宮崎学「森の動物日記」

森と里と野生動物たちから教わった自然のメッセージ 信州・駒ヶ根在住の動物写真家宮崎学のフォトエッセイです

凡人キジバトを一流モデルに…

 
(Photo:地味な模様ですが、こうしてじっくりと見るとなかなか渋くて美しい色合いです)

「デデッー ポッポー デデッー ポポー
 デデッー ポッポー デデッー ポポー」

独特な声で鳴くキジバトは、全国どこにいても見られる野生のハト。
別名を「ヤマバト」ともいい、昔から私たち日本人には身近な鳥として親しまれています。
半世紀ほど前までは農地や田舎の住宅地には普通でしたが、近年はハイマツのある高山帯から海岸線、島などにも数多く生息してほんとうに増えてきています。
そんなキジバトですから、もちろんボクの仕事場にしている中央アルプス山麓の高原にものどかな声が漏れてきます。
その声は決して美しいとはいえませんが、なぜか安心できる幼なじみのような、生きたメドレーとして癒されます。


(Photo:このキジバトは胸にキズを持ってきます。電線か山野の樹枝にぶつかったのかもしれません)

一般には平凡と思われ、あまりモデルにする人がいない野鳥です。
しかし、このキジバトが仕事場の林につがいでやってきていることを知ってから、『一流のモデル』にして写真を撮ってみたいと思うようになりました。
なんといってもキジバトは、庭でものんびりと目立たずマイペースで遊ぶ姿がいいので、そのまんまの生活史を写してしまえばいい、と考えたのです。

キジバトなんてどこにでもいるから、野鳥を撮影する人たちにはほとんど見向きもされません。
でも、普段はスターになれないキジバトでも、日本の自然に生かされている住民だから、やはりそこにスポットを当ててみれば何らかの発見もあるハズです。
また、そうした普通のモデルに対して究極のカメラ技術で迫ってみる面白さも感じました。

その結果は、なんと素晴らしい動きを見せてくれて、写真家としてまだまだたくさんの表現方法のあることを教えられました。


(Photo:アップで見ると間の抜けた表情ですが、土着的したたかさが魅力的です)

身近に居る野鳥だからこそきちんと見届けてなかったことを反省しながら、どんな生物にも好き嫌いなく接していればいろんな発見をさせてくれるものだと思いました。
そんな見方ができるようになると、自然なんて無限なテーマがあって、ほんとうに奥が深いことにも気づかされます。

 
(Photo:庭に仕掛けたカメラの前でまるでダンスのような、いろんなポーズで決めてくれました。マイケル・ジャクソンみたいです)

(Photo:日光浴中です。こうして、体についた虫を落としています)

(Photo:飛ぶ姿はなかなか凛々しく、力強い。人知れず、このような飛翔をたえず繰り返しているのです)

(Photo:森を飛翔する瞬間をとられました)

(Photo:カメラと一緒にモデル撮影会)


(Photo:川の水を飲むキジバト。地味な「保護色」の必要性を感じます。こうして地面に下りたときには安心して水が飲めるのかもしれません)

(Photo:ハト族のキジバトは必ず2卵という自然界の取り決めがあります)

 



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