。
また、これから北国に帰る準備をしているのか、ケアシノスリという珍しいタカにも会いました。
ケアシノスリはその名前のとおり脚に毛がはえています。
ユーラシア大陸と北アメリカ北部で夏は子育てをし、冬になると日本各地に少数が越冬にやってくるタカです。
主に、ノネズミを主食にしているのですが、まさか三陸海岸で出会えるとは思ってもみませんでした。


(Photo:脚に毛がはえているケアシノスリ)


(Photo:ミサゴが3羽も上空に飛んでくれた)

このようにすばらしい環境の三陸海岸ですが、このたびは巨大地震と津波による大災害を受けてしまいました。
被害に遭われたかたには心からお見舞い申し上げたいと思います。
そして、一刻も早い復興を願うと同時に、復興のあかつきには再び三陸海岸にでかけたいと思っています。


(Photo:漁港ではカラスがカニをくわえていた)


(Photo:気仙沼付近の浜辺)

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